スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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71話・戻る理由

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 俺がラスに言った冗談が聞こえていたようで、フィア婆様から、ありがたい言葉を貰った後、俺解放してくれる。
 解放後すぐに、

「それで、ラスのスキルはいつ試すんだい?」

 先程までのやり取りが何事もなかったかのように、話を変えてきた。

「ラスの体調次第ですね」

 そう答えてから、ラス本人に確認する。

「なぁ、ラス。この後、ラスのスキルを試す予定になっているけど、どうする? 休憩を挟むか?」

「いえ、今すぐやります!!」

 模擬戦後だとは思えない程、ラスはやる気に満ち溢れていた。

「そ… そうか。だそうですよ、フィア婆様」

「みたいだね。それで、その新しいスキルをどうやって試すつもりなんだい?」

「一応、スキルをそのまま使って貰おうと思ってます」

「そうかい。なら、私は部屋に戻っておくから、何かあったら呼んどくれ」

「えっ!!」

「なんだい、そんなに驚いて」

「いや、フィア婆様の事なので、使ったスキルを私に試してみなくらい言うもんだと思ってたので、急にそんな事を言われたので驚いたんですよ」

「セウン、あんた私の事を何だと思ってるんだい…」

 そんなの決まっている。
 アグレッシブなお婆ちゃんだ。
 まぁ、正直にそう答えても、意味が伝わらないと思うので、

「元気で、自分のやりたい事に前向きなお婆ちゃんですかね… って、フィア婆様。その振り上げた手は何なんですか?」

「いや、変な事を言ったらぶん殴ろうと思ってね」

「…酷くないですか、それ」

「殴らなかったからいいじゃないかい」

「はぁ… まぁ、いいですけど、子供たちにも同じ事してないですよね?」

「そんな事する訳ないだろ。子供たちには、ちゃんと言って聞かせてるよ」

 なら、俺にもそうしてくれよと喉まで出掛けたが言った所で意味がないかと諦める。

「そうですか… それで、話を戻しますけど、どうして部屋に戻るんですか?」

 ただ単に、戻る理由が気になったので、聞いてみる。

「そんなの簡単な話さ。私へのリベンジに燃えているのに、私だけ使うスキルの内容を知るのは公平じゃないだろ?」

「そうですね…」

「それに、楽しみは後にとっておこうと思ってね」

「楽しみ?」

 最初は何を言っているのか分からなかったけど、少し考えて何となく理解しだす。

「もしかして、ラスの新しいスキルの事ですか?」

「そうさ。初めて見てから、それに対処する方が面白そうじゃないかい」

 ニヤリと笑いながら、そう言ってくる。
 俺は、呆れながら返事をする。

「そうですか… まぁ、ゆっくり休んで下さい」

「そうさせて貰うよ」

 フィア婆様は、そう残して孤児院の中へと戻っていった。
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