スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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72話・驚き

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 今後の楽しみなどの理由で、ラスの新スキルを見るのを止めておくとの事で、フィア婆様は、孤児院の中へと戻っていった。
 フィア婆様とのやり取りを聞いていた4人も少し呆れている様子だった。

「てな訳で、フィア婆様は戻っていったから、俺たちだけで、ラスの新しいスキルを試してみようか?」

「分かりました。お願いします!!」

 元気にラスが返事をし、シエルたち3人も頷いてくれる。

「それじゃあ始める前に、悪いけどもう一度ラスの新しいスキルについて聞いてもいいか?」

「分かりました」

 ステータス画面を開いたラスから、新スキル"鬼神化"について書かれてある詳細を聞く。

「やっぱり、何度聞いても凄そうなスキルだよな…」

「はい。このスキルをしっかり使えるよう頑張ります!!」

「そうだな。まぁでも、無理だけはしないようにな」

「はい!!」

 そうラスとやり取りをしている間、シエルたち3人は一言も喋らないので、どうしたのかと見てみると、3人が3人とも、とても驚いたような顔をしたまま固まっていた。因みに、シェーンとマオは口に手を当てた状態だったけど、シエルに至っては、口は半開きのままだった。
 シエルよ、お姫様がそれでいいのかとも思ったけど、俺が見なかった事にすればいいかと思い、

「どうしたんだ3人とも? そんな驚いたような顔をして?」

 と尋ねる。

「いや、何というか、ラスの新たなスキルの効果に驚いていたんじゃ」

 マオがそう答える。
 シエルとシェーンも、首を縦に降っていたので、同じ事に驚いているようだ。

「あぁ、そう言えば、昨日スキル名しか言ってなかったっけ?」

 今思い返せば、スキル名だけ聞いて、知らないかどうか尋ねただけだったな。
 俺の問いに、マオも加わり、首を縦に降るだけで返す。

「そのなんだ、悪かったな」

 ラスから了承を貰い、今日スキルを試す為に協力して貰うのに、詳細まで話してなかった俺が悪いので一応謝っておく。
 3人は、驚いただけで、特に気にしていないとの事だった。
 ただ、マオより何が起こるか分からないなら、ここでするのは危ないのではないかと指摘を受ける。

「それも、そうだな…」

 少し危機感が足りていなかったと反省する。
 改めて、どこで試すか5人で話し合うと、

「それなら、儂の家ではどうじゃ?」

 マオは、自分の家を提案してきた。

「マオの家か」

「そうじゃ。あそこから、ここより広さもあるし、周りも壁に囲われているから外から見られる心配もないのじゃ」

 マオの言うように、広さはあったなと思い出す。それに、誰かに見られる可能性を考慮するなら、いい場所だと思う。

「でも危なくはないか?」

 確かにここよりはいいかもしれないが、周りに他の家もあったのでそう聞いてみる。

「それは大丈夫なのじゃ。儂もあそこで魔法の練習をする時もあるから、その為の結界も魔道具で張ってあるから安全性もあるのじゃ」

 それならいいかと、

「俺はマオの案でいいと思うけど、皆はどうだ?」

 シエルたちにも聞いてみるけど、特に反対はなかったので、マオの家で試す事になった。
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