スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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7話・回収

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 スライムを倒したと感じた私は、振り下ろしていたままの体勢をもとに戻し、

「ふぅ…」

 バクバクしている心臓を落ち着かせる為に、一呼吸置く。

「お疲れ様、ラス。初めてのモンスターとの戦闘は、どうだった? 気分が悪くなったりしてないか?」

 数回深呼吸した所で、セウンさんが話しかけてくれる。
 まだ少し心臓がバクバクしている以外、特に変わった事はなかった為、

「心配してくれて、ありがとうございます、セウンさん。やっぱり初めてだったからか、まだ少し心臓がバクバクしていますね。それ以外は、特に気分が悪くなったりとかはないですね」

「そうか。なら、良かったよ。じゃあ、このまま続けてスライムを倒せていけそうか?」

 そう言われ、いまだに心臓のバクバクは治まってはいないが、そこまで疲れている訳でもないから、

「はい、大丈夫だと思います!!」

 そう答える。

「なら今度は、俺がラスの後ろからついていくから、辺りを警戒しながら、モンスターを探す所からやってみるか?」

 セウンさんからそう提案され、

「探す所からですか… はい、やってみます!!」

 セウンさんにんぶに抱っこのままでは駄目だと感じた私は、内心少しでもやれる事はやってやると意気込みながら、そう答える。

「よし、じゃあ任せた」

「はい!!」

「あ、でもその前に、はいこれ」

 そう言って、セウンさんは何もない空間から、瓶と木製の大きめのスプーンのようなものを取り出し手渡してきた。

「あの、これは?」

 それを受け取りながら、これが何なのか尋ねる。

「ラスが初めて倒して獲得したスライムの素材を回収する為に用意した物だよ」

 受け取った物を見て、足元のスライムの素材を見て、

「あぁ」

 渡された理由に納得する。

「あ、因みに自分で食べる用なら綺麗な部分だけ回収して、素材用として回収するなら少しでも金額を上げる為に全て回収するから、今回は特に納品する予定もないから、綺麗な部分だけ回収して次に行こうか」

「はい、分かりました。でも、残った部分は、そのままでもいいんですか?」

 ふと疑問に思った事を尋ねる。

「あぁそれなら、原理は分からないけど、一定時間誰にも回収されなかったら、勝手にダンジョンに吸収されるから、気にしなくても大丈夫だよ」

「へぇ、そうなんですね」

 それなら、気にしなくてもいいかと、スプーンを使い、スライムの素材を瓶の中に詰め込んでいき、詰め終えると、瓶とスプーンをセウンさんに返してから、更に気合いを入れ直し、出発する。
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