スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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10話・誘う

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 俺が本で読んだ知識をラスに話す。

「そうなんですね…」

「それで、どうする?」

 説明を聞いて、ラスに、どうしたいのかもう一度聞いてみると、

「やっぱり、行ってみたいですけど、もし安全でなかった場合、足を引っ張りそうなので、私はここで待っていようと思います…」

 残念そうに、そう言ってくる。

「そうか…」

 ラスがそう言うのなら、1人で行ってもよかったが、ここに1人残すのも心配だし、隠し部屋は本当に珍しいもので、ラスも本当に残念そうにしていたので、

「なぁ、ラス」

「何ですか?」

「ラスは、あぁ言ってたけど、俺が1人だと心細いから、一緒について来てくれないか?」

「!? で… でも、何かあったら私、足引っ張る事しか出来ないですよ?」

「かもしれないな」

「なら、やっぱり… 「でも、それは行ってみないと分からないだろ? それに、俺が心細くてついて来て貰うんだから、その時点で、役にたってくれているだろ?」」

「!?」

「だから、一緒に来てくれないか?」

「…いいんでしょうか?」

「いいも何も、俺がお願いしている立場だぞ?」

「そうでした… なら、お願いしてもいいですか?」

「あぁ… じゃなかった、お願いな、ラス」

「はい!!」

 元気を取り戻したラスを見て、誘ってよかったと改めて思った。





 疲れもあるし、経験の浅い私がいても役に立たないと思い、セウンさんに1人で行って貰うよう伝えたが、セウンさんは一緒に行こうと誘ってくれた。
 それが嬉しく、疲れた体にも自然と力が湧いてきた。

「じゃあ、あれを回収してから行こうか」

「あぁ、そうでした!!」

 私は瓶を、セウンさんは、スプーンを回収する。
 回収した瓶をセウンさんに手渡すと、それをアイテムボックスに入れると同時に、刀を取り出した。

「あれ?」

 視線を腰にむけると、ちゃんと1本刀を差している。

「ん? どうかしたか?」

「あ、いや、何で刀を取り出したんだろうなと思ってしまって…」

「あぁ、これか? 一応、この先本当に何があるか分からないから、すぐにでも抜けるように準備してるだけだよ」

「え、じゃあ、セウンさんって、二刀流なんですか?」

「まぁ練習中だけど、一応そうだな」

「なんかカッコいいですね」

「そうか、ありがとな」

「あ、いえ」

「あ、後、ラスにはこれ渡しとくな」

 そう言って、セウンさんから身に覚えのある瓶を渡される。

「えっと、セウンさん。これって…」

「この前、ラスに渡した奴だな」

「ですよね…」

 て事は、やっぱりエリクサーかと、これを受け取っていいのか悩んでしまう。
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