スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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21話・起床

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 ラスが寝たのを確認し、俺はその間に、ある事に使えるかなとビックスライムの素材を回収する。
 量が多く、かなり面倒だったが、全て回収し終えた。
 回収し終え、少しした所で、ラスが体を起こした。

「おはよう、ラス。少しは休めたか?」

「んん… あ、セウンさん。おはようございます… って、私どのくらい寝てました!!」

 少し慌てた様子でそう聞いてきた。

「そんな、慌ててどうした、ラス? 一応寝てたのは、たぶん1時間くらいじゃないか? もしかして、この後用事があったりしたのか?」

 それなら悪いなと思い確認する。

「あ、いえ、そう言う訳ではないんです。因みに、セウンさんは、寝たんですか?」

「ん、俺? いや、寝てないぞ」

 ビックスライムの素材の回収をしたかったし、もしかしたら再びモンスターが現れないとも限らないから、見張りもかねて、最初から寝るつもりもなかったからな。

「やっぱり、そうなんですね… 私だけ、寝てしまってすみません…」

 ラスは座り直した後、頭を下げてきた。

「頭をあげてくれ、ラス。俺は別に気にしてないし、そもそも、俺が横になるよう勧めたんだから、そんなに落ち込まないでくれ」

「…はい」

 頭を上げてくれはしたが、まだ少し落ち飲んでいるように見えたので、

「それより、そろそろ宝箱開けてみないか?」

 話題を変える。

「!? そうでした!!」

 ラスの顔に笑顔が戻る。
 無事、話題変換に成功したようだ。

「じゃあ、開けにいこうか」

 先に立ち上がり、ラスに手をさしのべる。

「はい、いきましょう!!」

 手をとって立ち上がったラスは、そのまま俺を引っ張るように歩き出す。
 宝箱は逃げはしないんだから、そんなに急がなくてもと思ったが、今のラスの気持ちも分からなくはないので、引かれるがままついていく。
 先程まであったと思われる見えない壁に阻まれる事なく宝箱の前にたどり着いた。

「じゃあ、ラス。宝箱を開けてくれ」

「せ… セウンさん。本当に私が開けていいんでしょうか?」

「あぁ、構わないよ。ほら、行ってこい」

「あっ」

 手を離し、ポンとラスの背中を押す。

「わ… 分かりました。なら、開けます」

 覚悟を決めたラスが宝箱に触れた所で、

「あ!!」

 ある事を伝え忘れていた事に気づき、声を出してしまう。

「っ!! 」

 ラスは、俺の声に驚き、宝箱から手を離す。

「ど… どうかしたんですか、セウンさん!!」

 そして、バッと宝箱から離れ、どうしたのか尋ねてくる。

「驚かせたみたいで悪いな、ラス」

 まず驚かせた事を謝った。
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