スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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22話・宝箱の中身

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 ラスは、俺の声に驚き、宝箱から手を離す。

「ど… どうかしたんですか、セウンさん!!」

 そして、バッと宝箱から離れ、どうしたのか尋ねてくる。

「驚かせたみたいで悪いな、ラス」

 まず驚かせた事を謝った。

「あ、いえそれはいいんですが、急に大きな声を出してどうしたんですか?」

 少し不安げに尋ねてくる為、

「いやな、ちょっと伝え忘れていた事があってな」

 声を出してしまった理由を話す。

「伝え忘れていた事ですか? 何ですか?」

「宝箱の開け方だよ」

「宝箱の開け方ですか?」

「あぁ、そうだよ。稀に何だが開けた瞬間に、トラップが作動する宝箱があるらしいんだ」

トラップ… 矢とか毒霧とかですか?」

「だと思う。実の所、俺もまだトラップ付きの宝箱に当たった事ないから予想だがな。普通なら、宝箱を調べてトラップを見つければいいんだけど、そんな事出来ないな。だから、手っ取り早い対処法は… 「後ろから開けるんですね!!」」

 俺の言葉を遮り、少しどや顔をしながら、ラスが答える。

「だな。まぁ、一応それ以外の事が起こってもいいように、ラスのすぐ後ろについてるから、後ろへ回ろうか」

「はい!!」

 ラスと一緒に宝箱の後ろのスペースに移動する。

「で… では、今度こそ開けますね」

「あぁ、任せた」

「じゃあ、行きます!!」

 ラスは、気合いを込めながら宝箱の後ろから手を回し、蓋を持ち上げる。
 蓋を持ち上げた瞬間、矢が飛び出してくる訳でも、毒霧が出てくる事もなかった。

「何もなさそうですね」

「みたいだな。じゃあ、前に回って中身を見てみようか」

「はい!!」

 前へと戻り、ラスは宝箱の中へと手を伸ばし、中のアイテムを取り出す。

「見て下さい、セウンさん!! こんな物が出ました!!」

 そう言って、宝箱から取り出したアイテムを俺に見せてくれる。

「これは、腕輪か?」

「見たいです。どういった効果があるアイテムか分かりますか?」

「ちょっと待ってな」

 ラスが寝る前に返して貰っていた鑑定のモノクルに魔力を通し、ラスの持つシンプルな腕輪を鑑定してみる。

アイテム名:強化の腕輪(付与つき)
説明:闇属性の魔法が付与された腕輪。
魔力を流すと、装備した者の力を一定期間強化(1.5倍)させる事が出来る。
また、それと同時に付与されている闇魔法も発動され、攻撃した相手に一定の確率で、ランダムにデバフ効果を与える。
希少度:伝説級レジェンダリー

「へぇ…」

 腕輪の効果に、感嘆の声が漏れる。
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