スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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43話・グー

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 あの人は、セウン君がとりあえず友達と聞いてひと安心していた。
 だけど、次の私の言葉で、あの人の動きが止まった。

「あ、でも、そう言えば、指輪を貰ったって嬉しそうに話していたわよ」

「…悪い、エリー。良く聞こえなかったんだが、今何て言ったんだ?」

「ん? だから、あの子ったら、セウン君から指輪を貰ったみたいで、とても喜んでいたのよ」

 どうせ聞こえているだろうに、もう一度聞きたいみたいあの人に、しっかりと話してあげる。
 それを聞いた瞬間、

 ダンッ

 テーブルを叩きつけながら立ち上がり、

「よし、そいつを殺そう!!」

 馬鹿な事を言い出し始めた。

「はぁ…」

 さっき言ったばかりなのに、全く成長しないあの人に呆れる。

「やれやれ…」

 2人分のカップを落ちないよう移動させてから、私も立ち上がる。
 そして、拳を握りしめてから、今だにぶつぶつと何かを言っているあの人の正気をとり戻らせる為に、

「ふん!!」

 頬目掛けて、握りしめた拳を振り抜いた。

「グハッ!!」

 あの人は、大きな音をたてながら倒れた。
 そのせいか、

「大きな音がしましたが、どうかされましたか!!」

 外に控えていた兵たちが部屋の中へと入ってきた。

「何でもないわ」

「そ… そうですか…」

 入ってきた兵たちは、倒れているあの人と私とで視線を行き来させる。

「本当に何でもないから、仕事に戻って頂戴」

「「はっ!!」」

 もう一度言うと、兵は退室していく。

「あなたもいつまで倒れているの。ほら、早く起きなさい」

 手を貸すと、あの人はそれに掴まりながら起き上がる。
 そして、ソファーに座り直し、

「痛たたた… エリー少しは手加減してくれてもいいんじゃないか?」

 頬を擦りながら、不満を垂れる。

「貴方が馬鹿な事を言うからでしょ」

「いやだって…」

「だってじゃないでしょ。もし、反省しないなら、もう1発いくわよ」

 すっと握り拳を見せる。

「わ… 分かっている。だから、手をおろしてくれ」

「分かったならいいのよ。でも、言わせて貰うけど、あんまり過保護になりすぎて、シエルから嫌われてもしらないわよ?」

「なっ!! そ… そんな事あるわけないだろ?」

「はぁ…」

 年頃の女の子の事を分かっていないあの人に、改めて年頃の女の子について言い聞かせた。





 列に並び直した俺は、無事街の中へと入れた。
 だけど、入るのに時間がかかったせいか、当然なのだが、あいつの姿はなかった。
 とりあえず、近くにいた人に話を聞いてみたが、どこに行ったのかの手がかりは掴めなかった。
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