スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

文字の大きさ
368 / 453

46話・目的は?

しおりを挟む
 ラスの覚悟は伝わったので、逆に俺の方から捜索のお願いをする。
 ただ気を付けるよう念を押すと、

「セウンよ。そこは儂らもついているのだから、安心するのじゃ」

 マオから声が上がる。

「…そうだな」

 少し心配な所がない訳ではないが、マオたちの実力は申し分ないし、あいつがどの程度の力を持っているのか分からないが、そうおくれを取る事はないだろう。
 そして、そうこうしている内に、

「あ、いたいた。お待たせ、皆」

「お待たせしました、皆さん」

 シエルとシェーンがやって来た。

「そこまで待ってないから、気にしなくていいのじゃ」

「マオの言う通り気にしないでいいよ。それより、少し移動してから、この後の話をしようか」

「えぇ、分かったわ」 「分かりました」

 そう提案してから、邪魔にならない場所へと移動する。





 移動してから、話し合いが始まる。

「それで、誰がどこを見て回るの?」

「それなんだが、それを決める前に、あいつが来た理由を考えないか?」

「どういう事ですか?」

「いや、あいつがここに来た目的が何かあるんじゃないかと思ってな」

「なる程… それが分かれば、捜索がしやすくなるという事じゃな?」

「そういう事だ。それで、ここに来た目的は何だと思う?」

 何となくあれではないかと予想は立てているが、他の人にも確認してみる。

「…やっぱり、オークションではないかの?」

「そうね。私も、その可能性が一番高いと思うわ」

「そうですね」

「だよな。俺もそう思う」

「そ… そうなんですね」

 一人を除き、オークションが目的ではないかと意見が一致する。

「セウンは、そいつを見つけたらどうするつもりなの?」

「ん? そりゃあ見つけたら、逃げないようにボコれるならボコって、あいつが持っているであろう魔神教団の情報を吐かせるつもりだぞ」

 ユーベルの件で、あいつは既に敵認定してあるから、容赦するつもりはない。

「セウンさん、それって話だけ聞くと完全に盗賊のそれと何ら変わりませんよ…」

「…言われてみればそうだな。まぁでも相手が相手だし致し方ないと思うぞ」

「そうじゃの。儂的にはとことんやってしまってもいいと思うのじゃ。でも、少しばかり問題があるのじゃ」

「問題?」

「現段階で、その魔神教団の手の者が何かをしたと訳ではないという事じゃ?」

「? だから、やらかす前に探すんだろ?」

「探すだけなら問題ないのじゃが、こっちから危害を加えた場合、こっちが悪くなってしまうのじゃ」

「あー、確かにそうだな」

 その事について完全に失念していた。
しおりを挟む
感想 105

あなたにおすすめの小説

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...