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46話・目的は?
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ラスの覚悟は伝わったので、逆に俺の方から捜索のお願いをする。
ただ気を付けるよう念を押すと、
「セウンよ。そこは儂らもついているのだから、安心するのじゃ」
マオから声が上がる。
「…そうだな」
少し心配な所がない訳ではないが、マオたちの実力は申し分ないし、あいつがどの程度の力を持っているのか分からないが、そうおくれを取る事はないだろう。
そして、そうこうしている内に、
「あ、いたいた。お待たせ、皆」
「お待たせしました、皆さん」
シエルとシェーンがやって来た。
「そこまで待ってないから、気にしなくていいのじゃ」
「マオの言う通り気にしないでいいよ。それより、少し移動してから、この後の話をしようか」
「えぇ、分かったわ」 「分かりました」
そう提案してから、邪魔にならない場所へと移動する。
◆
移動してから、話し合いが始まる。
「それで、誰がどこを見て回るの?」
「それなんだが、それを決める前に、あいつが来た理由を考えないか?」
「どういう事ですか?」
「いや、あいつがここに来た目的が何かあるんじゃないかと思ってな」
「なる程… それが分かれば、捜索がしやすくなるという事じゃな?」
「そういう事だ。それで、ここに来た目的は何だと思う?」
何となくあれではないかと予想は立てているが、他の人にも確認してみる。
「…やっぱり、オークションではないかの?」
「そうね。私も、その可能性が一番高いと思うわ」
「そうですね」
「だよな。俺もそう思う」
「そ… そうなんですね」
一人を除き、オークションが目的ではないかと意見が一致する。
「セウンは、そいつを見つけたらどうするつもりなの?」
「ん? そりゃあ見つけたら、逃げないようにボコれるならボコって、あいつが持っているであろう魔神教団の情報を吐かせるつもりだぞ」
ユーベルの件で、あいつは既に敵認定してあるから、容赦するつもりはない。
「セウンさん、それって話だけ聞くと完全に盗賊のそれと何ら変わりませんよ…」
「…言われてみればそうだな。まぁでも相手が相手だし致し方ないと思うぞ」
「そうじゃの。儂的にはとことんやってしまってもいいと思うのじゃ。でも、少しばかり問題があるのじゃ」
「問題?」
「現段階で、その魔神教団の手の者が何かをしたと訳ではないという事じゃ?」
「? だから、やらかす前に探すんだろ?」
「探すだけなら問題ないのじゃが、こっちから危害を加えた場合、こっちが悪くなってしまうのじゃ」
「あー、確かにそうだな」
その事について完全に失念していた。
ただ気を付けるよう念を押すと、
「セウンよ。そこは儂らもついているのだから、安心するのじゃ」
マオから声が上がる。
「…そうだな」
少し心配な所がない訳ではないが、マオたちの実力は申し分ないし、あいつがどの程度の力を持っているのか分からないが、そうおくれを取る事はないだろう。
そして、そうこうしている内に、
「あ、いたいた。お待たせ、皆」
「お待たせしました、皆さん」
シエルとシェーンがやって来た。
「そこまで待ってないから、気にしなくていいのじゃ」
「マオの言う通り気にしないでいいよ。それより、少し移動してから、この後の話をしようか」
「えぇ、分かったわ」 「分かりました」
そう提案してから、邪魔にならない場所へと移動する。
◆
移動してから、話し合いが始まる。
「それで、誰がどこを見て回るの?」
「それなんだが、それを決める前に、あいつが来た理由を考えないか?」
「どういう事ですか?」
「いや、あいつがここに来た目的が何かあるんじゃないかと思ってな」
「なる程… それが分かれば、捜索がしやすくなるという事じゃな?」
「そういう事だ。それで、ここに来た目的は何だと思う?」
何となくあれではないかと予想は立てているが、他の人にも確認してみる。
「…やっぱり、オークションではないかの?」
「そうね。私も、その可能性が一番高いと思うわ」
「そうですね」
「だよな。俺もそう思う」
「そ… そうなんですね」
一人を除き、オークションが目的ではないかと意見が一致する。
「セウンは、そいつを見つけたらどうするつもりなの?」
「ん? そりゃあ見つけたら、逃げないようにボコれるならボコって、あいつが持っているであろう魔神教団の情報を吐かせるつもりだぞ」
ユーベルの件で、あいつは既に敵認定してあるから、容赦するつもりはない。
「セウンさん、それって話だけ聞くと完全に盗賊のそれと何ら変わりませんよ…」
「…言われてみればそうだな。まぁでも相手が相手だし致し方ないと思うぞ」
「そうじゃの。儂的にはとことんやってしまってもいいと思うのじゃ。でも、少しばかり問題があるのじゃ」
「問題?」
「現段階で、その魔神教団の手の者が何かをしたと訳ではないという事じゃ?」
「? だから、やらかす前に探すんだろ?」
「探すだけなら問題ないのじゃが、こっちから危害を加えた場合、こっちが悪くなってしまうのじゃ」
「あー、確かにそうだな」
その事について完全に失念していた。
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