スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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61話・フィオーリ・クラブ

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 騎士たちと冒険者たちを連れて、鬼人が引き連れているゴブリンたちの元へと向かう。
 すると鬼人たちは、出迎えるように、待ち構えていた。
 部下にすぐ戦闘の可能性がある事を指示し、それを冒険者たちにも伝えるよう伝令を走らせる。
 私自身も、すぐ戦闘行動に移れるよう注意しながら、1人で前に出ていく。
 普通なら、即敵行動に移してもおかしくないのに、私が前に出てきても、鬼人たちに動く素振りはなかった。

"どういう事だ? 敵対の意思はないのか?"

 と一瞬思ったが、それならこんな行動移すわけないと改めて気を入れ直す。
 そして、そこで鬼人族の男の後ろに、フードを被った誰かが立っている事に気づいた。

"誰だあいつは?"

 ここからだと顔までは見えないが、鬼人たちと並んでいると言う事は鬼人の仲間と見て間違いないだろう。
 とりあえず、降伏勧告をだす前に、目的を尋ねる。
 すると鬼人は、大声で返事をしたかと思ったら、近くにいたゴブリンを掴み、かなりの勢いで投げつけてきた。
 少し驚きはしたが、飛んできたゴブリンを横にずれる事で避けつつ斬っておく。
 この行動が、相手側の答えだと判断し、確認してみると、鬼人は更なる行動でそれを示した。

「傾聴!! 作戦を実行!!」

 大声で、作戦の実行を告げる。

「「「「グギャ!!」」」」

「「「「うぉぉぉぉ!!」」」」

 すると、向かってくるゴブリンたちに冒険者が対応に当たってくれる。
 私は、騎士と合流し、そのまま鬼人の対応に当たる予定だったが、鬼人の後ろにいるフードに何か嫌な予感がした為、私と数名の騎士で鬼人の対応をし、残りをフードの対応に当たらせようと2班に分けた。





 人族へゴブリンたちをけしかけ、乱戦が始まる。

「さて、あいつはどこかな」

 先程の副団長と遊ぶ為にあいつを探すと、騎士を引き連れて、向こうからやって来た。

「確かエペだったか?」

「あぁ、そうだ。それで、先程は名乗って貰えなかったが、貴公は何と呼べばいいのかな?」

「ん、俺の名前か?」

 今更そんな事聞いてどうするのかとも思ったが、殺させる相手の名前くらい知っておきたいかと名乗る事にした。

「俺の名前はフィオーリ。一応、魔神教団・四魔将が1人、打鬼フィオーリ・クラブだ」

「フィオーリ… それに、魔神教団ですか。やはりそうでしたか」

「ん? そりゃあ、どういう事だ? 俺の正体に気づいていたのか?」

 確かに斥候らしき奴から見られているような感じがあったし、俺もかなり暴れまわって色々な国からお尋ね者になっているので、そこからバレていたのかと確認する。
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