スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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115話・赤鬼

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 ~時は遡り~

 赤鬼が1歩前に出てきて、

「女たちの相手は俺がするから全員ついてこい」

 そう言ってから赤鬼は歩き出す。
 私たちは、一定の距離を空けながら赤鬼の後についていく。

「こんぐらい離れればいいか」

 赤鬼が立ち止まり、振り返る。

「さて、それじゃあ俺たちも始めようか。あ、先に言っておくが、全員でかかってこいよ。その方が幾分か楽しめそうだからな」

 赤鬼は、肩に金棒を担ぎ、ニヤリと笑いながら話しかけてくる。

「ならお言葉に甘えてそうさせて貰うわ。マオ全体の指示は任せたわ。ラス、貴方もマオの指示に従って」

「任せるのじゃ」 「は… はい!!」

 私はそれだけ伝え、赤鬼へと向かっていく。





 シエルが赤鬼に向かっていくと同時に指示を出す。

「シェーン。シエルの強化と随時回復を頼むのじゃ」

「分かりました」

「ラス。すまんが正直言って、今のお主では力不足じゃから、これを持って儂の後ろで待機しておくのじゃ」

「!? 分かりました…」

 すぐ使用できるようにするためのエリクサーをラスに手渡し、後ろに下がって貰う。
 そして、儂も援護用の魔法の準備をしながら赤鬼を鑑定する。

 名前:フィオーリ・クラブ 種族:鬼人
 年齢:35 性別:男
 LV: 200 HP:580 MP:80
 力: 393 器用: 100 防御:375 敏捷: 107
 知力: 60 精神:72 運: 31 魅力:23
 スキル:身体強化Lv5、腕力強化Lv5、豪腕Lv3
 剛力Lv1、棒術Lv3、肉体強化Lv2、金剛体Lv1
 完全鬼化
 称号:打鬼、殺人鬼、悪鬼、暴れん坊、殺戮者

「マオさん、あの赤鬼はどうですか?」

 シェーンが神聖魔法でシエルに強化を施しながら赤鬼について聞いてくる。

「あやつが持ってあるスキルはほぼ自身を強化するスキルじゃ。ステータスからみてもあの見た目どおり力でごり押しするタイプじゃと思う」

「私たちのみで勝てそうですか?」

「レベルは向こうの方が完全に上じゃ。正直言って勝てる見込みは低いじゃろうな」

「そうですか。なら、セウンさんが来るまで時間稼ぎに徹した方がいいですかね」

 援護の魔法を放ちながら自分の考えを伝える。

「ウィンドスピア!! そうじゃのう… セウンが合流したからといってあやつに完全に勝てるとは言えないのじゃが、セウンならどうにかしてくれそうな感じがするからそこまで持ちこたえるよう動こうかの」

「分かりました」

「シエルにも今の話をしておきたいから、儂があやつの相手をしている間にシェーンからシエルに話しておいてほしいのじゃ」

「分かりました。準備が出来たら教えて下さい」

「了解じゃ」

 シエルに話をする時間を稼ぐ為の準備を始める。
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