330 / 390
269話・お願いの回答
しおりを挟む
友達が少ないか…
確か、シャーロットも自分の身分のせいで、交友関係の構築に苦労していたと聞いた事があるから、エルマーナさんも、同じ理由だろうと予想出来た。
それに、エルマーナさんは、呪詛に犯されていたりもしたので、更に作る暇がなかったのだろう。
「えぇ、そうよ。それで、どうかな?」
真剣な表情のまま、グラディウスさんが聞いてくる。
僕は、それに、すぐに答えずに、チラッと横を見てみると、不安げな顔のエルマーナさんと目があってしまい、2人して視線をそらす。
そして僕は、視線を前に戻し、グラディウスさんのお願いに対し、
「すみません、グラディウスさん。」
僕は、そう答えた。
一瞬目を見開いたグラディウスさんは、すぐ元の顔に戻り、
「そう… ノーリ君がそう決めたのなら、もうなにも言えないけど、一応、理由だけ聞かせてくれないかな?」
もう一度、横のエルマーナさんを見た後、僕がそう答えた理由を話し出す。
「はい、大丈夫です。僕がグラディウスさんのお願いを断った理由は、気持ちの問題だからです。」
「気持ちの問題? どういう事なの?」
「僕みたいな、ただの平民が、王女様であるエルマーナさんと友達になるなんて、恐れ多い… 「そんな事ありません!!」」
ですと、言う前に、横から力強く否定的な声がかかる。
「だって、ノーリさんは…」
エルマーナさんは、泣きそうな声色でそこまで言って、口を噤んだ。
何を言いたかったのかは分からないが、グラディウスさんのお願いを断った事に対し少し心が痛む。
だけど、まだ僕が断った理由はまだ終わっていない為、エルマーナさんを安心させる理由も追加して、言葉を続ける。
「ですが、僕個人としては、エルマーナさんと仲良くしたいと思っています。」
「「え?」」
グラディウスさんとエルマーナさんの声が重なる。
「なら、どうして私のお願いを断ったの?」
不思議そうにグラディウスさんが問いかけてきたので、それに答える。
「それは、先程言った通り、気持ちの問題です。」
「「?」」
今度は、2人して首を傾げる。
「僕は、本心からエルマーナさんと仲良くなりたいと思ってます。だけど、グラディウスさんからのお願いで、エルマーナさんと友達になってしまうと、お願いを断れずに友達になってくれたとエルマーナさんに思ってほしくなかったからです。」
そう言ってから、僕は、エルマーナさんの方へと体をむける。
「だから、エルマーナさん。僕と友達になってくれないかな?」
誰かからのお願いなんかじゃない、僕の本心からの気持ちを伝える。
確か、シャーロットも自分の身分のせいで、交友関係の構築に苦労していたと聞いた事があるから、エルマーナさんも、同じ理由だろうと予想出来た。
それに、エルマーナさんは、呪詛に犯されていたりもしたので、更に作る暇がなかったのだろう。
「えぇ、そうよ。それで、どうかな?」
真剣な表情のまま、グラディウスさんが聞いてくる。
僕は、それに、すぐに答えずに、チラッと横を見てみると、不安げな顔のエルマーナさんと目があってしまい、2人して視線をそらす。
そして僕は、視線を前に戻し、グラディウスさんのお願いに対し、
「すみません、グラディウスさん。」
僕は、そう答えた。
一瞬目を見開いたグラディウスさんは、すぐ元の顔に戻り、
「そう… ノーリ君がそう決めたのなら、もうなにも言えないけど、一応、理由だけ聞かせてくれないかな?」
もう一度、横のエルマーナさんを見た後、僕がそう答えた理由を話し出す。
「はい、大丈夫です。僕がグラディウスさんのお願いを断った理由は、気持ちの問題だからです。」
「気持ちの問題? どういう事なの?」
「僕みたいな、ただの平民が、王女様であるエルマーナさんと友達になるなんて、恐れ多い… 「そんな事ありません!!」」
ですと、言う前に、横から力強く否定的な声がかかる。
「だって、ノーリさんは…」
エルマーナさんは、泣きそうな声色でそこまで言って、口を噤んだ。
何を言いたかったのかは分からないが、グラディウスさんのお願いを断った事に対し少し心が痛む。
だけど、まだ僕が断った理由はまだ終わっていない為、エルマーナさんを安心させる理由も追加して、言葉を続ける。
「ですが、僕個人としては、エルマーナさんと仲良くしたいと思っています。」
「「え?」」
グラディウスさんとエルマーナさんの声が重なる。
「なら、どうして私のお願いを断ったの?」
不思議そうにグラディウスさんが問いかけてきたので、それに答える。
「それは、先程言った通り、気持ちの問題です。」
「「?」」
今度は、2人して首を傾げる。
「僕は、本心からエルマーナさんと仲良くなりたいと思ってます。だけど、グラディウスさんからのお願いで、エルマーナさんと友達になってしまうと、お願いを断れずに友達になってくれたとエルマーナさんに思ってほしくなかったからです。」
そう言ってから、僕は、エルマーナさんの方へと体をむける。
「だから、エルマーナさん。僕と友達になってくれないかな?」
誰かからのお願いなんかじゃない、僕の本心からの気持ちを伝える。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
863
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる