365 / 390
閑話・フーリッシュ 4
しおりを挟む
呪詛対策の為に、常に魔道具《腕輪型》を身に付け出してから、早数日が経過した。
だが、魔道具が反応した様子がない事から、私がかけた呪詛はまだしっかりと継続していると判断出来る。
ニヤリと口角を上げながら、私のかけた呪詛は完璧であると自画自賛する。
「さて、それでこの数日で分かった事は、本当に、この国の中にはいなかったという事と、どうやら教育係である王妃の姉の姿も消えているというか… 居場所くらい知っておきたかったが、外だと見つかる可能性は低いか…」
念の為に、見つけ出しておきたかったが、外での伝が殆どない為、諦める事にした。
◆
いつものように寝る前に、お酒を嗜みながら、あいつの顔を思い出す。
「くくく… あの顔を見る限り、大分呪詛が進行しているみたいだな」
娘が呪詛に侵されている事は隠しているようで、何も知らない振りをしながら、それとなく娘の事について聞いてみる。
すると、何でもない風を装ってはいるが、呪詛に侵されている事を知っている私から見れば、不安や怒りを全然隠しきれていなかった。
初めてやった呪詛の経過を見れないのは残念だが、この顔を見れるだけで満足しておく事にする。
「ん、もうないのか…」
近くに置いてあったベルを鳴らし、追加の酒とツマミを持ってくるよう伝え、持ってきた酒を追加で飲んでいく。
「ふぁ… さて、そろそろ休もうかね…」
再び、ベルを鳴らし、片付けるよう伝え立ち上がった所で、
「おっと…」
視界がぼやけ、足元がふらついてしまい、勢い良く座ってた椅子に腰かけてしまう。
「大丈夫ですか、フーリッシュ様?」
「あぁ… 大丈夫だ…」
ついつい、いつもよりも早いペースで、量も飲んだ事で、酔ってしまったようだ。
「左様ですか。では寝所までお連れしますので、どうぞ、私の肩にお捕まり下さい。」
「あぁ、分かっ… 痛っ…」
手を伸ばそうとした所で、ズキッと痛みが走る。
「どうされました!?」
痛みが走った手首を見てみると、少し赤くなっていた。
「フーリッシュ様?」
「いや… さっきふらついて座った時に、少し腕を打っただけみたいだ…」
「治療士をお呼びになりますか?」
「いや、いい… それより肩を」
「かしこまりました。」
今度こそ執事の肩を借り、ベッドに腰かけた後横になる。
「では、失礼します。」
片付けを済ませた執事が退室するのを朧気に見ながら、眠りについた。
◆
「ぁ!!」
突然の痛みで目を覚ます。
「ぁ… あ…」
誰かを呼ぼうにも、声が出せないほどの痛みが次から次へと襲ってきて、体を動かすのもままならない。
その痛みが治まってきたかと思った瞬間、今度は強烈な眠気が襲ってきて、抵抗も出来ずに、意識が遠のいていった。
だが、魔道具が反応した様子がない事から、私がかけた呪詛はまだしっかりと継続していると判断出来る。
ニヤリと口角を上げながら、私のかけた呪詛は完璧であると自画自賛する。
「さて、それでこの数日で分かった事は、本当に、この国の中にはいなかったという事と、どうやら教育係である王妃の姉の姿も消えているというか… 居場所くらい知っておきたかったが、外だと見つかる可能性は低いか…」
念の為に、見つけ出しておきたかったが、外での伝が殆どない為、諦める事にした。
◆
いつものように寝る前に、お酒を嗜みながら、あいつの顔を思い出す。
「くくく… あの顔を見る限り、大分呪詛が進行しているみたいだな」
娘が呪詛に侵されている事は隠しているようで、何も知らない振りをしながら、それとなく娘の事について聞いてみる。
すると、何でもない風を装ってはいるが、呪詛に侵されている事を知っている私から見れば、不安や怒りを全然隠しきれていなかった。
初めてやった呪詛の経過を見れないのは残念だが、この顔を見れるだけで満足しておく事にする。
「ん、もうないのか…」
近くに置いてあったベルを鳴らし、追加の酒とツマミを持ってくるよう伝え、持ってきた酒を追加で飲んでいく。
「ふぁ… さて、そろそろ休もうかね…」
再び、ベルを鳴らし、片付けるよう伝え立ち上がった所で、
「おっと…」
視界がぼやけ、足元がふらついてしまい、勢い良く座ってた椅子に腰かけてしまう。
「大丈夫ですか、フーリッシュ様?」
「あぁ… 大丈夫だ…」
ついつい、いつもよりも早いペースで、量も飲んだ事で、酔ってしまったようだ。
「左様ですか。では寝所までお連れしますので、どうぞ、私の肩にお捕まり下さい。」
「あぁ、分かっ… 痛っ…」
手を伸ばそうとした所で、ズキッと痛みが走る。
「どうされました!?」
痛みが走った手首を見てみると、少し赤くなっていた。
「フーリッシュ様?」
「いや… さっきふらついて座った時に、少し腕を打っただけみたいだ…」
「治療士をお呼びになりますか?」
「いや、いい… それより肩を」
「かしこまりました。」
今度こそ執事の肩を借り、ベッドに腰かけた後横になる。
「では、失礼します。」
片付けを済ませた執事が退室するのを朧気に見ながら、眠りについた。
◆
「ぁ!!」
突然の痛みで目を覚ます。
「ぁ… あ…」
誰かを呼ぼうにも、声が出せないほどの痛みが次から次へと襲ってきて、体を動かすのもままならない。
その痛みが治まってきたかと思った瞬間、今度は強烈な眠気が襲ってきて、抵抗も出来ずに、意識が遠のいていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
863
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる