婚約破棄された王女が全力で喜びましたが、何か問題でも?

yukiya

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16,やられたらやり返す

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 昔から良くある戦法だ。一つの国で内乱が起きた場合。それが終息するまでに多大な時間と費用、それから命が失われる。
 お互い苦しくなってきた時。そういう時を見計らって、誰かが企画するものだ。
 いっそ戦う相手を別の国に向けてしまえばいい、と。もちろん応急処置にしかならないし、巻き込まれた国はとんだ迷惑である。
 だが他国と戦争をしている間は内乱が収まる。お互いが手を取り合おうとする。
 大切なことだからもう一度言わせてもらう。
 巻き込まれた国は、とんだ迷惑である。




「ご報告致します!皇帝国の兵が武器を持って押し寄せて参りました!どうやら負傷者の中に皇国の者がいたらしく、奴ら、訳の分からぬ理由を漕ぎ着けて攻めてまいりました…!」
 やっぱり、嫌な予感は当たったとばかりにエルステーネはため息をついた。
 結婚式どころではない。民には大まかな現状を伝え、取り敢えずは家の中にいるように伝えた。兵士達にも招集をかけたが、問題はここからである。
 相手は攻め入ってきたと言ったところで武器を使ってはいない。もちろんその背に武器は持っているだろうが、それを使ってはいないのだ。
 侵攻を止めようと実力行使すれば、先に攻撃を仕掛けたのはこちらだと言い掛かりを付けられ兼ねない。
「あぁもうだから帝国先にぶっ潰しとけば良かったのにさぁ…」
 面倒そうに答える国王を尻目に、報せを受けて慌てて戻ってきたモランが盛大にため息をつく。
「さて、いよいよ厄介ですよ。どうなさいますか、陛下」
「どうって。…取り敢えず様子を見るしか、」
「こちらも兵を送ってみては?」
 咄嗟にそう切り出したのはエルステーネだった。昔何かの本で読んだことがある。
「されたことを仕返して、あちらの動向を探るのもよろしいかと…」
「…成る程。だが、危険だ。何をされるやら…」
 モランが思案げに俯くと、国王の軽快な声が響く。
「エリシアがお願いすれば喜んで行くだろう?」
「……その手がありましたね」
 この国一の美女と謳われるお姉様は民からの支持も得ている。決してその美しさを鼻にかけないことも慕われる一つの理由だろう。
「で、ですが…私のその言葉のせいで、もしも帰らぬ人となってしまったら、私は…」
「ならこう言えばいいだろう。『私のために無事生きて帰ってきて下さい』と。奴ら、這ってでも帰って来るだろうさ」
「そうですわ、お姉様。もうこの事態を収拾させることがる出来るのはお姉様しかおりませんの」
「で、でも…」
「エリシア様」
「さ、宰相まで…」
「…エリシア様。どうかご決断を」
 フェロンがそう言った途端。
「分かりましたわ!私、とても不安ですけれど…やってみます…!あぁけれどフェロン、不安だわ。側にいて下さいね」
「承知しました。護衛させて頂きます」
 恋する乙女って凄いですね。けれどお姉様のその豊満な胸を押し付けられ、甘ったるい声で囁かれ、その美しい上目遣いを見ても全く動じないフェロンも中々凄いですね。
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