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21,甘えが後悔となる。
しおりを挟むどさり。その場に倒れたエリシアの姿に、エルステーネは絶句した。
「エリシア!!!」
真っ先にその倒れた身体に寄り添ったのは国王だった。
「エリシア、しっかりしろ!っ…誰か…エルステーネ、早く誰か連れてくるのだ!」
その声に早く誰か連れて来ようと思うのに、身体が動かなかった。逆賊の血を見ても、殺めてしまった恐怖しかなかった。それなのに、エリシアの血を見た途端、自分のせいだという自責と失うかもしれないという恐怖が身体を硬直させていた。
「あ、ぁ、お姉様、お姉様、」
「くそっ……エルステーネ、私が誰かを連れてくる、だからお前はここに…」
国王が自分の羽織をエリシアに被せた、その時だった。
「陛下!!!」
灯りを持った兵士を連れ、モランとフェロンが走ってきたのは。
「モラン、さま…」
「エルステーネ!」
聞こえるか聞こえないか程度の声だったがモランははっきりと聞き取り、その呼びかけで顔面蒼白で硬直しているエルステーネに真っ先に駆け寄り、その手を頰に当てた。
「大丈夫か?怪我は?」
「お、お姉様、が…」
「っ…誰か、医師を連れて来い!早く!」
モランの命令で兵士が数名駆けていく。
何とか無理やり首を動かし、エルステーネは血溜まりの上に倒れるエリシアを見る。自分などとは比べ物にならないくらいの蒼白な顔をしたエリシアが虫の息となっていた。
その手をフェロンが必死に握っている。
「お姉様、が、私を、庇って、それで、そのせいで、」
「エルステーネ、分かったから、もう大丈夫だ。すぐに医師が来るから」
先に安全な場所に戻ろうとモラン手を引かれ、エリシアを放って行くのも何だと気が引かれたが、自分が此処にいたところで邪魔にしかならない。
後ろ髪引かれる思いで振り向くが、その先に倒れた死体にグッと息が詰まりそうになる。
(どうして、どうして…)
もっとちゃんと、トドメを刺せなかったのだろう。
その理由は一つ、今まで手を汚す全てのことを人に任せきりで、人の命を奪うという恐怖に手を染めたくないなんて、綺麗事を考えていたからだ。
そんなことになるのなら、しっかりと、もっと、ちゃんと。
私がちゃんとしなかったから。もしも、エリシアに、大切なあの人に万一があったら。
「私の、せいで…」
「…違う。大丈夫だ、エルステーネ。エリシア王女はちゃんと助かる」
「モランさま…」
「今は何も考えず、ゆっくり休みなさい」
その言葉を合図にするかのように、エルステーネはがくりと眠りに落ちた。
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