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最終章 契約終了ってことで
第62話
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世界がホットプレートを洗い終えると、プレートを洗い始めた。ただその手元は先程から同じところを擦っている。
「ん?世界くん?」
「……あ、ごめん」
世界がスポンジ片手にはっと顔をあげると、さっとプレートを裏返して擦り、水で洗い流していく。
「大丈夫?」
「え?別に全然大丈夫すよ」
(……疲れてるのかな?)
最近世界はこうやって時々ぼんやりしていることがある。世界が最後のプレートを丁寧に洗い流すと私に手渡した。私は隣で布巾を使って拭きあげていく。
「えっと……世界くん、洗い物手伝ってもらってごめんね、お母さん来てたし疲れたよね?」
「全然、洗い物好きだし。それに今日お母さんに会ってちゃんと話せて良かった。結婚前提で交際認めてもらえたし」
世界がスポンジを絞って片付けると、すぐに私を後ろから抱きしめた。
「わ。ちょっと……」
思わず手の持っていた濡れたプレートを落っことしそうになる。
「お母さんも帰ったし、ちょっとだけ」
世界の甘い香りは心地よくてほっとして、でもいつ噛みつかれるのかドキドキする匂いだ。
私は全ての食器を拭き終わると布巾を畳んで置いた。
「……世界くん……終わったから……」
世界は私を抱きしめたまま、髪に顔を埋めていてくすぐったい。
「梅子さんの匂いって……めちゃくちゃ落ち着く」
「そ、かな……」
世界の甘い声が耳を掠めて顔が熱くなる。心臓の音が世界に聞こえてしまいそうなくらいにすぐに高鳴っていく。
「ふっ……すっげぇドキドキしてくれるんすね」
「だって……」
「だってなに?」
世界の唇がさらに耳元に寄せられてビクンと身体が跳ねた。何度重なっても何度こうやって抱きしめられてもその度に私の心臓ははち切れそうなほどに激しく鼓動を奏でていく。
「俺さ……梅子さんとずっとこんなふうに暮らしていきたい。今日……お母さんの前で言ったこと全部ほんとだから。嘘一個もないよ」
その言葉に世界が桜子の前で言ってくれた沢山の言葉と世界の体温が重なって胸がぎゅうっとあったかくなる。
首だけ振り返れば、すぐに世界の切長の瞳と視線がかち合った。私は身体ごと振り返るとそのまま世界の頬にそっと触れた。
「うん。今日はお母さんにちゃんと話してくれて……すごく嬉しかった。いつも大切にしてくれてありがとう。こんな私だけど……ずっと側に居させてね」
世界が少しだけ目を大きくしてから、すぐに唇を持ち上げた。
「はい。今日も徹夜っすね」
「へ?」
「そんだけ俺のこと煽ったんすから、すんなり寝れると思うなよ?」
「えっ……待っ……ンンッ……」
世界の指先が私のブラウスのボタンに触れて、もう片方の掌は私のスカートを捲り上げていく。
「や……ちょっと……シャワーさせて」
「したら、一緒に入ろ」
世界が今日にブラウスのボタンを外してブラをずらすと噛みついてくる。そして私をキッチンのヘリに押しつけたまま、すぐにショーツをずらして指先を滑り込ませた。
「あ……やっ……」
「今日やけに濡れてんじゃん、力抜いてて」
身体がビクンと跳ねると私は両手で世界の肩を強く握りしめる。世界の指先はすぐに奥の方を擦り上げていく。
「……待って……」
「ちゃんと俺の顔見て」
顎を掴まれれば無理やり世界の方へ顔を向けられる。
「や……見ないで……」
「絶景すね」
「ンンッ……」
一際大きく身体が跳ねると世界の瞳に吸い込まれるように目の前が白く弾けた。
「ん?世界くん?」
「……あ、ごめん」
世界がスポンジ片手にはっと顔をあげると、さっとプレートを裏返して擦り、水で洗い流していく。
「大丈夫?」
「え?別に全然大丈夫すよ」
(……疲れてるのかな?)
最近世界はこうやって時々ぼんやりしていることがある。世界が最後のプレートを丁寧に洗い流すと私に手渡した。私は隣で布巾を使って拭きあげていく。
「えっと……世界くん、洗い物手伝ってもらってごめんね、お母さん来てたし疲れたよね?」
「全然、洗い物好きだし。それに今日お母さんに会ってちゃんと話せて良かった。結婚前提で交際認めてもらえたし」
世界がスポンジを絞って片付けると、すぐに私を後ろから抱きしめた。
「わ。ちょっと……」
思わず手の持っていた濡れたプレートを落っことしそうになる。
「お母さんも帰ったし、ちょっとだけ」
世界の甘い香りは心地よくてほっとして、でもいつ噛みつかれるのかドキドキする匂いだ。
私は全ての食器を拭き終わると布巾を畳んで置いた。
「……世界くん……終わったから……」
世界は私を抱きしめたまま、髪に顔を埋めていてくすぐったい。
「梅子さんの匂いって……めちゃくちゃ落ち着く」
「そ、かな……」
世界の甘い声が耳を掠めて顔が熱くなる。心臓の音が世界に聞こえてしまいそうなくらいにすぐに高鳴っていく。
「ふっ……すっげぇドキドキしてくれるんすね」
「だって……」
「だってなに?」
世界の唇がさらに耳元に寄せられてビクンと身体が跳ねた。何度重なっても何度こうやって抱きしめられてもその度に私の心臓ははち切れそうなほどに激しく鼓動を奏でていく。
「俺さ……梅子さんとずっとこんなふうに暮らしていきたい。今日……お母さんの前で言ったこと全部ほんとだから。嘘一個もないよ」
その言葉に世界が桜子の前で言ってくれた沢山の言葉と世界の体温が重なって胸がぎゅうっとあったかくなる。
首だけ振り返れば、すぐに世界の切長の瞳と視線がかち合った。私は身体ごと振り返るとそのまま世界の頬にそっと触れた。
「うん。今日はお母さんにちゃんと話してくれて……すごく嬉しかった。いつも大切にしてくれてありがとう。こんな私だけど……ずっと側に居させてね」
世界が少しだけ目を大きくしてから、すぐに唇を持ち上げた。
「はい。今日も徹夜っすね」
「へ?」
「そんだけ俺のこと煽ったんすから、すんなり寝れると思うなよ?」
「えっ……待っ……ンンッ……」
世界の指先が私のブラウスのボタンに触れて、もう片方の掌は私のスカートを捲り上げていく。
「や……ちょっと……シャワーさせて」
「したら、一緒に入ろ」
世界が今日にブラウスのボタンを外してブラをずらすと噛みついてくる。そして私をキッチンのヘリに押しつけたまま、すぐにショーツをずらして指先を滑り込ませた。
「あ……やっ……」
「今日やけに濡れてんじゃん、力抜いてて」
身体がビクンと跳ねると私は両手で世界の肩を強く握りしめる。世界の指先はすぐに奥の方を擦り上げていく。
「……待って……」
「ちゃんと俺の顔見て」
顎を掴まれれば無理やり世界の方へ顔を向けられる。
「や……見ないで……」
「絶景すね」
「ンンッ……」
一際大きく身体が跳ねると世界の瞳に吸い込まれるように目の前が白く弾けた。
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