僕と看護師さんのゆるい入院生活

まどうふ

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央光大学の問題児

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朝ご飯を食べ終わり、るなちゃんの部屋に行く約束して各自部屋に戻ったはいいものの......

「暇だ、何かやること無いかな...」

あ!  そうだ、記憶喪失とか言ってたっけ。
何か思い出せる事無いかな?

「──はっ!」

頭に力を入れてみた。......だけどそう簡単に上手くいかず。

「はぁはぁ」
諦めよう。時間が解決してくれるのを待とう。

今の頭に力を入れたせいで肋骨痛いし、もう何もせずゆっくりしよう。

「ふぅー」
奏汰かなたはゆっくりと息を吐く。



ベッドで適当に休んでいたら、朝ご飯を食べ終わってから既に20分が経過していた。

「んよいしょ」

そろそろるなちゃんの部屋に遊びに行こうかな。

そう思ってベッドから降りようとした直後、廊下から足音が聞こえてきた。

「あっ」

央光おうこう大学の生徒さん達かな?
ちょっと待っとこ。

「......行ったかな」
奏汰は車椅子に乗り、ドアに耳を当てて足音が聞こえないか確認する。

「大丈夫そう」
そう思った奏汰はドアを開け、廊下へ出て直ぐに左を向くと、そこには横顔だけでも分かるぐらい怒っている神崎さんがいた。

「おい!  お前何勝手に人の病室へ入っている!!」

あれ、何か怒ってる?  あそこの部屋はるなちゃんの部屋だけど......何かあったのかな?

「いやいや、人いないっすよ。だから入っても別にいいですよね?  見学しに来たんですし」

誰の声だろ?

「見学ってことはお前、央光の3年か」
「そうっすよ、だから大丈夫っす。不審者じゃないんで」

少し煽るように返事をする央光大学の生徒。

「お前からしたら不審者じゃなくてもここの病室の人にとっては十分不審者だ」

「だから人なんていないっすよ」

神崎さんは深くため息をついた。

「お前ちょっとこっち来い」
「あはい」
「これ見ろ」

そう言って神崎さんが指を指したのは病室前に取り付けられている、名前が書かれたプレートだった。

「みやさきさん?  今 朝風呂中すか?  居なかったっすよ」

「居ないんじゃない。見てないだけだ」
そう言い放ち、神崎さんは病室の奥へ。


「もう大丈夫だよー。神崎雪希子かんざきゆきこだよー」

ゆっくりと歩き、るなちゃんを安心させるために名前を言う。

そして神崎さんはベッドの奥側に着きしゃがむ。

「もう大丈夫よ」

そこにはるなちゃんが隠れていた。

「うん......こわ...かっ...た」

いつもより声は小さいし震えてる。体も震えてる。今すぐにでも休ませてあげたいけど、まずはコイツを何とかしないと。

「おい、央光の生徒」
「はい」
「お前、部屋の外から見てろよ」

そう言うと神崎さんはるなちゃんを抱っこし、央光大学の生徒に見せる。

「......っ」

「あっ、本当にいたんすか。すいません」
「だから言っただろ、見てないだけだと」

神崎さんが言い終わるとるなちゃんをベッドに優しく座らせて、何かを耳元で話す。

「私はこれからアイツを連れて集合場所に行くからね。キッチリこの事も伝えておくから、安心して」
「......でも」

不安そうな顔をする るなちゃん。

「じゃあ......奏汰くん、来てもらおっか」
「...え......あっ...」
「だって奏汰くんと居れば安心出来るでしょ?」
「......まぁ...」

あら分かりやすい顔、恥ずかしがっちゃって。

「それに今日、奏汰くんが部屋に来るんでしょ?  静華さんから聞いたよ」

「じゃ...あ......おね...が......い......」
「はい、お願いされました。じゃあまた見に来るからね」
「......うん」

他の人に聞こえない声量で2人は話し、話が終わると神崎さんは血相を変え、廊下へと歩いていく。

「お前もうこんなことするなよ」
「はいすいませーん」

そう言いながら神崎さんは廊下へ出てドアを閉める。

「とりあえずお前を集合場所に連れていく、そして今起こった事をありのまま話す。その後の処罰は央光の先生に任せるが、多分理事長も来ているだろう?」

「はい......来てるっすね」
「じゃあ伝え間違えが無いよう理事長に直接言いに行くぞ」

「これはしゃあないっすね、自分の落ち度っす。退学にだけならないように願うしかないっすね」

妙に落ち着いてるな、問題児か?
問題児だとしたら初犯じゃない可能性が高い...ということは退学かな。


「あのー......何かあったんですか?」
「あっ!  灰羽はいばさん、ちょうどいい所に!」

「え、何ですか?」

「いきなりで悪いんだけど、るなちゃんの部屋に行って遊んでてくれない?」
と小声で話しかける神崎さん。

「あ...はい、いいですよ。これから行こうと思ってたので」

「良かったー!  私は今から後ろのコイツと集合場所に行かないといけないから、るなちゃんの事頼んだよ」

「分かりました。何があったか知りませんが任せてください 」

「後で説明するわ。じゃあね」
「はい」

2人は話終わり、奏汰はるなちゃんの病室へ。
神崎さんは央光の問題児と集合場所へ行く。

「一つ言っておくが、お前は多分退学だ」
「え......マジすか」

「ああ、そうだ。独断で列を抜け、無断で病室に入る。もし入った所がICU(集中治療室)や手術室だったらどうするんだ」

「そんなことで退学に......せめて自宅謹慎ぐらいじゃ...」

希望を持ちたいのかそんなことを言ってくる。

「はぁー。お前はこの央光医療大学という医療学校をもっと理解してから入学した方が良かったみたいだな」

深くため息をついて呆れたように神崎さんは言う。

「え?  看護師さん、央光が出身大学なんですか?」
「ああそうだよ。卒業したのは2年前だけどな」

「2年前って......看護師さん、失礼ですが名前って...」

「言ってなかったな。光彩優交心こうさいゆうこうしん病院で看護師をしている。神崎雪希子かんざきゆきこだ」

2年前......神崎雪希子.........っあ!  まさか...!

「2年前の神崎雪希子って...黄金世代の生徒会長!?」
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