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奏汰のために
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昼食後直ぐに奏汰の部屋へ行ってしまったため、アイドルグループの写真集は見つかってしまった。しかし幸いにも神崎さんとるなちゃんは見たことがある程度で、特にいじられることも無く事態は収束するかと思われた......
「あっほんとだ、水着姿だ」
「水着姿ってラッシュガードじゃないですか」
静華さん......なんで......今完全に写真集の話終わろうとしてたよね? なんでそこで表紙のアイドルが水着姿(ラッシュガード)だということを言っちゃうの!?
「ラッシュガードも十分水着だよ」
「それっぽいこと静華さんも言ってた──」
「それ......水着......なんだ......」
神崎さんと僕の軽い言い合いが行われている中、写真集を見ながら首を傾げていたるなちゃんが急に言葉を発した。
「「えっ」」
「あっ、るなちゃんこの水着知らない?」
「......うん」
「これはラッシュガードって言って海とか行った時に着る水着の、上に着る水着。紫外線をある程度カットしてくれたり、肌を守ったりしてくれるの」
「かなり......便利な......水着だね......」
「肌も隠せるしねー」
るなちゃんラッシュガード知らなかったんだ、海とかあんまり好きじゃないのかな? 水着姿のるなちゃんとかめっちゃ可愛いと思うんだけどなぁ。
「るなちゃんって海とかあんまり行かない?」
奏汰くんナイス質問! 思わずガッツポーズしちゃうとこだったわ。
「行かない......かな......奏汰は......行く......?」
「海はあんまり行かないかな、プールとかは好きだから行くんだけどね」
「そうなんだ......意外......」
「奏汰くんは意外と運動が好きなのかもね」
「わかんないけど多分好きなのかも」
そういえば......奏汰のことあんまり知らなかった......記憶喪失だっけ......? 奏汰自身も......覚えてないのかな?
「灰羽さんは運動のできるアイドルオタクか」
「アイドルだけじゃ......ない......」
「奏汰くんはアニメとか漫画も好きだよね」
「うん好き──あっこれ言ってた本と漫画」
そう言って僕は袋の中から小説と漫画を取り出し、るなちゃんに手渡した。
「なにこれ......読む順番で......世界が変わる......」
「その小説はね、どこの章から読んでも繋がるように出来てる小説なんだ、読む人によって物語が変わってくる作品だよ」
「面白そう......」
そう呟き、るなちゃんはもう1つの漫画を見始めた。
「これは......?」
「最近話題のラブコメ作品、めっちゃ面白いから読んで見てほしい!」
そう言って僕は袋の中から続巻を出し、るなちゃんに見せた。
「じゃあ......とりあえず......1巻......読んでみるね......」
「ふーん、『本当の僕が好きなやつ』ってタイトルなんだ」
なんか見たことあるかも、どこで見たっけ......たしか央光《おうこう》の時に雪希子《ゆきこ》さんが持っていたような......
「北条さんも......読んで......みる......?」
「面白いから静華さんも読んでみてくださいよ」
「じゃあ、るなちゃんが読み終わったら読ませてもらおうかな」
「じゃあ僕好きはるなちゃんに預けとくね」
「うん......ありがと......この小説は......一旦返すね......」
「うん」
奏汰はるなちゃんから受け取った小説を袋の中に戻して前を向いた、だけどそこには静華さんの顔が至近距離にあった。
「うーん......」
「......っ! ......近いですよ」
「あーごめんごめん、その『本当の僕が好きなやつ』って漫画、どこかで見たような気がしてさ」
静華さんがそう言った瞬間、神崎さんは妙に反応してすぐさま言葉を発した。
「まあ人気作品だし、ネットとか駅の広告で見たんじゃないか?」
「そうかなぁー?」
たしかにSNSとかはよく使うけどアニメとか漫画のこととかは普段調べないし、おすすめとかにも出てこないんじゃない? ......じゃあ駅の広告?
「それはそうと、この後どうする?」
「神崎さん......私......練習したい......かも......」
「じゃあ僕好きは頑張ったご褒美ということで、灰羽さんたちはどうする?」
「さっき廊下見てみたら、みんなハロウィンの飾り付けしてたし飾り付けする?」
「そうですね、飾り付けましょう」
こうして僕は静華さんと飾り付けへ、るなちゃんと神崎さんは料理のため調理場へ向かった。
「るなちゃん、一旦僕好きは部屋に置いてこっか」
「......うん......汚れたら......だめ......だからね」
部屋に残った奏汰と静華さんはというと──
「とりあえず車椅子に乗ろっか」
「はい」
車椅子にも大分慣れてきたな、静華さんのサポートもあってだけど痛みなく乗り移り出来るようになってきた。
「じゃあ廊下行くよー!」
そう言って静華さんは僕の車椅子を優しく押してくれ、部屋のドアを開けた。
「真っ直ぐ行くんですか」
「うんそうだよ、この奥はリハビリ施設があるんだけどそこの廊下でみんな飾り付けしてるから、そこにまぜてもらおう」
「静華さんも一緒ですか?」
「もちろんだよ! 人数多いと思うし、変なことしないかちゃんと見張っとかないとね」
静華さんとそう話していると段々近づいてきているようで、声が聞こえてきた。
「みんなー飾り付けは良い感じに進んでるー?」
『進んでるよー!』
「じゃあその調子で頑張って!」
「看護師さんも手伝ってよー」
「私が飾り付けやったら一瞬で終わっちゃうけど大丈夫かな?」
「......やっぱりやらなくていいよ!」
「あらあら──あっ!」
1人の看護師が僕たちに気づいたようで手を振ってくれた。
「手、振らないの?」
「......恥ずかしいんですよ」
「でもあの人、看護主任の御陵《みささぎ》陽子《ようこ》さんだけど......私は手、振っちゃお」
「あっほんとだ、水着姿だ」
「水着姿ってラッシュガードじゃないですか」
静華さん......なんで......今完全に写真集の話終わろうとしてたよね? なんでそこで表紙のアイドルが水着姿(ラッシュガード)だということを言っちゃうの!?
「ラッシュガードも十分水着だよ」
「それっぽいこと静華さんも言ってた──」
「それ......水着......なんだ......」
神崎さんと僕の軽い言い合いが行われている中、写真集を見ながら首を傾げていたるなちゃんが急に言葉を発した。
「「えっ」」
「あっ、るなちゃんこの水着知らない?」
「......うん」
「これはラッシュガードって言って海とか行った時に着る水着の、上に着る水着。紫外線をある程度カットしてくれたり、肌を守ったりしてくれるの」
「かなり......便利な......水着だね......」
「肌も隠せるしねー」
るなちゃんラッシュガード知らなかったんだ、海とかあんまり好きじゃないのかな? 水着姿のるなちゃんとかめっちゃ可愛いと思うんだけどなぁ。
「るなちゃんって海とかあんまり行かない?」
奏汰くんナイス質問! 思わずガッツポーズしちゃうとこだったわ。
「行かない......かな......奏汰は......行く......?」
「海はあんまり行かないかな、プールとかは好きだから行くんだけどね」
「そうなんだ......意外......」
「奏汰くんは意外と運動が好きなのかもね」
「わかんないけど多分好きなのかも」
そういえば......奏汰のことあんまり知らなかった......記憶喪失だっけ......? 奏汰自身も......覚えてないのかな?
「灰羽さんは運動のできるアイドルオタクか」
「アイドルだけじゃ......ない......」
「奏汰くんはアニメとか漫画も好きだよね」
「うん好き──あっこれ言ってた本と漫画」
そう言って僕は袋の中から小説と漫画を取り出し、るなちゃんに手渡した。
「なにこれ......読む順番で......世界が変わる......」
「その小説はね、どこの章から読んでも繋がるように出来てる小説なんだ、読む人によって物語が変わってくる作品だよ」
「面白そう......」
そう呟き、るなちゃんはもう1つの漫画を見始めた。
「これは......?」
「最近話題のラブコメ作品、めっちゃ面白いから読んで見てほしい!」
そう言って僕は袋の中から続巻を出し、るなちゃんに見せた。
「じゃあ......とりあえず......1巻......読んでみるね......」
「ふーん、『本当の僕が好きなやつ』ってタイトルなんだ」
なんか見たことあるかも、どこで見たっけ......たしか央光《おうこう》の時に雪希子《ゆきこ》さんが持っていたような......
「北条さんも......読んで......みる......?」
「面白いから静華さんも読んでみてくださいよ」
「じゃあ、るなちゃんが読み終わったら読ませてもらおうかな」
「じゃあ僕好きはるなちゃんに預けとくね」
「うん......ありがと......この小説は......一旦返すね......」
「うん」
奏汰はるなちゃんから受け取った小説を袋の中に戻して前を向いた、だけどそこには静華さんの顔が至近距離にあった。
「うーん......」
「......っ! ......近いですよ」
「あーごめんごめん、その『本当の僕が好きなやつ』って漫画、どこかで見たような気がしてさ」
静華さんがそう言った瞬間、神崎さんは妙に反応してすぐさま言葉を発した。
「まあ人気作品だし、ネットとか駅の広告で見たんじゃないか?」
「そうかなぁー?」
たしかにSNSとかはよく使うけどアニメとか漫画のこととかは普段調べないし、おすすめとかにも出てこないんじゃない? ......じゃあ駅の広告?
「それはそうと、この後どうする?」
「神崎さん......私......練習したい......かも......」
「じゃあ僕好きは頑張ったご褒美ということで、灰羽さんたちはどうする?」
「さっき廊下見てみたら、みんなハロウィンの飾り付けしてたし飾り付けする?」
「そうですね、飾り付けましょう」
こうして僕は静華さんと飾り付けへ、るなちゃんと神崎さんは料理のため調理場へ向かった。
「るなちゃん、一旦僕好きは部屋に置いてこっか」
「......うん......汚れたら......だめ......だからね」
部屋に残った奏汰と静華さんはというと──
「とりあえず車椅子に乗ろっか」
「はい」
車椅子にも大分慣れてきたな、静華さんのサポートもあってだけど痛みなく乗り移り出来るようになってきた。
「じゃあ廊下行くよー!」
そう言って静華さんは僕の車椅子を優しく押してくれ、部屋のドアを開けた。
「真っ直ぐ行くんですか」
「うんそうだよ、この奥はリハビリ施設があるんだけどそこの廊下でみんな飾り付けしてるから、そこにまぜてもらおう」
「静華さんも一緒ですか?」
「もちろんだよ! 人数多いと思うし、変なことしないかちゃんと見張っとかないとね」
静華さんとそう話していると段々近づいてきているようで、声が聞こえてきた。
「みんなー飾り付けは良い感じに進んでるー?」
『進んでるよー!』
「じゃあその調子で頑張って!」
「看護師さんも手伝ってよー」
「私が飾り付けやったら一瞬で終わっちゃうけど大丈夫かな?」
「......やっぱりやらなくていいよ!」
「あらあら──あっ!」
1人の看護師が僕たちに気づいたようで手を振ってくれた。
「手、振らないの?」
「......恥ずかしいんですよ」
「でもあの人、看護主任の御陵《みささぎ》陽子《ようこ》さんだけど......私は手、振っちゃお」
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