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頼り愛
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静華さんによって奏汰の部屋へ強制的に入らされた清水さん、その後は清水さんのあだ名を決めたりその作ったあだ名で呼んでくれなかったりと、ちょっとしたじゃれ合いはあったもののお互いを知り合ういい機会になった。
「これからどうしよっか、夜ご飯食べに行く?」
「私はいいよ、この後の予定何も無いし」
「僕も大丈夫ですよ」
「それじゃあ行こっか、奏汰くんは私が優しく優しく押してあげるからね」
そう静華さんは僕に向かって微笑みながら言ってくれた。一瞬清水さんの顔が少し変な表情をしていたような気がしたけど......まあ気のせいだろう。
「あっ清水さんごめん、ドア開けてくれない?」
「分かった──」
清水さんがドアを開けようとしたその時、反対側からゆっくりとドアが開けられ、隙間からは少し金色混じりの綺麗な白髪がなびいて見えた。
「......奏汰......さっきは......ごめん......夜ご飯......一緒に食べ......ない......?」
「るなちゃんもう大丈夫、気にしてないよ」
「そう......よかった──って......その人......だれ......?」
部屋のドアが半分ぐらい開いた時、るなちゃんは清水さんに気づきそっとドアに身を隠した。
「ちょうど良かった! 紹介するね」
静華さんはそう言いながら手を伸ばし、清水さんを指し示す。
「この子は清水《しみず》千鶴《ちづる》ちゃん、中学2年生だよ」
「......それで、この子は?」
「ああっ! ごめんごめん」
千鶴ちゃん、るなちゃんのこと知らなかったっけ? るなちゃんはあんまり人と関わらないし、顔合わせた程度じゃ──というか顔逸らしちゃうのか。まあ、るなちゃんなら知らなくてもおかしくないけど......千鶴ちゃんはどこかで顔合わせてるの見たことある気がする、よく食堂とかで大人っぽいから入院してる子供たちの注目集めてるし。
「千鶴ちゃん、この子と顔合わせたことある?」
「いや、特にそんなことは無いと思う」
あれー? 私の見間違いかなー。
「それじゃあ紹介するね、この子は宮咲《みやさき》るなちゃん、日本とフィンランドのハーフで小学3年生だよ」
静華さんがそう紹介した後、清水さんはドアに体を隠している るなちゃんに向かって話しかけた。
「よろしくね」
「っ! ......よろ......しく......」
るなちゃんは少し驚きながらも返事をする。その姿はまるで生まれたての子猫のようだった。
「さてと、紹介も終わったことだし夜ご飯食べよっか、もちろん千鶴ちゃんも一緒に」
「そういえば清水さんについてくれる看護師さんはいないんですか?」
僕は記憶喪失で骨も折れてるから付きっきりで見てくれるのは分かるんだけど、清水さんもそうだけど他の患者さんとかはどうなんだろ。
「私はいないよ、病気的に一定の刺激を与えない為なんだって。私ですら制御出来ない気持ちなんだから、私以外の誰かが抑えることなんて出来ないって思ってる」
「......へぇー......大変そうだね」
聞かなかった方が良かったかな......清水さんも色々言いたくないことはあるだろうし。
「清水さんはちょっと複雑な病気だから......」
静華さんが気を遣いながらそう言って、清水さんの方を向いた──そうしたら清水さんは話し出した、溜めていたものを吐き出すように。
「そう、心臓の病気。しかもお医者さんには完全に治ることはないって言われた心不全って病気、私の場合はストレス性心不全ってやつだけどね」
そう話した後の雰囲気はどこか寂しそうで、どこか不安そうで、どこか心配そうで......この場にいる全員が口を閉じざるを得なかった。
「ね......」
「「「......」」」
「ねっ......!」
「「「......」」」
「ねえ......って......!」
「「「......」」」
なにこれ......どうなってるの......呼んでるのに誰も返事が返ってこない......怖い......怖いよ......るなも......怖いよ......
「何しんみりした雰囲気になってるの? 早く食堂来ないと夜ご飯無くなっちゃうよ!」
「へっ......はっ! 雪希子《ゆきこ》さん」
食堂でいつものメンバーを待っていたところ、あまりにも遅すぎて様子を見に来た雪希子さん。その光は、周りのみんなをも明るくする。
「えっ! 病院のご飯って無くなることあるんですか!?」
「もー! 雪希子さんが変な事言うから奏汰くんが勘違いしちゃったじゃない」
......また......また雰囲気を壊し──
罪悪感に押しつぶされそうになった瞬間、清水さんの耳元には静華さんの顔があった。
「ゆっくりでいいよ、ゆっくりで」
そう言って北条《ほうじょう》さんは私の頭を撫でてくれた。今日......やっと私は安心できるんだ......
「奏汰......大丈夫、病院食は......全員分ちゃんと......あると思う......」
「なんだぁ......良かった良かった」
奏汰がそう返事をしたら、るなちゃんはすぐそばにいた神崎さんに抱きついた。
「お疲れ様、よく頑張ったね」
神崎さんは背中に手を持っていきながらそう優しく声をかけ、るなちゃんの心を落ち着かせた。
「千鶴ちゃんはもう大丈夫でしょ」
「うん大丈夫」
「雪希子さん、るなちゃんはどう──」
「私は......元々......大丈夫......」
あら、前は奏汰くんに泣いてるところ見られたくないって言ってたのに、強くなっちゃって。
「それじゃあ気を取り直して食堂へ行こっか!」
そう静華さんが言った瞬間るなちゃんは奏汰の部屋へ入っていき、車椅子の後ろへ回り込んだ。
「行くよ......奏汰......」
「あっ、ありがとう るなちゃん」
「私も着いていくのを忘れないでよね」
「もちろんですよ神崎さん」
本当か? 気がついたらいっつも2人だけの世界じゃないか。
「私たちも行くよ」
そう言って私は無意識に千鶴ちゃんへ手を差し出していた、千鶴ちゃんは当然驚いて困っている様子。
「あっごめんね」
私は咄嗟にそう口にし、手を引こうと思ったその時──
「いや......頼ってもいいかな......?」
「っ! ......もちろん!」
2人はお互いの手を取り合い、ゆっくり歩き出した。
「これからどうしよっか、夜ご飯食べに行く?」
「私はいいよ、この後の予定何も無いし」
「僕も大丈夫ですよ」
「それじゃあ行こっか、奏汰くんは私が優しく優しく押してあげるからね」
そう静華さんは僕に向かって微笑みながら言ってくれた。一瞬清水さんの顔が少し変な表情をしていたような気がしたけど......まあ気のせいだろう。
「あっ清水さんごめん、ドア開けてくれない?」
「分かった──」
清水さんがドアを開けようとしたその時、反対側からゆっくりとドアが開けられ、隙間からは少し金色混じりの綺麗な白髪がなびいて見えた。
「......奏汰......さっきは......ごめん......夜ご飯......一緒に食べ......ない......?」
「るなちゃんもう大丈夫、気にしてないよ」
「そう......よかった──って......その人......だれ......?」
部屋のドアが半分ぐらい開いた時、るなちゃんは清水さんに気づきそっとドアに身を隠した。
「ちょうど良かった! 紹介するね」
静華さんはそう言いながら手を伸ばし、清水さんを指し示す。
「この子は清水《しみず》千鶴《ちづる》ちゃん、中学2年生だよ」
「......それで、この子は?」
「ああっ! ごめんごめん」
千鶴ちゃん、るなちゃんのこと知らなかったっけ? るなちゃんはあんまり人と関わらないし、顔合わせた程度じゃ──というか顔逸らしちゃうのか。まあ、るなちゃんなら知らなくてもおかしくないけど......千鶴ちゃんはどこかで顔合わせてるの見たことある気がする、よく食堂とかで大人っぽいから入院してる子供たちの注目集めてるし。
「千鶴ちゃん、この子と顔合わせたことある?」
「いや、特にそんなことは無いと思う」
あれー? 私の見間違いかなー。
「それじゃあ紹介するね、この子は宮咲《みやさき》るなちゃん、日本とフィンランドのハーフで小学3年生だよ」
静華さんがそう紹介した後、清水さんはドアに体を隠している るなちゃんに向かって話しかけた。
「よろしくね」
「っ! ......よろ......しく......」
るなちゃんは少し驚きながらも返事をする。その姿はまるで生まれたての子猫のようだった。
「さてと、紹介も終わったことだし夜ご飯食べよっか、もちろん千鶴ちゃんも一緒に」
「そういえば清水さんについてくれる看護師さんはいないんですか?」
僕は記憶喪失で骨も折れてるから付きっきりで見てくれるのは分かるんだけど、清水さんもそうだけど他の患者さんとかはどうなんだろ。
「私はいないよ、病気的に一定の刺激を与えない為なんだって。私ですら制御出来ない気持ちなんだから、私以外の誰かが抑えることなんて出来ないって思ってる」
「......へぇー......大変そうだね」
聞かなかった方が良かったかな......清水さんも色々言いたくないことはあるだろうし。
「清水さんはちょっと複雑な病気だから......」
静華さんが気を遣いながらそう言って、清水さんの方を向いた──そうしたら清水さんは話し出した、溜めていたものを吐き出すように。
「そう、心臓の病気。しかもお医者さんには完全に治ることはないって言われた心不全って病気、私の場合はストレス性心不全ってやつだけどね」
そう話した後の雰囲気はどこか寂しそうで、どこか不安そうで、どこか心配そうで......この場にいる全員が口を閉じざるを得なかった。
「ね......」
「「「......」」」
「ねっ......!」
「「「......」」」
「ねえ......って......!」
「「「......」」」
なにこれ......どうなってるの......呼んでるのに誰も返事が返ってこない......怖い......怖いよ......るなも......怖いよ......
「何しんみりした雰囲気になってるの? 早く食堂来ないと夜ご飯無くなっちゃうよ!」
「へっ......はっ! 雪希子《ゆきこ》さん」
食堂でいつものメンバーを待っていたところ、あまりにも遅すぎて様子を見に来た雪希子さん。その光は、周りのみんなをも明るくする。
「えっ! 病院のご飯って無くなることあるんですか!?」
「もー! 雪希子さんが変な事言うから奏汰くんが勘違いしちゃったじゃない」
......また......また雰囲気を壊し──
罪悪感に押しつぶされそうになった瞬間、清水さんの耳元には静華さんの顔があった。
「ゆっくりでいいよ、ゆっくりで」
そう言って北条《ほうじょう》さんは私の頭を撫でてくれた。今日......やっと私は安心できるんだ......
「奏汰......大丈夫、病院食は......全員分ちゃんと......あると思う......」
「なんだぁ......良かった良かった」
奏汰がそう返事をしたら、るなちゃんはすぐそばにいた神崎さんに抱きついた。
「お疲れ様、よく頑張ったね」
神崎さんは背中に手を持っていきながらそう優しく声をかけ、るなちゃんの心を落ち着かせた。
「千鶴ちゃんはもう大丈夫でしょ」
「うん大丈夫」
「雪希子さん、るなちゃんはどう──」
「私は......元々......大丈夫......」
あら、前は奏汰くんに泣いてるところ見られたくないって言ってたのに、強くなっちゃって。
「それじゃあ気を取り直して食堂へ行こっか!」
そう静華さんが言った瞬間るなちゃんは奏汰の部屋へ入っていき、車椅子の後ろへ回り込んだ。
「行くよ......奏汰......」
「あっ、ありがとう るなちゃん」
「私も着いていくのを忘れないでよね」
「もちろんですよ神崎さん」
本当か? 気がついたらいっつも2人だけの世界じゃないか。
「私たちも行くよ」
そう言って私は無意識に千鶴ちゃんへ手を差し出していた、千鶴ちゃんは当然驚いて困っている様子。
「あっごめんね」
私は咄嗟にそう口にし、手を引こうと思ったその時──
「いや......頼ってもいいかな......?」
「っ! ......もちろん!」
2人はお互いの手を取り合い、ゆっくり歩き出した。
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