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少女の気持ち、少女への気持ち
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ハロウィンパーティーの会場となる食堂へ、るなちゃんと神崎さんを追って静華さんが歩き始めようとしたその時、目に入ったのは白くて綺麗なるなちゃんの足。
何故そんなにも目を惹かれたのかと言うと⋯⋯。
魔女の衣装として網タイツを履いていたのである。魅惑の網タイツは静華さんの心をわしずかみにし、4人が食堂に入った途端 静華さんはるなちゃんに駆け寄った。
「網タイツ可愛いね」
耳元でるなちゃんに囁いたら、るなちゃん顔を赤くしちゃった。頑張ってみたけど思ったより恥ずかしかったみたい! かわいい!
「あっ⋯⋯りがと⋯⋯。せっかく⋯⋯だから⋯⋯と思って⋯⋯着てみた⋯⋯ニーハイ⋯⋯だし⋯⋯」
「頑張ったね~」
「⋯⋯かなり⋯⋯恥ずか⋯⋯しい⋯⋯」
かわいいよ! 恥ずかしがってるのがさらに可愛い! オーラが見えちまうよ⋯⋯可愛いオーラが⋯⋯。
心の中で悶えている静華さんの顔を奏汰が訝しげな顔をして見ていたら、1人の女の子がこっちに向かって歩いてきていた。
「あっ、あれ千鶴ちゃんじゃない?」
そう言って静華さんは手を振るので、僕も反射的に手を振っている方向へ顔を向けた。
「やっぱり千鶴ちゃんだ!」
「看護師2人もコスプレしてないんだ」
周りがコスプレしている中いつもの私服で歩いてくるその姿は、異質であり明らかに目立っている。ただ、中にはその姿形に目を奪われている人も少なくなく、コスプレが全てでは無いことが分かる。
「私たち看護師はナース服がほぼコスプレみたいなもんだしね!」
神崎さんは頷きつつも、るなちゃんが自分から離れて横に立っていることに内心驚きを隠せないでいた。多くの人が食堂に集まり、食事や雑談をしている中でのるなちゃんはもはやライオンに囲まれているウサギ、ただ怯えることしか出来ないはずだった⋯⋯。
「清水さんはコスプレしてないんだ、いつも様子を見に来てくれてる舞依《まい》さんに頼むか事務に直接言ってくれれば借りられるよ?」
「四季条《しきじょう》さんもそう言ってくれた、でも私は別にいいかなって」
「まあ千鶴ちゃん以外にもコスプレしてない人いるし、コスプレがハロウィンパーティーの全てじゃないからね~」
ちなみに僕はヴァンパイアのコスプレをしている。だけど雰囲気を楽しむには明らかに身長が足りない⋯⋯ただのキッズヴァンパイアだ。
そんなことを思っていると僕の視界にるなちゃんが入ってきて、目の前で魔女のコスプレを見せびらかすように回った。スカートが揺れると共にその綺麗な髪がふわりとなびき、僕は魅了の魔法をかけられた。
「どう⋯⋯似合ってる⋯⋯?」
「う、うん⋯⋯似合ってると思う」
「よかった⋯⋯ありがと」
そう言い残してるなちゃんは千鶴を見、口角を少しあげて一瞬ほくそ笑んだあと、神崎さんの元へ戻って行った。
「なに~? るなちゃんそんなに奏汰くんにコスプレ似合ってるかどうか気になってたの~?」
ニヤケながらも静華さんはるなちゃんの今の行動について、チャンスは逃さないと深堀をする。
「ちょっと⋯⋯気になった⋯⋯だけ⋯⋯」
「ちょっとは気になったんだ」
「⋯⋯まあ⋯⋯うん」
素直になっちゃってもー! 最近るなちゃんの気持ちに拍車がかかって、傍から見てもこの子恋してるなって分かっちゃうぐらい可愛い!
「可愛いね」
「それは⋯⋯どういう⋯⋯可愛い⋯⋯?」
私は瞬時にるなちゃんの耳元へ口を持っていき、すぐ横にいる雪希子《ゆきこ》さんにも絶対聞こえないぐらいの声量で答える。
「恋は女の秘薬なんだね」
「⋯⋯っ! そん⋯⋯そんなこと⋯⋯ない⋯⋯!
と思う⋯⋯けど⋯⋯ 」
奏汰がそばにいると嬉しいし⋯⋯喋ったりする時も⋯⋯自然と笑顔になってる気がするけど⋯⋯。
これが恋かと言われたら⋯⋯まだ分からない⋯⋯だって⋯⋯恋なんて⋯⋯したことない⋯⋯本の中の出来事でしか⋯⋯知らない⋯⋯。
「あんまりいじめてやるなよ」
横にいた神崎さんがそう声をかける。
「分かってるよー」
るなちゃんの目線に合わせてしゃがんでいた静華さんは、神崎さんを見ながら立ち上がった。
「それじゃあそろそろ晩御飯食べますか!」
「私も一緒に食べていい?」
「もちろん! 千鶴ちゃんも一緒に食べよ!」
食堂の入口付近でコスプレを見たり、雑談などをしていた僕たちは食堂の奥へと進んでいく。
「バイキング形式じゃん」
「行事ごとが好きな院長だから仕方ないよ」
机が横一列に置かれ、卓上には豪華な料理が並んでいた。食事制限がかかっている人はいつもの引渡し口で制限食を受け取り、食堂で食べる方式だ。
「じゃ、奏汰くん取りに行こっか」
「はい!」
「私たちも取りに行こ」
「うん⋯⋯」
浮かない顔をしたるなちゃんを見た千鶴は、勇気を出して質問を繰り出した。
「宮咲《みやさき》さんはカボチャ嫌い?」
「ううん⋯⋯嫌いじゃない⋯⋯なんで⋯⋯?」
「不安そうな顔してたから」
「まあ⋯⋯後で⋯⋯分かるよ⋯⋯」
るなちゃん清水さんといつの間に仲良くなったんだ? 話す機会はあったものの、そこまで一瞬で仲良くなられたら今までの私の頑張りがなんだったのか⋯⋯。
入院している3人は食事制限がないので、バイキングで好きな物を取り、再度集まって机に向かった。人は多く居たが騒がしくはなく、ハロウィンを少しでも味わってもらおうという病院の配慮が伺える。
「みんな好きな物取ったー? ってこれ、カボチャグラタン? バイキングにはなかったと思うんだけど⋯⋯ 」
「それ⋯⋯私が⋯⋯作った⋯⋯やつ⋯⋯食べてみて⋯⋯ほしい⋯⋯」
るなちゃんはどもりながらも頑張って意思を伝えた。それを見た静華さんはみんなに呼びかける。
「いただきます!」
それに合わせ皆次々と挨拶をしていく中、静華さんはるなちゃんが作ったカボチャグラタンに手を伸ばした。
「1口もらうね」
「⋯⋯うん」
スプーンですくうと中に籠っていた湯気が一気に飛び出し、溶けたチーズと具材たちが食欲をそそる。
「熱いからふーふーしないとね」
自分で言って自分で冷ます⋯⋯それ誰に⋯⋯言ってる──
「はい奏汰くん、あーん」
「ん? ⋯⋯あーん」
北条さん⋯⋯! 奏汰に食べさせた⋯⋯!?
「うんうん⋯⋯美味しい」
その奏汰の一言はるなにとっての薬⋯⋯今1番欲しかった秘薬で、形や味、作り方さえ分からないけど⋯⋯何故か心が温かくなる薬。
「⋯⋯ありがと!」
そのるなちゃんの満面の笑みは眩しく、自然と胸が高鳴り始めた。この胸の高鳴りは、僕自身まだ分かっていない。
何故そんなにも目を惹かれたのかと言うと⋯⋯。
魔女の衣装として網タイツを履いていたのである。魅惑の網タイツは静華さんの心をわしずかみにし、4人が食堂に入った途端 静華さんはるなちゃんに駆け寄った。
「網タイツ可愛いね」
耳元でるなちゃんに囁いたら、るなちゃん顔を赤くしちゃった。頑張ってみたけど思ったより恥ずかしかったみたい! かわいい!
「あっ⋯⋯りがと⋯⋯。せっかく⋯⋯だから⋯⋯と思って⋯⋯着てみた⋯⋯ニーハイ⋯⋯だし⋯⋯」
「頑張ったね~」
「⋯⋯かなり⋯⋯恥ずか⋯⋯しい⋯⋯」
かわいいよ! 恥ずかしがってるのがさらに可愛い! オーラが見えちまうよ⋯⋯可愛いオーラが⋯⋯。
心の中で悶えている静華さんの顔を奏汰が訝しげな顔をして見ていたら、1人の女の子がこっちに向かって歩いてきていた。
「あっ、あれ千鶴ちゃんじゃない?」
そう言って静華さんは手を振るので、僕も反射的に手を振っている方向へ顔を向けた。
「やっぱり千鶴ちゃんだ!」
「看護師2人もコスプレしてないんだ」
周りがコスプレしている中いつもの私服で歩いてくるその姿は、異質であり明らかに目立っている。ただ、中にはその姿形に目を奪われている人も少なくなく、コスプレが全てでは無いことが分かる。
「私たち看護師はナース服がほぼコスプレみたいなもんだしね!」
神崎さんは頷きつつも、るなちゃんが自分から離れて横に立っていることに内心驚きを隠せないでいた。多くの人が食堂に集まり、食事や雑談をしている中でのるなちゃんはもはやライオンに囲まれているウサギ、ただ怯えることしか出来ないはずだった⋯⋯。
「清水さんはコスプレしてないんだ、いつも様子を見に来てくれてる舞依《まい》さんに頼むか事務に直接言ってくれれば借りられるよ?」
「四季条《しきじょう》さんもそう言ってくれた、でも私は別にいいかなって」
「まあ千鶴ちゃん以外にもコスプレしてない人いるし、コスプレがハロウィンパーティーの全てじゃないからね~」
ちなみに僕はヴァンパイアのコスプレをしている。だけど雰囲気を楽しむには明らかに身長が足りない⋯⋯ただのキッズヴァンパイアだ。
そんなことを思っていると僕の視界にるなちゃんが入ってきて、目の前で魔女のコスプレを見せびらかすように回った。スカートが揺れると共にその綺麗な髪がふわりとなびき、僕は魅了の魔法をかけられた。
「どう⋯⋯似合ってる⋯⋯?」
「う、うん⋯⋯似合ってると思う」
「よかった⋯⋯ありがと」
そう言い残してるなちゃんは千鶴を見、口角を少しあげて一瞬ほくそ笑んだあと、神崎さんの元へ戻って行った。
「なに~? るなちゃんそんなに奏汰くんにコスプレ似合ってるかどうか気になってたの~?」
ニヤケながらも静華さんはるなちゃんの今の行動について、チャンスは逃さないと深堀をする。
「ちょっと⋯⋯気になった⋯⋯だけ⋯⋯」
「ちょっとは気になったんだ」
「⋯⋯まあ⋯⋯うん」
素直になっちゃってもー! 最近るなちゃんの気持ちに拍車がかかって、傍から見てもこの子恋してるなって分かっちゃうぐらい可愛い!
「可愛いね」
「それは⋯⋯どういう⋯⋯可愛い⋯⋯?」
私は瞬時にるなちゃんの耳元へ口を持っていき、すぐ横にいる雪希子《ゆきこ》さんにも絶対聞こえないぐらいの声量で答える。
「恋は女の秘薬なんだね」
「⋯⋯っ! そん⋯⋯そんなこと⋯⋯ない⋯⋯!
と思う⋯⋯けど⋯⋯ 」
奏汰がそばにいると嬉しいし⋯⋯喋ったりする時も⋯⋯自然と笑顔になってる気がするけど⋯⋯。
これが恋かと言われたら⋯⋯まだ分からない⋯⋯だって⋯⋯恋なんて⋯⋯したことない⋯⋯本の中の出来事でしか⋯⋯知らない⋯⋯。
「あんまりいじめてやるなよ」
横にいた神崎さんがそう声をかける。
「分かってるよー」
るなちゃんの目線に合わせてしゃがんでいた静華さんは、神崎さんを見ながら立ち上がった。
「それじゃあそろそろ晩御飯食べますか!」
「私も一緒に食べていい?」
「もちろん! 千鶴ちゃんも一緒に食べよ!」
食堂の入口付近でコスプレを見たり、雑談などをしていた僕たちは食堂の奥へと進んでいく。
「バイキング形式じゃん」
「行事ごとが好きな院長だから仕方ないよ」
机が横一列に置かれ、卓上には豪華な料理が並んでいた。食事制限がかかっている人はいつもの引渡し口で制限食を受け取り、食堂で食べる方式だ。
「じゃ、奏汰くん取りに行こっか」
「はい!」
「私たちも取りに行こ」
「うん⋯⋯」
浮かない顔をしたるなちゃんを見た千鶴は、勇気を出して質問を繰り出した。
「宮咲《みやさき》さんはカボチャ嫌い?」
「ううん⋯⋯嫌いじゃない⋯⋯なんで⋯⋯?」
「不安そうな顔してたから」
「まあ⋯⋯後で⋯⋯分かるよ⋯⋯」
るなちゃん清水さんといつの間に仲良くなったんだ? 話す機会はあったものの、そこまで一瞬で仲良くなられたら今までの私の頑張りがなんだったのか⋯⋯。
入院している3人は食事制限がないので、バイキングで好きな物を取り、再度集まって机に向かった。人は多く居たが騒がしくはなく、ハロウィンを少しでも味わってもらおうという病院の配慮が伺える。
「みんな好きな物取ったー? ってこれ、カボチャグラタン? バイキングにはなかったと思うんだけど⋯⋯ 」
「それ⋯⋯私が⋯⋯作った⋯⋯やつ⋯⋯食べてみて⋯⋯ほしい⋯⋯」
るなちゃんはどもりながらも頑張って意思を伝えた。それを見た静華さんはみんなに呼びかける。
「いただきます!」
それに合わせ皆次々と挨拶をしていく中、静華さんはるなちゃんが作ったカボチャグラタンに手を伸ばした。
「1口もらうね」
「⋯⋯うん」
スプーンですくうと中に籠っていた湯気が一気に飛び出し、溶けたチーズと具材たちが食欲をそそる。
「熱いからふーふーしないとね」
自分で言って自分で冷ます⋯⋯それ誰に⋯⋯言ってる──
「はい奏汰くん、あーん」
「ん? ⋯⋯あーん」
北条さん⋯⋯! 奏汰に食べさせた⋯⋯!?
「うんうん⋯⋯美味しい」
その奏汰の一言はるなにとっての薬⋯⋯今1番欲しかった秘薬で、形や味、作り方さえ分からないけど⋯⋯何故か心が温かくなる薬。
「⋯⋯ありがと!」
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