ギミックハウス~第495代目当主~

北きつね

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第一章 ギミックハウス

第二十五話 補強

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 また、”本”を読んでいて、寝てしまった。
 解ったことがある。”夜伽”はスキルで存在していて、呪いのような物だ。セバスたちを呼び出す時に”OFF”にしていた俺を褒めてやりたい。

 これから、気をつけよう。
 ”スキル”として夜伽があるとは思わなかったが、オプションで選択が可能な項目は、全部スキルになっていると思ったほうがいいだろう。チュートリアルが終わって、大丈夫だと思ったら、こんな罠を仕掛けるなんて、簡単に攻略をさせたくないようだ。

 でも、セバスたちが夜伽は、本人の意思だというのがわかっただけでも・・・。でも、無理だな。諦めよう。それに、俺はまだ子供だ。これから、これから、だといいけど・・・。俺・・・。成長するよね?

 ん?誰かが来た?
 よくあるセンサーを扉の前に設置した。マスタールームの周りを、1万ポイントを使ってリニューアルした。セバスたちの控えの部屋と、マスタールームに扉を設置したが、部屋の形を少しだけ変更して、通路にした。これで、扉ですぐに部屋にはならない。マスタールームには扉の設置が出来なかったら、セバスたちの部屋に2つ目の扉を設置した。部屋は一つで、複数の扉を設置した。セバスたちの部屋も、マスタールームの隣の部屋と同じ部屋に変更した。既に作ってある部屋でも設定の変更が出来た。

 センサーは、扉を開けて、マスタールームの扉までの通路に設置している。

「マイマスター」

 セバスだ。

『今、開ける』

 ロックを解除する。
 スキル画面から出来るから便利だ。

「マイマスター。お時間を頂いてもうしわけございません」

「どうした?」

 セバスが、新人のカンウたちからの要望を伝えてきた。

「武器や防具を奪うのか?」

「はい。有効な手段だと考えます」

「うーん」

「それに、彼らの戦闘力の確認には、適役かと思います。彼らが傷つくことはないと思います」

「彼らが傷つくことは無いと思っている。そうではなくて、武器防具を奪うだけなら、すぐに実行できる」

「え?」

「やってみようか?全部は無理だけど、セバスたちが奪おうと思っている。奴隷たちが持っている物だろう?」

「はい」

 魔王城(仮称)の入り口まで伸びている通路が出来ている。しかし、通路に見える場所は落とし穴で出来ている。いつでも、落とし穴を発動できる。捕らえるだけなら、もう彼らは、俺の手の中にいる。それだけでは面白くないし、魔王城(仮称)の実地テストにならないので、罠の発動は行っていない。

「彼らを捕らえるだけなら、罠を発動すれば終わり」

「え?」

「あの通路は、ほぼ落とし罠で出来ている」

「それでは、本当の通路は?」

「ん?あぁ門から入って壁に沿って、安全な通路がある。反対側にでたら、魔王城(仮称)までまっすぐに進めば、安全に行ける。今は」

「今は?」

「子どもたちが居る檻を隠す為に、木々で通路を作っているだろう?」

「はい」

「森にしてしまって、通路に見える道を作って、左右からボウガンや魔物に襲わせてみようと思っている。壁に沿って進んで反対側に出る。今まで、罠や攻撃が多く木々で視線が遮られていた道を通ってきた。その後で、開けた場所に出て、まっすぐに伸びる通路があれば、通りたくなるだろう?」

 魔物も、なるべく小さな魔物にすれば、木々で発見が遅れるし、対応が難しいだろう。

「さすがは、マイマスター」

 セバスの顔が嬉しそうなので、俺も良かったと思おう。
 でも、相手がこんなに弱くて、頭も弱いと、せっかく作ったギミックが無駄になってしまう。うまく作動するのか気になるギミックも存在している。

「そうなると、彼らの要望は却下ですか?」

「いや、彼らなら、領域外にも出られるよな?」

「はい。可能です」

「それなら、天幕に残っている一人を捕らえてこい。それから、外周部の森に居る者も捕らえてしまえ」

「はっ」

「セバス。どうして、武具や防具を奪おうと考えた?」

「はい。子どもたちの武器や防具を、マイマスターに用意してもらうよりは、訓練用なので、奴らが持っている物で十分ではないかと考えました」

「そうか、確かに訓練用に必要になる。それなら、捕らえてしまうか・・・。あっでも、子どもたちにはサイズが合わないよな?」

「はい。そこで、マイマスターにお願いがあります」

「ん?」

「鍛冶を得意とするドワーフ種と、薬学やレンジャーに素質を持つエルフ種の召喚は可能でしょうか?」

「あぁそうか、そうしたら、自分たちでいろいろ準備が出来るのだな」

「はい。子どもたちも、畑や狩り以外にも適正があれば・・・」

「そうだな。セバス。ありがとう。気が付かなかったよ」

 確かに、子どもたちに選択肢を示すのは必要なことだな。
 鍛冶か・・・。刀とか作ってくれないかな?日本人なら、一度は持ってみたいと思うものだろう。武器もポイントで交換するよりも、効率的かもしれないな。数名だけなら、ポイントで武器や防具を交換していても良かったけど、300名となると、確かにポイントでは非効率だな。
 薬は完全に忘れていた。薬学か、スキルがあるから、セバスでも覚えられるけど、負担は分けたほうがいいだろう。それに、エルフは見てみたい。

 ”本”を見てみると、ドワーフとエルフとダークエルフとハーフリングという種族が選べる。

「セバス。ハーフリングってどういう種族だ?」

「はい。ハーフリングは、手先が器用で、加工が得意です」

 そうなると、布製品や革製品の加工が出来るだろう。ついでに、人族も召喚するか?農業だけじゃなくて、漁業とか、畜産の知識を持たせたいな。底まで、人が増えるとは思えないけど・・・。

「鍛冶職に4人。薬学に4人。斥候や密偵に4人。加工職に4人。農業・漁業・畜産・林業で4人。それぞれの種族のまとめ役で一人ずつって感じかな?」

「25名も増やしてしまって、大丈夫ですか?」

「ん?あぁ大丈夫。ポイントが減るのは間違いないけど、外に居る奴らを捕らえるから大丈夫だ」

 それに、今の状態でもすごい勢いでポイントが加算されている。約5,000名を閉じ込めている状況になっているのだから、ポイントも増えている。先行していた奴らが、魔王城(仮称)にたどり着いたから、これからが本番だと彼らが思ってくれたら、こちらとしても嬉しい。主に、ポイントの面で・・・。

「マイマスター。子どもたちの件ですが・・・」

「ん?あっ。すまん。横道だったな」

「いえ。マイマスターのお考えに触れられて、嬉しく思います」

「それで、子どもたちの為に何か欲しいのか?」

「はい。訓練所があると嬉しく思います。モミジの知識で、マイマスターなら、証を持つ者なら死なない設定が”出来る”と言っております」

「訓練所か、そうか・・・。外で、訓練を行うのは、まずいよな。わかった、モミジが言っていることが出来るか、考えてみるよ」

「ありがとうございます」

「セバス。嘘を見抜いたり、過去を覗き見たり、悪意を感知するようなスキルはある?」

「え?はっ闇スキルに存在します。私が使えます」

 これで、あとは拷問官が必要になるけど、ただ苦痛を与えるだけの拷問と、情報を引き出す拷問が必要になるな。
 拷問すべき者が多くなってから考えればいいかな。負担をかけるけど、まずは、セバスと教師の5人に担当させればいいかな。魔王って設定だし、魔王の側近で一人は知恵袋って感じで、残りの4人で四天王(笑)だな。

「セバス!」

「はっ」

 セバスが俺の前に跪く。

「カンウたちに、天幕に居る奴と、森に居る奴の捕縛を命じる。速やかに捕らえよ。捕らえて、魔王城(仮称)の地下にある独房に入れておけ。殺すな」

「勅命。承りました」

「お!それなら、セバスに命じる。捕らえた者の過去を見て、報告せよ。武具や防具を運ぶ奴隷たちを捕らえて、罪なき者は地下へ、罪ありし者は2階で拷問を行え。手段は任せる」

「はっ!」

 セバスが嬉しそうな表情で俺を見上げてから、立ち上がる。
 深々と頭を下げてから、マスタールームから出ていく。
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