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【孝太郎×香穂編】
1.再会(中編)
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そして孝太郎が起きると、もう昼前だった。
「おはよ……」
「おはよう、ってもうお昼よ。昨日帰り遅かったのねえ。無理して帰らせて悪かったわね。おばあちゃんが孝太郎に会いたがってるから……疲れてるのに申し訳ないけど、あとで寄ってあげてね」
台所で昼食の準備をしている母親が言った。
孝太郎がしょっちゅう帰省するのは、祖母のことが理由の一つだった。
母方の祖母が、近くの病院に入院している。そして、孝太郎の父親はその病院の勤務医師であるため、祖母はそこに入院するほうが母親も面倒が見られるということになったのだ。
「うん、わかった」
祖母は、孫である孝太郎兄弟をとても可愛がってくれている。
孝太郎には十歳年の離れた兄がいるが、彼もまた医師として別の病院で働いている。
孝太郎も医者になれと言われるのかと思ったが、好きなことをさせてもらっている。
「ねえ、誰か来たの? さっき母さんが部屋に来たような気がするんだけど」
「あっ、そうそう、忘れるところだった」
パタパタと母親は居間に行き、テーブルに置いてあった紙の手提げ袋を持ってきた。
「はい、これ」
「なにこれ」
「香穂ちゃんから」
「香穂ちゃん?」
孝太郎は怪訝な顔をした。
「借りたものを返しに来た、って」
「ふーん……って、香穂って誰?」
何言ってんの、と母親は眉を顰めた。
「高月さんとこの香穂ちゃんでしょうが」
「高月……」
高月、というと、幼馴染で親友の健輔の顔が思い浮かんだ。
「健輔?」
「そうよ、ケンちゃんのお姉ちゃんの香穂ちゃん」
ぼんやりと孝太郎は記憶を掘り起こした。
「香穂……」
「いつもあんたたち三人、面倒見てもらってたでしょうが。ひどい子ねえ……」
母親は軽蔑の眼差しを息子に向けた。
三人というのは、健輔、彼の幼馴染で恋人の彩織、そして自分のことだ。
「そういうわたしも最初誰かわからなかったんだけどね。だって香穂ちゃん、前見た時はもうちょっとぽちゃっとしてたと思うんだけど。やっぱりお勤めし出すと変わるのかしらね。綺麗なお嬢さんになってたからびっくりしたわ。あれはいい男性がいるわね、結婚が近いのかしら。彩織ちゃんも可愛いけど、香穂ちゃんはきれいよねえ、女の子がいるって羨ましいわねえ」
……思い出した……!
孝太郎の頭の中で、アニメや漫画のように電球がピカッと光った。
(そうだ、ケンのお姉ちゃんだ)
昨夜、どこかで見たことあると思ったのはそういうことか……。
暗かったし、酔っ払ってたし、母親の言うことでは容姿が昔と変わっているらしいし。
自分の知ってる健輔の姉の香穂は、セーラー服の高校一年かそこらまでだった。
紙袋の中をのぞくと、ハンドタオルが入っている。確かに昨日、酔っ払いの女性に差し出したものだった。いちばん下には、封筒が。
(なんだ?)
母親が何々、とのぞいている。
「見るなっ」
孝太郎はそれを持って自分の部屋に戻った。
先ほどの封筒を開けてみると、一万円札が一枚。
「エッ!」
なんだよこれ。
そして小さなメモがヒラヒラと落ちてきた。
拾い上げ、目を通すと……。
【ご迷惑をおかけしました。
お借りしたものをお返しします。
ありがとうございました。
高月香穂】
と書かれていた。
なんだよこれ、と孝太郎は手を震わせた。
慌てて顔を洗って着替え、玄関へまっしぐらに向かう。
「孝太郎、お昼は?」
「すぐ戻る。食べるから置いといて」
孝太郎は健輔の家へ走った。
と言っても、すぐ近所なのだが。
ピンポン、と高月家のチャイムを押したが、誰も出てこなかった。
「こんにちは、楠本です」
呼んでも誰も出ない。
仕方ない、と家に戻り、昼食を取った。
祖母の見舞いに行ったあとは、またすぐに実家に戻る。
祖母は元気な様子で、孝太郎の訪問をとても喜んでくれた。
父親にも会って行こうかとも思ったが、仕事の邪魔をしてはいけない、と踵を返した。
「そうだ、忘れちゃいけない」
孝太郎はもう一度高月家を訪ねることにした。
チャイムを押すと、今度は返事があった。
「はーい」
「楠本です」
しばらくするとドアが開いた。
ドアの向こうから現れたのは、紛れもなく昨夜の女性だった。ただ、昨夜よりはかなり整ってはいた。
「あ、あの、楠本孝太郎です……」
「こんにちは」
初対面で自己紹介をするような名乗り方をしてしまった。
確かに、母親の言うとおり、記憶の香穂とは違っていた。
面影はあるが、痩せてスッキリしているし、化粧をしているのもあるだろうが、とても綺麗になっていた。
「お久しぶりです、あの、その…………」
なぜかどぎまぎしてしまい、言葉もしどろもどろになってしまった。
「昨日は、ごめんね。……みっともないところ。まさか孝太郎君に助けてもらってたとは」
「いえ、大丈夫です。無事に帰れたみたいで、よかったです」
「孝太郎君のおかげです。本当にありがとう」
きけば香穂は、殆ど記憶がないらしい。
起きたらビジネスホテルの一室で、誰が介抱してくれたのかすらわからなかったという。
それが幼馴染の孝太郎だと気づく以前の問題だった。
フロントで尋ねると、学生風の男性が負ぶってやってきて精算までしてすぐに消えたという。
自分は何もされていないし、本当に純粋に助けてくれたのだと知って慌てた。
個人情報で、と拒まれたが強引に宿泊名簿の名前と住所を聞き出したところ、知った人物だったから驚いたという香穂らしい。
「俺は全然気づいてなかった……」
と、孝太郎は頭をかいた。
そうだ、と彼は封筒を香穂に突き出した。
「これ」
「なに?」
「返す」
「……なんで?」
香穂は、それが自分が今朝楠本家に届けたものだとわかったようで、両手を胸の前で振った。
「孝太郎君が返す、っておかしくない? 借りたのはわたしだよ」
「もともと、あれは俺が知らない人のために使った代金だ。戻ってくるとは思ってない」
「知り合いだったんだから返してもらえるのよ。受け取りなさいよ」
「いーや。もう使って、ないものだと思ってるから」
「迷惑かけたのはわたしなのよ。そのわたしが返す、って言ってんのに」
香穂もガンとして譲らない。
二人は、高月家の玄関で問答を続けた。
「もう……強情ね」
「香穂さんこそ」
「あなた学生でしょ。お父さんお母さんの出してくれた大事なお金なんだから、大切にしなきゃ」
その一言で、孝太郎が折れた。
ぐうの音も出ない。
「よし。ちゃんと返したからね」
ふふん、と香穂は口元を緩めた。
「でも……それじゃ……」
「いいの。迷惑かけたのはわたし。ホテルの人にきいたけど、おんぶして連れていってくれてたんでしょ。駅かどこかからずっと……それにそのハンカチの様子じゃ、わたし粗相をしたみたいだし。孝太郎君にしんどい思いさせたのに、お金で解決しようなんて、ごめん」
ぺこり、と香穂は頭を下げた。
そしてそのまま動かない。
「い、いいよ、いいよ。頭あげてよ。別に、お礼言ってもらいたくてしたわけじゃないし」
香穂はゆっくりと頭を上げた。
「ごめん」
「いいってば」
にっ、と孝太郎が笑うと、香穂もにっ、と笑った。
どうやら高月家は香穂のほかには人がいないらしい。
「昨日から両親とも旅行だよ。明日のお昼に帰ってくるの。だから朝帰りしても見つからずに済んだんだけどねー」
苦笑する香穂。
香穂に促された孝太郎は、居間に通された。
「お茶入れるね」
「あ、いや、俺はもう」
「暇してたから。ちょっと味見してってよ」
香穂は、紅茶を用意して、冷蔵庫から何やら取り出した。
「うまくできたかな~っと」
彼女はレアチーズケーキを皿に乗せて、孝太郎の前に差し出した。
「食べてみて」
「これ、香穂さんが作ったの?」
「そ。どうかな」
目をキラキラさせて、孝太郎が口にするのを見ている。
緊張するなぁ、と孝太郎は一口運んだ。
「ん。うまいよ」
「よかった」
「あれっ、オレンジっぽい味がする」
「気づいた? いつもはレモンなんだけど、今日はオレンジ風味にしてみたの。……っていつもを知らないか」
「ううん、前に……って言っても相当前だけど、香穂さんに作ってもらったのを三人で食べたことあるよ。その時はノーマルのレアチーズケーキだった」
よく覚えてるね、と香穂は目を細めて笑った。
そういえば香穂は料理やお菓子が上手だった。
何か作っては、いつも食べさせてくれた。
相変わらずうまいんだなぁ、と孝太郎は思った。
恋人に作ってあげたりしてるんだろうな、とちょっと羨ましく思ったりもした。
「やっぱり孝太郎君は舌が肥えてるね。ケンに作っても『うまい』しか言わないからね」
「けど、それがいちばんシンプルな意見と思うけど。美味しくないときは、変にごまかす意見になると思うよ。『まずい』なんていえないだろうし」
それもそうか、と香穂は笑う。
「香穂さんの手料理食べられる男は幸せだなぁ」
ぼそっ、と言ったのが聞こえたのか、途端に香穂の顔が曇った。
「あ……」
何か言っちゃいけないこと言ったかも、と孝太郎はバツの悪い顔をした。
やばい……。
「あっあの、香穂さん。今から時間ある?」
「え?」
「暇してるって言ってたよな、ちょっと出かけない?」
「おはよ……」
「おはよう、ってもうお昼よ。昨日帰り遅かったのねえ。無理して帰らせて悪かったわね。おばあちゃんが孝太郎に会いたがってるから……疲れてるのに申し訳ないけど、あとで寄ってあげてね」
台所で昼食の準備をしている母親が言った。
孝太郎がしょっちゅう帰省するのは、祖母のことが理由の一つだった。
母方の祖母が、近くの病院に入院している。そして、孝太郎の父親はその病院の勤務医師であるため、祖母はそこに入院するほうが母親も面倒が見られるということになったのだ。
「うん、わかった」
祖母は、孫である孝太郎兄弟をとても可愛がってくれている。
孝太郎には十歳年の離れた兄がいるが、彼もまた医師として別の病院で働いている。
孝太郎も医者になれと言われるのかと思ったが、好きなことをさせてもらっている。
「ねえ、誰か来たの? さっき母さんが部屋に来たような気がするんだけど」
「あっ、そうそう、忘れるところだった」
パタパタと母親は居間に行き、テーブルに置いてあった紙の手提げ袋を持ってきた。
「はい、これ」
「なにこれ」
「香穂ちゃんから」
「香穂ちゃん?」
孝太郎は怪訝な顔をした。
「借りたものを返しに来た、って」
「ふーん……って、香穂って誰?」
何言ってんの、と母親は眉を顰めた。
「高月さんとこの香穂ちゃんでしょうが」
「高月……」
高月、というと、幼馴染で親友の健輔の顔が思い浮かんだ。
「健輔?」
「そうよ、ケンちゃんのお姉ちゃんの香穂ちゃん」
ぼんやりと孝太郎は記憶を掘り起こした。
「香穂……」
「いつもあんたたち三人、面倒見てもらってたでしょうが。ひどい子ねえ……」
母親は軽蔑の眼差しを息子に向けた。
三人というのは、健輔、彼の幼馴染で恋人の彩織、そして自分のことだ。
「そういうわたしも最初誰かわからなかったんだけどね。だって香穂ちゃん、前見た時はもうちょっとぽちゃっとしてたと思うんだけど。やっぱりお勤めし出すと変わるのかしらね。綺麗なお嬢さんになってたからびっくりしたわ。あれはいい男性がいるわね、結婚が近いのかしら。彩織ちゃんも可愛いけど、香穂ちゃんはきれいよねえ、女の子がいるって羨ましいわねえ」
……思い出した……!
孝太郎の頭の中で、アニメや漫画のように電球がピカッと光った。
(そうだ、ケンのお姉ちゃんだ)
昨夜、どこかで見たことあると思ったのはそういうことか……。
暗かったし、酔っ払ってたし、母親の言うことでは容姿が昔と変わっているらしいし。
自分の知ってる健輔の姉の香穂は、セーラー服の高校一年かそこらまでだった。
紙袋の中をのぞくと、ハンドタオルが入っている。確かに昨日、酔っ払いの女性に差し出したものだった。いちばん下には、封筒が。
(なんだ?)
母親が何々、とのぞいている。
「見るなっ」
孝太郎はそれを持って自分の部屋に戻った。
先ほどの封筒を開けてみると、一万円札が一枚。
「エッ!」
なんだよこれ。
そして小さなメモがヒラヒラと落ちてきた。
拾い上げ、目を通すと……。
【ご迷惑をおかけしました。
お借りしたものをお返しします。
ありがとうございました。
高月香穂】
と書かれていた。
なんだよこれ、と孝太郎は手を震わせた。
慌てて顔を洗って着替え、玄関へまっしぐらに向かう。
「孝太郎、お昼は?」
「すぐ戻る。食べるから置いといて」
孝太郎は健輔の家へ走った。
と言っても、すぐ近所なのだが。
ピンポン、と高月家のチャイムを押したが、誰も出てこなかった。
「こんにちは、楠本です」
呼んでも誰も出ない。
仕方ない、と家に戻り、昼食を取った。
祖母の見舞いに行ったあとは、またすぐに実家に戻る。
祖母は元気な様子で、孝太郎の訪問をとても喜んでくれた。
父親にも会って行こうかとも思ったが、仕事の邪魔をしてはいけない、と踵を返した。
「そうだ、忘れちゃいけない」
孝太郎はもう一度高月家を訪ねることにした。
チャイムを押すと、今度は返事があった。
「はーい」
「楠本です」
しばらくするとドアが開いた。
ドアの向こうから現れたのは、紛れもなく昨夜の女性だった。ただ、昨夜よりはかなり整ってはいた。
「あ、あの、楠本孝太郎です……」
「こんにちは」
初対面で自己紹介をするような名乗り方をしてしまった。
確かに、母親の言うとおり、記憶の香穂とは違っていた。
面影はあるが、痩せてスッキリしているし、化粧をしているのもあるだろうが、とても綺麗になっていた。
「お久しぶりです、あの、その…………」
なぜかどぎまぎしてしまい、言葉もしどろもどろになってしまった。
「昨日は、ごめんね。……みっともないところ。まさか孝太郎君に助けてもらってたとは」
「いえ、大丈夫です。無事に帰れたみたいで、よかったです」
「孝太郎君のおかげです。本当にありがとう」
きけば香穂は、殆ど記憶がないらしい。
起きたらビジネスホテルの一室で、誰が介抱してくれたのかすらわからなかったという。
それが幼馴染の孝太郎だと気づく以前の問題だった。
フロントで尋ねると、学生風の男性が負ぶってやってきて精算までしてすぐに消えたという。
自分は何もされていないし、本当に純粋に助けてくれたのだと知って慌てた。
個人情報で、と拒まれたが強引に宿泊名簿の名前と住所を聞き出したところ、知った人物だったから驚いたという香穂らしい。
「俺は全然気づいてなかった……」
と、孝太郎は頭をかいた。
そうだ、と彼は封筒を香穂に突き出した。
「これ」
「なに?」
「返す」
「……なんで?」
香穂は、それが自分が今朝楠本家に届けたものだとわかったようで、両手を胸の前で振った。
「孝太郎君が返す、っておかしくない? 借りたのはわたしだよ」
「もともと、あれは俺が知らない人のために使った代金だ。戻ってくるとは思ってない」
「知り合いだったんだから返してもらえるのよ。受け取りなさいよ」
「いーや。もう使って、ないものだと思ってるから」
「迷惑かけたのはわたしなのよ。そのわたしが返す、って言ってんのに」
香穂もガンとして譲らない。
二人は、高月家の玄関で問答を続けた。
「もう……強情ね」
「香穂さんこそ」
「あなた学生でしょ。お父さんお母さんの出してくれた大事なお金なんだから、大切にしなきゃ」
その一言で、孝太郎が折れた。
ぐうの音も出ない。
「よし。ちゃんと返したからね」
ふふん、と香穂は口元を緩めた。
「でも……それじゃ……」
「いいの。迷惑かけたのはわたし。ホテルの人にきいたけど、おんぶして連れていってくれてたんでしょ。駅かどこかからずっと……それにそのハンカチの様子じゃ、わたし粗相をしたみたいだし。孝太郎君にしんどい思いさせたのに、お金で解決しようなんて、ごめん」
ぺこり、と香穂は頭を下げた。
そしてそのまま動かない。
「い、いいよ、いいよ。頭あげてよ。別に、お礼言ってもらいたくてしたわけじゃないし」
香穂はゆっくりと頭を上げた。
「ごめん」
「いいってば」
にっ、と孝太郎が笑うと、香穂もにっ、と笑った。
どうやら高月家は香穂のほかには人がいないらしい。
「昨日から両親とも旅行だよ。明日のお昼に帰ってくるの。だから朝帰りしても見つからずに済んだんだけどねー」
苦笑する香穂。
香穂に促された孝太郎は、居間に通された。
「お茶入れるね」
「あ、いや、俺はもう」
「暇してたから。ちょっと味見してってよ」
香穂は、紅茶を用意して、冷蔵庫から何やら取り出した。
「うまくできたかな~っと」
彼女はレアチーズケーキを皿に乗せて、孝太郎の前に差し出した。
「食べてみて」
「これ、香穂さんが作ったの?」
「そ。どうかな」
目をキラキラさせて、孝太郎が口にするのを見ている。
緊張するなぁ、と孝太郎は一口運んだ。
「ん。うまいよ」
「よかった」
「あれっ、オレンジっぽい味がする」
「気づいた? いつもはレモンなんだけど、今日はオレンジ風味にしてみたの。……っていつもを知らないか」
「ううん、前に……って言っても相当前だけど、香穂さんに作ってもらったのを三人で食べたことあるよ。その時はノーマルのレアチーズケーキだった」
よく覚えてるね、と香穂は目を細めて笑った。
そういえば香穂は料理やお菓子が上手だった。
何か作っては、いつも食べさせてくれた。
相変わらずうまいんだなぁ、と孝太郎は思った。
恋人に作ってあげたりしてるんだろうな、とちょっと羨ましく思ったりもした。
「やっぱり孝太郎君は舌が肥えてるね。ケンに作っても『うまい』しか言わないからね」
「けど、それがいちばんシンプルな意見と思うけど。美味しくないときは、変にごまかす意見になると思うよ。『まずい』なんていえないだろうし」
それもそうか、と香穂は笑う。
「香穂さんの手料理食べられる男は幸せだなぁ」
ぼそっ、と言ったのが聞こえたのか、途端に香穂の顔が曇った。
「あ……」
何か言っちゃいけないこと言ったかも、と孝太郎はバツの悪い顔をした。
やばい……。
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「え?」
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