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吸血鬼令嬢は王と相まみえる
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ほんの一瞬前までドアがあった場所に、月明かりを受ける一人の吸血鬼の姿があった。
均整の取れた体つきの彼が誰なのか、誰に紹介されずとも、辺りを覆う魔力が答えを告げる。
神を思わせる桁外れな強さと澄み切った清らかさを持ち、空間も、時すらも従える覇気を帯びた銀の魔力。
このような魔力を持つ吸血鬼は、一族の中で唯一人、吸血鬼の王、クリストファーのみだ。
彼の魔力の強さは聞き知っていたものの、肌で直接感じるそれは、想像をはるかに超えたものだった。
けれども、ジェシカの想像を超えたものはそれだけではなかった。
クリストファーは美という概念を体現していた。彼を一目見て、ジェシカは美というものが強さを持つことを初めて知った。その美は、神々しく、彼の魔力と共に畏怖を感じさせ、こちらの動きを封じてしまう。
彼の銀の髪は、消え去った天井から差し込む月の光を浴びて煌めき、白皙の肌を夜の闇でも浮かび上がらせる。容姿のすべてが完璧な美を象っていたが、特にジェシカが目を奪われたのは、瞳だった。
深い智と魔力を湛えた涼やかなその瞳は、ジェシカの最も好きな色を持ち、銀と白の中に色を添えていた。
「まるで菫のよう…」
深い紫に誘われるように、不敬にもジェシカは囁いてしまった。
クリストファーがその不敬を咎めることはなかった。彼はジェシカの言葉にふわりと笑みを零した。
これ以上の美は存在しえないと思った彼女は、それが過ちだったことを知った。
その笑みは彼女の思考すら奪った。
全てを囚われた彼女の頭に、艶のある低い声が入り込んだ。
「またその言葉が聞けて、うれしいよ」
――!
ジェシカは目を瞠った。
声と同時に、いつものように色も形もない臭いが彼女に襲いかかった。
けれども、際立った存在感を放つその臭いは、いつもとは違った。
これまで感じたことのない、身体が溶けそうなほど、甘く、芳しい香りだった。その芳香は瞬時に彼女の意識を刈り取った。
視覚も聴覚も消え失せ、クリストファーの姿も、自分の膝の下にいるチャーリーの姿も、自分自身の身体すらもなくなっていた。彼女の感じられるものは、自分にまとわりつく、泣きたいほど甘美な香りだけだった。
芳しい香りに全身が疼き、今まで燻ぶっていた血への渇望が、一息に燃え上がった。
彼女はその熱に喘ぐ。
熱は彼女を侵し、彼女の世界は香りと熱に染め上げられた。
身体は求めるまま、牙を伸ばし――、
――彼女の姿は消えた。
同時に銀の魔力がゆらりと動き、その強い波動にチャーリーは呻いたが、クリストファーがチャーリーに目を向けることはなかった。彼は宙に目を遣り、僅かに口角を上げた。
「私から逃げるのかい?」
言葉を紡ぎ終わったときには、クリストファーの姿も消えていた。
一人取り残されたチャーリーは、ようやく息が戻った心地がした。
それでも、まだこの場に残る銀の魔力に本能的な恐怖を覚え、身体は竦んでいる。
とてもでないが、転移で追いかけることはできない。
チャーリーにできたことは、瞳を閉じて従妹の幸運を祈ることだけだった。
◇◇
ジェシカが逃げ出した先は馬車の中だった。
まだ夜会は始まったばかりの時間で、当然のことではあるが、御者は使用人たちに用意された控室で休みを取り、馬車には誰もいない。周りの馬車にも人影はなく、つながれた馬たちも夜の闇に身を任せ、目を閉じているものが多く、辺りは静かだ。
ジェシカはほっと息を吐いた。身体の疼きは収まらないけれど、クリストファーから離れたことで、自分の全てが染まるような渇望は薄れている。
それでも、先ほど味わった、自分の全てが消えてしまいそうな激しい欲の記憶は鮮烈で、沸き上がる恐怖に、ジェシカは自分の身体を抱きしめた。燻ぶる疼きは、まだ戻らない牙に疼きを与え続けている。
あの香りを、あの芳しい血を、身体は求め続けているのだ。いや、彼女の意識もあの香りを求めていた。
これでは、いつ、あの鮮烈な渇望が蘇るか分からない。
「何とか早くここから離れないと」
震える声で何とか自分を奮い立たせたとき、クスリと笑いが起こった。
「そんなことはさせないよ」
甘い香りがむせ返るほど馬車の中に匂い立つ。クリストファーが向かいの席に端然と座っていた。ジェシカはクリストファーの転移に驚く余裕はなかった。彼女は目を開けることもできないほど、香りに酔い、必死に、けれども力なく、手を窓へと伸ばす。香りに侵された手は空を切り、もう窓がどこにあるかも分からなかった。
ジェシカは喘いだ。
「お願い…、窓を…開けて」
柔らかな笑いの気配と共に、窓が開けられ、夜の風が入り込む。少し香りが薄らぎ、ジェシカは目を開けることができた。けれどもそれは失敗だった。自分を見つめる濃い紫の瞳に惹きこまれ、彼女の身体は再び熱を孕んでしまう。
「だめ…、私…」
かき集めた理性で、何とか欲を抑え込もうとするも、甘く艶のある声がそれを遮った。
「怖がらなくていい。私の全ては君のものだ」
――すべて、私のもの――
熱に悶える彼女の意識に、その言葉は駆け抜けた。
ドクリ――。
はっきりとジェシカの鼓動が強まる。牙は伸びきり、爪までも伸びる。
もう自分を抑えきれない、と微かに残った意識で、彼女は爪を立てて自分の身体を抱きしめる。
「止めるんだ。身体を傷つけてしまう」
クリストファーは彼女の両手を取り、指を絡めて動きを封じた。絡まった指と重なった手の平から、銀と白金の光が瞬き始めたが、ジェシカがそれに気が付くことはなかった。
銀の魔力が閃き、クリストファーは自身の首元を切ったのだ。
白い肌から一筋の赤い血が零れ出る。
「あぁぁ…!」
遮るものなく現れた血は、炎のように彼女の五感を炙る。烈しい熱に彼女は喘いだ。
宥めるように、艶を持った声が彼女に染み込んだ。
「さぁ、お飲み。君の――、君だけのものだ」
その言葉は熱に侵された意識の中でも、歓喜の光を放ち、彼女はついに屈した。
身体と心の求めるまま、芳しい喉元に牙を突き立てた。
甘い香りと共に、甘い甘露が彼女の中へ流れ込む。
甘露は彼女の隅々まで沁み渡り、清らかな泉に浸されたように、あれほど昂った熱を鎮めていく。
彼女の頭を優しく撫でる手の温もりも、彼女を穏やかに満たしてくれた。
全てが満たされた彼女は、うっとりと瞳を閉じた。
「大きくなったね。それに、一段と美しくなった」
そっと投げかけられた声は、子守唄のように心地よく、彼女を眠りへと誘い込む。
「私の血で大人におなり」
意識がまどろむ中、優しく囁かれた言葉に、小さく頷くと、柔らかな笑い声が耳に響き、彼女は笑みを浮かべて意識を手放した。
均整の取れた体つきの彼が誰なのか、誰に紹介されずとも、辺りを覆う魔力が答えを告げる。
神を思わせる桁外れな強さと澄み切った清らかさを持ち、空間も、時すらも従える覇気を帯びた銀の魔力。
このような魔力を持つ吸血鬼は、一族の中で唯一人、吸血鬼の王、クリストファーのみだ。
彼の魔力の強さは聞き知っていたものの、肌で直接感じるそれは、想像をはるかに超えたものだった。
けれども、ジェシカの想像を超えたものはそれだけではなかった。
クリストファーは美という概念を体現していた。彼を一目見て、ジェシカは美というものが強さを持つことを初めて知った。その美は、神々しく、彼の魔力と共に畏怖を感じさせ、こちらの動きを封じてしまう。
彼の銀の髪は、消え去った天井から差し込む月の光を浴びて煌めき、白皙の肌を夜の闇でも浮かび上がらせる。容姿のすべてが完璧な美を象っていたが、特にジェシカが目を奪われたのは、瞳だった。
深い智と魔力を湛えた涼やかなその瞳は、ジェシカの最も好きな色を持ち、銀と白の中に色を添えていた。
「まるで菫のよう…」
深い紫に誘われるように、不敬にもジェシカは囁いてしまった。
クリストファーがその不敬を咎めることはなかった。彼はジェシカの言葉にふわりと笑みを零した。
これ以上の美は存在しえないと思った彼女は、それが過ちだったことを知った。
その笑みは彼女の思考すら奪った。
全てを囚われた彼女の頭に、艶のある低い声が入り込んだ。
「またその言葉が聞けて、うれしいよ」
――!
ジェシカは目を瞠った。
声と同時に、いつものように色も形もない臭いが彼女に襲いかかった。
けれども、際立った存在感を放つその臭いは、いつもとは違った。
これまで感じたことのない、身体が溶けそうなほど、甘く、芳しい香りだった。その芳香は瞬時に彼女の意識を刈り取った。
視覚も聴覚も消え失せ、クリストファーの姿も、自分の膝の下にいるチャーリーの姿も、自分自身の身体すらもなくなっていた。彼女の感じられるものは、自分にまとわりつく、泣きたいほど甘美な香りだけだった。
芳しい香りに全身が疼き、今まで燻ぶっていた血への渇望が、一息に燃え上がった。
彼女はその熱に喘ぐ。
熱は彼女を侵し、彼女の世界は香りと熱に染め上げられた。
身体は求めるまま、牙を伸ばし――、
――彼女の姿は消えた。
同時に銀の魔力がゆらりと動き、その強い波動にチャーリーは呻いたが、クリストファーがチャーリーに目を向けることはなかった。彼は宙に目を遣り、僅かに口角を上げた。
「私から逃げるのかい?」
言葉を紡ぎ終わったときには、クリストファーの姿も消えていた。
一人取り残されたチャーリーは、ようやく息が戻った心地がした。
それでも、まだこの場に残る銀の魔力に本能的な恐怖を覚え、身体は竦んでいる。
とてもでないが、転移で追いかけることはできない。
チャーリーにできたことは、瞳を閉じて従妹の幸運を祈ることだけだった。
◇◇
ジェシカが逃げ出した先は馬車の中だった。
まだ夜会は始まったばかりの時間で、当然のことではあるが、御者は使用人たちに用意された控室で休みを取り、馬車には誰もいない。周りの馬車にも人影はなく、つながれた馬たちも夜の闇に身を任せ、目を閉じているものが多く、辺りは静かだ。
ジェシカはほっと息を吐いた。身体の疼きは収まらないけれど、クリストファーから離れたことで、自分の全てが染まるような渇望は薄れている。
それでも、先ほど味わった、自分の全てが消えてしまいそうな激しい欲の記憶は鮮烈で、沸き上がる恐怖に、ジェシカは自分の身体を抱きしめた。燻ぶる疼きは、まだ戻らない牙に疼きを与え続けている。
あの香りを、あの芳しい血を、身体は求め続けているのだ。いや、彼女の意識もあの香りを求めていた。
これでは、いつ、あの鮮烈な渇望が蘇るか分からない。
「何とか早くここから離れないと」
震える声で何とか自分を奮い立たせたとき、クスリと笑いが起こった。
「そんなことはさせないよ」
甘い香りがむせ返るほど馬車の中に匂い立つ。クリストファーが向かいの席に端然と座っていた。ジェシカはクリストファーの転移に驚く余裕はなかった。彼女は目を開けることもできないほど、香りに酔い、必死に、けれども力なく、手を窓へと伸ばす。香りに侵された手は空を切り、もう窓がどこにあるかも分からなかった。
ジェシカは喘いだ。
「お願い…、窓を…開けて」
柔らかな笑いの気配と共に、窓が開けられ、夜の風が入り込む。少し香りが薄らぎ、ジェシカは目を開けることができた。けれどもそれは失敗だった。自分を見つめる濃い紫の瞳に惹きこまれ、彼女の身体は再び熱を孕んでしまう。
「だめ…、私…」
かき集めた理性で、何とか欲を抑え込もうとするも、甘く艶のある声がそれを遮った。
「怖がらなくていい。私の全ては君のものだ」
――すべて、私のもの――
熱に悶える彼女の意識に、その言葉は駆け抜けた。
ドクリ――。
はっきりとジェシカの鼓動が強まる。牙は伸びきり、爪までも伸びる。
もう自分を抑えきれない、と微かに残った意識で、彼女は爪を立てて自分の身体を抱きしめる。
「止めるんだ。身体を傷つけてしまう」
クリストファーは彼女の両手を取り、指を絡めて動きを封じた。絡まった指と重なった手の平から、銀と白金の光が瞬き始めたが、ジェシカがそれに気が付くことはなかった。
銀の魔力が閃き、クリストファーは自身の首元を切ったのだ。
白い肌から一筋の赤い血が零れ出る。
「あぁぁ…!」
遮るものなく現れた血は、炎のように彼女の五感を炙る。烈しい熱に彼女は喘いだ。
宥めるように、艶を持った声が彼女に染み込んだ。
「さぁ、お飲み。君の――、君だけのものだ」
その言葉は熱に侵された意識の中でも、歓喜の光を放ち、彼女はついに屈した。
身体と心の求めるまま、芳しい喉元に牙を突き立てた。
甘い香りと共に、甘い甘露が彼女の中へ流れ込む。
甘露は彼女の隅々まで沁み渡り、清らかな泉に浸されたように、あれほど昂った熱を鎮めていく。
彼女の頭を優しく撫でる手の温もりも、彼女を穏やかに満たしてくれた。
全てが満たされた彼女は、うっとりと瞳を閉じた。
「大きくなったね。それに、一段と美しくなった」
そっと投げかけられた声は、子守唄のように心地よく、彼女を眠りへと誘い込む。
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