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第1章
お茶会2
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シルヴィがいるのに、どうしてこんなお茶会に…、いや、僕のせいでもあるのか…?
今の僕はそんな思いを必死に飲み込んでいた。
ことの始まりは、シルヴィと僕がようやく王城から帰ることができた、その日の屋敷の夕食の席だった。
「貴方、シルヴィは王妃様に目通りしたのですね」
母上が、やけに固い声で確認する。
「ああ、病床のシルヴィを見舞うという形だが、目通りはした形だ。王太子の恩人になるからね」
父上が視線をお皿に下げ、やや上ずった声で返す。
視線を合わせない父上をひたと見つめて、母上は続ける。
「あくまで、『恩人』の域を超えることはないのですよね?貴方?」
…?
話の雲行きが怪しくなってきた。どういうことだろう?
僕も視線の合わない父上をひたと見つめた。
慌ててお皿の肉にナイフを入れだした父上は、肉を凝視したまま返事を返す。
「もちろん、公式にはそうだ」
「「公式には?」」
母上と同時に声を上げてしまった。
「いや、もちろん、政情も穏やかではなく、殿下はもちろんシルヴィも幼いので、婚約などの話はない」
肉から視線を外し、あちこちに視線をさまよわせながら父上は答えた。
婚約、という言葉に僕の肩が震え、母上の眉が微かに動いた。
「だから、婚約はない、全くない。今度、シルヴィが王妃様のお茶会に呼ばれたのも、あくまで感謝を伝えるという…」
父上の声は尻すぼみ、視線は母上から断固として外されていた。
殿下には婚約者はまだいない。
殿下をそもそも認めていない一派が存在し、殿下を推す一派は一派で権力闘争があり、政治均衡を乱すことにつながる婚約者は決められない状態だ。
しかし、「命の恩人」という立場でなら、どちらも表立って反対はできない。
シルヴィの父上、ハルベリー侯爵は殿下を王太子として推していたが、どこから見ても人のよさそうな外見から、穏健派、中立派の位置づけに近い立場だ。
その娘であるシルヴィは殿下の婚約者有力候補になってしまったのだ。
その状況に思い至り、僕は焦りを覚えた。
シルヴィに僕より近い距離の人間ができる?そんなことは嫌だ。許さない。
過った気持ちの強さに、自分の器の小ささに驚いた。
僕が驚きに捕らわれている間に、母上は口元をナプキンでゆっくりとぬぐい、満面の笑みを浮かべた。
「貴方、私は久しく王妃様にお会いしていません。私もお茶会に招いていただきたいです」
父上は疲れたように目を伏せ、頷いた。
職権乱用に当たるだろうが、父上には是非そうして頂きたい。シルヴィが遠くになる可能性は少しだって許さない。味方は多い方がいいだろう。
そうして、殿下も回復された2週間後、このお茶会が開かれた。
正直に言おう。僕はお茶会の前からやや疲れを覚えていた。
登城のために母上の部屋に行った僕は、後ずさりをしそうになる足を必死に抑えていた。
「母上、…今日はまた、…一段とお美しいですね」
いつぞやの父上のように声が上ずっていた。
普通にしていても母上は十分美しいが、今日は頭の先から足元まで念入りに美が追求されていた。服装、装身具はもちろんのこと、恐らく結い上げられた髪のわずかなほつれ毛すらも美しさを添えるためのものだろう。
究極の美を体現しているだろう。ぎらぎらとした輝きを隠さない瞳さえなければ。
「ありがとう。ですがもう少し賛辞が欲しいわね。今日は戦いです。装いも武器です。称賛は闘志への活力です。貴方もシルヴィが着飾ったときは、あらゆる言葉と態度で褒めなさい」
「シルヴィを褒めることを惜しむはずがありません。そもそも苦労したこともありませんよ、あれだけ全てが可愛いのですから」
侍女たちが一斉に「きゃっ」と声を上げ、視線を交わしあって、何か嫌な笑みを深めている。
母上は瞳を和らげ、――その瞬間、僕は母上の美しさに衝撃を受けた――、
「素晴らしいことね、セディ」
温かな声が胸に沁みたその刹那、
「だから、母は、今日は勝ちに行きます」
ぎらぎらとした瞳が再臨し、侍女たちは一斉に力強く頷いて僕たちを見送ったのだった。
何とか気力を再度かき集めて臨んだお茶会だったけれど、王妃様の極々私的なお茶会として、集った者は少なかった。
王妃様、王太子殿下、母上とシルヴィの母上、シルヴィと僕だ。
殿下の希望で、大人たち同士、子どもたち同士で纏まって座ることに急遽なった。
儀礼的な挨拶が交わされた後、大人たちの場の空気はすぐに変わり始めた。
王妃様は真摯な瞳をエリザベスおば様に向けた。
「シルヴィア嬢には、本当に今回のこと、感謝の念に堪えません。陛下も勲章を授けたいとおっしゃっていました」
「畏れ多いことです。その件は、夫が控えさせていただくと申し上げました。殿下が回復されたこと、本当に喜ばしいことです。」
王妃様はもう一人の招待者、母上にも殿下とよく似た爽やかな笑顔を向け、声をかける
「セディがシルヴィア嬢を助けられたとハリー守護師が言っていました。リチャードの恩人を助けてくださったこと、ありがたく思います」
「勿体無い仰せです。シルヴィア嬢と息子セドリックは、『親しい間柄』ですから、当然のことをしたまでです」
母上が艶やかな笑顔でお答えし、おば様は瞳を潤ませながら僕を見つめた。
ピクリと王妃様の眉が動いた。
「まぁ、素敵な間柄ですね。リチャードとも将来そのように『親しい間柄』になってくだされば、私はうれしく頼もしく思うでしょう」
母上の笑顔が一段と眩さを増した。父上がここにいたら、視線はドアにしか向いていないだろう。
「子どもの将来について親は悩みが尽きませんね、『子ども』が選ぶことですから」
王妃様は、笑顔の手本なるものがあれば、間違いなく選ばれる笑顔でゆったりと答える。
「本当に、『子ども』が選ぶことですからね」
二人は完璧な笑顔を向けあい、視線を交わした。
「「ほほほほ」」
笑いはぴったりと息が合っていた。
おば様は、二人の空気に呑まれ固まっている。
美しさも、場を損なわない瀬戸際での要求のぶつけ合いも、先日のご令嬢たちとのお茶会とは格が違う社交の戦いだ。王妃様と公爵夫人、格が違って当然かもしれない。
殿下とシルヴィの婚約の道を阻止するために、母上の参加は有り難いと思っていたけれど、ここまで空気が凍ると分かっていれば、別の手段をとっていたのではないかと疑問と疲れを覚えた。
それでも、母上の「戦い」のお陰で、王妃様による殿下とシルヴィとの婚約は一先ずなくなったことには、素直に感謝の念を捧げよう。
将来のシルヴィの選択に委ねられ、結局、殿下との婚約の可能性は残ったわけだけれど。
全く味が分からないお茶で僕は溜息を流し込んだ。
「セディ、今日のクッキーはジンジャー入りでお前の好みに合っているぞ」
殿下は空気を完全に無視し、お菓子を勧めてきた。しまった、先を越されている。
シルヴィを見ると、目の前のシフォンケーキに目を奪われ、新しい封印石が銀の光を明滅させていた。ああ、今日も可愛らしい。頭をぐりぐりと撫でたい。
視線を感じたのか、シルヴィがこちらを向いてくれた。
ふわりと花がほころぶような笑顔を見せてくれる。
うれしくて、結局、頭をなでてしまった。
シルヴィの封印石がさらに強く光り、微かに感じる白金の魔力に僕の肩の力が抜けた。
僕は、ようやくお茶の香りに気が付いた。薔薇の香りが移してある、シルヴィのお気に入りの茶葉だ。
シルヴィにそれを伝えながら、考えた。
父上のあの様子では将来の結論はまだ出るものではなかったのだろう。僕は動揺から焦りすぎていたようだ。今は、このお茶を楽しもう。
勿論、将来の努力は怠らないけれど。
今の僕はそんな思いを必死に飲み込んでいた。
ことの始まりは、シルヴィと僕がようやく王城から帰ることができた、その日の屋敷の夕食の席だった。
「貴方、シルヴィは王妃様に目通りしたのですね」
母上が、やけに固い声で確認する。
「ああ、病床のシルヴィを見舞うという形だが、目通りはした形だ。王太子の恩人になるからね」
父上が視線をお皿に下げ、やや上ずった声で返す。
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「あくまで、『恩人』の域を超えることはないのですよね?貴方?」
…?
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僕も視線の合わない父上をひたと見つめた。
慌ててお皿の肉にナイフを入れだした父上は、肉を凝視したまま返事を返す。
「もちろん、公式にはそうだ」
「「公式には?」」
母上と同時に声を上げてしまった。
「いや、もちろん、政情も穏やかではなく、殿下はもちろんシルヴィも幼いので、婚約などの話はない」
肉から視線を外し、あちこちに視線をさまよわせながら父上は答えた。
婚約、という言葉に僕の肩が震え、母上の眉が微かに動いた。
「だから、婚約はない、全くない。今度、シルヴィが王妃様のお茶会に呼ばれたのも、あくまで感謝を伝えるという…」
父上の声は尻すぼみ、視線は母上から断固として外されていた。
殿下には婚約者はまだいない。
殿下をそもそも認めていない一派が存在し、殿下を推す一派は一派で権力闘争があり、政治均衡を乱すことにつながる婚約者は決められない状態だ。
しかし、「命の恩人」という立場でなら、どちらも表立って反対はできない。
シルヴィの父上、ハルベリー侯爵は殿下を王太子として推していたが、どこから見ても人のよさそうな外見から、穏健派、中立派の位置づけに近い立場だ。
その娘であるシルヴィは殿下の婚約者有力候補になってしまったのだ。
その状況に思い至り、僕は焦りを覚えた。
シルヴィに僕より近い距離の人間ができる?そんなことは嫌だ。許さない。
過った気持ちの強さに、自分の器の小ささに驚いた。
僕が驚きに捕らわれている間に、母上は口元をナプキンでゆっくりとぬぐい、満面の笑みを浮かべた。
「貴方、私は久しく王妃様にお会いしていません。私もお茶会に招いていただきたいです」
父上は疲れたように目を伏せ、頷いた。
職権乱用に当たるだろうが、父上には是非そうして頂きたい。シルヴィが遠くになる可能性は少しだって許さない。味方は多い方がいいだろう。
そうして、殿下も回復された2週間後、このお茶会が開かれた。
正直に言おう。僕はお茶会の前からやや疲れを覚えていた。
登城のために母上の部屋に行った僕は、後ずさりをしそうになる足を必死に抑えていた。
「母上、…今日はまた、…一段とお美しいですね」
いつぞやの父上のように声が上ずっていた。
普通にしていても母上は十分美しいが、今日は頭の先から足元まで念入りに美が追求されていた。服装、装身具はもちろんのこと、恐らく結い上げられた髪のわずかなほつれ毛すらも美しさを添えるためのものだろう。
究極の美を体現しているだろう。ぎらぎらとした輝きを隠さない瞳さえなければ。
「ありがとう。ですがもう少し賛辞が欲しいわね。今日は戦いです。装いも武器です。称賛は闘志への活力です。貴方もシルヴィが着飾ったときは、あらゆる言葉と態度で褒めなさい」
「シルヴィを褒めることを惜しむはずがありません。そもそも苦労したこともありませんよ、あれだけ全てが可愛いのですから」
侍女たちが一斉に「きゃっ」と声を上げ、視線を交わしあって、何か嫌な笑みを深めている。
母上は瞳を和らげ、――その瞬間、僕は母上の美しさに衝撃を受けた――、
「素晴らしいことね、セディ」
温かな声が胸に沁みたその刹那、
「だから、母は、今日は勝ちに行きます」
ぎらぎらとした瞳が再臨し、侍女たちは一斉に力強く頷いて僕たちを見送ったのだった。
何とか気力を再度かき集めて臨んだお茶会だったけれど、王妃様の極々私的なお茶会として、集った者は少なかった。
王妃様、王太子殿下、母上とシルヴィの母上、シルヴィと僕だ。
殿下の希望で、大人たち同士、子どもたち同士で纏まって座ることに急遽なった。
儀礼的な挨拶が交わされた後、大人たちの場の空気はすぐに変わり始めた。
王妃様は真摯な瞳をエリザベスおば様に向けた。
「シルヴィア嬢には、本当に今回のこと、感謝の念に堪えません。陛下も勲章を授けたいとおっしゃっていました」
「畏れ多いことです。その件は、夫が控えさせていただくと申し上げました。殿下が回復されたこと、本当に喜ばしいことです。」
王妃様はもう一人の招待者、母上にも殿下とよく似た爽やかな笑顔を向け、声をかける
「セディがシルヴィア嬢を助けられたとハリー守護師が言っていました。リチャードの恩人を助けてくださったこと、ありがたく思います」
「勿体無い仰せです。シルヴィア嬢と息子セドリックは、『親しい間柄』ですから、当然のことをしたまでです」
母上が艶やかな笑顔でお答えし、おば様は瞳を潤ませながら僕を見つめた。
ピクリと王妃様の眉が動いた。
「まぁ、素敵な間柄ですね。リチャードとも将来そのように『親しい間柄』になってくだされば、私はうれしく頼もしく思うでしょう」
母上の笑顔が一段と眩さを増した。父上がここにいたら、視線はドアにしか向いていないだろう。
「子どもの将来について親は悩みが尽きませんね、『子ども』が選ぶことですから」
王妃様は、笑顔の手本なるものがあれば、間違いなく選ばれる笑顔でゆったりと答える。
「本当に、『子ども』が選ぶことですからね」
二人は完璧な笑顔を向けあい、視線を交わした。
「「ほほほほ」」
笑いはぴったりと息が合っていた。
おば様は、二人の空気に呑まれ固まっている。
美しさも、場を損なわない瀬戸際での要求のぶつけ合いも、先日のご令嬢たちとのお茶会とは格が違う社交の戦いだ。王妃様と公爵夫人、格が違って当然かもしれない。
殿下とシルヴィの婚約の道を阻止するために、母上の参加は有り難いと思っていたけれど、ここまで空気が凍ると分かっていれば、別の手段をとっていたのではないかと疑問と疲れを覚えた。
それでも、母上の「戦い」のお陰で、王妃様による殿下とシルヴィとの婚約は一先ずなくなったことには、素直に感謝の念を捧げよう。
将来のシルヴィの選択に委ねられ、結局、殿下との婚約の可能性は残ったわけだけれど。
全く味が分からないお茶で僕は溜息を流し込んだ。
「セディ、今日のクッキーはジンジャー入りでお前の好みに合っているぞ」
殿下は空気を完全に無視し、お菓子を勧めてきた。しまった、先を越されている。
シルヴィを見ると、目の前のシフォンケーキに目を奪われ、新しい封印石が銀の光を明滅させていた。ああ、今日も可愛らしい。頭をぐりぐりと撫でたい。
視線を感じたのか、シルヴィがこちらを向いてくれた。
ふわりと花がほころぶような笑顔を見せてくれる。
うれしくて、結局、頭をなでてしまった。
シルヴィの封印石がさらに強く光り、微かに感じる白金の魔力に僕の肩の力が抜けた。
僕は、ようやくお茶の香りに気が付いた。薔薇の香りが移してある、シルヴィのお気に入りの茶葉だ。
シルヴィにそれを伝えながら、考えた。
父上のあの様子では将来の結論はまだ出るものではなかったのだろう。僕は動揺から焦りすぎていたようだ。今は、このお茶を楽しもう。
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