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宇宙から後宮へやって来た王様
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宇宙にはさまざまな星がある。それこそ星の数ほどあるのである。
その中には、地球とは違う文明を築いた星もあまたあり、これはそんな星にある、とある国の王様のお話。
その星は比較的地球に近い環境であったため、その星の星人たちも地球人と似た容姿をしていた。地球人と違うのは、他人の心が読めるテレパシストであったこと。そして、その能力ゆえに、どんな星の言葉も喋ることが出来たのである。
その星には国は一つだけ。
そして、王様も一人だけ。
絶対王政なその国の王様の趣味は地球ウォッチング。
あまたある星の中でも、王様は地球が一番好きだった。それこそ、自分の住む星よりも好きなくらいであった。
地球の時の流れと、この星の時の流れが大きく違うことも、理由の一つである。
「最近、地球の王様は後宮なるものを作っているらしいぞ。我も作りたい。ちょっと視察に行ってくる」
この国には王様の後宮なんてなかった。なにせ、この星の星人は性行為をしなくても子供が生まれる不思議な生態をしていたので、王様は性行為をしたことがなかった。
性行為とやらはとても気持ちが良さそうに見えた。そして、沢山の美少年やら美青年やらを侍らせる地球の王様が羨ましいと思ってしまったのである。
「王様、お待ち下さい! 何処にも行かないで! まだまだ仕事はあるのですよ! 」
配下が止めるのも聞かず、王様は宇宙船に飛び乗ってしまった。
王様は慌てていた。この星での一日は地球での十年なのである。うかうかしていたら後宮がなくなってしまいかねない。それどころか、地球そのものがなくなってしまうかもしれない。
地球のとある国の後宮に突然降ってきた小さな星。それは偶然にも地球の王様の腕の中に振ってきたのです。
「これはなんだ? 光っているぞ? 」
地球の王様が不思議そうに腕の中の丸い星を抱えて、お付きの者に問いかける。だが、誰も答えることは出来ない。初めて見る物なのだから。
王様は鳥の卵のようにも見える星に問いかけた。
「おい、そなたは何なのだ? 」
その問いに答えるかのように星は点滅を繰り返し、突然消えた。
そして、王様の目の前には眩いばかりに美しい青年が現れたのです。
「そなたは何者だ? 」
地球の王様の問いかけに、少しの間をあけて、青年は答えた。
「我は我だ。だが、貴方は王様だから、我を好きに呼ぶことを許そう」
お付きの者はあっけにとられている。だが、無礼だと声を上げようとして、王様の許しもなく声を上げることに躊躇した。
「……そうか。そなたは不思議だな。ヴァーゴと呼ばせてもらおう。そなたは何処からやって来たのだ? 余に何か用があるのか? 」
「ヴァーゴ、良いぞ。その名はなかなか良い。我は後宮に興味があったのだ。王様、ここにしばらくいさせてほしい。貴方の傍にいたいのだ」
ヴァーゴの言葉に、王様の心はときめいた。ヴァーゴは美形で揃えた後宮の中でも見たことがないほど、とびきりの美しさなのだ。
「ヴァーゴ、余の妃となるか? 余の傍にいたいのであれば、それしか方法はない」
「わかった。王様の妃となろう」
そうして、とある星の王様は、地球の王様の妃となったのです。
地球の王様と、性行為のなんたるかも知らないヴァーゴの夜は、それはとてもとてもあまやかで幸せな時間で、ヴァーゴが地球の王様の寵愛を受けるようになるまで、そんなに時間はかからなかった。
そうして、二人の王様は末永く幸せに暮らしました。
その中には、地球とは違う文明を築いた星もあまたあり、これはそんな星にある、とある国の王様のお話。
その星は比較的地球に近い環境であったため、その星の星人たちも地球人と似た容姿をしていた。地球人と違うのは、他人の心が読めるテレパシストであったこと。そして、その能力ゆえに、どんな星の言葉も喋ることが出来たのである。
その星には国は一つだけ。
そして、王様も一人だけ。
絶対王政なその国の王様の趣味は地球ウォッチング。
あまたある星の中でも、王様は地球が一番好きだった。それこそ、自分の住む星よりも好きなくらいであった。
地球の時の流れと、この星の時の流れが大きく違うことも、理由の一つである。
「最近、地球の王様は後宮なるものを作っているらしいぞ。我も作りたい。ちょっと視察に行ってくる」
この国には王様の後宮なんてなかった。なにせ、この星の星人は性行為をしなくても子供が生まれる不思議な生態をしていたので、王様は性行為をしたことがなかった。
性行為とやらはとても気持ちが良さそうに見えた。そして、沢山の美少年やら美青年やらを侍らせる地球の王様が羨ましいと思ってしまったのである。
「王様、お待ち下さい! 何処にも行かないで! まだまだ仕事はあるのですよ! 」
配下が止めるのも聞かず、王様は宇宙船に飛び乗ってしまった。
王様は慌てていた。この星での一日は地球での十年なのである。うかうかしていたら後宮がなくなってしまいかねない。それどころか、地球そのものがなくなってしまうかもしれない。
地球のとある国の後宮に突然降ってきた小さな星。それは偶然にも地球の王様の腕の中に振ってきたのです。
「これはなんだ? 光っているぞ? 」
地球の王様が不思議そうに腕の中の丸い星を抱えて、お付きの者に問いかける。だが、誰も答えることは出来ない。初めて見る物なのだから。
王様は鳥の卵のようにも見える星に問いかけた。
「おい、そなたは何なのだ? 」
その問いに答えるかのように星は点滅を繰り返し、突然消えた。
そして、王様の目の前には眩いばかりに美しい青年が現れたのです。
「そなたは何者だ? 」
地球の王様の問いかけに、少しの間をあけて、青年は答えた。
「我は我だ。だが、貴方は王様だから、我を好きに呼ぶことを許そう」
お付きの者はあっけにとられている。だが、無礼だと声を上げようとして、王様の許しもなく声を上げることに躊躇した。
「……そうか。そなたは不思議だな。ヴァーゴと呼ばせてもらおう。そなたは何処からやって来たのだ? 余に何か用があるのか? 」
「ヴァーゴ、良いぞ。その名はなかなか良い。我は後宮に興味があったのだ。王様、ここにしばらくいさせてほしい。貴方の傍にいたいのだ」
ヴァーゴの言葉に、王様の心はときめいた。ヴァーゴは美形で揃えた後宮の中でも見たことがないほど、とびきりの美しさなのだ。
「ヴァーゴ、余の妃となるか? 余の傍にいたいのであれば、それしか方法はない」
「わかった。王様の妃となろう」
そうして、とある星の王様は、地球の王様の妃となったのです。
地球の王様と、性行為のなんたるかも知らないヴァーゴの夜は、それはとてもとてもあまやかで幸せな時間で、ヴァーゴが地球の王様の寵愛を受けるようになるまで、そんなに時間はかからなかった。
そうして、二人の王様は末永く幸せに暮らしました。
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