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第二章 距離が縮まるオリエンテーション!
10話 早抜け☆チーム対抗山登り! 前編
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ついにはじまった、『早抜け☆チーム対抗山登り』。
ルールは簡単。
五つのチェックポイントで、カードにスタンプを押して、いち早く下山したチームの勝ち。
それと、スタンプだけじゃなくて場所ごとに問題や指令があり、それもクリアしなくちゃいけない。
チェックポイントは沢山あって、どこに行くかは、それぞれの班で決めて良いらしいよ。
でもやっぱり山の上の方に沢山あるから、どこにいくかで勝負が決まりそうだ。
道なき道……ではなく、ちゃんと人が通れる道がありそれを進んでいく。
「あ! ねぇ、あれじゃない?」
先頭を行く柚瑠くんが、チェックポイントを見つけたようだ。
・チェックポイント1
《班の誰かをおんぶして、次のチェックポイントまで移動せよ》
司令を読み終わった後、となりから視線を感じた。まさか、とそっちを向けばパチリと魔央くんと目が合う。
「俺が一華をおんぶするよ」
「ええっ! わ、私っ重いからいいよっ!」
「ふふっ」
笑顔のまま私に近づいてくる魔央くん。
じりっ、と一歩後ろに下がっても、すぐさま二歩距離を詰められる。
「よいしょ」
「きゃあ!」
──これじゃ、おんぶどころか、お姫様抱っこだよ!! 魔央くん!
魔央くんは、私をおんぶではなくお姫様抱っこをするという暴挙にでた。
いまなら恥ずかしさで、気を失えそうだ。
「一華を持ち上げられないほど、俺は弱くないよ」
たしかに、腕とかたくましい……いやいやなに言ってるの私!
少しでも魔央くんと密着している部分を減らそうと、身じろぎするけれど、魔央くんに怒られた。
「ほら、危ないからちゃんとつかまってて」
そう言われて渋々、魔央くんの首に腕をまわすと、体がさらに密着する。
「よし、はやく次のチェックポイントにいこ! マオは、その状態でも走れるでしょ?」
「もちろん」
ねぇ誰か、私の心臓を心配してくれても良いんじゃない?
◇◇◆◇◇
次のチェックポイントにたどり着いて、やっと魔央くんに降ろしてもらった。
「一華なら、いつでもお姫様抱っこしてあげるね」
「恥ずかしいから、もういいかな……!」
嬉しい気持ちもある……けど、やっぱり恥ずかしさが勝っちゃうよ!
顔を赤くしている私を見て、魔央くんはふふっと笑う。
恥ずかしさを誤魔化すように、私はチェックポイントに書かれている文を読み上げた。
・チェックポイント2
《代表者二人でじゃんけんをして、どちらかが二回連続勝てば次のチェックポイントへ進めるよ!》
「じゃんけん? なんだ簡単じゃん。マオ、ミカド。はい、最初はグー」
柚瑠くんの合図は突然だったけれど、魔央くんと天内くんは反応して、お互いパーを出した。
「あいこで……しょ!」
二人とも今度はチョキを出した。
「またぁ? あいこで……しょ!」
──そこから、二人は中々決着がつかなかった。二人とも、じゃんけんをしているだけなのに、息もきれていて疲れが見える。
「はぁ……はぁ……、やるね天内っ」
「はぁ…、くっ、黒羽もなっ」
それほどまでに、激闘したじゃんけん。
勝ったのは──、
「ふぅ……勝ててよかった」
魔央くんだ。
天内くんは、悔しそうに唇を噛んでいる。
「もう! マオたちのじゃんけんで、時間がすごくかかったじゃん! ほら、さっさと次行くよ!」
ぷりぷりと怒っている柚瑠くんを先頭に、私たちは次のチェックポイントへ急いだ。
◇◇◆◇◇
・チェックポイント3
《雨の日。傘もかっぱも持っていないのに、雨に濡れないのはどうして?》
チェックポイント3は、なぞなぞだ。
傘もないのに、雨に濡れないのはどうしてなんだろう……。考えれば考えるほど、わからなくなってきた。
「雨に濡れない結界を……はったから……?」
「それは悪魔と天使しかできないことだよ、界李」
界李くんの言葉をさらりと否定する魔央くん。
でも私は、『結界』という聞き慣れない単語に驚きを隠せない。
「ええっ! 悪魔と天使は、そんな結界をはれるの?」
「ふふっ。一華は興味ある? 雨に濡れないくらいの結界なら、簡単なんだ」
「すごく便利だねそれ!」
セットした髪の毛も、雨に濡れずにいられるってことでしょ? スゴイ!!
興奮したように魔央くんに言えば、苦笑い。
は、恥ずかしい……!
「でも人間界では、あまりにも不自然すぎて使えないんだよ」
たしかに雨の日、魔央くんが傘もささずに歩いていて、少しも濡れていなかったら不自然だもんね。
「……家の中にいるから、じゃないか?」
一人、真剣に考えていた天内くんがポツリと呟いた。
ルールは簡単。
五つのチェックポイントで、カードにスタンプを押して、いち早く下山したチームの勝ち。
それと、スタンプだけじゃなくて場所ごとに問題や指令があり、それもクリアしなくちゃいけない。
チェックポイントは沢山あって、どこに行くかは、それぞれの班で決めて良いらしいよ。
でもやっぱり山の上の方に沢山あるから、どこにいくかで勝負が決まりそうだ。
道なき道……ではなく、ちゃんと人が通れる道がありそれを進んでいく。
「あ! ねぇ、あれじゃない?」
先頭を行く柚瑠くんが、チェックポイントを見つけたようだ。
・チェックポイント1
《班の誰かをおんぶして、次のチェックポイントまで移動せよ》
司令を読み終わった後、となりから視線を感じた。まさか、とそっちを向けばパチリと魔央くんと目が合う。
「俺が一華をおんぶするよ」
「ええっ! わ、私っ重いからいいよっ!」
「ふふっ」
笑顔のまま私に近づいてくる魔央くん。
じりっ、と一歩後ろに下がっても、すぐさま二歩距離を詰められる。
「よいしょ」
「きゃあ!」
──これじゃ、おんぶどころか、お姫様抱っこだよ!! 魔央くん!
魔央くんは、私をおんぶではなくお姫様抱っこをするという暴挙にでた。
いまなら恥ずかしさで、気を失えそうだ。
「一華を持ち上げられないほど、俺は弱くないよ」
たしかに、腕とかたくましい……いやいやなに言ってるの私!
少しでも魔央くんと密着している部分を減らそうと、身じろぎするけれど、魔央くんに怒られた。
「ほら、危ないからちゃんとつかまってて」
そう言われて渋々、魔央くんの首に腕をまわすと、体がさらに密着する。
「よし、はやく次のチェックポイントにいこ! マオは、その状態でも走れるでしょ?」
「もちろん」
ねぇ誰か、私の心臓を心配してくれても良いんじゃない?
◇◇◆◇◇
次のチェックポイントにたどり着いて、やっと魔央くんに降ろしてもらった。
「一華なら、いつでもお姫様抱っこしてあげるね」
「恥ずかしいから、もういいかな……!」
嬉しい気持ちもある……けど、やっぱり恥ずかしさが勝っちゃうよ!
顔を赤くしている私を見て、魔央くんはふふっと笑う。
恥ずかしさを誤魔化すように、私はチェックポイントに書かれている文を読み上げた。
・チェックポイント2
《代表者二人でじゃんけんをして、どちらかが二回連続勝てば次のチェックポイントへ進めるよ!》
「じゃんけん? なんだ簡単じゃん。マオ、ミカド。はい、最初はグー」
柚瑠くんの合図は突然だったけれど、魔央くんと天内くんは反応して、お互いパーを出した。
「あいこで……しょ!」
二人とも今度はチョキを出した。
「またぁ? あいこで……しょ!」
──そこから、二人は中々決着がつかなかった。二人とも、じゃんけんをしているだけなのに、息もきれていて疲れが見える。
「はぁ……はぁ……、やるね天内っ」
「はぁ…、くっ、黒羽もなっ」
それほどまでに、激闘したじゃんけん。
勝ったのは──、
「ふぅ……勝ててよかった」
魔央くんだ。
天内くんは、悔しそうに唇を噛んでいる。
「もう! マオたちのじゃんけんで、時間がすごくかかったじゃん! ほら、さっさと次行くよ!」
ぷりぷりと怒っている柚瑠くんを先頭に、私たちは次のチェックポイントへ急いだ。
◇◇◆◇◇
・チェックポイント3
《雨の日。傘もかっぱも持っていないのに、雨に濡れないのはどうして?》
チェックポイント3は、なぞなぞだ。
傘もないのに、雨に濡れないのはどうしてなんだろう……。考えれば考えるほど、わからなくなってきた。
「雨に濡れない結界を……はったから……?」
「それは悪魔と天使しかできないことだよ、界李」
界李くんの言葉をさらりと否定する魔央くん。
でも私は、『結界』という聞き慣れない単語に驚きを隠せない。
「ええっ! 悪魔と天使は、そんな結界をはれるの?」
「ふふっ。一華は興味ある? 雨に濡れないくらいの結界なら、簡単なんだ」
「すごく便利だねそれ!」
セットした髪の毛も、雨に濡れずにいられるってことでしょ? スゴイ!!
興奮したように魔央くんに言えば、苦笑い。
は、恥ずかしい……!
「でも人間界では、あまりにも不自然すぎて使えないんだよ」
たしかに雨の日、魔央くんが傘もささずに歩いていて、少しも濡れていなかったら不自然だもんね。
「……家の中にいるから、じゃないか?」
一人、真剣に考えていた天内くんがポツリと呟いた。
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