甘々悪魔と恋に堕ちたら罪!? 〜天使の監視つきです〜

巴藍

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第二章 距離が縮まるオリエンテーション!

11話 早抜け☆チーム対抗山登り! 後編

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「はぁ? そんな、面白みもない答えなわけ……」
「──マオ。ミカドの答えが正解みたいだよ?」

 いつのまにか、看板のうしろにいた柚瑠くんが一言。どうやらそこに、答えが書かれているようだ。
   
「そんなっ、子供騙しもいいとこじゃないか!」

 珍しく取り乱す魔央くん。

「ふっ。頭が硬いな黒羽」

 勝ち誇ったような天内くんを見て、魔央くんはうなだれてしまった。  

「魔央くん、つぎ頑張ろう? ね?」
「そう……だね」

◇◇◆◇◇

・チェックポイント4
《次のチェックポイントまで、誰かと手を繋ごう! ※これはあくまで、親睦を深めるためのもの。嫌がる友達には、無理にやらないこと》


「うん、これは俺と一華が適任だね」
「待て。黒羽はさっき、神城さんをお姫様抱っこしていたじゃないか」
「……じゃあ、一華に決めてもらえばいい。俺と天内、どっちがいい?」
「ええっ!?」

 そんな、急に言われても決められない。
 というか、どちらかを選ぶなんて無理だ。
 どっちを選んでも、きっと喧嘩するな違いない。
 迷いに迷った私が、とった行動は……。

界李かいりくんと柚瑠ゆずるくん、お願いします!」
「俺と……、柚瑠?」

 界李くんは自分の顔を指さして、コテンと首を傾げた。柚瑠くんは、魔央くんたちを見てお腹を抱えて笑っている。

「ププッ! しつこい男は嫌われるんじゃな~い? マオ、ミカド」

 私は、界李くんと柚瑠くんの手をにぎり、魔央くんと天内くん二人の視線から逃げるように歩きだす。

「は、はやくつぎに行こ! ね?」
「そうだね、しつこい男たちは置いていこ! イチカ」
「そこまでは言ってないよ私っ!」
「……一華ちゃんの手、あったかいね。……眠たくなる」
「本当だ、『イチカの手』あったかーい!」

 私の『手』をわざと、強調していう柚瑠くん。
 それは、的確にあの二人をあおっているように聞こえた。

 ううっ、後ろからの魔央くんと天内くんの視線が痛い!

◇◇◆◇◇

 ずーっとうしろからの視線が、チクチク背中にささりながらも。
 どうにか、次のチェックポイントに到着した。


・チェックポイント5
《天使と悪魔、強いのはどっち?》


 私は、いた口が塞がらない。
 な、なんて答えにくい問題なの!

「これは多数決で良くない? せーの」
「ええっ、ちょっと待って柚瑠くん!」

「「「悪魔」」」
「天使」

 柚瑠くんたちは待ってはくれなかった。 
 多数決の結果、悪魔の三人は悪魔に。
 天使の天内くんは、もちろん天使に。
 ……でしょうね、という感じのわかれ方だ。

「一華はどっち?」
「悪魔だよね、イチカ」
「一華ちゃんが思う方を……選べばいいよ」

 あ、悪魔側の圧がすごい!
 ちらりと天内くんを見ると、すがるような目で見つめられる。

 そんなっ……、そんな捨てられた子犬みたいな顔しないでー!

「こ、こんなの決められないよっ!」

 どっちも強いじゃダメなの!?

 ……そうだ!
 この問題も、チェックポイント3みたいに、答えが看板の裏に書いてたりしないかな?
 本当は見ちゃダメだろうけど……、今回だけは許してください!

 えいっと看板の裏にまわると、一枚の貼り紙があった。なにやら簡単な地図と、

『どーーーーしても、どっちかを選べない場合はこの道を進んでね』

 って書いてある。
 こ、これだ……!!
 地図には、看板の後ろの道をまっすぐ進む矢印が書いてあった。


「天内のせいで、一華が困っちゃったじゃないか」
「僕のせいかっ? それを言うなら、そもそもこのお題を考えた人が悪いだろう!」

「(えっと、こっちの方かな?)」

 看板の後ろの道は、草が生い茂っている。
 少しずつかき分けて進んでいった。

 あ、もうすぐひらけた場所に出そう!
 と思ったけれど、本当にひらけた場所に出た。

 ──地面がない、ひらけた場所に。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁああ!」

 崖のようになっていて、私の体は真っ逆さまに落ちていく。

「いまの悲鳴は、一華!?」
「神城さん!!」

 私を追って、上から魔央くんたちも落ちてきた!

「ひゃあ!? あ、危ないよっみんな……!」

 落ちてくる魔央くんたちを見ていられなくて、目を閉じた。

 ──バサリ。

 そんな音がして目をあければ、四人とも翼を出していた。
 魔央くんたち悪魔は、コウモリのような黒い翼。
 天内くんは、純白の天使の翼だ。

「(きれい……)」

 色も形も違うけど、どちらも惹きつけられる魅力があった。
 先に飛びこんだ魔央くんと天内くんが、私に手をのばしている。

 私も二人に向かって手をのばす。
 左右それぞれ、ぎゅっと固く手を握られた。
 両側を二人に支えられて、ふわり、と地面に足がついた。


「……一華、なんで一人で先に行っちゃったのっ?」
「僕たちが気づかなかったら、危なかったんだぞ神城さん!」
「ご、ごめんなさい……」

 二人は、心配からの怒りだと思う。
 せめて、みんなに道があるって報告した方が良かったのはたしかだ。
 私は何も言い返せない。

「イチカ!」
「一華ちゃんっ……。無事でよかった」

 少し遅れて、柚瑠くんと界李くんの二人が降りてくる。

「柚瑠くん、界李くん……! ごめんね、私が勝手に一人で先に行ったから……」
 
 じっと私を見つめる界李くん。
 いや、違う? 私のうしろを見ているような……。

「界李くん?」
「一華ちゃん……あれ、見て」

 界李くんは、私のうしろの少し先にある看板を指さしていた。

『この先すぐゴール! この道を見つけたあなたたちは、ラッキーよ』

「この言い方、もしかして校長先生かな?」
「ぽいね……。てか俺、もう限界……」
「わわっ、界李くん? ──お、重い!」

 界李くんがぐらりと、私に倒れかかってきた。

「あーあ、やっぱりもたなかったかぁ。カイリ、もう眠いんでしょ?」
「う、ん……」
 
 うつらうつらとしている界李くんを、魔央くんと天内くんが支えて、どうにかゴールまでたどり着いた。

 崖から落ちた先に看板があって、ゴールが近いってなんか出来すぎているような……?
 そもそも魔央くんたちのような翼がなかったら、すごく危なかった。

 私はなんだかこの出来事が、仕組まれているような気がした。
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