甘々悪魔と恋に堕ちたら罪!? 〜天使の監視つきです〜

巴藍

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第三章 ウワサの悪魔を調査せよ

18話 調査開始!

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 ……家に帰ってから私は、夜、お父さんにバレずに家を抜け出す計画を始めた。

 お父さんと楽しくお喋りしながら、晩ご飯を食べて。
 そのあと、宿題を全部終わらせてからお風呂に入る。
 いつもより少し長めに入ってしまった。
 そして念入りに髪をとかしていく。

 べ、別にこのあと魔央まおくんたちと会うからでは、決してないと自分に言い聞かせた。

 お風呂から上がり、リビングにある時計を確認すると今は夜の八時半。
 柚瑠ゆずるくんたちとの約束の時間は、九時。
 八時四十五分頃に、魔央くんが飛んで迎えに来てくれる手はずになっている。
 もうすぐ魔央くんが迎えにきてくれるし、はやく自分の部屋に戻っておこう。

「お父さーん? 私、もう寝るね!」

 リビングのソファーで、テレビを見ていたお父さんは私を見て首をかしげる

一華いちか、もう寝るのかい? 僕との映画は?」

 お父さんにそう言われて、ドキリとする。
 元々今日は、パパと映画を一緒に見ようって約束をしていたのだ。
 直前でやめたら絶対に、不審がられると思っていた私は返す言葉をあらかじめ用意している。

「ちょっと今日は疲れちゃってて……。明日! 明日、一緒に見よっ? ね、お父さん!」

 ちょっと強引だけど、そう言って最後に上目づかいでお父さんを見れば完璧だ。

「……そうだね、映画は明日にしよう。ゆっくりしなさい。おやすみ、一華」
「おやすみなさい、お父さん」

◇◇◆◇◇

 自分の部屋に戻って、少したった頃。
 ──コンコン。
 窓を軽く叩く音がした。
 カーテンを開けると、窓の外で魔央くんがプカプカと浮いていた。 
 私は急いで窓をあける。

「こんばんは、一華」
「こんばんは……って、なんだかおかしな気分だね。いつもは、昼間ひるまに会うから」

 魔央くんと夜に会うのは、オリエンテーション合宿以来だ。

「ふふっ、そうだね。──さあ、行こう」

 見慣れた家がどんどん小さくなっていく。
 いつも通る道を上から見るのは、なんだか変な感じだ。

 こうやって魔央くんにお姫様抱っこされて、空を飛ぶのは二回目。
 お父さんに内緒で家を抜け出して、魔央くんと会うってなんだか悪いことをしている気分だ。

 そして、お姫様抱っこは慣れる……ものじゃない。
 これは何回やっても、心臓がすごくドキドキしちゃうよ!

「そろそろ着くよ、一華」
「わ! やっぱり、空を飛ぶとはやいね!」

 いつもなら数十分かかる学校への道も、空を飛べばものの数分でついた。
 すでに校門の前には、柚瑠くんたち三人がいた。暗い中でも、天内くんのキラキラとしている髪の毛はよく見える。
 そこへ、ゆっくりと降下する魔央くん。

「あ! マオ、イチカー! こっちこっち!」
ひいらぎくん、静かにしないとバレるだろうっ」
「へーき、へーき。それより、ボクはカイリが途中で寝ちゃわないかが心配だよ」
「大丈夫……、夕方寝てきたから」

 グッと親指を立てる界李かいりくん。

「じゃ、全員揃ったことだし。いざ夜の学校にレッツゴー!」

 テンション高めな柚瑠くんの合図で、学校探索が始まった。

◇◇◆◇◇

 私たちはまず、体育館から見に行くことにした。

 ウサワの中に、体育館にまつわる話はなかったけど、一応確認しておこうという話に。
 夜の体育館は、暗くて冷たい雰囲気が不気味に感じる。 

「ねぇ、ココにはやっぱり何もないんじゃない? 隠れるところないでしょ、ココ~」
「いや一応、倉庫も見ておこう」

 早くも帰りたそうな柚瑠くん。
 冷静な天内くんを先頭に、ボールや跳び箱がしまってある倉庫の扉をあけて中に入る。

「ボク……、この独特のにおいニガテー」
「私も、ちょっとわかるかも。ゴムのにおいっていうかね」
「俺は結構……、おちつく」
「ほんと? じゃあカイリが中の方まで見てよ~」

 ──ポーン。ボンッ……ポンッ。

   みんなの動きがピタリととまる。
 最初に口を開いたのは天内くん。

「いま、ボールが転がる音がしなかったか?」
「どうせマオが、バスケットポールで遊んでるじゃ」
「俺はここにいるけど? 柚瑠」

 たしかに、魔央くんは私の隣にずっといた。
 だからいま、倉庫にはちゃんと全員がいはずだ。
 じゃあ……、

「……じゃ、じゃあなんでボールがひとりでに動いたの?」

 恐る恐る、倉庫の扉から体育館の中央をのぞけば、ポツンと一つのボールが。

「──ねぇイチカ。と、とりあえず体育館出ないっ?」
「そ、そうだねっ! 校舎の方を見に行こっか!」

 私と柚瑠くんは、壁に背中をつけて常にボールを視界に入れながら体育館を出た。

 魔央くんたちがクスクス笑うけど、怖いものは怖いもん!
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