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第三章 ウワサの悪魔を調査せよ
20話 追いかけてくる人体模型から逃げろ!
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私たちは「もしかしたら魔央くんが、他の階にいるかもしれない」と、三階から見ていこうという話になった。
みんな無言で階段を上がっていく。
先頭を行く天内くんが、立ち止まった。
「──みんな、これを見てくれ」
天内くん言葉に、私たちは動きを止める。
「え、なんで……なんでまた二階なのっ?」
さっき二階についた私たち。
三階へ向かうためにさらに階段を上り、三階の廊下に出た──と思ったらまた『二階』。
「これってまさか昼間、クラスの女の子たちが言ってた……」
「『いつまでたっても、二階から出られない』……だよね」
界李くんが付け加える。
「そんなのあるわけないじゃんっ!」
柚瑠くんはそう言って、一人で階段を下りていく。
「待てっ、柊くん!!」
天内くんの言葉も聞かずに進む柚瑠くん。
二階へ下りていったはずの柚瑠くんは、……なぜか上の階から階段を下りてきた。
「──な、なんで……!?」
「落ち着いてくれ、柊くん! ……次は僕が三階へ行くから、君たちは待っていてくれ」
「一人じゃ危ないよっ天内くん!」
「大丈夫、もし柊くんと同じなら僕もここへまた戻ってくるはずだ」
一段一段、階段を上っていく天内くんの背中を見つめる。
階段の踊り場まできて、折り返し。
二階からは天内くんの姿が見えなくなった。
「あ、天内くんっ! 聞こえる?」
「──あぁ、聞こえる!」
「よかった! ずっと喋り続けていたら、大丈夫だよね」
「そうだね。よし、そろそろ三階につ……」
そこで天内くんの声が途切れた。
「天内くん……?」
返事はない。
私の声が反響して、不気味なうめき声のように聞こえた。
「うそでしょっ! ミカドも居なくなっちゃったの!?」
取り乱す柚瑠くんに肩をつかまれて、前後にゆさぶられる。
「わわわっ、ゆ、柚瑠くん!」
「落ちついて、柚瑠」
「ボクがっ、……ボクが夜の学校に来ようって言ったから二人とも……!」
「柚瑠、大丈夫だから。とりあえず、どこか一階に下りれるところを──」
──カタッ。
「いっ、いま何か音がしなかった……?」
柚瑠くんと界李くんを見れば、コクリと頷いた。
──カタカタッ。
また同じ音がっ!
「イッ、イチカ……あれ!」
柚瑠くんが見ている方を向く。
でも真っ暗な廊下が続いているだけで、何も見えない。
「……何もないよ?」
「よ、よく見てっ! 奥!」
柚瑠くんに言われて、目を凝らす。
廊下の奥、突き当たりのところに人影が……。
あれは──、
「……人体模型?」
陸上選手が走る前のように、両手を床についてクラウチングスタートの体勢をしていた。
「か、界李くんっ」
「うん?」
「ま、まさかあのまま、こっちち走ってくるなんてことは……ないよねっ?」
あははー……と、冗談まじりで聞けば。
「──いや、あるかも」
と、界李くんが怖いことを言う。
私たちが今いる場所は、第一校舎の二階の真ん中あたり。
第一校舎と第二校舎を結ぶ渡り廊下は、校舎の二階部分に左右に一本ずつの計二本。
そのうちの一本は、人体模型のすぐそばだ。
人体模型はくいっと腰を上げて、今にも走り出しそう。
こここら逃げなくちゃいけないのに、足が動かない……!
──でも人体模型、私たちを待ってくれない。
ついに、こちらに向かって走ってきた!
「ひゃあっ!」
「ボクが悪かったから許してー!」
「……一華ちゃん、柚瑠! 走って!」
界李くんの合図で、私たちは人体模型とは逆方向へと走り出した。
目指すのは、渡り廊下。
界李くんを先頭に、私、柚瑠くんの順番で走る。
「二人とも、こっち!」
一足先に界李くんが渡り廊下に到着した。
はやくっ、はやく走らなきゃっ!!
「きゃっ!」
「イチカ!」
私はタイミング悪く、転んでしまった。
みんな無言で階段を上がっていく。
先頭を行く天内くんが、立ち止まった。
「──みんな、これを見てくれ」
天内くん言葉に、私たちは動きを止める。
「え、なんで……なんでまた二階なのっ?」
さっき二階についた私たち。
三階へ向かうためにさらに階段を上り、三階の廊下に出た──と思ったらまた『二階』。
「これってまさか昼間、クラスの女の子たちが言ってた……」
「『いつまでたっても、二階から出られない』……だよね」
界李くんが付け加える。
「そんなのあるわけないじゃんっ!」
柚瑠くんはそう言って、一人で階段を下りていく。
「待てっ、柊くん!!」
天内くんの言葉も聞かずに進む柚瑠くん。
二階へ下りていったはずの柚瑠くんは、……なぜか上の階から階段を下りてきた。
「──な、なんで……!?」
「落ち着いてくれ、柊くん! ……次は僕が三階へ行くから、君たちは待っていてくれ」
「一人じゃ危ないよっ天内くん!」
「大丈夫、もし柊くんと同じなら僕もここへまた戻ってくるはずだ」
一段一段、階段を上っていく天内くんの背中を見つめる。
階段の踊り場まできて、折り返し。
二階からは天内くんの姿が見えなくなった。
「あ、天内くんっ! 聞こえる?」
「──あぁ、聞こえる!」
「よかった! ずっと喋り続けていたら、大丈夫だよね」
「そうだね。よし、そろそろ三階につ……」
そこで天内くんの声が途切れた。
「天内くん……?」
返事はない。
私の声が反響して、不気味なうめき声のように聞こえた。
「うそでしょっ! ミカドも居なくなっちゃったの!?」
取り乱す柚瑠くんに肩をつかまれて、前後にゆさぶられる。
「わわわっ、ゆ、柚瑠くん!」
「落ちついて、柚瑠」
「ボクがっ、……ボクが夜の学校に来ようって言ったから二人とも……!」
「柚瑠、大丈夫だから。とりあえず、どこか一階に下りれるところを──」
──カタッ。
「いっ、いま何か音がしなかった……?」
柚瑠くんと界李くんを見れば、コクリと頷いた。
──カタカタッ。
また同じ音がっ!
「イッ、イチカ……あれ!」
柚瑠くんが見ている方を向く。
でも真っ暗な廊下が続いているだけで、何も見えない。
「……何もないよ?」
「よ、よく見てっ! 奥!」
柚瑠くんに言われて、目を凝らす。
廊下の奥、突き当たりのところに人影が……。
あれは──、
「……人体模型?」
陸上選手が走る前のように、両手を床についてクラウチングスタートの体勢をしていた。
「か、界李くんっ」
「うん?」
「ま、まさかあのまま、こっちち走ってくるなんてことは……ないよねっ?」
あははー……と、冗談まじりで聞けば。
「──いや、あるかも」
と、界李くんが怖いことを言う。
私たちが今いる場所は、第一校舎の二階の真ん中あたり。
第一校舎と第二校舎を結ぶ渡り廊下は、校舎の二階部分に左右に一本ずつの計二本。
そのうちの一本は、人体模型のすぐそばだ。
人体模型はくいっと腰を上げて、今にも走り出しそう。
こここら逃げなくちゃいけないのに、足が動かない……!
──でも人体模型、私たちを待ってくれない。
ついに、こちらに向かって走ってきた!
「ひゃあっ!」
「ボクが悪かったから許してー!」
「……一華ちゃん、柚瑠! 走って!」
界李くんの合図で、私たちは人体模型とは逆方向へと走り出した。
目指すのは、渡り廊下。
界李くんを先頭に、私、柚瑠くんの順番で走る。
「二人とも、こっち!」
一足先に界李くんが渡り廊下に到着した。
はやくっ、はやく走らなきゃっ!!
「きゃっ!」
「イチカ!」
私はタイミング悪く、転んでしまった。
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