甘々悪魔と恋に堕ちたら罪!? 〜天使の監視つきです〜

巴藍

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第四章 大型連休は遊園地デートです!?

26話 あの人と再開する

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「ただいまー。……あれ? お父さん帰ってきてるの?」

 家に帰ると、玄関にはお父さんの靴ともう一つ、知らない靴があった。
 とりあえず私はリビングに向かう。

「お父さーん? 誰か、お客さんが……」

 リビングに入ると、ソファーにはお父さんが座っていた。
 その向かいには、……ん?

「──なんだ、帰ってきたのか。娘」
「あ、あの時のっ!」
「『あのときの』、とは失礼だな?」
「(なんで夜の学校で会った男の人が、私の家にいるの!?)」

 まさかお客さんと私が、顔見知りだったことを知らなかったお父さんは目を丸くする。

「え、なになに。龍魔たつま、いつの間にうちの一華いちかと会ったの!?」 
「そこの娘が、夜の学校に──」
「うわぁぁぁぁ!?」

 私は急いで「たつま」と、呼ばれた男の人の口を両手で塞ふさぐ。
 夜の学校に入ったことをお父さんに知られちゃ、マズイよ!
 家を抜け出したことがバレちゃう!

「んん、んんん(なにをする、娘)」
「しーっ! あの時のことは言わないでくださいっ! 私との、秘密・・です!」
「ふむ」

「いっ、一華……!」

 悲鳴のような声が聞こえて、お父さんを見れば、わなわなと震えている。

「俺の可愛い一華がっ、いつからそんなハレンチな娘に育ったんだ……!?」
「ハレンチ!? お父さんなに言って──あ」

 ただ必死に、龍魔たつまさんの口をふさぐことを考えていた。
 だからやっと今、自分の体勢たいせいに気づく。
 私はソファーに座る龍魔たつまさんの、膝の上に座っていた。

「わわわっ! ご、ごめんなさいっ! 今すぐに、おり──きゃっ」

 急いでその場所からおりようとすると、グラリと後ろへ倒れそうになる。
 目を見開いたお父さんが、私に手を伸ばしてくれたのが見えた。

「危ないっ、一華!」

「(……あ、れ? 痛くない)」
「──まったく。落ち着きがないな、お前の娘は」

 パチリと目を開ければ、正面に龍魔たつまさんの顔が。   
 どうやら私を支えてくれたのは、龍魔たつまさんらしい。
 ──というより、抱きしめられてない?
 
 近くで見る龍魔たつまさんの顔は、やっぱり綺麗だ。
 私のお父さんとは、系統けいとうが違う。  
 お父さんがおっとり爽やかなら、龍魔さんは綺麗だけど冷たい人形のような感じ。

 でもやっぱりこの顔、見覚えがあるような……?

「──魔央まおくん?」
「……今、なんと言った?」


 私のつぶやきに、龍魔たつまさんがぴくりと片眉を上げる。

「ごめんなさいっ、友達に似てたからつい」
「待て。魔央というのは、黒ば……」
「そろそろ、うちの可愛い娘を離してくれないかい? 龍魔たつま!」

 べりっ、と私を龍魔たつまさんから引きがすお父さん。

龍魔たつま、もう帰ってくれない? これから僕は娘と、大切な家族会議があるんだ」
「お前が呼び出したくせに、もう帰れと?」
「あぁそうだよっ! め合わせは今度するから、今日はもう帰れー!」

 グイグイと龍魔たつまさんの背中を押して、玄関の方へ移動していくお父さん。
 私もお父さんのあとをついていく。

「あのっ、龍魔たつまさん! ……また会えますかっ?」
「いッ、一華ぁ!?」
「……またいつかな」
「いつか、とかないから。もう娘には会わせませんけどぉ?」
「お父さんっ! そんなこと言っちゃダメでしょ」
「うわーん、一華が僕だけに厳しいよぉ」
「ちょっと、泣かないでよお父さん……!」
「泣くな、純弥じゅんや。みっともないぞ娘の前で」
「(お父さんの名前っ!)」

 純弥じゅんやは、私のお父さんの名前だ。
 下の名前で呼ぶってことは、龍魔たつまさんはお父さんすごく仲がいいんだと思う。

「あのっ、お父さんは私がどうにかするので! いまのうちに!」
「あぁ、頼んだ。……ではな」

 龍魔たつまさんは、私の頭をポンポンとでる。

「また会おう」 
「はいっ!」

 龍魔たつまさんが帰っていくのを見届けて、私はお父さんをなだめる。

「一華~、今日は僕と映画みようね? お父さん寂しい」 
「わかったから、おちついてお父さん」

 ふと、私は自分の頭を触る。
 ……でられた感覚が魔央まおくんに似てたのは、さすがに気のせいだよね?
 また龍魔たつまさんに会ったとき、魔央くんについて聞いてみよう。
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