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篠宮

彼のジャケット

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私は恥ずかしくなって、自分の顔が見られないように彼にしがみつく。

彼の首筋からは、オークモスのセクシーな香りと、その奥にアンバーの甘い香りがした。

彼にぴったりの香りだと思った。


「? どうしたの?」


彼の首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぐ私の頭に、彼が手を乗せ、ぽんぽんする。


「良い香りですね。篠宮さんのためにある香りみたい」

「それは嬉しいね。これ気に入ってるから」


偶然抱きついたとはいえ、篠宮さんに抱きとめられてる……。

彼の大きな胸に包まれていることを確かめるように、目をゆっくりと閉じ、逞しい大きな背中に手を回す。


「すごく安心します」

「そう?」

「はい」

「それはダメだな」

「えっ?」


一瞬の事だった。

気づくと私は仰向けにソファに寝かされていた。

篠宮さんはソファに膝を立てて私の太ももに跨り、上から私を見下ろしている。


「今から俺に抱かれるんだから、安心したらダメだよ。とって食べられちゃうかも」


近づいてきて彼に、くちびるをななめに塞がれる。


「んっ、ふぁ……。篠宮さんは取って食べたりしないですよ」

「どうかなぁ?」


篠宮さんは私の唇を舐めてから口内に舌を入れる。

熱く、大きな舌が私の口の中を蹂躙する。私が舌を絡めると彼の舌も呼応して、お互いの舌が絡み合う。


「んぅ……ぁ……」


お互いの口元から水音が流れ出る。

彼は私の歯列をなぞりながら、はだけたブラジャーのホックを外した。

私の上体を起こし、ブラウスを脱がせる。

ホックが外され、頼りなく肩に吊られていたブラジャーも腕をつたって離れていく。

私の肩から二の腕にかけてを、彼があたためるようにさする。


「少し、冷たくなっちゃったね」


彼はスーツのジャケットを脱ぎ、私に着せる。


「うん、いやらしいね」


そう言われ、自分の身体を見ると、彼の着せてくれた大きいジャケットから、乳房が見え隠れしていた。

スーツの硬い生地が時折、乳首に擦れて感じてしまう。


「……んっ……っ」


彼は私をソファに仰向けに寝かせてから、自身のネクタイを外す。

シャツのボタンを上から三つほど外す。

楽になった首もとを伸ばす彼の首筋のラインや喉ぼとけから目が離せなかった。

彼はベルトを外し、スラックスから彼のモノを取り出した。

彼のソレは太くて長く、カリが張っていて……。

私は凝視してしまった自分が恥ずかしくて、思わず目をそらす。

彼はソファに膝をつくと、手で私の顔を彼の方に向けさせ、キスをする。


「……っ!!」


口内の刺激に酔いしれていると、ナカに彼のモノが入ってきた。

ゆっくり挿入されて、ナカで動きが止まる。

彼のモノをすべて受け入れたんだと感じた。


しかし、まだあった彼のモノが〝ズンッ!〟勢いよく入ってきた。


「ああんッ!」


〝ビクッ、ビクビクッ〟と身体がふるえる。


「挿れただけでイっちゃった?」


彼はナカを慣らしていくように、怒張をゆっくり出し入れしながら、私の首筋に舌を這わせる。


「ああっ、ん……んあ……」


ズルッと引き抜かれた彼のモノがズンッと私の奥を突き上げる。


「凪ちゃん、、すごい締まる……」


彼の低い声が私の耳を犯す。

達した後の敏感な身体の奥を突かれるとおかしくなりそうになる。

彼はさっき指で見つけられた、私の感じるところを正確に突いていく。


「アンッ、そこッ……ダメ……んぁ」

「うそ、好きでしょ。ここ」

「あぁ! ……アン、っやぁ」


彼は鈴口を最奥に擦り付けてグリグリしてくる。

堪えきれない快感に逃げる腰を掴まれ、引き戻される。

最奥を刺激される度に頭が痺れる。

ゆっくり前後に律動をはじめると、彼のカリが隘路を擦りながら出ていく。

感じて締まるそこを、彼の怒張が押し広げて入っていく。


「ああぁ……あんッ、んんッ……ああ!」


〝パンパンパンッ、グチュッグチュ〟


 互いの肌のあたる音と愛液が押し動かされる音が部屋に響く。


「あっ、イっちゃう……んあっ」

「イっていいよ、見ててあげる」


私のナカで彼の怒張が嵩を増し、感じるところだけを的確に何度も突かれる。

荒々しく繰り返される抽挿に腰が甘く痺れる。


「あんっ、あぅ、んっ……ああぁ!」


寸前まで抜いてから奥を抉る一突きを受けると、身体を震わせて達してしまう。

ビクビクッと震える身体を、彼が抱きとめてくれる。

彼は私の頭を撫で、おでこにくちづける。


「凪ちゃん、俺の上に乗ってくれる?」

「……はい」


私は絶頂後の重い身体をなんとか持ち上げ、ソファに深く腰掛けている篠宮さんの上におそるおそる跨る。


「んっ……」


少しずつ腰を下ろしていく。

自分でゆっくりと挿れると、挿れられる時より篠宮さんの形や大きさが伝わってくる。


〝ヌプッヌプ〟っと彼の亀頭が入ってくる。


彼のモノが奥まで入ると、お互いの結合部が密着する。


「……んっ……動いて」

「はい」


彼の怒張を感じながらゆっくりと、上下に腰を動かしていく。


「……そう、上手」


彼に頭を撫でられると、ナカを締め付けてしまい、彼の怒張をより感じてしまう。

ウエストにずり上がってきてしまっているスカート。

その下から丸見えになっているお尻を両手で〝ムギュッ〟と握られ、揉まれる。


「あんっ、あ……んっ」


握られたお尻を持ち上げてから下ろされ、彼の猛りが肉襞を擦り、それ根元までのみこむと、お腹の裏までくし刺しにされているような感覚になる。



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