8 / 79
旅一座
第6話
しおりを挟む
リリアは窓辺の椅子から、夜が明けていく様子をじっと眺めていた。
空気が夜の冷たさから少しずつ緩み、わずかに温かみを帯びる。
夜明け前、宿の梁が低く軋んだ。古い木が、眠りから目覚めるために背を伸ばすようなその響きを、リリアは好ましく思う。
──ただ、その音の奥には、忘れたくても忘れられない記憶が潜んでいる。
かつてアランと共に、同じように耳を澄ませて聞いた音。
学舎の片隅。石造りの講堂の梁が、夜更けに小さく鳴った時のこと。隣にいた彼は「まるで生き物の呼吸みたいだ」と笑った。その言葉も、笑顔も、胸に焼きついたまま離れない。今はもう会うことさえ許されない人。けれど梁が鳴るたび、胸の奥で彼が微笑む。
外では北門の番兵が眠気を追い払うように地面を踏み鳴らしていた。
星渡り一座は、闇の最後のひとかけらを背に、出立の支度を整える。荷馬車の車軸に油を差し、息を揃えて門をくぐった。
街道に出ると、世界の音が変わる。
石畳の硬い反響が消え、土の道の柔らかい沈みに置き換わる。左手では川が浅くせせらぎ、右手の丘では、草花が風に押されて一斉に揺れていた。
「最初は受け渡しだけ」
カイが旗の石突で地面を叩いた。
──トン・トン・トン・トン。
「俺が一、君が二。ずらさない。重ねない。投げて、受けて、返す」
リリアは黙ってうなずき、かかとで地面を打つ。
──トン・トン・トン・トン。
呼吸が二人でひとつの輪を描く。
祖母が伝えてくれた歌は、ひとりの器を想定していた。だが、器と器をつなぎ、ひとつの流れにできることを、耳が先に理解した。新しい感覚に心が震える。それと同時に、胸に小さな痛みが走った。
――もしこの拍を渡す相手がアランだったなら。
叶うはずのない想像が影のように忍び込む。
「いい感じ」
ジャドが荷車の後ろで空の木箱を叩き、合いの手を入れた。
車軸の単調な音しかなかった空間が、軽やかに弾み始める。
「誰かと一緒に拍を刻むなんて、考えたことなかった」
リリアがぽつりと呟くと、カイは無邪気な笑みを浮かべて問いかけた。
「楽しいでしょ? 同じ音を、ひとつずつ渡すのって……」
胸の奥に直接触れてくるような、柔らかなささやき。踏み入れてはならぬ境へ誘う音色に、おもわず返事をしようとしたが、その前にカリムの鋭い声が割って入る。
「音遊びをするのは構わないが、律を重ねるなよ。どうなってもしらんぞ」
「しないさ。俺だって拍術の専門家だ。カリムより詳しいくらいだよ」
軽口を叩くカイに、カリムはやれやれと肩をすくめる。
「お嬢ちゃん、こいつの言葉を真に受けすぎるな」
「……はい。気をつけます」
リリアは小さく答えたが、視線を逸らせなかった。
カイの瞳には試すような光が宿っている。危うくて、けれど惹かれてしまう。心を奪われそうになる感覚が、怖かった。
やがて太陽が真上に来る頃、一行は川幅の広がる場所へ出た。
そこに小さな祠が佇んでいた。白い石には苔が生え、供え物の皿は空っぽ。だが、祠の前の土には、昨日も誰かが足を運んだ痕が残っている。
「ここだわ」
ミリエラの声は穏やかだった。
「昼は眠るはずだけど、名を呼ばれるのを待つものは、時を忘れる」
風がひとつ、川面を渡って祠を撫でる。土ではない冷たさが、肌にゆるく触れる。昨夜、窓辺で聞いた乾いた唸り声。その源がここにあった。
「名前を探して」
ミリエラがささやく。
「この子たちの名前を呼んであげて」
リリアは腰の革袋から鈴を取り出した。手のひらの上に置くが、まだ鳴らさず、ただ感じる。
「いいかい。俺が一、君が二だよ?」
カイが旗を握り直し、声をかけてきた。旗はただの旗ではなかった。拍術師が律を導き出すために使う拍杖と呼ばれるもの。魔力を響かせるための道具だ。
名を探すだけなら、本来は必要ないはず。問いかけるより早く、カイは杖で地面を叩いた。
──トン。
墓守の一族として生まれ、拍術を叩き込まれて育ったリリアは、音が鳴れば身体が反応してしまう。
リリアがかかとで地面を打つと、カイは満足げに微笑んだ。
「……名前、わかった?」
ミリエラの問いに、リリアは小さくうなずく。
ひとりの音では見えなかったものが、ふたりで響かせることで輪郭を帯びる。
「返ってきた位相は軽い。怒りじゃない。迷いが集まって、灯りになり損ねてる」
そう告げると、リリアはかかとを止め、鈴をひとつ鳴らした。
──リン。
清らかな音が祠に溶けていく。
カイがその音に続こうとした瞬間、カリムが素早く彼の腕を掴んで止めた。リリアは横目でそのやり取りを見ながら、さらに鈴を重ねた。
──リン、リン、リン。
帰る道を照らすような、やわらかな響き。
祠の影が揺れ、昼の光には不釣り合いな青白い灯がひとつ浮かんだ。ふっと川へ行こうとして、また戻る。
「──────」
リリアの口が自然に名前を告げていた。穏やかな響きで。そのまま喉の奥で祖母から伝えられた鎮律の歌を紡ぐ。
「きれいな歌」
ミリエラが目を細める。
「渡れなかった人たちの鼓動が、やっと形になったのね」
名を得た迷いは道を選ぶ。光は一つ、二つと増え、祠の前に列を作り、やがて川の向こう岸へ渡って消えていった。
「ここ、橋があったの。一緒に流されて、迷子になっていただけ」
「やっぱり狐じゃなかったわ」
「帰り道を教えたから、もう大丈夫」
「さすが元墓守さん」
ミリエラがころころと笑う。リリアもぎこちなく笑みを返した。
しかし、胸の奥には別の影が残っていた。
――私はきちんと魂を導けるのに……。アラン。あなたが墓守を廃した理由を、私はまだ知らない。
空気が夜の冷たさから少しずつ緩み、わずかに温かみを帯びる。
夜明け前、宿の梁が低く軋んだ。古い木が、眠りから目覚めるために背を伸ばすようなその響きを、リリアは好ましく思う。
──ただ、その音の奥には、忘れたくても忘れられない記憶が潜んでいる。
かつてアランと共に、同じように耳を澄ませて聞いた音。
学舎の片隅。石造りの講堂の梁が、夜更けに小さく鳴った時のこと。隣にいた彼は「まるで生き物の呼吸みたいだ」と笑った。その言葉も、笑顔も、胸に焼きついたまま離れない。今はもう会うことさえ許されない人。けれど梁が鳴るたび、胸の奥で彼が微笑む。
外では北門の番兵が眠気を追い払うように地面を踏み鳴らしていた。
星渡り一座は、闇の最後のひとかけらを背に、出立の支度を整える。荷馬車の車軸に油を差し、息を揃えて門をくぐった。
街道に出ると、世界の音が変わる。
石畳の硬い反響が消え、土の道の柔らかい沈みに置き換わる。左手では川が浅くせせらぎ、右手の丘では、草花が風に押されて一斉に揺れていた。
「最初は受け渡しだけ」
カイが旗の石突で地面を叩いた。
──トン・トン・トン・トン。
「俺が一、君が二。ずらさない。重ねない。投げて、受けて、返す」
リリアは黙ってうなずき、かかとで地面を打つ。
──トン・トン・トン・トン。
呼吸が二人でひとつの輪を描く。
祖母が伝えてくれた歌は、ひとりの器を想定していた。だが、器と器をつなぎ、ひとつの流れにできることを、耳が先に理解した。新しい感覚に心が震える。それと同時に、胸に小さな痛みが走った。
――もしこの拍を渡す相手がアランだったなら。
叶うはずのない想像が影のように忍び込む。
「いい感じ」
ジャドが荷車の後ろで空の木箱を叩き、合いの手を入れた。
車軸の単調な音しかなかった空間が、軽やかに弾み始める。
「誰かと一緒に拍を刻むなんて、考えたことなかった」
リリアがぽつりと呟くと、カイは無邪気な笑みを浮かべて問いかけた。
「楽しいでしょ? 同じ音を、ひとつずつ渡すのって……」
胸の奥に直接触れてくるような、柔らかなささやき。踏み入れてはならぬ境へ誘う音色に、おもわず返事をしようとしたが、その前にカリムの鋭い声が割って入る。
「音遊びをするのは構わないが、律を重ねるなよ。どうなってもしらんぞ」
「しないさ。俺だって拍術の専門家だ。カリムより詳しいくらいだよ」
軽口を叩くカイに、カリムはやれやれと肩をすくめる。
「お嬢ちゃん、こいつの言葉を真に受けすぎるな」
「……はい。気をつけます」
リリアは小さく答えたが、視線を逸らせなかった。
カイの瞳には試すような光が宿っている。危うくて、けれど惹かれてしまう。心を奪われそうになる感覚が、怖かった。
やがて太陽が真上に来る頃、一行は川幅の広がる場所へ出た。
そこに小さな祠が佇んでいた。白い石には苔が生え、供え物の皿は空っぽ。だが、祠の前の土には、昨日も誰かが足を運んだ痕が残っている。
「ここだわ」
ミリエラの声は穏やかだった。
「昼は眠るはずだけど、名を呼ばれるのを待つものは、時を忘れる」
風がひとつ、川面を渡って祠を撫でる。土ではない冷たさが、肌にゆるく触れる。昨夜、窓辺で聞いた乾いた唸り声。その源がここにあった。
「名前を探して」
ミリエラがささやく。
「この子たちの名前を呼んであげて」
リリアは腰の革袋から鈴を取り出した。手のひらの上に置くが、まだ鳴らさず、ただ感じる。
「いいかい。俺が一、君が二だよ?」
カイが旗を握り直し、声をかけてきた。旗はただの旗ではなかった。拍術師が律を導き出すために使う拍杖と呼ばれるもの。魔力を響かせるための道具だ。
名を探すだけなら、本来は必要ないはず。問いかけるより早く、カイは杖で地面を叩いた。
──トン。
墓守の一族として生まれ、拍術を叩き込まれて育ったリリアは、音が鳴れば身体が反応してしまう。
リリアがかかとで地面を打つと、カイは満足げに微笑んだ。
「……名前、わかった?」
ミリエラの問いに、リリアは小さくうなずく。
ひとりの音では見えなかったものが、ふたりで響かせることで輪郭を帯びる。
「返ってきた位相は軽い。怒りじゃない。迷いが集まって、灯りになり損ねてる」
そう告げると、リリアはかかとを止め、鈴をひとつ鳴らした。
──リン。
清らかな音が祠に溶けていく。
カイがその音に続こうとした瞬間、カリムが素早く彼の腕を掴んで止めた。リリアは横目でそのやり取りを見ながら、さらに鈴を重ねた。
──リン、リン、リン。
帰る道を照らすような、やわらかな響き。
祠の影が揺れ、昼の光には不釣り合いな青白い灯がひとつ浮かんだ。ふっと川へ行こうとして、また戻る。
「──────」
リリアの口が自然に名前を告げていた。穏やかな響きで。そのまま喉の奥で祖母から伝えられた鎮律の歌を紡ぐ。
「きれいな歌」
ミリエラが目を細める。
「渡れなかった人たちの鼓動が、やっと形になったのね」
名を得た迷いは道を選ぶ。光は一つ、二つと増え、祠の前に列を作り、やがて川の向こう岸へ渡って消えていった。
「ここ、橋があったの。一緒に流されて、迷子になっていただけ」
「やっぱり狐じゃなかったわ」
「帰り道を教えたから、もう大丈夫」
「さすが元墓守さん」
ミリエラがころころと笑う。リリアもぎこちなく笑みを返した。
しかし、胸の奥には別の影が残っていた。
――私はきちんと魂を導けるのに……。アラン。あなたが墓守を廃した理由を、私はまだ知らない。
108
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
無能だと捨てられた第七王女、前世の『カウンセラー』知識で人の心を読み解き、言葉だけで最強の騎士団を作り上げる
☆ほしい
ファンタジー
エルミート王国の第七王女リリアーナは、王族でありながら魔力を持たない『無能』として生まれ、北の塔に長年幽閉されていた。
ある日、高熱で生死の境をさまよった彼女は、前世で臨床心理士(カウンセラー)だった記憶を取り戻す。
時を同じくして、リリアーナは厄介払いのように、魔物の跋扈する極寒の地を治める『氷の辺境伯』アシュトン・グレイウォールに嫁がされることが決定する。
死地へ送られるも同然の状況だったが、リリアーナは絶望しなかった。
彼女には、前世で培った心理学の知識と言葉の力があったからだ。
心を閉ざした辺境伯、戦争のトラウマに苦しむ騎士たち、貧困にあえぐ領民。
リリアーナは彼らの声に耳を傾け、その知識を駆使して一人ひとりの心を丁寧に癒していく。
やがて彼女の言葉は、ならず者集団と揶揄された騎士団を鉄の結束を誇る最強の部隊へと変え、痩せた辺境の地を着実に豊かな場所へと改革していくのだった。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
魔力ゼロだからと婚約破棄された公爵令嬢、前世の知識で『魔法の公式』を解明してしまいました。
☆ほしい
ファンタジー
公爵令嬢のリディアは、生まれつき魔力を持たない『無能』として、家族からも婚約者である第一王子からも虐げられる日々を送っていた。
ある日、絶大な魔力を持つ『聖女』が現れたことで、王子はリディアに婚約破棄を突きつけ、彼女を国外追放処分にする。
失意のどん底で、リディアは自分が理系研究者だった前世の記憶を思い出す。そして、この世界の『魔法』と呼ばれている現象が、前世の化学や物理の法則で説明できることに気づいてしまう。
追放先の辺境の地で、彼女は魔力ではなく『知識』を使い、生活を豊かにする画期的な道具を次々と開発。その技術は『失われた古代魔法』と噂になり、いつしか人々から本物の聖女よりも崇められる存在になっていく。
一方、リディアを追放した王国は、彼女が陰で支えていた魔法インフラが次々と崩壊し、衰退の一途を辿っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる