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幕間
後編
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灰の匂いが、ふと鼻腔の奥に戻ってきた。
あの日の焦げた匂いが、すぐ傍にまで追いかけてきたようで、胸がざわつく。
カイは薄く目を閉じ、唇を震わせている。呼吸が浅く、不規則だ。
逃げ込める場所が森の中しかなかった。
瘴気が濃いこの森で、大切な人をただ横たえていることしかできない自分に、セラの胸は鋭く痛んだ。
「ごめん、カイ。ごめん……」
つぶやいた声は小さく、風にかき消された。
手のひらに残る温度が、かろうじて現実を繋ぎとめていた。
子供の頃から復讐の相手として刻みつけられてきた人物が、すぐ傍までやってきた。
ならば対峙するのが自然な流れだと思っていたのに、まったく歯が立たなかった。
あの瞬間、自分が信じてきた正義が、どれほど脆いものだったのかを思い知らされた。
リリアの喉は封じた。
拍術を奏でられなければ、賢者の血を引く彼女も王を支えられないはずだった。
あのときは、それで十分だと思っていた。まさか王自身にあれほどの力があるとは、思いもしなかった。
「わたし、わたしが、ちゃんと……」
セラが声を震わせながらカイの手を握りしめたそのとき、木々の影から滑るように女が姿を現した。
薄闇に溶けるような黒い衣に身を包み、口元にうっすらと笑みを浮かべている。
ミリエラは、まるで舞台の仕掛け人のように軽やかに歩み寄ってきた。
「あなたの王様は、うちの陛下よりずっと弱いのね。ふふ、可哀想に」
その声音はからかうようで、セラの胸に火を灯した。
怒りが悲しみを呑み込み、セラの瞳から熱いものが零れ落ちる。声は次第に震え、言葉は叫びになった。
「アンタ! アンタが……!」
ミリエラは手のひらをひらりと振って鼻先で笑う。
「こんな呪いの濃い場所であまり感情的にならないほうがいいわ。ここから少し行けば、山小屋がある。そこで休みましょう」
言い終わると、不意にミリエラはカイの元へ歩み寄り、するりと抱きかかえた。
セラの身体が反射的に固まる。
「こういう呪いの濃い土地には、管理者が用意した隠れ家があるの。結界で守られているから、傷が癒えるまで避難できるわ。深淵の管理者殿は厳しいけれど、案外慈悲深いのよね」
言葉の端々に含まれる余裕が、セラの苛立ちをさらに掻き立てる。
だが、カイの荒い呼吸を目の当たりにすると、抗う力は削がれていった。仕方なく、ミリエラの後に続く。
小屋は深淵の森の中にひっそりと佇み、外見は古びているが、内側の空気は不思議と暖かかった。
ミリエラがカイをベッドに寝かせると、セラはその場にへたり込んだ。
カイの胸が微かに上下するたび、胸の内側にあるものが締めつけられた。
「あなたは、たしか励律といったかしらね。回復系の拍術は本当に使えないの?」
ミリエラは大げさに目を見開いて問いかけてきた。からかい半分、好奇も混じっている。
セラは答えない。
拍術には系譜があり、励律と呼ばれる体力回復や気力を鼓舞する術式が存在する。
だが、セラの得意な拍術は破律という攻撃型の系譜だ。破律は相手の精神に影響を及ぼし、破滅へ導く旋律であり、肉体を癒す作用はない。
──私が励律を使えるなら、とっくにカイを癒している!
思いは口に出さずに、セラは唇を噛む。ミリエラの煽る口ぶりが、ただ苛立ちを募らせるだけだ。
「やれやれ、やっぱり癒しの旋律は奏でられないのね。なるほど、そういうところが違うのね。うちの陛下とリリアちゃんの関係とは……」
ミリエラの皮肉を含んだ言葉が続く。セラの内側で何かが割れる音がした。
「私はカイを守ってる! ちゃんと、守っているの!」
セラは叫び、ベッドの縁に置かれたカイの手をぎゅっと掴む。
だがミリエラは冷めた目で見下ろすばかりで、その行為の無力さを指摘するかのようだった。
そのとき、カイの胸が大きく震え、呻き声をあげる。
セラは慌てて顔を覗き込み、「どうしたの」と何度も声をかけるが、返答はない。
閉じられた瞼だけが微かに揺れている。
セラの口もとが震え、涙が頬を伝う。耳もとで、ミリエラがささやいた。
「カイをこうしたのは、アラン陛下よね。なら、陛下に同じ苦しみを与えてやればいいじゃない」
その言葉は刃のように鋭く、セラの心の最も脆いところを裂いた。
憎しみ、焦燥、守りたいという渇望──それらが混ざり合い、熱を帯びていく。
「でも、私一人であの王には勝てない。アラン陛下は……あの人は強すぎる」
セラは震える声で返した。
それは言い訳のようでいて、ほとんど悲鳴に近かった。
自分の無力さを並べながらも、心の奥底では理解している。
──同じ破壊の旋律を奏でる者として、わかってしまう。
あの王は、故郷の村を一瞬で灰にした自分などより、はるかに強い旋律を奏でることができる。
その力は、世界そのものを瞬時に灰へと変えるほどのものかもしれない。
想像しただけで、セラは背筋が冷たくなる。
「なら、いい案があるわ」
ミリエラはにやりと笑い、優しく首を傾げた。
「あなたたちの祖国を滅ぼした一族。本来なら彼らが背負うはずのものを、賢者の一族が肩代わりしているの。今も、ずっとね。リリアさんが封じている呪いを、アラン陛下に返すってどう?」
セラは息を呑む。
ミリエラの言葉が意味することは明瞭だ。
賢者が封じている呪いを解き放てば、それは王のもとに向かう。
アラン王が呪いに沈めば、カイを傷つけた者への復讐が可能になる。
そんな計算が一瞬にして頭をよぎる。
「本当に……そんなことができるの?」
セラの問いに、ミリエラは静かにうなずく。
「そうよ。リリアさんが封じているものを、王都霊廟を壊して解き放てば、それはあるべき場所へ流れ着く。あなたが望むなら、私が手伝ってあげる。私たちで、取り戻すの」
暗い光がセラの胸に灯る。
「もし、もしも、あの男が呪いにかかったら……今度こそ、殺せるかな?」
問いは刃のように鋭い。だがミリエラは穏やかに笑い、うなずいた。
「ええ。そうなる。だから、まずは霊廟を壊すのよ。あなたの手のひらから、かつての火をもう一度放つの」
セラはベッドのそばに立ち、カイの頬を両手で包んで囁く。
「行ってくるね、カイ。帰ってくるまで、ここで眠ってて」
扉を押し開くと、夜の冷気が頬を打つ。
山小屋の外の木立がざわめき、深淵の空気が立ち込める。
扉が閉まる瞬間、灰の匂いが鼻裏をかすめた。
その匂いが、セラの決意を確かにした。彼女は振り返らず、闇へと足を踏み出した。
あの日の焦げた匂いが、すぐ傍にまで追いかけてきたようで、胸がざわつく。
カイは薄く目を閉じ、唇を震わせている。呼吸が浅く、不規則だ。
逃げ込める場所が森の中しかなかった。
瘴気が濃いこの森で、大切な人をただ横たえていることしかできない自分に、セラの胸は鋭く痛んだ。
「ごめん、カイ。ごめん……」
つぶやいた声は小さく、風にかき消された。
手のひらに残る温度が、かろうじて現実を繋ぎとめていた。
子供の頃から復讐の相手として刻みつけられてきた人物が、すぐ傍までやってきた。
ならば対峙するのが自然な流れだと思っていたのに、まったく歯が立たなかった。
あの瞬間、自分が信じてきた正義が、どれほど脆いものだったのかを思い知らされた。
リリアの喉は封じた。
拍術を奏でられなければ、賢者の血を引く彼女も王を支えられないはずだった。
あのときは、それで十分だと思っていた。まさか王自身にあれほどの力があるとは、思いもしなかった。
「わたし、わたしが、ちゃんと……」
セラが声を震わせながらカイの手を握りしめたそのとき、木々の影から滑るように女が姿を現した。
薄闇に溶けるような黒い衣に身を包み、口元にうっすらと笑みを浮かべている。
ミリエラは、まるで舞台の仕掛け人のように軽やかに歩み寄ってきた。
「あなたの王様は、うちの陛下よりずっと弱いのね。ふふ、可哀想に」
その声音はからかうようで、セラの胸に火を灯した。
怒りが悲しみを呑み込み、セラの瞳から熱いものが零れ落ちる。声は次第に震え、言葉は叫びになった。
「アンタ! アンタが……!」
ミリエラは手のひらをひらりと振って鼻先で笑う。
「こんな呪いの濃い場所であまり感情的にならないほうがいいわ。ここから少し行けば、山小屋がある。そこで休みましょう」
言い終わると、不意にミリエラはカイの元へ歩み寄り、するりと抱きかかえた。
セラの身体が反射的に固まる。
「こういう呪いの濃い土地には、管理者が用意した隠れ家があるの。結界で守られているから、傷が癒えるまで避難できるわ。深淵の管理者殿は厳しいけれど、案外慈悲深いのよね」
言葉の端々に含まれる余裕が、セラの苛立ちをさらに掻き立てる。
だが、カイの荒い呼吸を目の当たりにすると、抗う力は削がれていった。仕方なく、ミリエラの後に続く。
小屋は深淵の森の中にひっそりと佇み、外見は古びているが、内側の空気は不思議と暖かかった。
ミリエラがカイをベッドに寝かせると、セラはその場にへたり込んだ。
カイの胸が微かに上下するたび、胸の内側にあるものが締めつけられた。
「あなたは、たしか励律といったかしらね。回復系の拍術は本当に使えないの?」
ミリエラは大げさに目を見開いて問いかけてきた。からかい半分、好奇も混じっている。
セラは答えない。
拍術には系譜があり、励律と呼ばれる体力回復や気力を鼓舞する術式が存在する。
だが、セラの得意な拍術は破律という攻撃型の系譜だ。破律は相手の精神に影響を及ぼし、破滅へ導く旋律であり、肉体を癒す作用はない。
──私が励律を使えるなら、とっくにカイを癒している!
思いは口に出さずに、セラは唇を噛む。ミリエラの煽る口ぶりが、ただ苛立ちを募らせるだけだ。
「やれやれ、やっぱり癒しの旋律は奏でられないのね。なるほど、そういうところが違うのね。うちの陛下とリリアちゃんの関係とは……」
ミリエラの皮肉を含んだ言葉が続く。セラの内側で何かが割れる音がした。
「私はカイを守ってる! ちゃんと、守っているの!」
セラは叫び、ベッドの縁に置かれたカイの手をぎゅっと掴む。
だがミリエラは冷めた目で見下ろすばかりで、その行為の無力さを指摘するかのようだった。
そのとき、カイの胸が大きく震え、呻き声をあげる。
セラは慌てて顔を覗き込み、「どうしたの」と何度も声をかけるが、返答はない。
閉じられた瞼だけが微かに揺れている。
セラの口もとが震え、涙が頬を伝う。耳もとで、ミリエラがささやいた。
「カイをこうしたのは、アラン陛下よね。なら、陛下に同じ苦しみを与えてやればいいじゃない」
その言葉は刃のように鋭く、セラの心の最も脆いところを裂いた。
憎しみ、焦燥、守りたいという渇望──それらが混ざり合い、熱を帯びていく。
「でも、私一人であの王には勝てない。アラン陛下は……あの人は強すぎる」
セラは震える声で返した。
それは言い訳のようでいて、ほとんど悲鳴に近かった。
自分の無力さを並べながらも、心の奥底では理解している。
──同じ破壊の旋律を奏でる者として、わかってしまう。
あの王は、故郷の村を一瞬で灰にした自分などより、はるかに強い旋律を奏でることができる。
その力は、世界そのものを瞬時に灰へと変えるほどのものかもしれない。
想像しただけで、セラは背筋が冷たくなる。
「なら、いい案があるわ」
ミリエラはにやりと笑い、優しく首を傾げた。
「あなたたちの祖国を滅ぼした一族。本来なら彼らが背負うはずのものを、賢者の一族が肩代わりしているの。今も、ずっとね。リリアさんが封じている呪いを、アラン陛下に返すってどう?」
セラは息を呑む。
ミリエラの言葉が意味することは明瞭だ。
賢者が封じている呪いを解き放てば、それは王のもとに向かう。
アラン王が呪いに沈めば、カイを傷つけた者への復讐が可能になる。
そんな計算が一瞬にして頭をよぎる。
「本当に……そんなことができるの?」
セラの問いに、ミリエラは静かにうなずく。
「そうよ。リリアさんが封じているものを、王都霊廟を壊して解き放てば、それはあるべき場所へ流れ着く。あなたが望むなら、私が手伝ってあげる。私たちで、取り戻すの」
暗い光がセラの胸に灯る。
「もし、もしも、あの男が呪いにかかったら……今度こそ、殺せるかな?」
問いは刃のように鋭い。だがミリエラは穏やかに笑い、うなずいた。
「ええ。そうなる。だから、まずは霊廟を壊すのよ。あなたの手のひらから、かつての火をもう一度放つの」
セラはベッドのそばに立ち、カイの頬を両手で包んで囁く。
「行ってくるね、カイ。帰ってくるまで、ここで眠ってて」
扉を押し開くと、夜の冷気が頬を打つ。
山小屋の外の木立がざわめき、深淵の空気が立ち込める。
扉が閉まる瞬間、灰の匂いが鼻裏をかすめた。
その匂いが、セラの決意を確かにした。彼女は振り返らず、闇へと足を踏み出した。
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