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三章
42 潜入
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……エフィがフレイバグを帰して変装するのに、少々時間を要した。
「あと今日は様子を見に行くだけだ。やばいと思ったらすぐに逃げるからな」
「わかりました!」
気合の入ったエフィの返事。
拍子に、彼女の胸についている二つの巨大な脂肪が非常識に弾む。
町娘のような薄い布の服を着るとその大きさがまざまざとわかる。
道行く男性のほとんどが通り掛かる瞬間エフィに見惚れる。
「…………」
これには同じ女性のアリッサとて一瞬目を奪われていた。
「エフィ」
「はい?」
「いや、なんでもない」
その胸を目立たせないようにしてくれ、という言葉が伝えられず、俺は言いよどんだ。
どうしようもない。問題ないことにしよう。
あたりはすっかり日が暮れている。
言われた住所にたどり着くと、俺はため息を付いた。
巨大な屋敷だった。富裕層が多く住む通りだ。
広めの庭に、三階建ての巨大な建築物。
俺の小屋みたいな家が情けなく思えてくる立派な邸宅。門まである。
門は開いていて、俺達は正面から家の前まで来た。
ドアを叩くと、メイドさんが出てくる。
ニクネーヴィンからもらったカードを見せると、うやうやしい態度で中へ通された。
「案外簡単に入れてくれるんだな」
「すごいおうちですね」
エフィは物珍しそうに中を見渡す。
教会勤めの彼女にとって、こういう豪邸は新鮮なのだろう。
まあ、俺もなんだが。
飾ってある壺とか持って帰っても文句言われないんじゃないか?
「ここにメルヴィが……」
アリッサがつぶやく。
「こう広くちゃ、たくさん人は住めるし隠しておけるだろうな」
まあ、いるかどうかは調べてみないとわからないが。
とにかくここまでは順調だ。
入口近くで待っていると、スタイルのいい美女二人を伴いながら、ニクネーヴィンが出迎えた。
「ようこそ、エンさん」
言って、アリッサとエフィを交互に見る。
「この前連れていたダッタさんではないのですね」
「ダッタは所用で里帰り中だ」
「なるほど……」
納得したようにニクネーヴィンはうなずいて、
「エンさんは、恋多き方なのですね」
俺に言った。
「?」
どういう意味だ?
「そんな方でも歓迎です」
いや、恋多きってどういう意味だ?
なんでこいつさも当然というようにそんな単語が出てくるんだ?
俺は疑問が消えないままエフィとアリッサに顔を向けるが、二人も首をかしげている。
よくわからないが、怖いお兄さんが突然襲いかかるような事態にはならなさそうだ。それだけは助かる。
「もう皆さん始めていますので、どうぞ」
「始めているってのは?」
「行けばわかりますよ」
情報の整理が追いつかない。
とにかく俺は緊急事態に備えて、ポケットに入れた手の中にゲッカレイメイを作り出す。
「あと今日は様子を見に行くだけだ。やばいと思ったらすぐに逃げるからな」
「わかりました!」
気合の入ったエフィの返事。
拍子に、彼女の胸についている二つの巨大な脂肪が非常識に弾む。
町娘のような薄い布の服を着るとその大きさがまざまざとわかる。
道行く男性のほとんどが通り掛かる瞬間エフィに見惚れる。
「…………」
これには同じ女性のアリッサとて一瞬目を奪われていた。
「エフィ」
「はい?」
「いや、なんでもない」
その胸を目立たせないようにしてくれ、という言葉が伝えられず、俺は言いよどんだ。
どうしようもない。問題ないことにしよう。
あたりはすっかり日が暮れている。
言われた住所にたどり着くと、俺はため息を付いた。
巨大な屋敷だった。富裕層が多く住む通りだ。
広めの庭に、三階建ての巨大な建築物。
俺の小屋みたいな家が情けなく思えてくる立派な邸宅。門まである。
門は開いていて、俺達は正面から家の前まで来た。
ドアを叩くと、メイドさんが出てくる。
ニクネーヴィンからもらったカードを見せると、うやうやしい態度で中へ通された。
「案外簡単に入れてくれるんだな」
「すごいおうちですね」
エフィは物珍しそうに中を見渡す。
教会勤めの彼女にとって、こういう豪邸は新鮮なのだろう。
まあ、俺もなんだが。
飾ってある壺とか持って帰っても文句言われないんじゃないか?
「ここにメルヴィが……」
アリッサがつぶやく。
「こう広くちゃ、たくさん人は住めるし隠しておけるだろうな」
まあ、いるかどうかは調べてみないとわからないが。
とにかくここまでは順調だ。
入口近くで待っていると、スタイルのいい美女二人を伴いながら、ニクネーヴィンが出迎えた。
「ようこそ、エンさん」
言って、アリッサとエフィを交互に見る。
「この前連れていたダッタさんではないのですね」
「ダッタは所用で里帰り中だ」
「なるほど……」
納得したようにニクネーヴィンはうなずいて、
「エンさんは、恋多き方なのですね」
俺に言った。
「?」
どういう意味だ?
「そんな方でも歓迎です」
いや、恋多きってどういう意味だ?
なんでこいつさも当然というようにそんな単語が出てくるんだ?
俺は疑問が消えないままエフィとアリッサに顔を向けるが、二人も首をかしげている。
よくわからないが、怖いお兄さんが突然襲いかかるような事態にはならなさそうだ。それだけは助かる。
「もう皆さん始めていますので、どうぞ」
「始めているってのは?」
「行けばわかりますよ」
情報の整理が追いつかない。
とにかく俺は緊急事態に備えて、ポケットに入れた手の中にゲッカレイメイを作り出す。
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