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一人称変わってない?
しおりを挟むこの場合の「好き」というのは、嫌いじゃない、つまりは友愛的な意味だろうか。
だってシューは誰にでも優しい。
男女問わずに親切で、時に仕事を押し付けられ、女性からの好意も無碍にはしない。
きっと誰にでも気軽に好きだと言って噛み付いているに違いない。
「何か失礼なこと考えてるねぇ?ミヤ。」
マシューに跨ったままジト目で見下ろすミヤの頬をつまみ、そのまま上下に揺らす。痛い。
「今僕は君に愛の告白をしたんだけど。で、お返事は?」
「うぇ?」
頬を摘まれながらきょとんとするミヤに、マシューはまるで残念な子を見るような呆れ顔でため息をつく。
「ミヤはどーゆーつもりで俺に触っていたわけ?エロいことがしたいなら堂々と起きてる時に誘ってくれた方がこっちも助かるんだけどね。」
「エ、!?だから、そうゆうのじゃ」
「あそ。じゃあもう続きしよ。」
あそとは何だ、と憤りながら、はて続きとは何の続きだったか。私は何にどう返事をしたらよかったのか。それよりいま、一人称が俺になってなかった…?
そんなことをグルグルと考えて現実逃避をするミヤの腰をマシューは徐に掴むと、グッと押しながら位置をずらす。
ビク、と反射的に腰が跳ねる。ミヤの下着ごしに、硬くて温かいものが当たっていた。
ソレが何なのか理解した途端、かあっと耳が熱くなり慌ててマシューの上から退こうとするミヤを、腰を掴んでいる手が阻む。
「ミヤが俺にしてたことに比べれば可愛いもんでしょ。大丈夫。俺はミヤほど変態じゃないからココしか触らないし。」
腰のあたりをなでなでしながら、これで今までのコトは許してあげるね。と目を細めて微笑んでみせる。
腰しか触っていない。確かにそう言われてしまうとその通りだ。
変態呼ばわりは腑に落ちないが、腰を掴んだぐらいで寝込みを触りまくってた事が不問になるなら、別に…、この、コレを、意識しなければ、。
(意識しない。…意識しない。)
「…………っ、ぁっ、……っ、…ん」
勝手に逃げそうになる腰を両側からしっかりと掴まれて、ゆるゆると前後に動かされる。それに合わせて、マシュー自身も下からそれをミヤに擦り付けてくる。
ゆっくりと割れ目をなぞるせいでそのモノの大きさと質感が感じられて、抑えようにも声が出てしまう。
「ミヤってそういう声で喘ぐんだ。…可愛いね。」
負けた気がしてギュッと唇を閉じて、さらに手で覆う。
そんなミヤの抵抗を愉しそうに眺めると、マシューは探るように腰を動かす。
「ーーんぁっ⁈」
たまらず声を漏らすその場所を見逃さず、自然と跳ね上がる腰を無理矢理押し付けるようにグリグリと執拗にそこを責める。
「ココ、気持ちいいんだ?」
(あっ、コレ、やばいかも…。)
身体の中を突き抜ける未知の快感に、なす術もなくされるがままに揺さぶられる。
「ねぇミヤ。服越しじゃなくて肌を合わせたら、こんなのよりもっと、ずうっと気持ちいいよ。ミヤ。」
悪魔のように囁かれ、つい想像してしまう。
「…んっ…んっ…はっ…んうっ」
濡れた下着ごと割れ目をなぞられて、ぬるっとした感触に身体がビクビクと跳ねる。
辛うじて口元を押さえていた手も捕まえられ、マシューのはだけたシャツの内側へと導かれる。
「ほら、いくらでも触っていいよ。」
悪戯っぽく笑うマシューに導かれるままサラリとした肌に指先を這わせて、腰の動きに合わせて浮かび上がる腹筋をなぞる。
正直に言うと、長いこと病弱だったミヤは、この均整の取れたマシューの意外にも男性らしい体つきが大好きなのだ。
「あっ…あっ…やっ…ぁっシュー」
押さえを失った口元からはすがるような甘い声が出てしまう。
頭は真っ白になって思考を放棄し、瞳にはじわっと涙が滲む。
「…そんなに、俺の身体触るの好き?」
ぐいっと腕を引かれ、至近距離で見つめて問われる。
覗いた瞳の奥には欲望が揺らめいていた。
「んっ、うん、…はッ」
与えられ続ける快楽に夢中になりながら答える。
「俺のこと好き?」
耳元で吐息と共に低く囁かれる。
「んっ、うん、あっあっ」
後ろから頭を掴まれて捕食するようなキスをされながら、ミヤは背筋を反らした。
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