20 / 40
第20話:最後まで皆と戦います!
しおりを挟む
「う~ん」
ゆっくり目を覚ます。ここは、私のテントだわ。
「クレア、目を覚ましたか?」
この声は、騎士団長だ。
「騎士団長様、どうして私はここに?そうだ、ジークは!ジークはどうなったのですか?」
そう、私はジャイアントスネーク討伐時に、意識を失ったのだった。
「ジークはあの後、すぐに意識を取り戻したよ。ただ怪我が酷くて、王都に戻って治療する事になったんだ。それで、先日王都に帰って行ったよ」
「そうだったのですか?それで、私はどれくらい眠っていたのですか?」
「丸3日眠っていたよ。それからこれ、ジークから預かった。お守りだそうだ。それから“助けてくれてありがとう”そう伝えてくれと言われたよ」
騎士団長からお守りを手渡された。
ジーク…
ジークの事を考えたら、涙が込み上げて来た。ジークとのお別れの時に、まさか意識を失っていたなんて!ジークはあんなにも私に良くしてくれたのに、私は…
そんな私を、ギューッと抱きしめる騎士団長。
「大丈夫だ。王都に戻ればジークにはまた会える!だから、そんな悲しそうな顔をするな。お前が望めば、俺がジークに会わせてやることも出来るんだ。それに、ジークがいなくなった分、俺を頼ればいい!辛い時はジークの分も、しっかり話を聞いてやるから」
「騎士団長様…」
温かい温もりが体中に伝わる。騎士団長の優しさが、傷ついた心を少しずつ癒してくれる。そんな気がした。そして無意識に、騎士団長に抱き着いていた。その時だった、知らない男性がテントに侵入してきたのだ。
「クレア嬢、やっとお目覚めになられたのですね。よかった!さあ、王都に戻りましょう」
何なの?この人!
「おい、勝手にクレアのテントに入って来るな。とにかく、まだクレアには話していないんだ!とにかくテントから出ろ!」
騎士団長が男性を怒鳴りつけ、さっさと追い出した。一体あの人は何だったのだろう…
「クレア、急に驚かせてすまない。実は陛下と王太子から手紙が届いてな。今回王女の暴走のせいで、お前に多大なる迷惑を掛けてしまった事、本当に申し訳ないと思っているとの事だ。それで、お前の魔物討伐部隊参加も、取り消された。既に迎えも来ている。これでやっと帰れるな、王都に」
そう言って寂しそうに笑った騎士団長。王都に帰れる?お父様やお母様、お兄様、さらにマレアや料理長たちにも会えるんだ。でも…
「騎士団長様、私はこの討伐部隊に残りたいです!ジークの思いも引き継ぎましたし。それに何より、皆を残して1人だけ帰るなんて出来ません。どうか、私をこの討伐部隊に置いてください!」
たかが1ヶ月半程度だったけれど、それでも必死に討伐部隊で皆と共に戦って来たんだ!帰って来いと言われて、はいそうですかと帰る事なんて出来ない!それに何より、騎士団長と別れたくない…て、何を考えているのかしら!
騎士団長は関係ないのに。一気に顔が赤くなるのが分かった。
「本当に討伐部隊に残るのか?」
「はい、もちろんです。使いの人には申し訳ないのですが、帰ってもらってください。それから、家族に手紙を書きたいので、紙とペンを貸して頂けますか?」
きっと家族は心配しているだろうから、自分の意志で討伐部隊に残る旨を伝えよう。
「クレア、お前って奴は!」
再び騎士団長にギューッと抱きしめられた。その温もりがやっぱり心地よくて、つい抱きしめ返してしまう。もしかして、騎士団長は私の事を…て、そもそも騎士団長は私の事を男として見ているのよ。だから、これは男同士の抱擁よ。
そう、変な勘違いをしてはいけないわ。それに、私は討伐に参加している間は、女を捨てたのよ。だから、自分の気持ちもしっかり封印しないと!再び気合いを入れなおす。
早速騎士団長から渡された紙とペンで、両親に手紙を書いていく。私は皆と一緒に元気にしている事、魔物討伐を最後までやり切りたい事、必ず生きて帰るからどうか見守って欲しいという事を書いた。
とにかく、後ジャイアントスネークのメスを倒せば、この討伐も終わりのはずだ。それまで、何とかここに残りたい!
「という訳だから、さっさとこの手紙を持って帰れ!」
使いの人に手紙を押し付け、追い返している騎士団長。
「しかし…それでは…」
「しかしもへったくれもない!とにかくさっさと帰れ!それともお前もジャイアントスネーク討伐に参加したいのか?」
ニヤリと笑った騎士団長。物凄く悪い笑顔だ。
「め…滅相もございません!それでは私はこれで」
猛スピードで馬車に乗り込む男性。あら?もしかしてここまで馬車で来れたの?それなら行きも馬車で来たかったわ!
走り去っていく馬車を見て、密かにそう思うクレアであった。
ふと周りを見ると、日が沈みかかっていた。いけない、急いで料理を作らないと!久しぶりに料理を振舞う。
「3日ぶりのクレアの料理だ!美味い、美味すぎる!」
そう言って物凄いスピードで皆食べている。中には涙を流している人までいる。さすがに涙を流さなくても…
翌日
病み上がりという事もあり、私はこの日の討伐に参加させてもらえなかった。もう完全に復活したのだけれどな。そう思いつつ、1人自主練をする。
そして昼食の後、皆が集められた。
「明日、ジャイアントスネークのメスを倒しに行く!前回で分かっていると思うが、ジャイアントスネークはとてつもなく強い。さらにオスよりもメスの方が強いと言われている。最悪、隊が全滅する事もあるだろう。それで、今回も志願制にする。討伐に参加したい奴は手を挙げてくれ」
騎士団長の言葉を聞き、すかさず手を挙げた。そもそも、私はジャイアントスネークを倒す為に討伐部隊に残ったようなものだ。それに何より、ジークの仇を取りたい!て、ジークは生きているけれどね。
ふと周りを見渡すと、やっぱり皆手を挙げていた。
「結局全員参加か」
そう言って苦笑いした騎士団長。
「とにかく明日に備えて、体調を万全に整えておけ!」
よし、私も明日に備えて体調を整えないと!
「クレア、お前体調は大丈夫なのか?昨日まで眠っていたのだろう?」
心配そうに話しかけてきたのはハルだ。
「大丈夫よ、だって昨日まで眠っていたのよ!体力があり余り過ぎて、今から討伐に行けそうよ」
「何だよそれ!とにかく明日ジャイアントスネークを倒して、皆で王都に戻ろうな!」
「もちろんよ!」
明日の討伐を成功させて、絶対に皆で王都に帰ろう。でも王都に帰ったら、もう騎士団長ともお別れなのね。そう思ったら、胸の奥がチクリと痛んだ。
ダメよ!今はとにかくジャイアントスネーク討伐に集中しないと!そう自分に言い聞かせるクレアであった。
ゆっくり目を覚ます。ここは、私のテントだわ。
「クレア、目を覚ましたか?」
この声は、騎士団長だ。
「騎士団長様、どうして私はここに?そうだ、ジークは!ジークはどうなったのですか?」
そう、私はジャイアントスネーク討伐時に、意識を失ったのだった。
「ジークはあの後、すぐに意識を取り戻したよ。ただ怪我が酷くて、王都に戻って治療する事になったんだ。それで、先日王都に帰って行ったよ」
「そうだったのですか?それで、私はどれくらい眠っていたのですか?」
「丸3日眠っていたよ。それからこれ、ジークから預かった。お守りだそうだ。それから“助けてくれてありがとう”そう伝えてくれと言われたよ」
騎士団長からお守りを手渡された。
ジーク…
ジークの事を考えたら、涙が込み上げて来た。ジークとのお別れの時に、まさか意識を失っていたなんて!ジークはあんなにも私に良くしてくれたのに、私は…
そんな私を、ギューッと抱きしめる騎士団長。
「大丈夫だ。王都に戻ればジークにはまた会える!だから、そんな悲しそうな顔をするな。お前が望めば、俺がジークに会わせてやることも出来るんだ。それに、ジークがいなくなった分、俺を頼ればいい!辛い時はジークの分も、しっかり話を聞いてやるから」
「騎士団長様…」
温かい温もりが体中に伝わる。騎士団長の優しさが、傷ついた心を少しずつ癒してくれる。そんな気がした。そして無意識に、騎士団長に抱き着いていた。その時だった、知らない男性がテントに侵入してきたのだ。
「クレア嬢、やっとお目覚めになられたのですね。よかった!さあ、王都に戻りましょう」
何なの?この人!
「おい、勝手にクレアのテントに入って来るな。とにかく、まだクレアには話していないんだ!とにかくテントから出ろ!」
騎士団長が男性を怒鳴りつけ、さっさと追い出した。一体あの人は何だったのだろう…
「クレア、急に驚かせてすまない。実は陛下と王太子から手紙が届いてな。今回王女の暴走のせいで、お前に多大なる迷惑を掛けてしまった事、本当に申し訳ないと思っているとの事だ。それで、お前の魔物討伐部隊参加も、取り消された。既に迎えも来ている。これでやっと帰れるな、王都に」
そう言って寂しそうに笑った騎士団長。王都に帰れる?お父様やお母様、お兄様、さらにマレアや料理長たちにも会えるんだ。でも…
「騎士団長様、私はこの討伐部隊に残りたいです!ジークの思いも引き継ぎましたし。それに何より、皆を残して1人だけ帰るなんて出来ません。どうか、私をこの討伐部隊に置いてください!」
たかが1ヶ月半程度だったけれど、それでも必死に討伐部隊で皆と共に戦って来たんだ!帰って来いと言われて、はいそうですかと帰る事なんて出来ない!それに何より、騎士団長と別れたくない…て、何を考えているのかしら!
騎士団長は関係ないのに。一気に顔が赤くなるのが分かった。
「本当に討伐部隊に残るのか?」
「はい、もちろんです。使いの人には申し訳ないのですが、帰ってもらってください。それから、家族に手紙を書きたいので、紙とペンを貸して頂けますか?」
きっと家族は心配しているだろうから、自分の意志で討伐部隊に残る旨を伝えよう。
「クレア、お前って奴は!」
再び騎士団長にギューッと抱きしめられた。その温もりがやっぱり心地よくて、つい抱きしめ返してしまう。もしかして、騎士団長は私の事を…て、そもそも騎士団長は私の事を男として見ているのよ。だから、これは男同士の抱擁よ。
そう、変な勘違いをしてはいけないわ。それに、私は討伐に参加している間は、女を捨てたのよ。だから、自分の気持ちもしっかり封印しないと!再び気合いを入れなおす。
早速騎士団長から渡された紙とペンで、両親に手紙を書いていく。私は皆と一緒に元気にしている事、魔物討伐を最後までやり切りたい事、必ず生きて帰るからどうか見守って欲しいという事を書いた。
とにかく、後ジャイアントスネークのメスを倒せば、この討伐も終わりのはずだ。それまで、何とかここに残りたい!
「という訳だから、さっさとこの手紙を持って帰れ!」
使いの人に手紙を押し付け、追い返している騎士団長。
「しかし…それでは…」
「しかしもへったくれもない!とにかくさっさと帰れ!それともお前もジャイアントスネーク討伐に参加したいのか?」
ニヤリと笑った騎士団長。物凄く悪い笑顔だ。
「め…滅相もございません!それでは私はこれで」
猛スピードで馬車に乗り込む男性。あら?もしかしてここまで馬車で来れたの?それなら行きも馬車で来たかったわ!
走り去っていく馬車を見て、密かにそう思うクレアであった。
ふと周りを見ると、日が沈みかかっていた。いけない、急いで料理を作らないと!久しぶりに料理を振舞う。
「3日ぶりのクレアの料理だ!美味い、美味すぎる!」
そう言って物凄いスピードで皆食べている。中には涙を流している人までいる。さすがに涙を流さなくても…
翌日
病み上がりという事もあり、私はこの日の討伐に参加させてもらえなかった。もう完全に復活したのだけれどな。そう思いつつ、1人自主練をする。
そして昼食の後、皆が集められた。
「明日、ジャイアントスネークのメスを倒しに行く!前回で分かっていると思うが、ジャイアントスネークはとてつもなく強い。さらにオスよりもメスの方が強いと言われている。最悪、隊が全滅する事もあるだろう。それで、今回も志願制にする。討伐に参加したい奴は手を挙げてくれ」
騎士団長の言葉を聞き、すかさず手を挙げた。そもそも、私はジャイアントスネークを倒す為に討伐部隊に残ったようなものだ。それに何より、ジークの仇を取りたい!て、ジークは生きているけれどね。
ふと周りを見渡すと、やっぱり皆手を挙げていた。
「結局全員参加か」
そう言って苦笑いした騎士団長。
「とにかく明日に備えて、体調を万全に整えておけ!」
よし、私も明日に備えて体調を整えないと!
「クレア、お前体調は大丈夫なのか?昨日まで眠っていたのだろう?」
心配そうに話しかけてきたのはハルだ。
「大丈夫よ、だって昨日まで眠っていたのよ!体力があり余り過ぎて、今から討伐に行けそうよ」
「何だよそれ!とにかく明日ジャイアントスネークを倒して、皆で王都に戻ろうな!」
「もちろんよ!」
明日の討伐を成功させて、絶対に皆で王都に帰ろう。でも王都に帰ったら、もう騎士団長ともお別れなのね。そう思ったら、胸の奥がチクリと痛んだ。
ダメよ!今はとにかくジャイアントスネーク討伐に集中しないと!そう自分に言い聞かせるクレアであった。
100
あなたにおすすめの小説
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
【完結】呪いのせいで無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになりました。
里海慧
恋愛
わたくしが愛してやまない婚約者ライオネル様は、どうやらわたくしを嫌っているようだ。
でもそんなクールなライオネル様も素敵ですわ——!!
超前向きすぎる伯爵令嬢ハーミリアには、ハイスペイケメンの婚約者ライオネルがいる。
しかしライオネルはいつもハーミリアにはそっけなく冷たい態度だった。
ところがある日、突然ハーミリアの歯が強烈に痛み口も聞けなくなってしまった。
いつもなら一方的に話しかけるのに、無言のまま過ごしていると婚約者の様子がおかしくなり——?
明るく楽しいラブコメ風です!
頭を空っぽにして、ゆるい感じで読んでいただけると嬉しいです★
※激甘注意 お砂糖吐きたい人だけ呼んでください。
※2022.12.13 女性向けHOTランキング1位になりました!!
みなさまの応援のおかげです。本当にありがとうございます(*´꒳`*)
※タイトル変更しました。
旧タイトル『歯が痛すぎて無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになった件』
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう
おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。
本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。
初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。
翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス……
(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる