浮気した殿下とは結婚は出来ません!私は従者と国を出て幸せになりますので!

Karamimi

文字の大きさ
15 / 31

第15話:エリザと一緒に逃げよう~ジャック視点~

しおりを挟む
その後俺は、エリザの従者として生活を始めた。元々高い魔力を持つ俺は、魔法をうまく活用し、それなりに生きていた。もちろん極力エリザの側にいる様にした。

そんな中、この国の王太子でもあるイライジャとの婚約が決まったエリザ。喜ぶエリザの姿に、胸が切り裂かれそうな思いだった。でも、エリザが幸せになるのなら…そう思い、自分の感情に蓋をした。

その後エリザの母が亡くなり、後妻と連れ子がやって来てから、状況が一変する。今までエリザを大切にしていたエリザの父が、エリザを疎む様になった。さらに少し物覚えの悪いエリザは、王妃にも嫌われ虐められるようになっていた。

どんどん追い詰められていくエリザは、日に日に笑顔を失っていった。このままではエリザの心が死んでしまう!いっそのこと、エリザを連れ出そうか…そう思ったが、エリザはなぜかあの王太子を慕っている。

そう、あの王太子の存在こそが、エリザにとって辛いことも乗り越えられる糧になっていたのだ。その間、俺は何度も継母からエリザの従事を辞める様言われたが、そのたびに侯爵を脅した。

あの男は後妻と義理の息子の散財を補う為、悪事の手を染めていたのだ。さらにエリザの母を殺したのもこの男だ。後妻に魅了され、病気に見せかけて殺したんだ。それらの証拠を魔法で手に入れた俺は、証拠を武器に侯爵を脅した。

公になれば侯爵家は取り潰しになるだろう。下手をすれば極刑も免れない。それだけの罪を犯しているのだ。

そんなある日、王太子が他の女を抱いている現場をエリザが目撃したらしく、珍しく侯爵に婚約破棄をしたいと訴えていた。もちろん、侯爵はそんな事を許す訳がない。後妻も交え、いつも通りエリザに暴言を吐いている。

本当に最低な奴らだな。でも、この一件でエリザは俺と一緒に国を出る決意をしてくれた。そうと決まれば、急いで準備を整えないと!実はエリザが国を出ると言ってくれるかもしれないと密かに期待していた俺は、少しずつ準備をしていたのだ。

早速翌日、転移魔法でミューレス王国に向かい、目星を付けていた家を購入した。さらに、家政婦もお願いする準備を整えた。そして再び国に戻り、ホテルと船を予約し、エリザと俺の荷物を予め運び出す。よし、これで準備は整った。

一旦屋敷に戻り、エリザを迎えに行く馬車の御者として向かう事にした。王宮の門の前で待っていると、エリザがやって来た。

なぜか今日は王太子と一緒だ。王太子がエリザに色々と話しているが、既に興味を失っているエリザはほぼ無表情だ。そう、王太子はエリザが好きなのだ。本当は側室を持つつもりもない事を、俺は知っている。でも、もちろんそんな事をエリザに教えるつもりはない。

そもそもあの男は、己の欲望に負けエリザを傷つけたんだ!二度とエリザに触れさせることも、会わせるつもりもない!

その後無事エリザを連れ、ホテルに来た。これからはずっとエリザと一緒だ。呼び方も”お嬢様“から”エリザ“に変えた。もう二度と手放すつもりはない。そもそも、今のエリザは俺が居ないと生きて行けない!そう、俺が居ないとエリザは野垂れ死にするしかないのだ。

本人もその事は理解している様だ。エリザの為に準備したホテルで、初めて一緒に食事を摂った。嬉しそうに話しをするエリザは、初めて会った時の笑顔そのものだった。あぁ、やっと本来のエリザに戻ったんだ、それと同時に、やっと俺のものになったんだ…

そう思ったら、嬉しくてたまらない。食後は湯あみをすませ、2人でベッドに入った。端っこで眠るエリザ。あの時は一緒に寝てくれたのに、今日は俺から離れて眠るつもりなのか…

そんな事は許さない!エリザが眠った後、そっと俺の方にエリザを移動させ、ギューッと抱きしめた。あぁ、やっぱりこの温もり…力がみなぎって来る。そして何より心地いい…

本当はこのままエリザと寝たいところだが、俺にはまだやる事がある。どうやら既にエリザが行方不明になっている事が判明し、大騒ぎになっている様だ。そう、俺は念のため王宮と侯爵家に魔法で様子を伺える様にしておいたのだ。

早速状況を確認すると俺の思惑通り、エリザは盗賊に襲われ死亡した事になった様だ。ただ、王太子だけはエリザの死を認めていないらしい。そして誤算だったのは、あいつの執事が切れ者だった事。

どうやら明日の朝から捜索が開始されるらしい。もちろん、この港の街も捜索対象だ!万が一見つかったとしても、転移魔法ですぐに移動できる。でもまだエリザに俺の正体をばらしたくない。

俺が魔法使いだとバレたら、もしかしたら怯えて逃げようとするかもしれない。とにかく、まだ駄目だ!とりあえずあいつらの動向を確認しつつ、明日急いで船に乗り込むか。

再びエリザを抱きしめ、眠りに付いた。


翌日目を覚ますと、俺にギューッと抱き着いて眠るエリザの姿が。可愛い…それにやはりエリザには何らかの力がある様だ。エリザを抱きしめて寝た事で、俺の魔力や体力が恐ろしいほど上がっている。

エリザは一体何者なのだろう…

ふと王太子の様子が気になり、魔法で状況を確認する。どうやら既に捜索を開始すべく、動き始めた様だ。とにかくエリザを起こして早く船に乗り込まないと!

そう思いエリザを起こすが、中々起きない。とりあえずエリザから離れて起き上がろうとしたのだが、必死に俺に抱き着いてくる。何なんだ、この可愛い生き物は…

このまま抱きしめたい感情を抑え、エリザを起すと急いで朝食を食べた。

そしてそのまま船を目指す。既に王太子の指示で、俺たちの捜索が始まっていた。急いで船に乗り込み、部屋に向かった。港の周りを捜索している騎士達の姿も目視で確認できる!

デッキに向かいたいと言うエリザを何とかなだめ、船の出港を待つ。船までは捜索に来ないはずだ!そう、この船はミューレス王国所有の船。船を捜索する為には、ミューレス王国に許可を取る必要がある。既に出港を目前に迫った今、許可を取る事は不可能。だから、ここに居れば安心なのだ。

そしてついに船が動き出した。これでもう安心だ!そうそう、エリザを散々虐めた侯爵と後妻。お前らは絶対に許さない。だから、侯爵の悪事をまとめた決定的証拠を王宮宛に送っておいた。

さらにエリザを虐めた王妃。お前が護衛騎士と浮気をしている証拠も一緒にな!エリザを虐めた事、絶対に俺は許さないからな!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした

三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。 書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。 ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。 屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』 ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく―― ※他サイトにも掲載 ※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!

【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?

風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。 戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。 愛人はリミアリアの姉のフラワ。 フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。 「俺にはフラワがいる。お前などいらん」 フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。 捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。

【完結】薔薇の花をあなたに贈ります

彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。 目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。 ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。 たが、それに違和感を抱くようになる。 ロベルト殿下視点がおもになります。 前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!! 11話完結です。 この度改編した(ストーリーは変わらず)をなろうさんに投稿しました。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

完結 貴方が忘れたと言うのなら私も全て忘却しましょう

音爽(ネソウ)
恋愛
商談に出立した恋人で婚約者、だが出向いた地で事故が発生。 幸い大怪我は負わなかったが頭を強打したせいで記憶を失ったという。 事故前はあれほど愛しいと言っていた容姿までバカにしてくる恋人に深く傷つく。 しかし、それはすべて大嘘だった。商談の失敗を隠蔽し、愛人を侍らせる為に偽りを語ったのだ。 己の事も婚約者の事も忘れ去った振りをして彼は甲斐甲斐しく世話をする愛人に愛を囁く。 修復不可能と判断した恋人は別れを決断した。

〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。

藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。 「……旦那様、何をしているのですか?」 その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。 そして妹は、 「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と… 旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。 信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全8話で完結になります。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

処理中です...