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第16話:エリザがどんどん外の世界に馴染んでいく~ジャック視点~
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船を出た翌日、無事ミューレス王国に着いた。早速準備しておいた家に向かい、家政婦も紹介した。そして始まったエリザとの2人暮らし。
俺はこの国の騎士団で働く事にした。ただし俺は魔力が使える。そんな俺を気に入った王族が、爵位を与えるからこの国に永住して欲しいと言ってきたのだ。でも、この国で一生を過ごすつもりはない。
やんわりと濁しておいた。そしてエリザだが、家政婦と一緒に家事をする様になった。どうやらエリザは家事が好きな様で、物凄いスピードで覚えていく。家政婦のマーチさんから
「奥様は本当に物覚えがよろしいですわね。ただ男共が奥様の美しさにノックアウトされております。もちろん、男共には奥様に近付かせない様にしておりますから、ご安心ください!」
そう言っていた。そう、エリザは美しい。なぜか自己評価の低いエリザは、自分の事を平凡と本当に思っている。一度しっかり鏡を見てもらいたいくらいだ…
とにかくエリザが心配で、エリザに俺の分身のオオカミを護衛として付けている。もちろん、このオオカミを通じてエリザがどう過ごしているか、逐一チェックをしている。オオカミと言っても、普段は魔力の無い人間には姿が見えないので、エリザに見つかる心配はない。
やはりマーチさんの言った通り、買い物に行くたびにエリザに絡んで来る男共。あのイヤらしい視線に一切気が付いていないエリザ。やはりずっと侯爵令嬢として育ったエリザは、危機管理能力が恐ろしいくらい低い。とにかく、エリザを1人にしないようにしよう!
もちろんマーチさんにも、くれぐれもエリザを1人にしない様に頼んでおいた。そしてエリザは、今まで抑え込んでいた性格が一気に開花したのか、老若男女問わず、どんどん周りを虜にしていく。それは近所に住んでいる夫人たちも例外ではない。
エリザに色々とおすそ分けをくれたり、家に呼んでお茶をご馳走してくれたりしている様だ。正直俺は面白くない。このままだと、エリザは1人で生きて行く術を身につけてしまう。そうしたら、俺から離れていくかもしれない…
ここに来てまだ2ヶ月も過ぎていないのに…仕方ない、近いうちに別の国に移動するか!
そしてもう1つ気になるのが、元王太子のイライジャの存在だ。実はあの後、俺が送った証拠の数々で、王宮は大騒ぎになった。
エリザの実の父親でもある侯爵は、色々と悪事に手を染めていただけでなく、妻を殺したという事で処刑された。さらに侯爵家は取り潰しに加え、かなり脱税していたとの事で、脱税分を清算させるため、後妻とその息子は強制労働の刑に処されたらしい。
そして王妃の方だが、実は結婚前から護衛騎士と関係を持っていた様で、調べた結果、イライジャは国王の本当の子供ではない事が判明した。その為王妃と護衛騎士は処刑され、イライジャは廃摘された。
ちなみにイライジャの弟と妹は国王の子供という事が証明され、弟が新たに王太子になったとの事。王族で無くなったイライジャは、国王から多額の金を渡され、そのまま市中に放り出されたそうだ。
全てを失った奴ほど、何をしでかすか分からない。もしかしたら、イライジャがエリザをこの国に探しに来るかもしれない。その事も、俺をこの国から移動しようと思っている理由でもある。
そんな中、エリザが1人で街に出ると言う事件が起きた。その日俺は騎士の仕事を終え、家に帰る支度をしている時だった。俺の分身のオオカミからエリザが危険に晒されているという連絡が入った。
急いでエリザの元に向かうと、どうやら俺の言いつけを破って街に買い物に出たらしい。男たちに囲まれている姿を見た瞬間、体中から怒りが込み上げて来た。どうして俺の言いつけを破ったんだ!あれほど1人で外に出てはいけないと言ったのに!
男共は俺の分身が何とかするだろう。とにかくエリザだ!エリザを連れ、家に帰って来た。そしてエリザをきつく叱る。罰として1ヶ月外出を禁止した。そして食事の後も、かなりきつめに叱った。
泣きながら何度も謝るエリザ。どんどん自立していくエリザに、どうしようもない焦りが俺を襲う。我慢できなくなり、つい
「エリザ、君は俺から離れたいのかい?」
そう聞いてしまった。もちろん、俺から離れるなんて絶対にさせない!
「ジャック、本当にごめんなさい!私はジャックに捨てられたら、生きていけないわ!もう二度と約束を破らないから、どうか許して!もっと家事も頑張るから、必ずジャックの役に立つから!だからお願い、私を捨てないで!」
ついに子供の様に泣き出したエリザ。あぁ、エリザは本当に純粋な子なんだね…
俺がエリザを捨てる?そんな事はあり得ないのに…
「エリザ、俺が君を捨てる事はないよ。でも、俺の言う事が聞けない悪い子だと、一緒に住めなくなるかもしれないね」
俺の言葉を聞いた瞬間、俺にしがみつきさらに泣き出したエリザ。そうか、エリザは俺が居ないと生きて行けないと思い込んでいるのか…俺が思っている以上に、エリザは俺に依存している。そう思った瞬間、無意識に笑みがこぼれた。
やっぱりエリザは純粋だな…俺が思っている以上に!
エリザの罰期間が終わったら、早速隣国に行こう。本当はサミュール人民共和国に永住しようと思ったが、気が変わった。やっぱり色々な国を転々として、エリザが他の誰にも依存できない様にしよう。
そうすれば、ずっとエリザは俺に頼って生きて行くしかない…
今日も俺は可愛いエリザを抱きしめて、眠りに付いたのであった。
俺はこの国の騎士団で働く事にした。ただし俺は魔力が使える。そんな俺を気に入った王族が、爵位を与えるからこの国に永住して欲しいと言ってきたのだ。でも、この国で一生を過ごすつもりはない。
やんわりと濁しておいた。そしてエリザだが、家政婦と一緒に家事をする様になった。どうやらエリザは家事が好きな様で、物凄いスピードで覚えていく。家政婦のマーチさんから
「奥様は本当に物覚えがよろしいですわね。ただ男共が奥様の美しさにノックアウトされております。もちろん、男共には奥様に近付かせない様にしておりますから、ご安心ください!」
そう言っていた。そう、エリザは美しい。なぜか自己評価の低いエリザは、自分の事を平凡と本当に思っている。一度しっかり鏡を見てもらいたいくらいだ…
とにかくエリザが心配で、エリザに俺の分身のオオカミを護衛として付けている。もちろん、このオオカミを通じてエリザがどう過ごしているか、逐一チェックをしている。オオカミと言っても、普段は魔力の無い人間には姿が見えないので、エリザに見つかる心配はない。
やはりマーチさんの言った通り、買い物に行くたびにエリザに絡んで来る男共。あのイヤらしい視線に一切気が付いていないエリザ。やはりずっと侯爵令嬢として育ったエリザは、危機管理能力が恐ろしいくらい低い。とにかく、エリザを1人にしないようにしよう!
もちろんマーチさんにも、くれぐれもエリザを1人にしない様に頼んでおいた。そしてエリザは、今まで抑え込んでいた性格が一気に開花したのか、老若男女問わず、どんどん周りを虜にしていく。それは近所に住んでいる夫人たちも例外ではない。
エリザに色々とおすそ分けをくれたり、家に呼んでお茶をご馳走してくれたりしている様だ。正直俺は面白くない。このままだと、エリザは1人で生きて行く術を身につけてしまう。そうしたら、俺から離れていくかもしれない…
ここに来てまだ2ヶ月も過ぎていないのに…仕方ない、近いうちに別の国に移動するか!
そしてもう1つ気になるのが、元王太子のイライジャの存在だ。実はあの後、俺が送った証拠の数々で、王宮は大騒ぎになった。
エリザの実の父親でもある侯爵は、色々と悪事に手を染めていただけでなく、妻を殺したという事で処刑された。さらに侯爵家は取り潰しに加え、かなり脱税していたとの事で、脱税分を清算させるため、後妻とその息子は強制労働の刑に処されたらしい。
そして王妃の方だが、実は結婚前から護衛騎士と関係を持っていた様で、調べた結果、イライジャは国王の本当の子供ではない事が判明した。その為王妃と護衛騎士は処刑され、イライジャは廃摘された。
ちなみにイライジャの弟と妹は国王の子供という事が証明され、弟が新たに王太子になったとの事。王族で無くなったイライジャは、国王から多額の金を渡され、そのまま市中に放り出されたそうだ。
全てを失った奴ほど、何をしでかすか分からない。もしかしたら、イライジャがエリザをこの国に探しに来るかもしれない。その事も、俺をこの国から移動しようと思っている理由でもある。
そんな中、エリザが1人で街に出ると言う事件が起きた。その日俺は騎士の仕事を終え、家に帰る支度をしている時だった。俺の分身のオオカミからエリザが危険に晒されているという連絡が入った。
急いでエリザの元に向かうと、どうやら俺の言いつけを破って街に買い物に出たらしい。男たちに囲まれている姿を見た瞬間、体中から怒りが込み上げて来た。どうして俺の言いつけを破ったんだ!あれほど1人で外に出てはいけないと言ったのに!
男共は俺の分身が何とかするだろう。とにかくエリザだ!エリザを連れ、家に帰って来た。そしてエリザをきつく叱る。罰として1ヶ月外出を禁止した。そして食事の後も、かなりきつめに叱った。
泣きながら何度も謝るエリザ。どんどん自立していくエリザに、どうしようもない焦りが俺を襲う。我慢できなくなり、つい
「エリザ、君は俺から離れたいのかい?」
そう聞いてしまった。もちろん、俺から離れるなんて絶対にさせない!
「ジャック、本当にごめんなさい!私はジャックに捨てられたら、生きていけないわ!もう二度と約束を破らないから、どうか許して!もっと家事も頑張るから、必ずジャックの役に立つから!だからお願い、私を捨てないで!」
ついに子供の様に泣き出したエリザ。あぁ、エリザは本当に純粋な子なんだね…
俺がエリザを捨てる?そんな事はあり得ないのに…
「エリザ、俺が君を捨てる事はないよ。でも、俺の言う事が聞けない悪い子だと、一緒に住めなくなるかもしれないね」
俺の言葉を聞いた瞬間、俺にしがみつきさらに泣き出したエリザ。そうか、エリザは俺が居ないと生きて行けないと思い込んでいるのか…俺が思っている以上に、エリザは俺に依存している。そう思った瞬間、無意識に笑みがこぼれた。
やっぱりエリザは純粋だな…俺が思っている以上に!
エリザの罰期間が終わったら、早速隣国に行こう。本当はサミュール人民共和国に永住しようと思ったが、気が変わった。やっぱり色々な国を転々として、エリザが他の誰にも依存できない様にしよう。
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今日も俺は可愛いエリザを抱きしめて、眠りに付いたのであった。
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