浮気した殿下とは結婚は出来ません!私は従者と国を出て幸せになりますので!

Karamimi

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第17話:急遽この国を出る事になりました

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ジャックとの約束を破り、勝手に出掛けた私は、翌日から外に出る事を禁止された。ただし庭までは出てもいいとの事なので、洗濯物などを干す事は出来る。

でも、買い物などはもちろん禁止だ。近所の夫人たちとのお茶も禁止されている。ただ家の中でも出来る事は多い。家事をするのはもちろん、お菓子を作ったりちょっとした小物を作ったりしていると、あっという間に夜になってしまうのだ。

ちなみにマーチさんは翌日から家に来てくれている。すっかりお孫さんも元気になったとの事で、物凄く感謝された。

「奥様のお陰で、孫もすっかり元気になりました。でも私が留守にしたせいで、奥様が旦那様に怒られてしまった様で、申し訳ございません!」

なぜかマーチさんに謝罪された。そもそも、私が言いつけを守らなかったのが悪いのだから、マーチさんに謝ってもらう理由など無い。そうはっきりと伝えた。それでも物凄く責任感の強いマーチさん。私が家の中でも飽きない様に、今まで以上に裁縫や料理など、色々と教えてくれるので助かっている。

せっかくなので、この機会にジャックに何か作りたくて、首から下げられるキーケースを作った。と言っても不器用な私が作った物なので、もちろん出来は良くないが、それでも物凄く喜んでもらえた。

とにかくジャックに捨てられない様にしないと!ただでさえ、約束を破ってジャックに物凄く怒られたのだ!これ以上ジャックを怒らせると、本当に捨てられるかもしれないものね!

そんな日々を過ごしているうちに、気が付くと3週間が過ぎていた。あと1週間もすれば、外に出る事が出来る。この日はマーチさんに教えてもらい、ミートパイの包み焼と、鶏のハーブ焼を作った。

「エリザ、本当に随分と料理の腕を上げたね。物凄く美味しいよ!」

いつもの様にジャックが私の料理を褒めてくれる。嬉しくてつい笑みがこぼれる。やっぱりジャックに褒められると、物凄く嬉しい!

その時だった。急に外が騒がしくなった。そう、犬が威嚇している様な声が聞こえるのだ。家には犬は居ない。もちろん、近所も飼っていない。もしかして野良犬でも来ているのかしら?

「エリザ、ちょっと外を見て来るよ!待っていてくれるかい?」

「ジャック、大丈夫?野良犬かもしれないわ!気を付けて!」

「大丈夫だよ!とにかくエリザは家の中にいるんだよ!絶対に出て来てはいけないからね!」

そう言うと、外に出て行ったジャック。ジャックが外に出ると、犬は静かになった。ジャックが追い払ったのかしら?でも、中々戻ってこない。心配で部屋の中をウロウロする。

ふと時計を見ると、ジャックが外に出て30分も経過していた。やっぱりおかしい!ジャックを探しに行こう!そう思い、扉に手を掛けた瞬間、ジャックが帰って来た。

「ジャック、良かった!中々帰ってこないから心配していたのよ!」

嬉しくてジャックに飛びついた。でも…

「エリザ、今外に出ようとしていたね!俺はこの家で待っていろと言ったよね?」

物凄く怖い顔のジャック。しまった!またやってしまった…

「ごめんなさい、ジャックが心配だったの…」

「本当に俺の言う事が聞けない悪い子だね!まあ今回は許してあげよう。そうそう、明日この国を出るからそのつもりで」

「え!明日?随分と急ね」

確かこの国には、半年は居ると聞いていたのだけれど…

「エリザの外出禁止期間が終わったら、元々この国から出ようと思っていたんだよ。でもちょっと状況が変わったからね。明日出る事にしたんだ!さあ、急いで晩ご飯を食べて、荷造りをしないとね」

そう言ってにっこり笑ったジャック。ジャックがこの国を出ると言っているのだから、もちろん私は従うしかない。2人で急いで食事を済ませ、後片付けをした後荷造りをする。

と言っても、そこまで荷物がある訳ではないので、あっという間に終わってしまった。せっかくマーチさんや夫人たちとも仲良くなれたのに、明日にはお別れなのね…なんだか寂しいわ。

「エリザ、そんなに寂しそうな顔をしないでくれ。また別の国でも友達は出来るから」

少し困った顔のジャック。

「ごめんなさい!私は大丈夫よ。それに、私にはジャックが居てくれるだけで十分よ!」

「エリザ、俺も君さえいれば何も要らない!」

そう言って抱きしめてくれたジャック。この温もりだけは、離したくない…

そう、私にとってジャックは掛け替えのない存在。あの日、私を自国から連れ出してくれたジャック。あの日から、徐々にジャックに対する思いが大きくなっていた。そう、いつの間にか、従者から1人の男性として見る様になっていたのだ。

ただジャックは、私の事を世話の焼ける妹くらいにしか思っていないだろう。でもいつか、ジャックが私の事を本当の“奥さん”と認めてくれたら嬉しいな。そう思っている。

「さあ、明日からまた移動が始まる、今日はもう休もう!」

別々に湯あみを済ませ、2人でベッドに入った。そしていつもの様に私を抱きしめてくれるジャック。この国に来てから、ずっとこのスタイルで眠っている。温かいジャックの腕に抱かれ、今日も安心して眠るエリザであった。
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