17 / 31
第17話:急遽この国を出る事になりました
しおりを挟む
ジャックとの約束を破り、勝手に出掛けた私は、翌日から外に出る事を禁止された。ただし庭までは出てもいいとの事なので、洗濯物などを干す事は出来る。
でも、買い物などはもちろん禁止だ。近所の夫人たちとのお茶も禁止されている。ただ家の中でも出来る事は多い。家事をするのはもちろん、お菓子を作ったりちょっとした小物を作ったりしていると、あっという間に夜になってしまうのだ。
ちなみにマーチさんは翌日から家に来てくれている。すっかりお孫さんも元気になったとの事で、物凄く感謝された。
「奥様のお陰で、孫もすっかり元気になりました。でも私が留守にしたせいで、奥様が旦那様に怒られてしまった様で、申し訳ございません!」
なぜかマーチさんに謝罪された。そもそも、私が言いつけを守らなかったのが悪いのだから、マーチさんに謝ってもらう理由など無い。そうはっきりと伝えた。それでも物凄く責任感の強いマーチさん。私が家の中でも飽きない様に、今まで以上に裁縫や料理など、色々と教えてくれるので助かっている。
せっかくなので、この機会にジャックに何か作りたくて、首から下げられるキーケースを作った。と言っても不器用な私が作った物なので、もちろん出来は良くないが、それでも物凄く喜んでもらえた。
とにかくジャックに捨てられない様にしないと!ただでさえ、約束を破ってジャックに物凄く怒られたのだ!これ以上ジャックを怒らせると、本当に捨てられるかもしれないものね!
そんな日々を過ごしているうちに、気が付くと3週間が過ぎていた。あと1週間もすれば、外に出る事が出来る。この日はマーチさんに教えてもらい、ミートパイの包み焼と、鶏のハーブ焼を作った。
「エリザ、本当に随分と料理の腕を上げたね。物凄く美味しいよ!」
いつもの様にジャックが私の料理を褒めてくれる。嬉しくてつい笑みがこぼれる。やっぱりジャックに褒められると、物凄く嬉しい!
その時だった。急に外が騒がしくなった。そう、犬が威嚇している様な声が聞こえるのだ。家には犬は居ない。もちろん、近所も飼っていない。もしかして野良犬でも来ているのかしら?
「エリザ、ちょっと外を見て来るよ!待っていてくれるかい?」
「ジャック、大丈夫?野良犬かもしれないわ!気を付けて!」
「大丈夫だよ!とにかくエリザは家の中にいるんだよ!絶対に出て来てはいけないからね!」
そう言うと、外に出て行ったジャック。ジャックが外に出ると、犬は静かになった。ジャックが追い払ったのかしら?でも、中々戻ってこない。心配で部屋の中をウロウロする。
ふと時計を見ると、ジャックが外に出て30分も経過していた。やっぱりおかしい!ジャックを探しに行こう!そう思い、扉に手を掛けた瞬間、ジャックが帰って来た。
「ジャック、良かった!中々帰ってこないから心配していたのよ!」
嬉しくてジャックに飛びついた。でも…
「エリザ、今外に出ようとしていたね!俺はこの家で待っていろと言ったよね?」
物凄く怖い顔のジャック。しまった!またやってしまった…
「ごめんなさい、ジャックが心配だったの…」
「本当に俺の言う事が聞けない悪い子だね!まあ今回は許してあげよう。そうそう、明日この国を出るからそのつもりで」
「え!明日?随分と急ね」
確かこの国には、半年は居ると聞いていたのだけれど…
「エリザの外出禁止期間が終わったら、元々この国から出ようと思っていたんだよ。でもちょっと状況が変わったからね。明日出る事にしたんだ!さあ、急いで晩ご飯を食べて、荷造りをしないとね」
そう言ってにっこり笑ったジャック。ジャックがこの国を出ると言っているのだから、もちろん私は従うしかない。2人で急いで食事を済ませ、後片付けをした後荷造りをする。
と言っても、そこまで荷物がある訳ではないので、あっという間に終わってしまった。せっかくマーチさんや夫人たちとも仲良くなれたのに、明日にはお別れなのね…なんだか寂しいわ。
「エリザ、そんなに寂しそうな顔をしないでくれ。また別の国でも友達は出来るから」
少し困った顔のジャック。
「ごめんなさい!私は大丈夫よ。それに、私にはジャックが居てくれるだけで十分よ!」
「エリザ、俺も君さえいれば何も要らない!」
そう言って抱きしめてくれたジャック。この温もりだけは、離したくない…
そう、私にとってジャックは掛け替えのない存在。あの日、私を自国から連れ出してくれたジャック。あの日から、徐々にジャックに対する思いが大きくなっていた。そう、いつの間にか、従者から1人の男性として見る様になっていたのだ。
ただジャックは、私の事を世話の焼ける妹くらいにしか思っていないだろう。でもいつか、ジャックが私の事を本当の“奥さん”と認めてくれたら嬉しいな。そう思っている。
「さあ、明日からまた移動が始まる、今日はもう休もう!」
別々に湯あみを済ませ、2人でベッドに入った。そしていつもの様に私を抱きしめてくれるジャック。この国に来てから、ずっとこのスタイルで眠っている。温かいジャックの腕に抱かれ、今日も安心して眠るエリザであった。
でも、買い物などはもちろん禁止だ。近所の夫人たちとのお茶も禁止されている。ただ家の中でも出来る事は多い。家事をするのはもちろん、お菓子を作ったりちょっとした小物を作ったりしていると、あっという間に夜になってしまうのだ。
ちなみにマーチさんは翌日から家に来てくれている。すっかりお孫さんも元気になったとの事で、物凄く感謝された。
「奥様のお陰で、孫もすっかり元気になりました。でも私が留守にしたせいで、奥様が旦那様に怒られてしまった様で、申し訳ございません!」
なぜかマーチさんに謝罪された。そもそも、私が言いつけを守らなかったのが悪いのだから、マーチさんに謝ってもらう理由など無い。そうはっきりと伝えた。それでも物凄く責任感の強いマーチさん。私が家の中でも飽きない様に、今まで以上に裁縫や料理など、色々と教えてくれるので助かっている。
せっかくなので、この機会にジャックに何か作りたくて、首から下げられるキーケースを作った。と言っても不器用な私が作った物なので、もちろん出来は良くないが、それでも物凄く喜んでもらえた。
とにかくジャックに捨てられない様にしないと!ただでさえ、約束を破ってジャックに物凄く怒られたのだ!これ以上ジャックを怒らせると、本当に捨てられるかもしれないものね!
そんな日々を過ごしているうちに、気が付くと3週間が過ぎていた。あと1週間もすれば、外に出る事が出来る。この日はマーチさんに教えてもらい、ミートパイの包み焼と、鶏のハーブ焼を作った。
「エリザ、本当に随分と料理の腕を上げたね。物凄く美味しいよ!」
いつもの様にジャックが私の料理を褒めてくれる。嬉しくてつい笑みがこぼれる。やっぱりジャックに褒められると、物凄く嬉しい!
その時だった。急に外が騒がしくなった。そう、犬が威嚇している様な声が聞こえるのだ。家には犬は居ない。もちろん、近所も飼っていない。もしかして野良犬でも来ているのかしら?
「エリザ、ちょっと外を見て来るよ!待っていてくれるかい?」
「ジャック、大丈夫?野良犬かもしれないわ!気を付けて!」
「大丈夫だよ!とにかくエリザは家の中にいるんだよ!絶対に出て来てはいけないからね!」
そう言うと、外に出て行ったジャック。ジャックが外に出ると、犬は静かになった。ジャックが追い払ったのかしら?でも、中々戻ってこない。心配で部屋の中をウロウロする。
ふと時計を見ると、ジャックが外に出て30分も経過していた。やっぱりおかしい!ジャックを探しに行こう!そう思い、扉に手を掛けた瞬間、ジャックが帰って来た。
「ジャック、良かった!中々帰ってこないから心配していたのよ!」
嬉しくてジャックに飛びついた。でも…
「エリザ、今外に出ようとしていたね!俺はこの家で待っていろと言ったよね?」
物凄く怖い顔のジャック。しまった!またやってしまった…
「ごめんなさい、ジャックが心配だったの…」
「本当に俺の言う事が聞けない悪い子だね!まあ今回は許してあげよう。そうそう、明日この国を出るからそのつもりで」
「え!明日?随分と急ね」
確かこの国には、半年は居ると聞いていたのだけれど…
「エリザの外出禁止期間が終わったら、元々この国から出ようと思っていたんだよ。でもちょっと状況が変わったからね。明日出る事にしたんだ!さあ、急いで晩ご飯を食べて、荷造りをしないとね」
そう言ってにっこり笑ったジャック。ジャックがこの国を出ると言っているのだから、もちろん私は従うしかない。2人で急いで食事を済ませ、後片付けをした後荷造りをする。
と言っても、そこまで荷物がある訳ではないので、あっという間に終わってしまった。せっかくマーチさんや夫人たちとも仲良くなれたのに、明日にはお別れなのね…なんだか寂しいわ。
「エリザ、そんなに寂しそうな顔をしないでくれ。また別の国でも友達は出来るから」
少し困った顔のジャック。
「ごめんなさい!私は大丈夫よ。それに、私にはジャックが居てくれるだけで十分よ!」
「エリザ、俺も君さえいれば何も要らない!」
そう言って抱きしめてくれたジャック。この温もりだけは、離したくない…
そう、私にとってジャックは掛け替えのない存在。あの日、私を自国から連れ出してくれたジャック。あの日から、徐々にジャックに対する思いが大きくなっていた。そう、いつの間にか、従者から1人の男性として見る様になっていたのだ。
ただジャックは、私の事を世話の焼ける妹くらいにしか思っていないだろう。でもいつか、ジャックが私の事を本当の“奥さん”と認めてくれたら嬉しいな。そう思っている。
「さあ、明日からまた移動が始まる、今日はもう休もう!」
別々に湯あみを済ませ、2人でベッドに入った。そしていつもの様に私を抱きしめてくれるジャック。この国に来てから、ずっとこのスタイルで眠っている。温かいジャックの腕に抱かれ、今日も安心して眠るエリザであった。
23
あなたにおすすめの小説
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした
三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。
書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。
ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。
屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』
ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく――
※他サイトにも掲載
※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
この度改編した(ストーリーは変わらず)をなろうさんに投稿しました。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
完結 貴方が忘れたと言うのなら私も全て忘却しましょう
音爽(ネソウ)
恋愛
商談に出立した恋人で婚約者、だが出向いた地で事故が発生。
幸い大怪我は負わなかったが頭を強打したせいで記憶を失ったという。
事故前はあれほど愛しいと言っていた容姿までバカにしてくる恋人に深く傷つく。
しかし、それはすべて大嘘だった。商談の失敗を隠蔽し、愛人を侍らせる為に偽りを語ったのだ。
己の事も婚約者の事も忘れ去った振りをして彼は甲斐甲斐しく世話をする愛人に愛を囁く。
修復不可能と判断した恋人は別れを決断した。
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる