浮気した殿下とは結婚は出来ません!私は従者と国を出て幸せになりますので!

Karamimi

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第18話:皆との別れはやはり辛いものです

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翌日、朝早く出掛けたジャック。今日国を出る事を、仕事場に報告しに行くとの事。そうそう、全然知らなかったのだけれど、ジャックは王宮公認の騎士団で働いていたそうだ。本当にジャックの優秀さには驚かされてばかりね。

ジャックが出掛けている間に、急いで朝ごはんの準備を済ませた。ここで料理を作るのも今日で最後なのね。そう思ったら、なんだか少し寂しい。せっかくだから豪華な朝食にしようと、朝からパン・サラダ・ローストビーフ・海鮮シチューを作った。

ちょっと作りすぎちゃったかしら?そう思っているところに、ジャックが帰って来た。

「エリザ、待たせてすまなかった。早速朝食を食べようか。それにしても、随分と豪華な朝食だね」

テーブルに並ぶ料理たちを見て、ジャックがクスクス笑っていた。

「ここで食べる最後の食事だから豪華にしようと思ったのだけれど、ちょっと作りすぎちゃったみたい」

さすがに朝ご飯にしては、重いわよね…

「そんな事はないよ!せっかくエリザが作ってくれたんだ。早速頂こう!」

そう言って食べ始めたジャック。結局ジャックが全て食べてくれた。食事が終わった頃、ちょうどマーチさんがやって来た。

「マーチさん、急遽今日この国を出る事になったんだ。短い間だったが、本当にお世話になった。これ、お給料だ」

そう言ってマーチさんにお金を渡すジャック。

「まあ、それはまた急ですね。それもこんなに頂いてもよろしいのですか?ありがとうございます!それにしても、お2人が居なくなると寂しくなりますわ。特に奥様は、ここら辺ではマドンナ的存在でしたので、男共がきっと嘆く事でしょう」

最後の方は訳の分からない事を言っていたマーチさん。

「マーチさん、あなたのお陰で随分と色々と出来る様になりました。本当にありがとうございます!短い間でしたが、母と過ごしていた様な感じがして、とても幸せでしたわ」

私のお母様も、色々な事を教えてくれた。だから、マーチさんは第二のお母様だ!

「まぁ、奥様のお母様と一緒にして頂けるなんて、それは光栄ですわ。私もあなたと一緒に過ごせて、本当に幸せでした!どうかお体を大切にして下さい。もしまたこの国に来る事があったら、絶対に会いに来て下さいね」

「もちろんです、この国に来たら、必ず会いに来ますわ!」

その後、仲良くしてくれた夫人たちにも挨拶をした。皆急な別れを惜しんでくれた。そしてどこから聞きつけたのか、いつも私が買い物に行っていたお店の人たちも集まって来てくれた。

「エリザちゃん、この国から出て行ってしまうんだってな…寂しくなるよ!これ、餞別だ。持って行ってくれ」

「これも餞別だ!あぁ、美しいエリザちゃんが拝めなくなるなんてな…」

「これも餞別です!俺はいつでもこの街で待っていますので、またいつでも帰って来て下さい!」

お店の人たちが餞別だと言って、色々とくれた。

「皆様、ありがとうございます!いつもお世話になりっぱなしなのに、最後までこんなに沢山の餞別を頂けるなんて!本当に感謝してもしきれないくらいです」

本当にこの街の人たちは、いい人ばかりね。

「さあ、エリザ。そろそろ行こうか!」

なぜか不機嫌そうな顔のジャックにがっちり腰を掴まれ、そのまま馬車に乗り込んだ。ゆっくり動き出す馬車。窓を開けて皆に手を振る。

「奥様、お元気で!」

「皆様、本当にありがとうございました!」

皆が見えなくなるまで手を振り続けた。こんな風に別れを惜しんでくれるなんて…なんだか胸の奥が熱くなるのを感じた。

「エリザ、もう皆の姿は見えなくなったよ。ほら、こっちにおいで!」

窓から引き離され、そのままジャックの隣に座った。

「ジャック、この街の人たちは本当にいい人たちばかりだったわね。またいつか、この国に遊びに来ましょうね」

「そうだな…あの男共が物凄く気に入らないから、マーチさんにだけ会いにこよう…それにしても、こんなにも沢山の餞別をよこすなんて…クソ!やっぱりもっと早くこの国から出ればよかった…そもそもエリザは俺のなのに…」

隣で訳の分からない事をブツブツ言っているジャック。一体どうしたのかしら?

「ねえ、ジャック。次はどの国を目指すの?」

「次はモラージェ王国だよ。今度は王都ではなくて人が少ない山間部でしばらく生活をしようと思っている」

「まあ、という事は森で生活をするという事ね!それはそれで楽しそうだわ!」

今まで仲良くしてくれた人たちと別れるのは寂しいけれど、新しい生活が待っていると思うと、それはそれで楽しみね。

まだ見ぬモラージュ王国を想像し、胸弾ませるエリザであった。
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