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第19話:ここまでやって来るなんて…~ジャック視点~
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エリザを外出禁止にしてから、比較的平和な日々を送っている。やはりかなり厳しく叱ったのが良かったのか、外に出ることもなく家の中で生活しているエリザ。
最近では裁縫をマスターした様で、俺にキーケースをプレゼントしてくれた。初めてエリザからプレゼントされたキーケース。これは一生の宝物にしよう!
今日もエリザが作ってくれた晩ご飯を食べ、いつもの様にベッドに潜り込む。俺に抱きしめられ、スヤスヤ眠るエリザを眺めていると、ついエリザにもっと触れたくなってしまう。
そう、あの柔らかそうな唇に…
駄目だ!まだエリザに俺の気持ちを伝えていない。多分今のエリザなら、俺が気持ちを伝えても拒む事はないだろう。でも…もし俺の事をそう言う対象として見ていなかったら…
そう思ったら、どうしても躊躇してしまうのだ。本当はエリザに触れたくてたまらないのに…
駄目だ、今日の俺はどうかしている!夜風にでもあたって来るか!そう思い、一旦外に出た。真夜中という事もあり、全く人は居ない。その時だった!
懐かしい魔力を全身に感じた。ふと後ろを振り向くと、そこにいたのは…
「殿下、よくぞご無事で…」
そう、俺をあの時逃がしてくれた家臣たちだ。
「どうしてお前たちがここに居るんだ!」
今まで音沙汰なしだった家臣たちが、急に現れたのだ。家臣たちの話しでは、あの後家臣たちも命からがら逃げて来たらしい。何とかザードから国を取り戻そうと、仲間たちを集めて反撃の機会を狙っているらしい。
そんな時、微かにではあるが急に俺の魔力を感じたとの事。ただ微量の魔力で、中々この場所を特定出来なかったらしい。
「殿下、ずっとあなたの行方を捜していたのです!どうか私たちと共に、ザードと戦い、国を取り戻しましょう!あなたはモールズ王国の正当な血を引く王子なのですから!」
懐かしい面々に出会い、一気に気持ちが揺らぐ。でも…
「悪いが俺には今、己の命より大切な存在が出来た。彼女を巻き込みたくはない!俺は彼女と穏やかに暮らしたいんだ!」
そう、エリザと2人で穏やかに暮らしたい…それが俺にとって、何よりの幸せだからだ!
「あの金色の髪の美しい女性ですね。確かエリザ様とおっしゃいましたかね。でも殿下。私たちがあなたの魔力に気が付いたという事は、ザードもあなたの魔力に気が付いているはずです!どうか私たちと一緒に!」
ザード!俺を殺そうとした男。確かに俺が生きていると分かれば、きっと殺しに来るだろう。そうなれば、エリザを巻き込んでしまうかもしれない!でも、エリザと離れるなんて俺には出来ない。それに、ザードがエリザを襲うかもしれない!とにかく、この国を一刻も早く出よう!
「お前たちのいい分は分かった。でも、俺はエリザとの生活を守りたい。悪いが、お前たちの力にはなれない!すまない!」
「分かりました。それでもあなたは私たちの王です。殿下は私達が必ず守ります!何かあれば、これを!」
家臣が渡して来たのは、魔力で出来た通信機だ。この通信機に魔力を込める事で、通信する事が出来る。
「分かった、ありがとう!とにかくお前たちも気を付けろ!」
家臣たちと別れ、急いでエリザの元へと向かった。それにしても、どうして俺の魔力を急に感じる事が出来る様になったのだろう。そもそも、どうして今まで魔力を感じる事が出来なかったんだ?
謎が多すぎるが、とにかくザードに見つかる前にこの国を出ないと!
そして翌日。
エリザと一緒に晩ご飯を食べていると、俺の分身で護衛をしているオオカミが激しく鳴き始めた。
もしかしてザードか?でも、強力な魔力は感じない!とにかくエリザに家から出ない様言い聞かせ、外に出る。そこにいたのは…
元王太子のイライジャだ。
「これはこれは、元王太子殿下、何かご用ですか?」
「お前!やっと見つけたぞ。エリザを連れ去ったのはお前だろう!早くエリザを返せ!」
家の前でギャーギャー騒ぐ元王太子。とにかく人気のない場所へと誘導し、そこで話をする事にした。
「先ほどエリザを返せ!と言いましたよね。エリザはあなたに愛想を尽かして、自ら国を出たのです。それにあなたは、もう王太子ではないのでしょう?仕事をした事も無いあなたが、どうやってエリザを養っていくのですか?とにかくエリザは諦めて下さい!」
とにかく早くこの男を追い払いたい。
「うるさい!人の婚約者を勝手に連れ出したくせに!とにかくエリザは返してもらうからな。俺と勝負しろ!」
そう言って剣を抜いた元王太子。本当に、バカな男だ…
俺に向かって切りかかって来る元王太子。次の瞬間、俺の分身のオオカミが元王太子に襲い掛かった。
「うわぁぁぁ」
驚き尻もちを付く元王太子。間抜けな奴め。
「元王太子殿下、言い忘れておりましたが、俺は魔力大国の出身です。そのオオカミも俺が出した分身。1匹では足りない様でしたら、まだまだ出せますよ」
魔力を込め、一気に10匹以上のオオカミを出した。
「お前、卑怯だぞ!魔法を使えるなんて…」
威嚇するオオカミたちに完全にビビっている元王太子。
「これで分かったでしょう!とにかく俺に勝とうなど逆立ちしても無理です。どうかエリザの事は諦めて下さい!」
そう言い残し、元王太子の元を立ち去った。クソ、あんな奴までも家を突き止めて来るなんて!明日にはすぐにこの国を出よう!とにかく急がないと…
最近では裁縫をマスターした様で、俺にキーケースをプレゼントしてくれた。初めてエリザからプレゼントされたキーケース。これは一生の宝物にしよう!
今日もエリザが作ってくれた晩ご飯を食べ、いつもの様にベッドに潜り込む。俺に抱きしめられ、スヤスヤ眠るエリザを眺めていると、ついエリザにもっと触れたくなってしまう。
そう、あの柔らかそうな唇に…
駄目だ!まだエリザに俺の気持ちを伝えていない。多分今のエリザなら、俺が気持ちを伝えても拒む事はないだろう。でも…もし俺の事をそう言う対象として見ていなかったら…
そう思ったら、どうしても躊躇してしまうのだ。本当はエリザに触れたくてたまらないのに…
駄目だ、今日の俺はどうかしている!夜風にでもあたって来るか!そう思い、一旦外に出た。真夜中という事もあり、全く人は居ない。その時だった!
懐かしい魔力を全身に感じた。ふと後ろを振り向くと、そこにいたのは…
「殿下、よくぞご無事で…」
そう、俺をあの時逃がしてくれた家臣たちだ。
「どうしてお前たちがここに居るんだ!」
今まで音沙汰なしだった家臣たちが、急に現れたのだ。家臣たちの話しでは、あの後家臣たちも命からがら逃げて来たらしい。何とかザードから国を取り戻そうと、仲間たちを集めて反撃の機会を狙っているらしい。
そんな時、微かにではあるが急に俺の魔力を感じたとの事。ただ微量の魔力で、中々この場所を特定出来なかったらしい。
「殿下、ずっとあなたの行方を捜していたのです!どうか私たちと共に、ザードと戦い、国を取り戻しましょう!あなたはモールズ王国の正当な血を引く王子なのですから!」
懐かしい面々に出会い、一気に気持ちが揺らぐ。でも…
「悪いが俺には今、己の命より大切な存在が出来た。彼女を巻き込みたくはない!俺は彼女と穏やかに暮らしたいんだ!」
そう、エリザと2人で穏やかに暮らしたい…それが俺にとって、何よりの幸せだからだ!
「あの金色の髪の美しい女性ですね。確かエリザ様とおっしゃいましたかね。でも殿下。私たちがあなたの魔力に気が付いたという事は、ザードもあなたの魔力に気が付いているはずです!どうか私たちと一緒に!」
ザード!俺を殺そうとした男。確かに俺が生きていると分かれば、きっと殺しに来るだろう。そうなれば、エリザを巻き込んでしまうかもしれない!でも、エリザと離れるなんて俺には出来ない。それに、ザードがエリザを襲うかもしれない!とにかく、この国を一刻も早く出よう!
「お前たちのいい分は分かった。でも、俺はエリザとの生活を守りたい。悪いが、お前たちの力にはなれない!すまない!」
「分かりました。それでもあなたは私たちの王です。殿下は私達が必ず守ります!何かあれば、これを!」
家臣が渡して来たのは、魔力で出来た通信機だ。この通信機に魔力を込める事で、通信する事が出来る。
「分かった、ありがとう!とにかくお前たちも気を付けろ!」
家臣たちと別れ、急いでエリザの元へと向かった。それにしても、どうして俺の魔力を急に感じる事が出来る様になったのだろう。そもそも、どうして今まで魔力を感じる事が出来なかったんだ?
謎が多すぎるが、とにかくザードに見つかる前にこの国を出ないと!
そして翌日。
エリザと一緒に晩ご飯を食べていると、俺の分身で護衛をしているオオカミが激しく鳴き始めた。
もしかしてザードか?でも、強力な魔力は感じない!とにかくエリザに家から出ない様言い聞かせ、外に出る。そこにいたのは…
元王太子のイライジャだ。
「これはこれは、元王太子殿下、何かご用ですか?」
「お前!やっと見つけたぞ。エリザを連れ去ったのはお前だろう!早くエリザを返せ!」
家の前でギャーギャー騒ぐ元王太子。とにかく人気のない場所へと誘導し、そこで話をする事にした。
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とにかく早くこの男を追い払いたい。
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そう言って剣を抜いた元王太子。本当に、バカな男だ…
俺に向かって切りかかって来る元王太子。次の瞬間、俺の分身のオオカミが元王太子に襲い掛かった。
「うわぁぁぁ」
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「元王太子殿下、言い忘れておりましたが、俺は魔力大国の出身です。そのオオカミも俺が出した分身。1匹では足りない様でしたら、まだまだ出せますよ」
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「お前、卑怯だぞ!魔法を使えるなんて…」
威嚇するオオカミたちに完全にビビっている元王太子。
「これで分かったでしょう!とにかく俺に勝とうなど逆立ちしても無理です。どうかエリザの事は諦めて下さい!」
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