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第24話:エリザが連れ去られた~ジャック視点~
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モラージュ王国に来てから、2週間が過ぎた。エリザとの2人きりの生活は、幸せ以外何者でもない。そう、ずっと2人きりなのだ。この国に来た時1度だけ街に連れて行ったが、それ以降一度も街には連れて行っていない。
必要な物がある時は転移魔法を使い、ささっと購入して帰ってくる様にしている。正直このままこの国で一生を終えるのもいいかもしれない。そんな事を考えていた。
その時だった。エリザが、銀色のオオカミがいると言い出したのだ。そんなはずはない!そう思ったのだが、エリザが紹介してくれたオオカミは、間違いなく俺の分身だ。
俺の分身はある程度魔力を持った者にしか見えない。ただ、俺の指示で魔力を持たない者達にも見える様には出来るが…もちろん、今はそんな指示を出していない。なのにどうしてエリザに見えるんだ…
困惑する俺をよそに、オオカミを可愛がるエリザ。オオカミも随分とエリザに懐いている。それはそうだろう、俺の分身なのだから…
エリザの嬉しそうな顔を見ていたら、消してしまうのも可哀そうな気がして、今まで通りエリザの見張りとして置いておく事にした。
シルバと名付けられた俺の分身は、エリザに気が付いてもらえたのが嬉しいのか、ここぞとばかりにエリザに甘えまくる。それがなんだか腹ただしくて、過度の接触を禁止してやった。
まさか俺の分身に嫉妬する日が来るなんて…
そして何日か経ったある日、今日はエリザの誕生日だ。そう、俺は今日エリザに気持ちを伝えようと、着々と準備を進めて来たのだ。俺の瞳程ある大きなルビーの指輪も準備した。
嬉しそうに自分の誕生日パーティーの準備をするエリザ。そんなエリザを見ていると、こっちまで幸せな気分になれる。この先、ずっとエリザの誕生日を祝える。そう思ったら、嬉しくてたまらない。
そして何より嬉しかったのが、俺の髪の色でもあるシルバーのワンピースを、この日着てくれた事だ!街に買い物に行った時に買ったワンピース。本当にエリザは、俺を喜ばせる天才だ。
そしていよいよ、エリザの誕生日パーティースタートだ。今日の為に準備したシャンパンも開けた。それにしても、エリザは本当に料理の腕を上げた。どの料理も物凄く美味しい!2人で話をしながら食事を済ませた後は、いよいよ俺の一世一代の告白タイムだ。
一体どのタイミングで切り出そう、そう考えていると
「ジャック、今日は私のお誕生日を祝ってくれてありがとう。あなたには本当に感謝しているわ。これからもずっと私の側にいてね」
少し恥ずかしそうにそう言ったエリザ。よし、このタイミングで自分の気持ちを伝えよう!意を決してエリザの前に跪いた。そして、エリザに自分の気持ちを伝えた。正直物凄く不安だったが、エリザも俺を好きだと言ってくれた。
今までに感じた事のない喜びが、体中を襲った。あぁ、やっとこれでエリザは正真正銘俺のものだ!予め準備しておいた指輪も渡した。涙を流して喜んでくれるエリザを見たら、もう我慢なんて出来ない。
ずっと触れたくて触れたくて仕方なかった唇に触れる。想像以上に柔らかくて…温かくて…完全に理性が吹っ飛んだ俺は、そのままベッドにエリザを連れて行こうとした時だった。
物凄い魔力を感じた。間違いない、この魔力はザードだ!でも俺たちの前に現れたのは、なんとイライジャだった!一体どういう事なんだ!
全く理解できない俺にあの男は、ザードと一体化したと言い出したのだ!そんな事が出来るのか?あり得ない!人間同士が一体化するなんて…
その瞬間、魔力で俺を攻撃してきたイライジャ。もちろん、俺の腕の中にはエリザがいる。2人揃って吹き飛ばされた。物凄い魔力をモロに食らった俺は、その場を動く事が出来ない!
このままではエリザが!エリザに逃げろ!と伝えたが、俺に抱き着いて逃げるのを拒むエリザ。エリザに抱き着かれた瞬間、体が見る見る回復していく!もちろん、魔力もだ!やっぱりエリザには何らかの力がある様だ!
そう確信した瞬間、エリザをイライジャに奪われた!気絶したエリザを抱きかかえ
「エリザは貰っていくよ!彼女は僕と結婚して、モールズ王国の王妃になるんだ!ジャック、エリザを返して欲しければ、モールズ王国の王宮においで。そこで待っているから!」
ニヤリと笑ったイライジャ。
「ふざけるな!エリザは俺の妻だ!」
急いでエリザを取り返そうとイライジャに襲い掛かったが、寸前のところで転移魔法を使ったイライジャ!
「クソ!!!」
ドン!
怒りと悔しさ、何よりエリザを守れなかった自分の不甲斐なさに、感情が爆発する。とにかく、モールズ王国に戻ってエリザを取り返さないと!でも、相手はザードと一体化したイライジャだ。俺に勝てるのか?
その時だった。
「殿下、ご無事ですか?」
俺の前にやって来たのは、かつての家臣たちだ!
「あぁ、俺は大丈夫だ。でも、エリザが連れていかれた…俺は今からモールズ王国に戻り、エリザを取り返す!」
とにかく早くエリザを取り返さないと!
「エリザ様が…殿下、一体何があったのですか?私達にも分かる様に説明して下さい」
家臣たちに今までの事を事細かく説明した。
「なるほど、分かりました!殿下、私たちも一緒にモールズ王国の王宮に行きます。一緒にザードを倒しましょう!」
「でも俺は、お前たちの誘いを断ったんだぞ!それなのに、俺に協力してくれると言うのか?」
そう、俺は一度こいつらの誘いを断っている。それなのに…
「申し上げたはずです。私たちにとって、あなたはたった1人の王なのです。殿下が困っているのですから、力になるのは当然ですよ!それにザードを倒し、国を取り戻すことが私たちの本来の目的でもありますから!」
「ありがとう。皆!」
まさかこいつらに再び助けられる日が来るなんて…
エリザ、待っていてくれ!必ず君を救い出すから!
必要な物がある時は転移魔法を使い、ささっと購入して帰ってくる様にしている。正直このままこの国で一生を終えるのもいいかもしれない。そんな事を考えていた。
その時だった。エリザが、銀色のオオカミがいると言い出したのだ。そんなはずはない!そう思ったのだが、エリザが紹介してくれたオオカミは、間違いなく俺の分身だ。
俺の分身はある程度魔力を持った者にしか見えない。ただ、俺の指示で魔力を持たない者達にも見える様には出来るが…もちろん、今はそんな指示を出していない。なのにどうしてエリザに見えるんだ…
困惑する俺をよそに、オオカミを可愛がるエリザ。オオカミも随分とエリザに懐いている。それはそうだろう、俺の分身なのだから…
エリザの嬉しそうな顔を見ていたら、消してしまうのも可哀そうな気がして、今まで通りエリザの見張りとして置いておく事にした。
シルバと名付けられた俺の分身は、エリザに気が付いてもらえたのが嬉しいのか、ここぞとばかりにエリザに甘えまくる。それがなんだか腹ただしくて、過度の接触を禁止してやった。
まさか俺の分身に嫉妬する日が来るなんて…
そして何日か経ったある日、今日はエリザの誕生日だ。そう、俺は今日エリザに気持ちを伝えようと、着々と準備を進めて来たのだ。俺の瞳程ある大きなルビーの指輪も準備した。
嬉しそうに自分の誕生日パーティーの準備をするエリザ。そんなエリザを見ていると、こっちまで幸せな気分になれる。この先、ずっとエリザの誕生日を祝える。そう思ったら、嬉しくてたまらない。
そして何より嬉しかったのが、俺の髪の色でもあるシルバーのワンピースを、この日着てくれた事だ!街に買い物に行った時に買ったワンピース。本当にエリザは、俺を喜ばせる天才だ。
そしていよいよ、エリザの誕生日パーティースタートだ。今日の為に準備したシャンパンも開けた。それにしても、エリザは本当に料理の腕を上げた。どの料理も物凄く美味しい!2人で話をしながら食事を済ませた後は、いよいよ俺の一世一代の告白タイムだ。
一体どのタイミングで切り出そう、そう考えていると
「ジャック、今日は私のお誕生日を祝ってくれてありがとう。あなたには本当に感謝しているわ。これからもずっと私の側にいてね」
少し恥ずかしそうにそう言ったエリザ。よし、このタイミングで自分の気持ちを伝えよう!意を決してエリザの前に跪いた。そして、エリザに自分の気持ちを伝えた。正直物凄く不安だったが、エリザも俺を好きだと言ってくれた。
今までに感じた事のない喜びが、体中を襲った。あぁ、やっとこれでエリザは正真正銘俺のものだ!予め準備しておいた指輪も渡した。涙を流して喜んでくれるエリザを見たら、もう我慢なんて出来ない。
ずっと触れたくて触れたくて仕方なかった唇に触れる。想像以上に柔らかくて…温かくて…完全に理性が吹っ飛んだ俺は、そのままベッドにエリザを連れて行こうとした時だった。
物凄い魔力を感じた。間違いない、この魔力はザードだ!でも俺たちの前に現れたのは、なんとイライジャだった!一体どういう事なんだ!
全く理解できない俺にあの男は、ザードと一体化したと言い出したのだ!そんな事が出来るのか?あり得ない!人間同士が一体化するなんて…
その瞬間、魔力で俺を攻撃してきたイライジャ。もちろん、俺の腕の中にはエリザがいる。2人揃って吹き飛ばされた。物凄い魔力をモロに食らった俺は、その場を動く事が出来ない!
このままではエリザが!エリザに逃げろ!と伝えたが、俺に抱き着いて逃げるのを拒むエリザ。エリザに抱き着かれた瞬間、体が見る見る回復していく!もちろん、魔力もだ!やっぱりエリザには何らかの力がある様だ!
そう確信した瞬間、エリザをイライジャに奪われた!気絶したエリザを抱きかかえ
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ニヤリと笑ったイライジャ。
「ふざけるな!エリザは俺の妻だ!」
急いでエリザを取り返そうとイライジャに襲い掛かったが、寸前のところで転移魔法を使ったイライジャ!
「クソ!!!」
ドン!
怒りと悔しさ、何よりエリザを守れなかった自分の不甲斐なさに、感情が爆発する。とにかく、モールズ王国に戻ってエリザを取り返さないと!でも、相手はザードと一体化したイライジャだ。俺に勝てるのか?
その時だった。
「殿下、ご無事ですか?」
俺の前にやって来たのは、かつての家臣たちだ!
「あぁ、俺は大丈夫だ。でも、エリザが連れていかれた…俺は今からモールズ王国に戻り、エリザを取り返す!」
とにかく早くエリザを取り返さないと!
「エリザ様が…殿下、一体何があったのですか?私達にも分かる様に説明して下さい」
家臣たちに今までの事を事細かく説明した。
「なるほど、分かりました!殿下、私たちも一緒にモールズ王国の王宮に行きます。一緒にザードを倒しましょう!」
「でも俺は、お前たちの誘いを断ったんだぞ!それなのに、俺に協力してくれると言うのか?」
そう、俺は一度こいつらの誘いを断っている。それなのに…
「申し上げたはずです。私たちにとって、あなたはたった1人の王なのです。殿下が困っているのですから、力になるのは当然ですよ!それにザードを倒し、国を取り戻すことが私たちの本来の目的でもありますから!」
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