25 / 31
第25話:いざ、モールズ王国へ~ジャック視点~
しおりを挟む
「そうと決まれば早速モールズ王国へ向かおう!」
転移魔法を使ってモーズル王国に向かおうとした時だった。
「お待ちください、殿下!通常王宮には強力なバリアが張られている為、転移魔法で入り込む事は不可能です!いいですか?夜中の警備が手薄になったタイミングを見計らって、一気に攻め込みましょう!私たちは護衛たちと戦いますので、殿下は王の間に向かってください。あの場所に、ザードとエリザ様は居るはずです!」
「分かった!ありがとう、お前たち!ザード…いいや、イライジャは俺が必ず討ち取る!だから援護をしっかり頼んだぞ!」
「「「「任せて下さい」」」」」
そうと決まれば、早速準備開始だ。魔力を受けても跳ね返すことが出来る、専用の防護服を着る。もちろん気休めでしかないが、着ないよりはましだろう。
「殿下、これを!」
1人の家臣が持ってきたのは、我がモールズ王国に代々伝わる聖剣だ!この剣に魔力を込める事で、どんな魔物でも倒せると言われている。ただ、今回は魔術師だがな。
「お前、まさかこの剣をずっと隠し持っていてくれたのか?」
「はい、何とか聖剣を取り戻すことが出来ました。ただ、どんな魔力でも無力化する事が出来ると言われている聖盾は、ザードによって破壊されてしまっていた様で、取り戻すことが出来ませんでした!申し訳ございません…この剣を使えるのは、王家の血を引くあなた様のみです!これでザードを倒してください!」
「ありがとう、この剣があれば、ザードに勝てるかもしれない」
圧倒的魔力を持ったザード…正直あいつに勝てるかは微妙だが、でも俺は戦わないといけない!たとえこの戦いで命を落としたとしても…
「1つ気になる事がある。エリザの事だ!俺は8年半前、ザードに1週間で命を落とす呪いを掛けられた。その時、その呪いを解いたのはエリザだ。なぜかエリザを抱きしめると、恐ろしいほど体力と魔力が上がるんだ。彼女は一体何者なのだろう…」
魔力の持たない国に産まれたエリザ。でも、間違いなくエリザには何らかの魔力が備わっている様だ。それが一体何なのか、さっぱりわからない。
「う~ん、正直私共にはわかりかねます。ただ昔、聖なる魔力でどんな強力な魔力をも打ち消してしまう一族がいたという話を聞いたとこがあります。その一族は、人を癒す力もあったとか…でも、少し前に一族は1人残らず命を落としたと聞いておりますが…」
なるほど…その一族とエリザが何らかの関係があるのか?
「殿下、そろそろ参りましょう!」
そうだ、今はとにかくエリザを助け出さないと!家臣たちと一緒に、一斉にモールズ王国の王宮近くに転移魔法で移動した。懐かしい王宮が目の前に広がる。8年半前、命からがら逃げ出した王宮だ。どうやら外観はそのままの様だ…
父上…母上…姉上…
今は亡き家族の事を思い出し、自然と涙がこぼれた。駄目だ!今は泣いている場合ではない!とにかくエリザを助け出さないと!王宮の門近くまでやって来た。
「殿下、私たちが先陣を切って王宮に乗り込みますので、混乱に乗じて王の間へ!」
「分かった!」
家臣たちが一斉に王宮に攻め込んで行く。俺も一気に王宮に入った。懐かしい王宮、12年間育ったこの王宮は、あの頃と何も変わっていなかった。でも今は懐かしんでいる暇はない!とにかく、王の間へ向かわないと!
家臣たちが騎士たちと戦いながら、俺に道を作ってくれる。あちこちで、攻撃魔法が飛び交う。その光景は、まさにザードが王宮に攻めて来た時と同じだった。
「殿下!急いで王の間へ!」
家臣が俺に向かって叫んだ。そうだ、とにかく王の間に行かないと!懐かしい王宮を必死に走り、目指すは王の間だ!王の間の前には、護衛騎士が3人待ち構えていた。
「殿下、こいつらは私達で何とかします!」
そう言うと、護衛騎士3人に攻撃魔法を掛ける家臣たち。その間に王の間の扉を急いで開けた!
バーン
「エリザ!」
中に入るとベッドに横たわるエリザと、近くのソファーに座ってワインを飲んでいるイライジャの姿が!
「やあ、よく来たね!それにしても、かつての家臣たちまで連れて来るなんて、さすがだね。あいつらがネズミの様にコソコソ何かをしているのは知っていたがね」
そう言ってクスクス笑うイライジャ。
「エリザを返せ!」
イライジャに向かい、魔力を一気に放出する。魔力があるうちに、一気に片付けようと思ったのだ。でも…
「さすがモールズ王国の王族の血を引いているだけの事はある。凄い魔力だな!でも、この程度では僕に勝てないよ!」
片手で俺の攻撃を軽々と受け止めると、一気に俺に向かって魔力を放出したイライジャ。
「うわぁぁぁぁ」
物凄い勢いで吹き飛ばされ、壁に激突した。クソ…魔力を一気に放出したせいで、頭がクラクラする。それにさっきの衝撃で、背中を強く打ったようで痛くて動けない。頭が朦朧とする…
「その程度で終わりかい?つまらないね!まあいいか、さっさと死ね!」
手に一気に魔力を込めるイライジャ。駄目だ…もうおしまいだ!そう思った時だった。
「止めて!!!!」
この声は…
ふと声の方を見ると、エリザが涙を流しながら、こちらに向かって叫んでいた。急いでこちらに向かって来るエリザだが、鎖で繋がれているせいか俺の所まで来る事が出来ない。
あぁ、エリザ…
すまない、俺は君を守ってあげる事が出来そうにない…
そう、もう俺は動く力が残っていないのだ…
意識が朦朧とする中、ただエリザを見つめる事しか出来なかった。
~あとがき~
いつもお読みいただきありがとうございます。
ジャック視点とエリザ視点、さらにイライジャ視点も加わり、てんやわんやになっております(;’∀’)
今後はクライマックスに向けて、エリザ視点が続く予定です。
よろしくお願いいたします。
転移魔法を使ってモーズル王国に向かおうとした時だった。
「お待ちください、殿下!通常王宮には強力なバリアが張られている為、転移魔法で入り込む事は不可能です!いいですか?夜中の警備が手薄になったタイミングを見計らって、一気に攻め込みましょう!私たちは護衛たちと戦いますので、殿下は王の間に向かってください。あの場所に、ザードとエリザ様は居るはずです!」
「分かった!ありがとう、お前たち!ザード…いいや、イライジャは俺が必ず討ち取る!だから援護をしっかり頼んだぞ!」
「「「「任せて下さい」」」」」
そうと決まれば、早速準備開始だ。魔力を受けても跳ね返すことが出来る、専用の防護服を着る。もちろん気休めでしかないが、着ないよりはましだろう。
「殿下、これを!」
1人の家臣が持ってきたのは、我がモールズ王国に代々伝わる聖剣だ!この剣に魔力を込める事で、どんな魔物でも倒せると言われている。ただ、今回は魔術師だがな。
「お前、まさかこの剣をずっと隠し持っていてくれたのか?」
「はい、何とか聖剣を取り戻すことが出来ました。ただ、どんな魔力でも無力化する事が出来ると言われている聖盾は、ザードによって破壊されてしまっていた様で、取り戻すことが出来ませんでした!申し訳ございません…この剣を使えるのは、王家の血を引くあなた様のみです!これでザードを倒してください!」
「ありがとう、この剣があれば、ザードに勝てるかもしれない」
圧倒的魔力を持ったザード…正直あいつに勝てるかは微妙だが、でも俺は戦わないといけない!たとえこの戦いで命を落としたとしても…
「1つ気になる事がある。エリザの事だ!俺は8年半前、ザードに1週間で命を落とす呪いを掛けられた。その時、その呪いを解いたのはエリザだ。なぜかエリザを抱きしめると、恐ろしいほど体力と魔力が上がるんだ。彼女は一体何者なのだろう…」
魔力の持たない国に産まれたエリザ。でも、間違いなくエリザには何らかの魔力が備わっている様だ。それが一体何なのか、さっぱりわからない。
「う~ん、正直私共にはわかりかねます。ただ昔、聖なる魔力でどんな強力な魔力をも打ち消してしまう一族がいたという話を聞いたとこがあります。その一族は、人を癒す力もあったとか…でも、少し前に一族は1人残らず命を落としたと聞いておりますが…」
なるほど…その一族とエリザが何らかの関係があるのか?
「殿下、そろそろ参りましょう!」
そうだ、今はとにかくエリザを助け出さないと!家臣たちと一緒に、一斉にモールズ王国の王宮近くに転移魔法で移動した。懐かしい王宮が目の前に広がる。8年半前、命からがら逃げ出した王宮だ。どうやら外観はそのままの様だ…
父上…母上…姉上…
今は亡き家族の事を思い出し、自然と涙がこぼれた。駄目だ!今は泣いている場合ではない!とにかくエリザを助け出さないと!王宮の門近くまでやって来た。
「殿下、私たちが先陣を切って王宮に乗り込みますので、混乱に乗じて王の間へ!」
「分かった!」
家臣たちが一斉に王宮に攻め込んで行く。俺も一気に王宮に入った。懐かしい王宮、12年間育ったこの王宮は、あの頃と何も変わっていなかった。でも今は懐かしんでいる暇はない!とにかく、王の間へ向かわないと!
家臣たちが騎士たちと戦いながら、俺に道を作ってくれる。あちこちで、攻撃魔法が飛び交う。その光景は、まさにザードが王宮に攻めて来た時と同じだった。
「殿下!急いで王の間へ!」
家臣が俺に向かって叫んだ。そうだ、とにかく王の間に行かないと!懐かしい王宮を必死に走り、目指すは王の間だ!王の間の前には、護衛騎士が3人待ち構えていた。
「殿下、こいつらは私達で何とかします!」
そう言うと、護衛騎士3人に攻撃魔法を掛ける家臣たち。その間に王の間の扉を急いで開けた!
バーン
「エリザ!」
中に入るとベッドに横たわるエリザと、近くのソファーに座ってワインを飲んでいるイライジャの姿が!
「やあ、よく来たね!それにしても、かつての家臣たちまで連れて来るなんて、さすがだね。あいつらがネズミの様にコソコソ何かをしているのは知っていたがね」
そう言ってクスクス笑うイライジャ。
「エリザを返せ!」
イライジャに向かい、魔力を一気に放出する。魔力があるうちに、一気に片付けようと思ったのだ。でも…
「さすがモールズ王国の王族の血を引いているだけの事はある。凄い魔力だな!でも、この程度では僕に勝てないよ!」
片手で俺の攻撃を軽々と受け止めると、一気に俺に向かって魔力を放出したイライジャ。
「うわぁぁぁぁ」
物凄い勢いで吹き飛ばされ、壁に激突した。クソ…魔力を一気に放出したせいで、頭がクラクラする。それにさっきの衝撃で、背中を強く打ったようで痛くて動けない。頭が朦朧とする…
「その程度で終わりかい?つまらないね!まあいいか、さっさと死ね!」
手に一気に魔力を込めるイライジャ。駄目だ…もうおしまいだ!そう思った時だった。
「止めて!!!!」
この声は…
ふと声の方を見ると、エリザが涙を流しながら、こちらに向かって叫んでいた。急いでこちらに向かって来るエリザだが、鎖で繋がれているせいか俺の所まで来る事が出来ない。
あぁ、エリザ…
すまない、俺は君を守ってあげる事が出来そうにない…
そう、もう俺は動く力が残っていないのだ…
意識が朦朧とする中、ただエリザを見つめる事しか出来なかった。
~あとがき~
いつもお読みいただきありがとうございます。
ジャック視点とエリザ視点、さらにイライジャ視点も加わり、てんやわんやになっております(;’∀’)
今後はクライマックスに向けて、エリザ視点が続く予定です。
よろしくお願いいたします。
5
あなたにおすすめの小説
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした
三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。
書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。
ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。
屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』
ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく――
※他サイトにも掲載
※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
この度改編した(ストーリーは変わらず)をなろうさんに投稿しました。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
完結 貴方が忘れたと言うのなら私も全て忘却しましょう
音爽(ネソウ)
恋愛
商談に出立した恋人で婚約者、だが出向いた地で事故が発生。
幸い大怪我は負わなかったが頭を強打したせいで記憶を失ったという。
事故前はあれほど愛しいと言っていた容姿までバカにしてくる恋人に深く傷つく。
しかし、それはすべて大嘘だった。商談の失敗を隠蔽し、愛人を侍らせる為に偽りを語ったのだ。
己の事も婚約者の事も忘れ去った振りをして彼は甲斐甲斐しく世話をする愛人に愛を囁く。
修復不可能と判断した恋人は別れを決断した。
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる