浮気した殿下とは結婚は出来ません!私は従者と国を出て幸せになりますので!

Karamimi

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第25話:いざ、モールズ王国へ~ジャック視点~

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「そうと決まれば早速モールズ王国へ向かおう!」

転移魔法を使ってモーズル王国に向かおうとした時だった。

「お待ちください、殿下!通常王宮には強力なバリアが張られている為、転移魔法で入り込む事は不可能です!いいですか?夜中の警備が手薄になったタイミングを見計らって、一気に攻め込みましょう!私たちは護衛たちと戦いますので、殿下は王の間に向かってください。あの場所に、ザードとエリザ様は居るはずです!」

「分かった!ありがとう、お前たち!ザード…いいや、イライジャは俺が必ず討ち取る!だから援護をしっかり頼んだぞ!」

「「「「任せて下さい」」」」」

そうと決まれば、早速準備開始だ。魔力を受けても跳ね返すことが出来る、専用の防護服を着る。もちろん気休めでしかないが、着ないよりはましだろう。

「殿下、これを!」

1人の家臣が持ってきたのは、我がモールズ王国に代々伝わる聖剣だ!この剣に魔力を込める事で、どんな魔物でも倒せると言われている。ただ、今回は魔術師だがな。

「お前、まさかこの剣をずっと隠し持っていてくれたのか?」

「はい、何とか聖剣を取り戻すことが出来ました。ただ、どんな魔力でも無力化する事が出来ると言われている聖盾は、ザードによって破壊されてしまっていた様で、取り戻すことが出来ませんでした!申し訳ございません…この剣を使えるのは、王家の血を引くあなた様のみです!これでザードを倒してください!」

「ありがとう、この剣があれば、ザードに勝てるかもしれない」

圧倒的魔力を持ったザード…正直あいつに勝てるかは微妙だが、でも俺は戦わないといけない!たとえこの戦いで命を落としたとしても…

「1つ気になる事がある。エリザの事だ!俺は8年半前、ザードに1週間で命を落とす呪いを掛けられた。その時、その呪いを解いたのはエリザだ。なぜかエリザを抱きしめると、恐ろしいほど体力と魔力が上がるんだ。彼女は一体何者なのだろう…」

魔力の持たない国に産まれたエリザ。でも、間違いなくエリザには何らかの魔力が備わっている様だ。それが一体何なのか、さっぱりわからない。

「う~ん、正直私共にはわかりかねます。ただ昔、聖なる魔力でどんな強力な魔力をも打ち消してしまう一族がいたという話を聞いたとこがあります。その一族は、人を癒す力もあったとか…でも、少し前に一族は1人残らず命を落としたと聞いておりますが…」

なるほど…その一族とエリザが何らかの関係があるのか?

「殿下、そろそろ参りましょう!」

そうだ、今はとにかくエリザを助け出さないと!家臣たちと一緒に、一斉にモールズ王国の王宮近くに転移魔法で移動した。懐かしい王宮が目の前に広がる。8年半前、命からがら逃げ出した王宮だ。どうやら外観はそのままの様だ…

父上…母上…姉上…
今は亡き家族の事を思い出し、自然と涙がこぼれた。駄目だ!今は泣いている場合ではない!とにかくエリザを助け出さないと!王宮の門近くまでやって来た。

「殿下、私たちが先陣を切って王宮に乗り込みますので、混乱に乗じて王の間へ!」

「分かった!」

家臣たちが一斉に王宮に攻め込んで行く。俺も一気に王宮に入った。懐かしい王宮、12年間育ったこの王宮は、あの頃と何も変わっていなかった。でも今は懐かしんでいる暇はない!とにかく、王の間へ向かわないと!

家臣たちが騎士たちと戦いながら、俺に道を作ってくれる。あちこちで、攻撃魔法が飛び交う。その光景は、まさにザードが王宮に攻めて来た時と同じだった。

「殿下!急いで王の間へ!」

家臣が俺に向かって叫んだ。そうだ、とにかく王の間に行かないと!懐かしい王宮を必死に走り、目指すは王の間だ!王の間の前には、護衛騎士が3人待ち構えていた。

「殿下、こいつらは私達で何とかします!」

そう言うと、護衛騎士3人に攻撃魔法を掛ける家臣たち。その間に王の間の扉を急いで開けた!

バーン

「エリザ!」

中に入るとベッドに横たわるエリザと、近くのソファーに座ってワインを飲んでいるイライジャの姿が!

「やあ、よく来たね!それにしても、かつての家臣たちまで連れて来るなんて、さすがだね。あいつらがネズミの様にコソコソ何かをしているのは知っていたがね」

そう言ってクスクス笑うイライジャ。
「エリザを返せ!」

イライジャに向かい、魔力を一気に放出する。魔力があるうちに、一気に片付けようと思ったのだ。でも…

「さすがモールズ王国の王族の血を引いているだけの事はある。凄い魔力だな!でも、この程度では僕に勝てないよ!」

片手で俺の攻撃を軽々と受け止めると、一気に俺に向かって魔力を放出したイライジャ。

「うわぁぁぁぁ」

物凄い勢いで吹き飛ばされ、壁に激突した。クソ…魔力を一気に放出したせいで、頭がクラクラする。それにさっきの衝撃で、背中を強く打ったようで痛くて動けない。頭が朦朧とする…

「その程度で終わりかい?つまらないね!まあいいか、さっさと死ね!」

手に一気に魔力を込めるイライジャ。駄目だ…もうおしまいだ!そう思った時だった。

「止めて!!!!」

この声は…

ふと声の方を見ると、エリザが涙を流しながら、こちらに向かって叫んでいた。急いでこちらに向かって来るエリザだが、鎖で繋がれているせいか俺の所まで来る事が出来ない。

あぁ、エリザ…
すまない、俺は君を守ってあげる事が出来そうにない…

そう、もう俺は動く力が残っていないのだ…
意識が朦朧とする中、ただエリザを見つめる事しか出来なかった。


~あとがき~
いつもお読みいただきありがとうございます。
ジャック視点とエリザ視点、さらにイライジャ視点も加わり、てんやわんやになっております(;’∀’)
今後はクライマックスに向けて、エリザ視点が続く予定です。
よろしくお願いいたします。
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