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第58話:自由になったのは嬉しいのですが…
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早速翌日、メアリーに公爵様とレオナルド様のお陰で、少しだけ自由になった事を伝えた。
「まあ、それは良かったわ。さすがレオナルド様ね。レオナルド様は聡明で優しくて、本当に素敵な殿方だわ。そんなレオナルド様と婚約しているオリビアが、羨ましいわ。私は、そういった殿方が周りにいないので…」
「レオナルド様は私が10歳の頃から、ずっと私に寄り添い傍にいてくれたの。本当にレオナルド様には感謝しかないし、何よりもう私にとって、レオナルド様がすべてと言っても過言ではない程大切な人よ」
「そうなのね、オリビアとレオナルド様の絆はとても深いのね」
そう言って笑ったメアリー。
「君たち、一体何の話をしているのだい?」
レオナルド様が私たちの元にやって来た。
「オリビアが、レオナルド様の事が本当に大好きという話をしていましたのよ」
「ちょっと、メアリー。恥ずかしいから止めて頂戴!」
「あら、本当の事じゃない」
「そんなにオリビアは、僕の事が好きなのかい?それは嬉しいな」
レオナルド様が嬉しそうに私を抱きしめた。本当にメアリーったら!
「そうそう、来週末なのだが、宿泊研修について、また生徒会で話し合わないといけないのだが。せっかくだから、人気のレストランで、食事をしながら話し合うのはどうだい?陛下にも許可を取ったし」
「まあ、本当?それは嬉しいわ。ぜひそうしましょうよ。メアリーもいいわよね」
「ええ、もちろんよ」
「それじゃあ、僕からクリスにも話をしておくよ」
レオナルド様がすぐにクリス様の元に向かった。まさかこんなにすぐ街にいけるなんて。早く来週にならないかしら?
そして街に出る当日。
レオナルド様と一緒に、馬車に乗り込み街を目指す。
「レオナルド様、今日の件、本当にありがとうございました。私、今日が楽しみすぎて昨日の夜興奮して眠れなかったわ」
「そんなに喜んで貰えると嬉しいな。ただ、陛下はかなり渋っていたね。あれほど父上に言われていたのに…本当に往生際が悪い男だな…」
レオナルド様が苦笑いしている。今朝も“本当に街に行くのか?”と、何度も言われた。お父様の過保護っぷりも、まだまだ収まりそうにない。
「そういえば、初めて街に行ったのは、あの王太子も一緒の時だったね…思い出しただけで、胸糞が悪い…」
「そうだったわね。でも、あの人のお陰で、レオナルド様と婚約が出来たので、悪い事ばかりではなかったわ」
「そうだね…でもあの男は許せないけれど…オリビア、いいかい、どんなことがあっても、絶対に僕から離れてはいけないよ!いいね!」
真っすぐ私を見つめ、そう言ったレオナルド様。その瞳は、たまに見せるお父様の危険な瞳とよく似ている。
「どうして私がレオナルド様から離れるという話になるの?そんな事、絶対にないわ!」
本当にレオナルド様は、心配性なのだから。
「それならいいよ。でももし僕の傍から離れていったら、その時は…」
「その時は?」
なんだか意味深な表情を浮かべ、ほほ笑んでいるレオナルド様を見たら、つい聞き返してしまった。でも、そのタイミングで、馬車が停まった。
「目的地に着いたようだね。さあ、行こうか」
レオナルド様にエスコートされ、ホテルの中に入って行く。そして一番奥の広い部屋へと通された。そこには既にメアリーとクリス様が待っていた。
まずは4人で食事を楽しむ。
「このお肉、ホロホロで美味しいわ。かなり長い時間煮込んであるのね。口の中で溶けてしまうわ」
メアリーがお肉を食べながら、目を丸くしている。
「そんなに好きなら、私のもあげるわ。メアリー、こっちの魚のカルパッチョも美味しいわよ。あら、このグラタンも」
つい話に花を咲かせてしまう。いつも一緒に昼食を食べているが、こうやって学院以外の場所で食べるのは初めてだ。興奮するなという方が無理である。
美味しくデザートまで食べた後、早速今日の本題、宿泊研修について話し合いが行われた。
「行く場所はいつもと同じ、国の南にある街だ。今回もリゾート地でゆっくりした後、夜にダンスパーティーをすると言う流れでいいだろうか?」
レオナルド様が流れを説明する。
「あの街は、確か海が近くにあり、サンゴや真珠を使った加工工場があったはずです。それに、海の幸も豊富に捕れますし。真珠やサンゴを使ったアクセサリー作りの体験なども出来ると聞きましたわ。せっかく行くのでしたら、そういった体験も出来る様に、手配してはいかがでしょうか?」
すかさずメアリーが提案した。
「それはいいアイデアだね。確かにただ何もせずに、ホテルで話をしたりしているなら、そういった体験をするのも悪くないだろう。希望者を募って、いくつかのツアーを組めば、皆も喜ぶかもしれない」
レオナルド様も頷く。私も何か言わないと。
「私もその案…」
「それでしたら、真珠やサンゴなどの加工工場&アクセサリー作り体験のツアーと、船に乗って魚を取るツアー、魚の加工を体験するツアーなどはいかがでしょうか?もちろん、興味のない方々は、いつも通りホテルでのんびり過ごしていただけばいいですし」
「そうだね、そうしよう。それじゃあ、まずは先生に相談しながら話をすすめよう。メアリー嬢は、色々とアイデアを持っているのだね。凄いよ」
「私はただ、一生に一度の大切な学院のイベントなので、せっかくなら楽しみたいと思っただけですわ。すぐに話しを合わせて下さるレオナルド様の方が凄いです」
少し頬を赤らめ、恥ずかしそうにメアリーが呟く。レオナルド様も優しい眼差しで、メアリーを見つめていた。
その姿を見た時、どうしようもなく悲しい気持ちになった。胸を鋭いナイフで刺されたような、そんな痛みも走る。
大好きな2人が仲良くしてくれることを望んでいたのに…
何だろう、この気持ちは…
「まあ、それは良かったわ。さすがレオナルド様ね。レオナルド様は聡明で優しくて、本当に素敵な殿方だわ。そんなレオナルド様と婚約しているオリビアが、羨ましいわ。私は、そういった殿方が周りにいないので…」
「レオナルド様は私が10歳の頃から、ずっと私に寄り添い傍にいてくれたの。本当にレオナルド様には感謝しかないし、何よりもう私にとって、レオナルド様がすべてと言っても過言ではない程大切な人よ」
「そうなのね、オリビアとレオナルド様の絆はとても深いのね」
そう言って笑ったメアリー。
「君たち、一体何の話をしているのだい?」
レオナルド様が私たちの元にやって来た。
「オリビアが、レオナルド様の事が本当に大好きという話をしていましたのよ」
「ちょっと、メアリー。恥ずかしいから止めて頂戴!」
「あら、本当の事じゃない」
「そんなにオリビアは、僕の事が好きなのかい?それは嬉しいな」
レオナルド様が嬉しそうに私を抱きしめた。本当にメアリーったら!
「そうそう、来週末なのだが、宿泊研修について、また生徒会で話し合わないといけないのだが。せっかくだから、人気のレストランで、食事をしながら話し合うのはどうだい?陛下にも許可を取ったし」
「まあ、本当?それは嬉しいわ。ぜひそうしましょうよ。メアリーもいいわよね」
「ええ、もちろんよ」
「それじゃあ、僕からクリスにも話をしておくよ」
レオナルド様がすぐにクリス様の元に向かった。まさかこんなにすぐ街にいけるなんて。早く来週にならないかしら?
そして街に出る当日。
レオナルド様と一緒に、馬車に乗り込み街を目指す。
「レオナルド様、今日の件、本当にありがとうございました。私、今日が楽しみすぎて昨日の夜興奮して眠れなかったわ」
「そんなに喜んで貰えると嬉しいな。ただ、陛下はかなり渋っていたね。あれほど父上に言われていたのに…本当に往生際が悪い男だな…」
レオナルド様が苦笑いしている。今朝も“本当に街に行くのか?”と、何度も言われた。お父様の過保護っぷりも、まだまだ収まりそうにない。
「そういえば、初めて街に行ったのは、あの王太子も一緒の時だったね…思い出しただけで、胸糞が悪い…」
「そうだったわね。でも、あの人のお陰で、レオナルド様と婚約が出来たので、悪い事ばかりではなかったわ」
「そうだね…でもあの男は許せないけれど…オリビア、いいかい、どんなことがあっても、絶対に僕から離れてはいけないよ!いいね!」
真っすぐ私を見つめ、そう言ったレオナルド様。その瞳は、たまに見せるお父様の危険な瞳とよく似ている。
「どうして私がレオナルド様から離れるという話になるの?そんな事、絶対にないわ!」
本当にレオナルド様は、心配性なのだから。
「それならいいよ。でももし僕の傍から離れていったら、その時は…」
「その時は?」
なんだか意味深な表情を浮かべ、ほほ笑んでいるレオナルド様を見たら、つい聞き返してしまった。でも、そのタイミングで、馬車が停まった。
「目的地に着いたようだね。さあ、行こうか」
レオナルド様にエスコートされ、ホテルの中に入って行く。そして一番奥の広い部屋へと通された。そこには既にメアリーとクリス様が待っていた。
まずは4人で食事を楽しむ。
「このお肉、ホロホロで美味しいわ。かなり長い時間煮込んであるのね。口の中で溶けてしまうわ」
メアリーがお肉を食べながら、目を丸くしている。
「そんなに好きなら、私のもあげるわ。メアリー、こっちの魚のカルパッチョも美味しいわよ。あら、このグラタンも」
つい話に花を咲かせてしまう。いつも一緒に昼食を食べているが、こうやって学院以外の場所で食べるのは初めてだ。興奮するなという方が無理である。
美味しくデザートまで食べた後、早速今日の本題、宿泊研修について話し合いが行われた。
「行く場所はいつもと同じ、国の南にある街だ。今回もリゾート地でゆっくりした後、夜にダンスパーティーをすると言う流れでいいだろうか?」
レオナルド様が流れを説明する。
「あの街は、確か海が近くにあり、サンゴや真珠を使った加工工場があったはずです。それに、海の幸も豊富に捕れますし。真珠やサンゴを使ったアクセサリー作りの体験なども出来ると聞きましたわ。せっかく行くのでしたら、そういった体験も出来る様に、手配してはいかがでしょうか?」
すかさずメアリーが提案した。
「それはいいアイデアだね。確かにただ何もせずに、ホテルで話をしたりしているなら、そういった体験をするのも悪くないだろう。希望者を募って、いくつかのツアーを組めば、皆も喜ぶかもしれない」
レオナルド様も頷く。私も何か言わないと。
「私もその案…」
「それでしたら、真珠やサンゴなどの加工工場&アクセサリー作り体験のツアーと、船に乗って魚を取るツアー、魚の加工を体験するツアーなどはいかがでしょうか?もちろん、興味のない方々は、いつも通りホテルでのんびり過ごしていただけばいいですし」
「そうだね、そうしよう。それじゃあ、まずは先生に相談しながら話をすすめよう。メアリー嬢は、色々とアイデアを持っているのだね。凄いよ」
「私はただ、一生に一度の大切な学院のイベントなので、せっかくなら楽しみたいと思っただけですわ。すぐに話しを合わせて下さるレオナルド様の方が凄いです」
少し頬を赤らめ、恥ずかしそうにメアリーが呟く。レオナルド様も優しい眼差しで、メアリーを見つめていた。
その姿を見た時、どうしようもなく悲しい気持ちになった。胸を鋭いナイフで刺されたような、そんな痛みも走る。
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何だろう、この気持ちは…
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