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第11話:王妃様がやって来ました
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離宮にやって来て、1ヶ月が過ぎた。相変わらずエイダン様は毎日の様に様子を見に来る。ただ、私の様子を見ると、さっさと帰っていく。さっさと帰っていくなら、別に来なくてもいいのだけれど…
そして私の為に、沢山のドレスや宝石が届いたが、生憎私の部屋は比較的狭めだ。そんな沢山のドレスなど、入るスペースがないので、丁重にお断りした。もちろん、宝石もだ。一瞬宝石は離宮を追い出されたとき使えるかも?なんて醜い感情も生まれたが、やっぱりお断りした。
さらに私の部屋に本棚を置いて、そこに恋愛小説を埋めるなんて話もあったらしい。さっきも言った通り、部屋が狭いためお断りした。天気がいい日は森にも行くため、そんなに本を読むこともない。もし読みたい時は、リサが借りに行ってくれる。
リサの手を煩わせるのは悪いとも思ったが、本人が気にしないでいいと言ってくれているので、お言葉に甘えている。
正直言って、3食デザート付きの生活は、快適以外何物でもない。ここには私に嫌味を言う人もいない。本当に天国だ。
リサからも最近
「サーラ様は、最近よく笑われるようになりましたね」
と、言われた。このままこの生活がずっと続けばいいのに…そう願っている。
今日もいつもの様に、森に散歩に行く。これが私の日課だ。リサと一緒に、森でたくさんの木の実を摘んだ。この木の実を使ったケーキを、料理長が作ってくれるとの事。そのケーキがまた美味しいのだ。
リサと一緒に離宮に戻ると、人影が…
あら?あそこにいらっしゃるのは、もしかして…どうしよう、でも、話しかけない訳にはいかないわよね。
「王妃様、こんなところでどうされましたか?」
「あ…あの…」
なぜか動揺している王妃様。いつも不機嫌そうに私を睨みつけているのに、一体どうしたのかしら?もしかしたら、私がエイダン様を全力で拒否しているから、文句でも言いに来たのかしら?そう思ったのだが…
「あの…別にのぞき見をするつもりはなかったのよ。あなたがここで…どうやって過ごしているのか気になって…それで…」
なぜかシドロモドロになっている。
「あの…サーラさん。今まで酷い事を言って、ごめんなさい。きっと私の顔なんて見たくないわよね…それでもどうしてもあなたが気になって…それで…。て、ゴタゴタ言っても仕方がないわ。サーラさん、こんな酷い場所にあなたを閉じ込めてごめんなさい。今更こんな事を言われても迷惑かもしれないけれど、どうか本宮にもいらして。図書館もあるし。たまには自分で本を選びたいでしょう。それに…その…」
「王妃様、お気遣いありがとうございます。でも私は、王妃様を恨んだりはしておりませんわ。何よりこの離宮での生活は快適です。リサもとても良くしてくださいますし。ですから、どうか私の事は気になさらないで下さい。それから、私はエイダン様の子を産むことが出来ません。ですから、早急に側室を迎え入れて下さい。その方が私も、気が楽ですので」
やっぱり王妃様は苦手だし、今までされてきたことを忘れる事は出来ない。それでも、離宮で何不自由ない生活をしている私に対し、文句を言わずにさらに謝罪してくださったことに関しては、受け入れようと思う。
「私はあなたに何度も“陰気くさい女”や“可愛らしい側室を何人か準備する”と言っていたものね…あなたの心を壊すには、十分すぎるほど酷い言葉だったわ…そんな事を言われたら、表情も消えるわよね。今日のあなたの笑顔を見たら、自分がどれほど酷い事をしていたのか、身に染みたわ。謝っても許されるとは思っていないけれど、せめて謝罪させて。本当にごめんなさい。きっと私の顔なんて、見たくないでしょうから、あなたに会いに来るのはこれで最後にするわ。それじゃあ…」
私に頭を下げ、去って行こうとする王妃様。その姿は、私の知っている王妃様とは、まるで別人だ。
「あの…王妃様。正直申しますと…あなた様にされた仕打ちを今すぐ許せと言われても、きっと許せないでしょう。でも…今私が楽しく暮らせているのは、きっとあなた様のお陰でもあるのでしょう。私を離宮に、そしてリサを付けて下さり、ありがとうございました。私はあなた様の言う通り、本当に役立たずです。それでも、何か役に立てる事があれば、おっしゃってください。と言っても、私には出来る事なんてないかもしれませんが…」
この1ヶ月自由に暮らさせてもらえているのは、きっと王族のお陰だろう。本来なら、追い出されてもおかしくない行動をしているのだから…
「サーラさん…ありがとう。あなたは役立たずなんかじゃないわ…て、散々暴言を吐いた私が言える事じゃないわね。でも、あなたが思う様に生きてくれたらいいと思っているの。ただ…あの…本当に言いにくいんだけれど…もしあなたが嫌じゃないなら…その…3ヶ月後の陛下の誕生日パーティーがあるでしょう?そこに、ほんの少しでいいから…その…顔を出してくれると…」
そういえば、3ヶ月後は陛下の誕生日だったわね。確かに世間一般では、私は王太子妃として認識されている。そんな私が出ないのは、さすがにまずいという訳だ。でも公の場に出たら、また嫌な思いをするだろう。
「イヤならいいのよ。あなたの事は、適当にごまかせば…」
「いいえ、王妃様。私は大丈夫ですわ。ぜひ、参加させていただきます」
正直出たくない。でも…今の王妃様を見ていたら、なんだか断るのは申し訳ないと思ってしまったのだ。
「ありがとう。サーラさん。ドレスや宝石などは、こちらで準備…いいえ、あなたの好きなドレスと宝石を選んで頂戴。リサと相談して。それじゃあ、私はもう行くわね。エイダンに見つかったら、怒られちゃうから」
そう言うと、去って行った王妃様。
「サーラ様は本当にお優しいのですね。王妃様にも、酷い事をされてきたのでしょう。それに、王宮主催のパーティーまで参加されるなんて…」
話しかけてきたのは、リサだ。
「私は優しくなんてないわ。それに、パーティーなんて参加したくない。だってあの場所は、私の事を悪く言う人ばかりだもの…でも、私は一応王太子妃だものね…」
エイダン様の事はどうしても受け入れられない分、出来る事はやって行こうと思ったのだ。この場所でこれからもお世話になる為にも、リサと一緒に過ごすためにも。
「ねえ、リサ。私ね、ここに来るまでは、何が何でも自由に生きてやるって思っていたの。たとえこの場所を追い出されても構わないって。でも今は、出来ればこの離宮で、リサと一緒にいたいと思っているわ。やっぱり我が儘かしら?」
「そんな!全く我が儘ではございません。実際にかつての王妃の中には、夫婦仲が悪く離宮に閉じこもってしまった方も何人もいらっしゃるのですよ。サーラ様も、大きな顔をして閉じこもればいいのです。殿下たちは、それだけの事をあなた様にしたのですから」
「まあ、そうだったの?それじゃあ、パーティーもやっぱり断ってもよかったのかしら?」
「それは…出てあげて下さい。でももし、今回パーティーに出て嫌な思いをする事があれば、その時はもう二度と出る必要は無いと思いますわ」
そう言って笑ったリサ。彼女はいつも私の事を考えて行動してくれる。まるで母親の様に…
「ありがとうリサ」
「お礼は不要です。早速ドレスと宝石を選ばないといけませんね。サーラ様はどんな色がお好きですか?」
「そうね、私はピンクとか黄色、エメラルドグリーンなど明るい色が好きだわ」
「分かりました。それでしたら、明るめの色のドレスにしましょう。宝石は…そうですね。サーラ様の瞳の色をイメージした、ルビーなどはいかがでしょうか?」
「まあ、ルビー。素敵ね。私の瞳の色だなんて、嬉しいわ」
つい頬が緩む。パーティーなんて苦痛でしかないと思っていたけれど、こうやって自分でドレスや宝石を選べるなら、悪くないかもしれない。
そして私の為に、沢山のドレスや宝石が届いたが、生憎私の部屋は比較的狭めだ。そんな沢山のドレスなど、入るスペースがないので、丁重にお断りした。もちろん、宝石もだ。一瞬宝石は離宮を追い出されたとき使えるかも?なんて醜い感情も生まれたが、やっぱりお断りした。
さらに私の部屋に本棚を置いて、そこに恋愛小説を埋めるなんて話もあったらしい。さっきも言った通り、部屋が狭いためお断りした。天気がいい日は森にも行くため、そんなに本を読むこともない。もし読みたい時は、リサが借りに行ってくれる。
リサの手を煩わせるのは悪いとも思ったが、本人が気にしないでいいと言ってくれているので、お言葉に甘えている。
正直言って、3食デザート付きの生活は、快適以外何物でもない。ここには私に嫌味を言う人もいない。本当に天国だ。
リサからも最近
「サーラ様は、最近よく笑われるようになりましたね」
と、言われた。このままこの生活がずっと続けばいいのに…そう願っている。
今日もいつもの様に、森に散歩に行く。これが私の日課だ。リサと一緒に、森でたくさんの木の実を摘んだ。この木の実を使ったケーキを、料理長が作ってくれるとの事。そのケーキがまた美味しいのだ。
リサと一緒に離宮に戻ると、人影が…
あら?あそこにいらっしゃるのは、もしかして…どうしよう、でも、話しかけない訳にはいかないわよね。
「王妃様、こんなところでどうされましたか?」
「あ…あの…」
なぜか動揺している王妃様。いつも不機嫌そうに私を睨みつけているのに、一体どうしたのかしら?もしかしたら、私がエイダン様を全力で拒否しているから、文句でも言いに来たのかしら?そう思ったのだが…
「あの…別にのぞき見をするつもりはなかったのよ。あなたがここで…どうやって過ごしているのか気になって…それで…」
なぜかシドロモドロになっている。
「あの…サーラさん。今まで酷い事を言って、ごめんなさい。きっと私の顔なんて見たくないわよね…それでもどうしてもあなたが気になって…それで…。て、ゴタゴタ言っても仕方がないわ。サーラさん、こんな酷い場所にあなたを閉じ込めてごめんなさい。今更こんな事を言われても迷惑かもしれないけれど、どうか本宮にもいらして。図書館もあるし。たまには自分で本を選びたいでしょう。それに…その…」
「王妃様、お気遣いありがとうございます。でも私は、王妃様を恨んだりはしておりませんわ。何よりこの離宮での生活は快適です。リサもとても良くしてくださいますし。ですから、どうか私の事は気になさらないで下さい。それから、私はエイダン様の子を産むことが出来ません。ですから、早急に側室を迎え入れて下さい。その方が私も、気が楽ですので」
やっぱり王妃様は苦手だし、今までされてきたことを忘れる事は出来ない。それでも、離宮で何不自由ない生活をしている私に対し、文句を言わずにさらに謝罪してくださったことに関しては、受け入れようと思う。
「私はあなたに何度も“陰気くさい女”や“可愛らしい側室を何人か準備する”と言っていたものね…あなたの心を壊すには、十分すぎるほど酷い言葉だったわ…そんな事を言われたら、表情も消えるわよね。今日のあなたの笑顔を見たら、自分がどれほど酷い事をしていたのか、身に染みたわ。謝っても許されるとは思っていないけれど、せめて謝罪させて。本当にごめんなさい。きっと私の顔なんて、見たくないでしょうから、あなたに会いに来るのはこれで最後にするわ。それじゃあ…」
私に頭を下げ、去って行こうとする王妃様。その姿は、私の知っている王妃様とは、まるで別人だ。
「あの…王妃様。正直申しますと…あなた様にされた仕打ちを今すぐ許せと言われても、きっと許せないでしょう。でも…今私が楽しく暮らせているのは、きっとあなた様のお陰でもあるのでしょう。私を離宮に、そしてリサを付けて下さり、ありがとうございました。私はあなた様の言う通り、本当に役立たずです。それでも、何か役に立てる事があれば、おっしゃってください。と言っても、私には出来る事なんてないかもしれませんが…」
この1ヶ月自由に暮らさせてもらえているのは、きっと王族のお陰だろう。本来なら、追い出されてもおかしくない行動をしているのだから…
「サーラさん…ありがとう。あなたは役立たずなんかじゃないわ…て、散々暴言を吐いた私が言える事じゃないわね。でも、あなたが思う様に生きてくれたらいいと思っているの。ただ…あの…本当に言いにくいんだけれど…もしあなたが嫌じゃないなら…その…3ヶ月後の陛下の誕生日パーティーがあるでしょう?そこに、ほんの少しでいいから…その…顔を出してくれると…」
そういえば、3ヶ月後は陛下の誕生日だったわね。確かに世間一般では、私は王太子妃として認識されている。そんな私が出ないのは、さすがにまずいという訳だ。でも公の場に出たら、また嫌な思いをするだろう。
「イヤならいいのよ。あなたの事は、適当にごまかせば…」
「いいえ、王妃様。私は大丈夫ですわ。ぜひ、参加させていただきます」
正直出たくない。でも…今の王妃様を見ていたら、なんだか断るのは申し訳ないと思ってしまったのだ。
「ありがとう。サーラさん。ドレスや宝石などは、こちらで準備…いいえ、あなたの好きなドレスと宝石を選んで頂戴。リサと相談して。それじゃあ、私はもう行くわね。エイダンに見つかったら、怒られちゃうから」
そう言うと、去って行った王妃様。
「サーラ様は本当にお優しいのですね。王妃様にも、酷い事をされてきたのでしょう。それに、王宮主催のパーティーまで参加されるなんて…」
話しかけてきたのは、リサだ。
「私は優しくなんてないわ。それに、パーティーなんて参加したくない。だってあの場所は、私の事を悪く言う人ばかりだもの…でも、私は一応王太子妃だものね…」
エイダン様の事はどうしても受け入れられない分、出来る事はやって行こうと思ったのだ。この場所でこれからもお世話になる為にも、リサと一緒に過ごすためにも。
「ねえ、リサ。私ね、ここに来るまでは、何が何でも自由に生きてやるって思っていたの。たとえこの場所を追い出されても構わないって。でも今は、出来ればこの離宮で、リサと一緒にいたいと思っているわ。やっぱり我が儘かしら?」
「そんな!全く我が儘ではございません。実際にかつての王妃の中には、夫婦仲が悪く離宮に閉じこもってしまった方も何人もいらっしゃるのですよ。サーラ様も、大きな顔をして閉じこもればいいのです。殿下たちは、それだけの事をあなた様にしたのですから」
「まあ、そうだったの?それじゃあ、パーティーもやっぱり断ってもよかったのかしら?」
「それは…出てあげて下さい。でももし、今回パーティーに出て嫌な思いをする事があれば、その時はもう二度と出る必要は無いと思いますわ」
そう言って笑ったリサ。彼女はいつも私の事を考えて行動してくれる。まるで母親の様に…
「ありがとうリサ」
「お礼は不要です。早速ドレスと宝石を選ばないといけませんね。サーラ様はどんな色がお好きですか?」
「そうね、私はピンクとか黄色、エメラルドグリーンなど明るい色が好きだわ」
「分かりました。それでしたら、明るめの色のドレスにしましょう。宝石は…そうですね。サーラ様の瞳の色をイメージした、ルビーなどはいかがでしょうか?」
「まあ、ルビー。素敵ね。私の瞳の色だなんて、嬉しいわ」
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