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第30話:婚約披露パーティー当日を迎えました
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ワイアット様と婚約してから早4ヶ月。毎日忙しい日々を過ごしているうちに、あっという間に月日が経ってしまった。
ワイアット様と一緒に別荘に行ってから、なんだか2人の距離が急激に縮まった気がする。毎日ワイアット様の為に、お弁当やお菓子を作るのがいつの間にか日課になっていた。ワイアット様の好きな物を中心に、どうしたらもっと喜んでもらえるか、日々研究しながら料理を作っている。
もちろん王妃教育も頑張っているし、王妃様や陛下との関係もかなり良好だ。ただ、スカーレット様は私の事が気に入らない様で、事ある事に
「伯爵令嬢の分際で、大きな顔をしないでくれる?目障りなのよ!」
と、私の顔を見るなりいつも凄い形相で怒鳴られるのだ。この前は扇で叩かれそうになったところを、間一髪ワイアット様に助けてもらった。それから激しい兄妹喧嘩へと発展!陛下と王妃様が間に入り、何とか収まった2人。
事情を知った陛下と王妃様にはかなり謝られたが、当のスカーレット様にはめちゃくちゃ睨まれた。将来義理の妹になる人だ。出来れば仲良くしたい。
そして今日は、いよいよ私とワイアット様の婚約披露パーティーの日だ。朝早く王宮に向かい、王宮専属のメイドたちに体中を磨かれた。そして、私の為に準備されたドレスを着せてもらう。
そう、真っ赤なドレスだ。ワイアット様が好きだと言った色。そして私とワイアット様の色!赤は大人っぽいイメージが強い為、私には似合わないと思ってあまり着る事がながった。でも、実際着てみると、そう悪くない。
「アリア様、本当にお美しいですわ。それにしてもこの赤いドレス、本当によくお似合いですわね」
メイドたちもそう言って褒めてくれる。さらにワイアット様の瞳の色でもある、エメラルドのネックレスとイヤリング、さらに頭には、エメラルドの宝石をあしらったティアラも付けられた。
鏡で全身をチェックする。私の瞳の色に合わせたドレス、さらにエメラルドの美しい輝きがアクセントなり、かなり良い感じになっている。ただ、全身ワイアット様カラーだ。さすがにちょっと露骨すぎないかしら?
その時だった。
コンコン
「アリア、準備は出来たかい?」
ワイアット様が入って来たのだ。シルバーのタキシードに身を包んだワイアット様。赤いネクタイを付けている。もしかして、私の色をイメージしてくれている?そう思う程、私カラーになっている。
「あぁ、やっぱりよく似合っている。アリアは赤がとても似合うね」
「ワイアット様もシルバーのタキシード、とってもよく似合っていますわ」
本当に私の髪の色と一緒だ!でも、自分の色を身につけてくれると言うのは、悪い気はしない。
「さあ、そろそろ会場に向かおう」
差し出してくれたワイアット様の腕に手を回し、2人でパーティーの会場へと向かう。そう、今回の会場は王宮の大ホールだ。もちろん参加者も多いので、中庭も解放されている。
会場に向かうと、まずは控室に通された。陛下と王妃様、スカーレット様、さらに…なぜかカーター様までいる。
「どうして俺とアリアの婚約披露パーティーに、カーターがいるんだ!」
物凄く怖い顔で怒鳴りつけるワイアット様。
「ワイアット、落ち着きなさい!実はついにスカーレットとカーターが、正式に婚約を結んだんだ。それで、今回一緒にお披露目してしまおうという話になったんだ!」
「ふざけるな!!!今回は俺とアリアの大切な婚約披露パーティーなんだぞ!それなのにこいつらと合同なんて!そもそも、俺はスカーレットとカーターが正式に婚約した事を聞いていない!」
「落ち着いて、ワイアット。昨日急遽婚約を結ぶ事になったの!急だったから、ワイアットに話をする時間が無かったのよ!」
必死に陛下と王妃様がワイアット様をなだめている。当のスカーレット様は扇で口元を隠して、知らん顔をしている。それにしても、スカーレット様のドレスもかなりゴージャスだ。まるで事前に準備していたかの様に…
でも、もうこうなってしまったものは仕方ない。顔を真っ赤にして怒鳴り散らしているワイアット様を、何とかなだめないと。
「ワイアット様、落ち着いて下さい!こうなってしまったものは、もう仕方がありません。これ以上お客様を待たせる訳には行きませんわ。それに、私とワイアット様の婚約披露パーティーという事には変わりありませんし」
「アリア…あぁ、君はなんて優しいんだ!今回こいつらを乱入させてしまったのは、俺のミスだ。本当にごめん!」
そう言って頭を下げるワイアット様。
「頭を上げてください!私は何とも思っていませんわ!」
それにしても、ワイアット様はいつでも私の事を考えてくれている。そう思ったら、やっぱり心の中が温かくなった。この4ヶ月、本当にワイアット様には色々と助けられている。そのおかげで今カーター様を見ても、昔ほど辛くはない。
あれほどカーター様が好きだったのに、意外と私って薄情な人間なのかもしれないわね…
「アリアちゃん、ありがとう!とにかくこれ以上皆を待たせる訳にはいかないわ。さあ、行きましょう!」
王妃様の言葉で、まだ不満そうな顔をしているワイアット様の腕に手を回す。さあいよいよね。緊張するわ。
ワイアット様と一緒に別荘に行ってから、なんだか2人の距離が急激に縮まった気がする。毎日ワイアット様の為に、お弁当やお菓子を作るのがいつの間にか日課になっていた。ワイアット様の好きな物を中心に、どうしたらもっと喜んでもらえるか、日々研究しながら料理を作っている。
もちろん王妃教育も頑張っているし、王妃様や陛下との関係もかなり良好だ。ただ、スカーレット様は私の事が気に入らない様で、事ある事に
「伯爵令嬢の分際で、大きな顔をしないでくれる?目障りなのよ!」
と、私の顔を見るなりいつも凄い形相で怒鳴られるのだ。この前は扇で叩かれそうになったところを、間一髪ワイアット様に助けてもらった。それから激しい兄妹喧嘩へと発展!陛下と王妃様が間に入り、何とか収まった2人。
事情を知った陛下と王妃様にはかなり謝られたが、当のスカーレット様にはめちゃくちゃ睨まれた。将来義理の妹になる人だ。出来れば仲良くしたい。
そして今日は、いよいよ私とワイアット様の婚約披露パーティーの日だ。朝早く王宮に向かい、王宮専属のメイドたちに体中を磨かれた。そして、私の為に準備されたドレスを着せてもらう。
そう、真っ赤なドレスだ。ワイアット様が好きだと言った色。そして私とワイアット様の色!赤は大人っぽいイメージが強い為、私には似合わないと思ってあまり着る事がながった。でも、実際着てみると、そう悪くない。
「アリア様、本当にお美しいですわ。それにしてもこの赤いドレス、本当によくお似合いですわね」
メイドたちもそう言って褒めてくれる。さらにワイアット様の瞳の色でもある、エメラルドのネックレスとイヤリング、さらに頭には、エメラルドの宝石をあしらったティアラも付けられた。
鏡で全身をチェックする。私の瞳の色に合わせたドレス、さらにエメラルドの美しい輝きがアクセントなり、かなり良い感じになっている。ただ、全身ワイアット様カラーだ。さすがにちょっと露骨すぎないかしら?
その時だった。
コンコン
「アリア、準備は出来たかい?」
ワイアット様が入って来たのだ。シルバーのタキシードに身を包んだワイアット様。赤いネクタイを付けている。もしかして、私の色をイメージしてくれている?そう思う程、私カラーになっている。
「あぁ、やっぱりよく似合っている。アリアは赤がとても似合うね」
「ワイアット様もシルバーのタキシード、とってもよく似合っていますわ」
本当に私の髪の色と一緒だ!でも、自分の色を身につけてくれると言うのは、悪い気はしない。
「さあ、そろそろ会場に向かおう」
差し出してくれたワイアット様の腕に手を回し、2人でパーティーの会場へと向かう。そう、今回の会場は王宮の大ホールだ。もちろん参加者も多いので、中庭も解放されている。
会場に向かうと、まずは控室に通された。陛下と王妃様、スカーレット様、さらに…なぜかカーター様までいる。
「どうして俺とアリアの婚約披露パーティーに、カーターがいるんだ!」
物凄く怖い顔で怒鳴りつけるワイアット様。
「ワイアット、落ち着きなさい!実はついにスカーレットとカーターが、正式に婚約を結んだんだ。それで、今回一緒にお披露目してしまおうという話になったんだ!」
「ふざけるな!!!今回は俺とアリアの大切な婚約披露パーティーなんだぞ!それなのにこいつらと合同なんて!そもそも、俺はスカーレットとカーターが正式に婚約した事を聞いていない!」
「落ち着いて、ワイアット。昨日急遽婚約を結ぶ事になったの!急だったから、ワイアットに話をする時間が無かったのよ!」
必死に陛下と王妃様がワイアット様をなだめている。当のスカーレット様は扇で口元を隠して、知らん顔をしている。それにしても、スカーレット様のドレスもかなりゴージャスだ。まるで事前に準備していたかの様に…
でも、もうこうなってしまったものは仕方ない。顔を真っ赤にして怒鳴り散らしているワイアット様を、何とかなだめないと。
「ワイアット様、落ち着いて下さい!こうなってしまったものは、もう仕方がありません。これ以上お客様を待たせる訳には行きませんわ。それに、私とワイアット様の婚約披露パーティーという事には変わりありませんし」
「アリア…あぁ、君はなんて優しいんだ!今回こいつらを乱入させてしまったのは、俺のミスだ。本当にごめん!」
そう言って頭を下げるワイアット様。
「頭を上げてください!私は何とも思っていませんわ!」
それにしても、ワイアット様はいつでも私の事を考えてくれている。そう思ったら、やっぱり心の中が温かくなった。この4ヶ月、本当にワイアット様には色々と助けられている。そのおかげで今カーター様を見ても、昔ほど辛くはない。
あれほどカーター様が好きだったのに、意外と私って薄情な人間なのかもしれないわね…
「アリアちゃん、ありがとう!とにかくこれ以上皆を待たせる訳にはいかないわ。さあ、行きましょう!」
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