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第34話:ワイアット様にあまり会えなくて寂しいです
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婚約披露パーティーを行ってから、1ヶ月が経った。ワイアット様も後2ヶ月もすれば卒業だ。生徒会長をしているワイアット様は、最近卒業に向け毎日の様に生徒会室にこもっている。その為学院にいる間も、あまりワイアット様と過ごすことが出来ない。
ただモカを始めとしたクラスの令嬢たちが、休み時間もお昼休みもずっと一緒に居てくれるので、寂しくはないはずなのだが…
「は~」
「ちょっと、目の前で大きなため息を付かないでくれる?」
今日もモカと一緒にお昼ご飯を食べているのだが、ついため息が漏れてしまう。今までならずっとワイアット様と一緒に食べていたのに。そう思うと、寂しくて仕方がないのだ。そんな私を見たモカが、王宮で作ってもらった私のお弁当をつまみながら文句を言っている。
「だって、今までずっとワイアット様と一緒だったのよ!それなのに、最近急にワイアット様が忙しくなってしまって!やっぱり会えないと寂しいものね…」
「アリアもやっと王太子殿下の事を好きになったのね。私から見ても、王太子殿下は物凄くアリアを大切にしてくれている事がよく分かるもの!あなたもきっと幸せになれるはずよ!」
「ありがとう、モカ。昔あなたが言っていたでしょう?“結局私達令嬢は、愛された方が幸せになれるのよ”って。今ならその意味がよく分かるわ!本当にあなたには感謝しているのよ。色々と協力してくれたり、アドバイスをくれたりしてありがとう。でもね、これ以上私のお弁当を食べないで!!!」
どさくさに紛れて、バクバク私のお弁当を食べるモカに一喝する。
「ごめんごめん、王宮のお料理ってどうしてこんなに美味しいのかしらね!つい手が止まらなくって!ちなみに、私は感謝される様な事はしていないわ。あなたが自分でカーター様への思いを断ち切り、王太子殿下を受け入れたのでしょう。それって結構心の葛藤も大きかったんじゃないの?辛い思いをした分、必ず幸せになってね」
そう言って笑ったモカ。
「ありがとう。モカも幸せになってね!そう言えば、アルフレッド様ってワイアット様のお友達らしいわね。せっかくだから、今度4人でお茶でもどう?まだ1年以上先だけれど、私たちも学院を卒業したら、それぞれ結婚するでしょう。結婚しても、やっぱりモカとは繋がっていたいし。今後はカップルぐるみで付き合っていくのはどうかしら?」
「カップルぐるみって…でも、いい考えね!今度アルフレッド様に相談してみるわ!」
そう言って再び私のお弁当をつまもうとしたモカを、すかさず阻止した。
そして放課後、ワイアット様が迎えに来てくれた。
「アリア、今日はずっと会えなくてごめんね!」
そう言って抱きしめてくれたワイアット様。
「正直寂しかったです。でも、こうやって会いに来てくれて嬉しいです!生徒会のお仕事はよろしいのですか?」
「実はまだ終わっていなくてね。申し訳ないが、1人で王宮に向かってもらえるだろうか?」
「そうですか…」
やっぱり今日も1人で王宮に向かうのか…つい寂しくてシュンとしてしまう。
「あぁ、俺の可愛いアリア、そんなに悲しそうな顔をしないでおくれ!そうだ、今日はアリアの好きなデザートを晩ご飯に準備させるつもりだから、楽しみにしておいて欲しい。晩ご飯までには俺も帰れるはずだから!ほら、馬車に早く乗らないと、王妃教育に遅れるよ」
そう言って馬車に乗せてくれたワイアット様。どうやら私を見送る為だけに、わざわざ来てくれた様だ。その事については嬉しいのだが、すぐに馬車を降りてしまったワイアット様を見るのは、やはり寂しい…
馬車が見えなくなるまで手を振ってくれるワイアット様。私もしっかり手を振り返す。王宮に着くと、早速王妃教育スタートだ。相変わらずスカーレット様が私を怒鳴りつけに来るため、私付きの護衛騎士が増やされた。そして私に少しでも近づこうとすると、すぐにどこかに連れていかれるスカーレット様。
「ちょっと、私は王女なのよ!何をするのよ!」
と暴れているが、ワイアット様の命令なので、もちろんスカーレット様の言う事を聞く事はない。私としては何とかスカーレット様と仲良くしたいのだが、どうやら完全に嫌われてしまっている様だ。
もしかしたら、無意識にスカーレット様に嫌な思いをさせてしまったかもしれない。そう思い一度謝罪したのだが
「悪いと思うなら、私の前から消えなさい!」
そう言われてしまったのだ。さすがに消えるのは無理なので、仲良くなる事は諦めて、そっとしておく事にした。
今日も無事王妃教育が終わったのだが、まだワイアット様は帰ってこない。とりあえず私の為に準備してくれた部屋で、ワイアット様の帰りを待つ。ワイアット様、早く帰ってこないかしら?そんな思いから、ずっと窓から外を眺める。
西側から、オレンジ色の美しい夕日の光が差し込む。なんて奇麗な夕日なのかしら。そう言えば、ペガサスと空の旅に行った時も、物凄く奇麗な夕日だったな。あの時は2人で夕日を見たのよね。
ワイアット様、早く帰ってこないかしら…
ただモカを始めとしたクラスの令嬢たちが、休み時間もお昼休みもずっと一緒に居てくれるので、寂しくはないはずなのだが…
「は~」
「ちょっと、目の前で大きなため息を付かないでくれる?」
今日もモカと一緒にお昼ご飯を食べているのだが、ついため息が漏れてしまう。今までならずっとワイアット様と一緒に食べていたのに。そう思うと、寂しくて仕方がないのだ。そんな私を見たモカが、王宮で作ってもらった私のお弁当をつまみながら文句を言っている。
「だって、今までずっとワイアット様と一緒だったのよ!それなのに、最近急にワイアット様が忙しくなってしまって!やっぱり会えないと寂しいものね…」
「アリアもやっと王太子殿下の事を好きになったのね。私から見ても、王太子殿下は物凄くアリアを大切にしてくれている事がよく分かるもの!あなたもきっと幸せになれるはずよ!」
「ありがとう、モカ。昔あなたが言っていたでしょう?“結局私達令嬢は、愛された方が幸せになれるのよ”って。今ならその意味がよく分かるわ!本当にあなたには感謝しているのよ。色々と協力してくれたり、アドバイスをくれたりしてありがとう。でもね、これ以上私のお弁当を食べないで!!!」
どさくさに紛れて、バクバク私のお弁当を食べるモカに一喝する。
「ごめんごめん、王宮のお料理ってどうしてこんなに美味しいのかしらね!つい手が止まらなくって!ちなみに、私は感謝される様な事はしていないわ。あなたが自分でカーター様への思いを断ち切り、王太子殿下を受け入れたのでしょう。それって結構心の葛藤も大きかったんじゃないの?辛い思いをした分、必ず幸せになってね」
そう言って笑ったモカ。
「ありがとう。モカも幸せになってね!そう言えば、アルフレッド様ってワイアット様のお友達らしいわね。せっかくだから、今度4人でお茶でもどう?まだ1年以上先だけれど、私たちも学院を卒業したら、それぞれ結婚するでしょう。結婚しても、やっぱりモカとは繋がっていたいし。今後はカップルぐるみで付き合っていくのはどうかしら?」
「カップルぐるみって…でも、いい考えね!今度アルフレッド様に相談してみるわ!」
そう言って再び私のお弁当をつまもうとしたモカを、すかさず阻止した。
そして放課後、ワイアット様が迎えに来てくれた。
「アリア、今日はずっと会えなくてごめんね!」
そう言って抱きしめてくれたワイアット様。
「正直寂しかったです。でも、こうやって会いに来てくれて嬉しいです!生徒会のお仕事はよろしいのですか?」
「実はまだ終わっていなくてね。申し訳ないが、1人で王宮に向かってもらえるだろうか?」
「そうですか…」
やっぱり今日も1人で王宮に向かうのか…つい寂しくてシュンとしてしまう。
「あぁ、俺の可愛いアリア、そんなに悲しそうな顔をしないでおくれ!そうだ、今日はアリアの好きなデザートを晩ご飯に準備させるつもりだから、楽しみにしておいて欲しい。晩ご飯までには俺も帰れるはずだから!ほら、馬車に早く乗らないと、王妃教育に遅れるよ」
そう言って馬車に乗せてくれたワイアット様。どうやら私を見送る為だけに、わざわざ来てくれた様だ。その事については嬉しいのだが、すぐに馬車を降りてしまったワイアット様を見るのは、やはり寂しい…
馬車が見えなくなるまで手を振ってくれるワイアット様。私もしっかり手を振り返す。王宮に着くと、早速王妃教育スタートだ。相変わらずスカーレット様が私を怒鳴りつけに来るため、私付きの護衛騎士が増やされた。そして私に少しでも近づこうとすると、すぐにどこかに連れていかれるスカーレット様。
「ちょっと、私は王女なのよ!何をするのよ!」
と暴れているが、ワイアット様の命令なので、もちろんスカーレット様の言う事を聞く事はない。私としては何とかスカーレット様と仲良くしたいのだが、どうやら完全に嫌われてしまっている様だ。
もしかしたら、無意識にスカーレット様に嫌な思いをさせてしまったかもしれない。そう思い一度謝罪したのだが
「悪いと思うなら、私の前から消えなさい!」
そう言われてしまったのだ。さすがに消えるのは無理なので、仲良くなる事は諦めて、そっとしておく事にした。
今日も無事王妃教育が終わったのだが、まだワイアット様は帰ってこない。とりあえず私の為に準備してくれた部屋で、ワイアット様の帰りを待つ。ワイアット様、早く帰ってこないかしら?そんな思いから、ずっと窓から外を眺める。
西側から、オレンジ色の美しい夕日の光が差し込む。なんて奇麗な夕日なのかしら。そう言えば、ペガサスと空の旅に行った時も、物凄く奇麗な夕日だったな。あの時は2人で夕日を見たのよね。
ワイアット様、早く帰ってこないかしら…
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