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第35話:今後についてワイアット様達と話し合います
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そろそろ夕食の時間に差し掛かった頃、やっとワイアット様が帰って来た。嬉しくて、つい飛びついてしまう。
「アリア、帰りが遅くなってごめんね。お腹が空いただろう。早速ご飯にしよう!」
「お帰りなさい、ワイアット様。私は大丈夫ですわ。それより遅くまでお疲れさまでした!」
本当に毎日毎日遅くまで大変そうだ!私に何か手伝えることがあると良いのだが、1学年下の私には残念ながら何もできない。とにかく後卒業までの2ヶ月間、極力ワイアット様に負担にならない様にしないと!
「ワイアット様、疲れていますよね。私が食事のお手伝いしますわ!ワイアット様はゆっくりしていてください!」
早速ワイアット様のすぐ隣に椅子を持ってきた。
「アリアが食べさせてくれるのかい?それは嬉しいな!」
そう言って口を開けたワイアット様。確かワイアット様は、最初はサラダから食べているわね。毎日見ていたワイアット様の食事風景を思い出しながら、料理を口に運んでいく。
「アリア、君もお腹が空いているだろう。ほら、口を開けて」
そう言って私の口に食べ物を入れてくれるワイアット様。これではただの食べさせあいだ…
「それではワイアット様の負担が変わりませんわ!私は後でゆっくり頂きますので、大丈夫です!」
そう伝えたものの
「俺はアリアに食べさせたいんだよ。アリアは俺の元気の源だからね」
そう言って、食べ物を運んでくれる。結局デザートまで食べさせ合いになってしまったが、まあいいか!
食後はいつものティータイム…かと思いきや
「大事な話があるんだ。ちょっと来てくれるかな?」
大事な話?一体なにかしら?
ワイアット様に連れられてきたのは、最初に婚約の話を聞いた時に利用した部屋だ。中に入ると、陛下と王妃様、さらに家の両親もいる。どうしたのかしら?とりあえずワイアット様と並んで座った。
「マーティン伯爵、夫人、わざわざ来ていただき、ありがとうございます。以前からお話していていた事を、そろそろ決めたくて今日はアリアも呼びました」
以前からのお話?一体何のことかしら?
「殿下、そのお話ですが、出来ればアリアには学院卒業までは伯爵家で過ごさせたいのです。私共にとっても、娘と過ごせる残り少ない時間でもあります!どうか卒業するまで、待っていて下さいませんでしょうか?」
「そうですか。やはり気持ちは変わりませんか!という事は、アリアの途中退学も承知いただけないとの事ですよね…」
えっ?途中退学?何の話をしているの?
「当たり前でしょう、ワイアット!いくら何でも、さすがにワイアットの我が儘が過ぎるわ!アリアちゃんにも学ぶ権利はあるのよ!それに、ご両親とも過ごしたいでしょうし!後1年ちょっとの事なのだから我慢しなさい!」
王妃様がワイアット様を叱っている。どうやら私にも関係がある事の様だが、当の私は完全に蚊帳の外だ。
「あの…一体何のお話ですか?」
いい加減私も話に入れて欲しい!
「あぁ、ごめんアリア。実は俺が卒業すると同時に、アリアを王宮で生活させようと思っていたのだが、伯爵から反対されていてね。それから、学院も俺の卒業に合わせて辞めてもらおうと思っているのだが、こちらも猛反対に合っているんだ…」
困った顔のワイアット様。なるほど。そんなお話が出ていたのね…
「アリアちゃん、あなたはどう思う?正直なあなたの気持ちを教えて!」
「私は…やっぱり皆と一緒に卒業したいです。確かにワイアット様が卒業してしまうと寂しくなりますが、私には辛い時必死に支えてくれた大切な友人たちがいます。そんな友人たちと、最後まで一緒に過ごしたいです。王宮での生活に関しては、スカーレット様の事もありますし、結婚してから住んだ方が良いかと…」
今でもスカーレット様には猛烈に嫌われているのだ。もし私が婚前前に王宮で生活を始めれば、きっと怒り狂うだろう。正直結婚するまでは、穏便に過ごしたい。それに家族とも一緒に過ごしたいしね。
「そういう事よ!ワイアット。とにかくアリアちゃんが卒業するまでは、我慢しなさい!」
「ごめんなさい、ワイアット様!でも王妃教育もあるし、毎日王宮には来ますわ!毎日会えますから」
唇を噛みしめ下を向いているワイアット様の手をそっと握り、自分の気持ちを伝えた。
「わかったよ、アリア。君の意見を尊重しよう!俺はもう後2ヶ月で卒業する。このネックレスを俺だと思って、ずっと肌身離さず持っていて欲しい!このネックレスが、君を守ってくれるはずだから」
ワイアット様に付けて貰ったネックレスは、大きなルビーが付いていた。そう、私たちの色だ。
「ありがとうございます。ずっと身につけていますね」
私の言葉を聞いて、寂しそうに笑うワイアット様。ずっと私の側で見守ってくれたワイアット様。せっかく色々と提案してくれたのに、すべて否定してしまった。その事が、なんだか申し訳なくて胸に突き刺さる。
「ワイアット様、あなた様がせっかく私の為に色々と考えて下さったのに、受け入れられなくてごめんなさい。でも、ワイアット様への気持ちは今でも変わらないので、その事だけは分かって欲しいです」
「ああ、分かっているよ!俺の方こそ、我が儘を言って困らせてごめんね!」
そう言ってギューッと抱きしめてくれるワイアット様。私も抱きしめ返した。やっぱりワイアット様に抱きしめられると落ち着くわ。
「それでは、私共は失礼いたします。ほら、アリア。帰ろう」
お父様とお母様と一緒に馬車に乗り込む。いつも1人だが、今日は両親も一緒だ。
「それではワイアット様、また明日」
ゆっくり動き出した馬車に向かって、大きく手を振ってくれるワイアット様。この瞬間が、最近物凄く切ない。もし私が王宮で暮らすことを承諾していたら、こんな風に切ない思いをする事も無くなるのだろう。
そう思ったら、王宮で生活する事を選んでもよかったのかもしれない。でも、今更訂正は出来ないわよね。それに何より、スカーレット様が嫌がるだろうし。後1年ちょっとの辛抱だし、何とかなるだろう。
「アリア、帰りが遅くなってごめんね。お腹が空いただろう。早速ご飯にしよう!」
「お帰りなさい、ワイアット様。私は大丈夫ですわ。それより遅くまでお疲れさまでした!」
本当に毎日毎日遅くまで大変そうだ!私に何か手伝えることがあると良いのだが、1学年下の私には残念ながら何もできない。とにかく後卒業までの2ヶ月間、極力ワイアット様に負担にならない様にしないと!
「ワイアット様、疲れていますよね。私が食事のお手伝いしますわ!ワイアット様はゆっくりしていてください!」
早速ワイアット様のすぐ隣に椅子を持ってきた。
「アリアが食べさせてくれるのかい?それは嬉しいな!」
そう言って口を開けたワイアット様。確かワイアット様は、最初はサラダから食べているわね。毎日見ていたワイアット様の食事風景を思い出しながら、料理を口に運んでいく。
「アリア、君もお腹が空いているだろう。ほら、口を開けて」
そう言って私の口に食べ物を入れてくれるワイアット様。これではただの食べさせあいだ…
「それではワイアット様の負担が変わりませんわ!私は後でゆっくり頂きますので、大丈夫です!」
そう伝えたものの
「俺はアリアに食べさせたいんだよ。アリアは俺の元気の源だからね」
そう言って、食べ物を運んでくれる。結局デザートまで食べさせ合いになってしまったが、まあいいか!
食後はいつものティータイム…かと思いきや
「大事な話があるんだ。ちょっと来てくれるかな?」
大事な話?一体なにかしら?
ワイアット様に連れられてきたのは、最初に婚約の話を聞いた時に利用した部屋だ。中に入ると、陛下と王妃様、さらに家の両親もいる。どうしたのかしら?とりあえずワイアット様と並んで座った。
「マーティン伯爵、夫人、わざわざ来ていただき、ありがとうございます。以前からお話していていた事を、そろそろ決めたくて今日はアリアも呼びました」
以前からのお話?一体何のことかしら?
「殿下、そのお話ですが、出来ればアリアには学院卒業までは伯爵家で過ごさせたいのです。私共にとっても、娘と過ごせる残り少ない時間でもあります!どうか卒業するまで、待っていて下さいませんでしょうか?」
「そうですか。やはり気持ちは変わりませんか!という事は、アリアの途中退学も承知いただけないとの事ですよね…」
えっ?途中退学?何の話をしているの?
「当たり前でしょう、ワイアット!いくら何でも、さすがにワイアットの我が儘が過ぎるわ!アリアちゃんにも学ぶ権利はあるのよ!それに、ご両親とも過ごしたいでしょうし!後1年ちょっとの事なのだから我慢しなさい!」
王妃様がワイアット様を叱っている。どうやら私にも関係がある事の様だが、当の私は完全に蚊帳の外だ。
「あの…一体何のお話ですか?」
いい加減私も話に入れて欲しい!
「あぁ、ごめんアリア。実は俺が卒業すると同時に、アリアを王宮で生活させようと思っていたのだが、伯爵から反対されていてね。それから、学院も俺の卒業に合わせて辞めてもらおうと思っているのだが、こちらも猛反対に合っているんだ…」
困った顔のワイアット様。なるほど。そんなお話が出ていたのね…
「アリアちゃん、あなたはどう思う?正直なあなたの気持ちを教えて!」
「私は…やっぱり皆と一緒に卒業したいです。確かにワイアット様が卒業してしまうと寂しくなりますが、私には辛い時必死に支えてくれた大切な友人たちがいます。そんな友人たちと、最後まで一緒に過ごしたいです。王宮での生活に関しては、スカーレット様の事もありますし、結婚してから住んだ方が良いかと…」
今でもスカーレット様には猛烈に嫌われているのだ。もし私が婚前前に王宮で生活を始めれば、きっと怒り狂うだろう。正直結婚するまでは、穏便に過ごしたい。それに家族とも一緒に過ごしたいしね。
「そういう事よ!ワイアット。とにかくアリアちゃんが卒業するまでは、我慢しなさい!」
「ごめんなさい、ワイアット様!でも王妃教育もあるし、毎日王宮には来ますわ!毎日会えますから」
唇を噛みしめ下を向いているワイアット様の手をそっと握り、自分の気持ちを伝えた。
「わかったよ、アリア。君の意見を尊重しよう!俺はもう後2ヶ月で卒業する。このネックレスを俺だと思って、ずっと肌身離さず持っていて欲しい!このネックレスが、君を守ってくれるはずだから」
ワイアット様に付けて貰ったネックレスは、大きなルビーが付いていた。そう、私たちの色だ。
「ありがとうございます。ずっと身につけていますね」
私の言葉を聞いて、寂しそうに笑うワイアット様。ずっと私の側で見守ってくれたワイアット様。せっかく色々と提案してくれたのに、すべて否定してしまった。その事が、なんだか申し訳なくて胸に突き刺さる。
「ワイアット様、あなた様がせっかく私の為に色々と考えて下さったのに、受け入れられなくてごめんなさい。でも、ワイアット様への気持ちは今でも変わらないので、その事だけは分かって欲しいです」
「ああ、分かっているよ!俺の方こそ、我が儘を言って困らせてごめんね!」
そう言ってギューッと抱きしめてくれるワイアット様。私も抱きしめ返した。やっぱりワイアット様に抱きしめられると落ち着くわ。
「それでは、私共は失礼いたします。ほら、アリア。帰ろう」
お父様とお母様と一緒に馬車に乗り込む。いつも1人だが、今日は両親も一緒だ。
「それではワイアット様、また明日」
ゆっくり動き出した馬車に向かって、大きく手を振ってくれるワイアット様。この瞬間が、最近物凄く切ない。もし私が王宮で暮らすことを承諾していたら、こんな風に切ない思いをする事も無くなるのだろう。
そう思ったら、王宮で生活する事を選んでもよかったのかもしれない。でも、今更訂正は出来ないわよね。それに何より、スカーレット様が嫌がるだろうし。後1年ちょっとの辛抱だし、何とかなるだろう。
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