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第81話:これでよかったのでしょうか?
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「リリアちゃんは、本当に優しい子なのね。レアにそっくりだわ。でも、随分と辛い思いをしたのでしょう?」
「確かに両親が亡くなってからは、辛い事もありました。ですが今は、とても幸せです。大切な友人も出来ましたし、何よりもゼルス様に出会えたのです。もし母が父と一緒に国を出ていなかったら、私がゼルス様と出会う事はなかったので。
ですからどうか、もうご自分たちを責めないで下さい。きっと母も、そんな事を望んでいませんわ」
きっとお母さんも、大切な親友と自分の母親が悲しんでいる姿なんて、見たくないだろう。
「リリアちゃんを見ていると、レアと話しているみたいな気持ちになるわ。こんなにもいい子を、レティは!レティ、あなたって子は!ゼルス隊長、リリアちゃん、娘が本当に申し訳ございませんでした。元クレーゼル侯爵夫人のおっしゃった通り、この国の法律にのっとり、娘を裁いて下さい。それだけの事を、この子はしたのですから」
「ちょっと待って、お母様。可愛い娘を売るのですか?こんな平民の為に」
「レティ、あなたは人の話を聞いていなかったの?リリアちゃんはクレッセル侯爵家の血を引く、正真正銘のお嬢様なのよ。とはいえ、大した罪にはならないでしょうから、自国に戻ったら一から再教育を受けさせていただきますわ。
そして、二度とこの国に足を踏み入れさせない様に、致しますので。この度は、本当に申し訳ございませんでした。さああなた達、レティを地下牢に連れていきなさい。ゼルス隊長、すぐに裁判にかける準備をお願いします」
「承知いたしました。すぐに手配をいたしましょう」
「ちょっと、お母様もゼルス様の酷いわ。助けて、お父様」
「妻の言う通り、お前のやった事は擁護できるものではない。しっかり地下牢で反省しなさい」
「そんな!嫌よ、誰か助けて」
泣き叫びながら、連れていかれたレティさん。さすがに少し可哀そうな気が…
「あの、さすがに可哀そうではありませんか。私は無事ゼルス様の元に戻れましたし、レティさんを裁判にかけるのは…」
「リリアちゃん、気持ちは有難いけれど、レティにはしっかり罪を償わせないといけないから。あの子はそれだけの事をしたのだから」
「夫人の言う通りだ。リリアは優しすぎる。それから父上、リリアはクレシレス王国の侯爵令嬢の娘でした。これで結婚を認めてくれますよね」
真っすぐゼルス様が彼のお父さんに向かって問いかけた。
「ああ、もちろんですよ。まさかあなた様が、クレッセル侯爵家の人間だっただなんて。どうか息子をよろしくお願いします。クレッセル侯爵、これからも末永くよろしくお願いしますね」
ゼルス様のお父様が、掌を返したようにすり寄って来たのだ。それでも私は、ゼルス様のお父様の役に立ててうれしく思っていたのだが、周りは違った様で…
「何をおっしゃっているのですか?姪の事を、レティ譲と一緒にあなたは平民だと言って、バカにしていましたよね。それなのに、私の姪だとわかった途端掌を返すだなんて。申し訳ないが、そんな男と仲良くするつもりはありませんよ。
ただ、ゼルスさんや元夫人とは、今後も仲良くさせて下さい。どうか姪の事を、よろしくお願いします」
「我がウレィシア伯爵家も、今度は元クレーゼル侯爵との取引は停止するよ。その代わり、ゼルス殿がもし元侯爵家を継ぐことがあれば、その時改めて取引を再開させたいと考えております。とはいえ、リリア嬢には娘が多大なるご迷惑をおかけしたため、しっかり慰謝料は支払わせていただきます。今後はぜひ我が家とも、仲良くしてください」
「そんな…せっかくクレッセル侯爵家に近づけると思ったのに。その上、ウレィシア伯爵家との取引も向こうになるだなんて」
フラフラと倒れてしまったゼルス様のお父様。
よほどショックだったのだろう。完全に気絶している。この人、これから大丈夫かしら?
「確かに両親が亡くなってからは、辛い事もありました。ですが今は、とても幸せです。大切な友人も出来ましたし、何よりもゼルス様に出会えたのです。もし母が父と一緒に国を出ていなかったら、私がゼルス様と出会う事はなかったので。
ですからどうか、もうご自分たちを責めないで下さい。きっと母も、そんな事を望んでいませんわ」
きっとお母さんも、大切な親友と自分の母親が悲しんでいる姿なんて、見たくないだろう。
「リリアちゃんを見ていると、レアと話しているみたいな気持ちになるわ。こんなにもいい子を、レティは!レティ、あなたって子は!ゼルス隊長、リリアちゃん、娘が本当に申し訳ございませんでした。元クレーゼル侯爵夫人のおっしゃった通り、この国の法律にのっとり、娘を裁いて下さい。それだけの事を、この子はしたのですから」
「ちょっと待って、お母様。可愛い娘を売るのですか?こんな平民の為に」
「レティ、あなたは人の話を聞いていなかったの?リリアちゃんはクレッセル侯爵家の血を引く、正真正銘のお嬢様なのよ。とはいえ、大した罪にはならないでしょうから、自国に戻ったら一から再教育を受けさせていただきますわ。
そして、二度とこの国に足を踏み入れさせない様に、致しますので。この度は、本当に申し訳ございませんでした。さああなた達、レティを地下牢に連れていきなさい。ゼルス隊長、すぐに裁判にかける準備をお願いします」
「承知いたしました。すぐに手配をいたしましょう」
「ちょっと、お母様もゼルス様の酷いわ。助けて、お父様」
「妻の言う通り、お前のやった事は擁護できるものではない。しっかり地下牢で反省しなさい」
「そんな!嫌よ、誰か助けて」
泣き叫びながら、連れていかれたレティさん。さすがに少し可哀そうな気が…
「あの、さすがに可哀そうではありませんか。私は無事ゼルス様の元に戻れましたし、レティさんを裁判にかけるのは…」
「リリアちゃん、気持ちは有難いけれど、レティにはしっかり罪を償わせないといけないから。あの子はそれだけの事をしたのだから」
「夫人の言う通りだ。リリアは優しすぎる。それから父上、リリアはクレシレス王国の侯爵令嬢の娘でした。これで結婚を認めてくれますよね」
真っすぐゼルス様が彼のお父さんに向かって問いかけた。
「ああ、もちろんですよ。まさかあなた様が、クレッセル侯爵家の人間だっただなんて。どうか息子をよろしくお願いします。クレッセル侯爵、これからも末永くよろしくお願いしますね」
ゼルス様のお父様が、掌を返したようにすり寄って来たのだ。それでも私は、ゼルス様のお父様の役に立ててうれしく思っていたのだが、周りは違った様で…
「何をおっしゃっているのですか?姪の事を、レティ譲と一緒にあなたは平民だと言って、バカにしていましたよね。それなのに、私の姪だとわかった途端掌を返すだなんて。申し訳ないが、そんな男と仲良くするつもりはありませんよ。
ただ、ゼルスさんや元夫人とは、今後も仲良くさせて下さい。どうか姪の事を、よろしくお願いします」
「我がウレィシア伯爵家も、今度は元クレーゼル侯爵との取引は停止するよ。その代わり、ゼルス殿がもし元侯爵家を継ぐことがあれば、その時改めて取引を再開させたいと考えております。とはいえ、リリア嬢には娘が多大なるご迷惑をおかけしたため、しっかり慰謝料は支払わせていただきます。今後はぜひ我が家とも、仲良くしてください」
「そんな…せっかくクレッセル侯爵家に近づけると思ったのに。その上、ウレィシア伯爵家との取引も向こうになるだなんて」
フラフラと倒れてしまったゼルス様のお父様。
よほどショックだったのだろう。完全に気絶している。この人、これから大丈夫かしら?
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