転生公爵令嬢は悲劇の運命しかない推しを守りたい!

Karamimi

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番外編

ファーム王国で一番高い山の中にある湖に行きます【後編】

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早速クラウド様に馬から降ろしてもらうと、湖の側に近づこうとしたのだが…なぜかクラウド様に、がっちり腕を掴まれている。

「ミレニア、湖に落ちたら大変だからね。いいかい?僕から極力離れてはいけないよ!」

「さすがに湖に落ちたりしませんわ!」

そう訴えたのだが…

「何を言っているんだ!船から落ちそうになったり、落馬しそうになったりしただろう!とにかく僕から離れない様に!分かったね!」

確かに馬から落ちそうになったけれど、船からは落ちそうになっていないわ。ただ海を覗こうとしただけだ。でも、物凄く笑顔でこちらを見ているクラウド様、さすがに怖くて逆らえない…

「随分とクラウド殿下は、ミレニア様を束縛していらっしゃるのね。お可哀そうなミレニア様」

「また君か!ミレニアはここに来るまで、何度か危ない目に合ってきているんだ!僕だって、ただミレニアを束縛している訳ではない!これもミレニアを守る為なんだよ!」

物凄い勢いでソフィー様に詰め寄るクラウド様。

「もう、分かりましたわ!ミレニア様、あっちにボートがありますの。一緒に乗りましょう」

私の腕を掴んで走り出すソフィー様。

「コラ、勝手に行くな!僕も一緒に乗る!」

結局4人でボートに乗る事になった。それにしても、奇麗に湖だ。クラウド様とマシュー様がボートをゆっくりと漕いでくれている。

「見て、あそこに大きな赤い鳥がいますわ!」

人間位はあろうかという大きな赤い鳥。あんな鳥、今まで見た事が無い。

「あれは、レッドバードと呼ばれている鳥ですわ。炎の様に真っ赤なのでそう呼ばれています。ただ物凄く大人しい鳥なので、襲って来る事はありませんから安心して下さい」

レッドバードか。やっぱり初めて聞く名前の鳥だ。

「ねえ、ソフィー様。あの空を飛んでいる大きな鳥はなんですの?」

体長2mはあると思われる大きな鳥が、上空を飛んでいる。恐竜?そう見間違うくらい大きい。

「あれはビッグバードですわ。大きいけれど、草食系なので安全です」

「それにしても、本当に珍しい鳥が沢山いるのね。びっくりしちゃったわ」

「そうでしょう!この山には色々な動物が生息していますの。ほら、魚もたくさんいますのよ」

そう言って湖を指さすソフィー様。すかさず覗こうとした私の腕を引っ張ったのは、クラウド様だ。

「ミレニア、むやみに身を乗り出しては危ないと、何回も言っているだろう!」

また怒られてしまった。それにしても、クラウド様は少し過保護だ。

ゆっくり湖をボートで回った後は、お待ちかねのお昼だ。早速お弁当を広げた。

「クラウド様、沢山卵焼きを作ったので、食べてくださいね」

そう言って、早速クラウド様の口の中に卵焼きを放り込む。

「久しぶりに食べるミレニアの卵焼き、本当に美味しいよ!」

そう言って嬉しそうに卵焼きを頬張るクラウド様。隣ではソフィー様がマシュー様にお弁当を食べさせていた。こっちも負けていられないわね!早速もう1つ卵焼きをクラウド様の口に入れようとした時だった。

「キューキュー」

可愛らしい鳴き声が聞こえた。ふと足元を見ると、卵ぐらいの大きさのフワフワした動物が数匹集まっていた。

「まあ、なんて可愛いのかしら!あなた達も卵焼きを食べたいの?」

「キューキュー」

今返事をしてくれたわ!!こんなにも可愛らしい生き物は見た事が無い。

「ソフィー様、この可愛らしい子に、卵焼きをあげてもいいのかしら?」

「この子達は、モルビッテという動物ですわ。雑食なので、卵焼きをあげても大丈夫ですよ」

ソフィー様から許可が下りたので、早速卵焼きを小さくちぎってあげた。物凄い勢いで食べるモルビッテ達。

「へ~、食べているね!可愛い。僕もあげてもいいかな?」

「もちろんですよ、クラウド様」

クラウド様に卵焼きを手渡した。

早速モルビッテに卵焼きをあげるクラウド様。すると、どこからともなく、モルビッテが集まって来た。ソフィー様とマシュー様もお弁当のおかずをあげている。

すると、1匹のモルビッテが私の体に登って来た。なんて可愛いのかしら!手の平に乗せると、小さな手で顔を洗うような仕草をしている。可愛い!可愛すぎる!この子、連れて帰っても良いかしら?

そう思っていたのだが、食事が終わるとさっさと山に戻って行ったモルビッテ達。もちろん、私の手に乗っていた子も帰って行った。残念…

食後はゆっくり山を散策した。中には人食い花という大きな花が咲いており、あの花に近づくと、食べられるらしい。すかさずクラウド様が、絶対に近づかない様にと私の腕をがっちり掴んでいた。

さすがに人食い花には近づいたりしないわ。私だって命は惜しいもの。

「そろそろ帰りましょうか?あまり遅くなると危険ですので」

確かにもう日が沈みかけていた。もう少し森を散策したかったが、仕方ない。

「ミレニア、見てごらん。奇麗な夕日だよ」

クラウド様が指さした方を見ると、空が真っ赤に染まっていた。

「本当ですね。なんて奇麗なのかしら」

「確かに奇麗だな。こうやってまた4人で同じ景色を見られるなんて。クラウド、ミレニア。ファーム王国に来てくれてありがとう」

「兄上…僕も兄上たちとまた同じ景色が見られて、嬉しいです。ほら、ブレスレットもちゃんと付けていますよ」

そう言ってブレスレットを見せたクラウド様。ソフィー様とマシュー様も嬉しそうにブレスレットを見ている。

それぞれ別々の国で生活している私たちが、今この瞬間、この美しい景色を一緒に見られたのは奇跡なのかもしれない…
そう思ったら、胸が熱くなった。

「さあ、そろそろ帰ろう。それから、明日は4人で街に行こう!いいだろう?ソフィー、クラウド!」

「「もちろん(だよ)」」

何だかんだで、やっぱり私たちは4人一緒がいい!そう改めて思ったミレニアだった。
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