助けた青年は私から全てを奪った隣国の王族でした

Karamimi

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第1話:全てを奪われました

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「フローラ、今日はあなたの6歳の誕生日ね。おめでとう!」

「「「おめでとう、フローラ!」」」」

「ありがとう!」

大好きな両親、4つ上のお兄様、2つ上のお姉様に祝われ、今日で6歳になった。公爵家の料理人が腕によりをかけて作ってくれた料理を頬張りながら、家族と一緒に食事をする。

この幸せは、これからもずっと続くと思っていた。でも…

バァァァン

「ダィーサウ公爵並びにその家族を、国家反逆罪で逮捕する!今から連行する!ついて来い!」

楽しいはずの誕生日パーティーに突如やって来たのは、王宮配下の騎士団員たちだ。

「待ってくれ!国家反逆罪とは一体どういう事だ!何かの間違いだ!とにかく話を聞いてくれ!」

「黙れ!とにかく地下牢へ!」

訳が分からないまま、地下牢に押し込まれる私達。一体何が起こったのだろう…恐怖でお母様に抱き着いた。

「大丈夫よ!きっとすぐに出られるわ。だって私たちは何もしていないのだもの」

そう言って優しく声を掛けてくれるお母様。隣でお兄様とお姉様も不安そうな顔をしている。

しばらくして、取り調べが終わったお父様が戻って来た。

「あなた、どうだったの?」

「どうやら、フェザー公爵に嵌められたようだ…ありもしない罪を次々と上げられたよ!とにかく陛下には再度調査する様頼んだ。大丈夫だ!きっとすぐに出られる!」

私たちを安心させる様にそう言ったお父様。でも結局、私たちの罪は覆る事は無かった。それどころか、ろくに調査をされないまま、有罪の判決を受けたのだ。そして両親とお兄様は処刑、私とお姉様は国外追放が決まった。

両親とお兄様が処刑される日
「イヤ!お願い、お父様とお母様、お兄様を殺さないで!」

そう必死に叫んだが、もちろん聞き入れられる事はない。両親とお兄様は縄で縛られ、牢から連れ出された。その時の絶望に満ちた3人の顔を、私は決して忘れない。

そして翌日、私とお姉様も牢から出され、国外へと向かう馬車に乗せられた。馬車と言っても、いつも乗っている様な馬車ではなく、家畜を移動する様なお粗末な馬車だ。

3日間かけて、隣国に向かう。食事は1日1回。小さなパンが与えられるだけだ。

「フローラ、そんな小さなパンだけでは足りないでしょう?私のも食べて」

そう言って私にパンをくれるお姉様。

「ありがとう、でも大丈夫よ。私はお姉様より体が小さいから、食べる量も少しで足りるもの」

そう伝えた。さらに今の季節は冬。外は雪が舞い散り、馬車の中にも入って来る。寒くてお姉様と身を寄せ、必死に寒さをしのぐ。もちろん防寒具など与えられていない私たちは、いつ命を落としてもおかしくない状況だ。

そしてやっと目的地でもあるドミスティナ王国に着いた。ただ、ここは森だ。こんな場所に降ろされたら、野垂れ死んでしまう。

「お願いです、せめて街で降ろしてください!」

そう訴えたものの

「うるさい!ここまで連れて来てやっただけでもありがたく思え!この犯罪者共が!」

そう言って馬車から蹴り落された。

仕方ない、歩いて街まで向かおう。そう思ったのだが、元々体が弱かったお姉様。寒さと空腹で、もうほとんど身動きが取れない状況になっていた。

「お姉様!しっかりして!」

「フロー…ラ。私は良いから…あなただけでも森を抜けて…」

「イヤよ!お姉様も一緒じゃなきゃイヤ!」

もう私にはお姉様しかいない!お姉様を失ったら、私はどうやって生きて行けばいいの?必死にお姉様にすり寄る。でも次の瞬間、目を閉じ動かなくなったお姉様。

「イヤ!お姉様、起きてよ!お願い、目を覚まして!!」

その時だった。

「どうしたんだい?こんな森の中で!大丈夫かい?」

声を掛けて来たのは、中年の女性だ。

「お姉様が…お姉様が…」

泣きじゃくる私を見て、急いでお姉様の元に駆けよる女性。

「とにかく家に運ぼう!あんたもついておいで!」

女性がお姉様をおんぶし、私も後を付いて行く。女性がすぐにお医者様を呼んでくれたが、手遅れだった様だ。

「お姉様!!お姉様!!」

お姉様にすがって泣く私の背中を優しくさすってくれる女性。その後女性と一緒に、近くにお姉様を埋葬した。

「ごめんね。私がもっと早くあそこを通っていれば…」

そう言って涙を流している女性。いいえ、この人のせいではないわ。お姉様を殺したのは、フェザー公爵とアペルピスィ王国の王族共よ。お姉様だけじゃない!お父様やお母様、お兄様、そして私たちが幸せに暮らす権利、全てを奪ったのはあいつらだ!

ここに来て、初めて言いようのない怒りと憎しみが沸き上がる。でも…今の私にはどうする事も出来ない。

「あんた、フローラと言ったね。これからどうするつもりだい?もしよかったら、この家で一緒に暮らさないかい?実は私もこの家で1人暮らしをしているんだ。だから遠慮はいらないよ」

そう言ってくれた女性。女性の名前は、カミラさんと言う様だ。6歳の私が、誰かの手助けを受けずに生きていく事は不可能。こうなったら何が何でも生き残ってやる!両親やお兄様、お姉様の分も!

そう決意したフローラは、カミラさんのお世話になる事にしたのであった。



~あとがき~
新連載始めました。
少し切ないお話です。
よろしくお願いしますm(__)m
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